最終更新日:2022/01/31
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概要
対象年度 年度 2022 (週1コマ)春期 開講時限 木1
開講学部・学科等 理工
科目コード 641006200 科目ナンバー
授業名 工業熱力学A
英文授業名 Industrial Thermodynamics A
担当教員 大髙 敏男

授業形態 講義
e-learning利用 manaba その他:
担当形態 単独
関連する授業 機械工学系の基礎的な4力学の一つであり、DPにおける「基礎知識」の必携科目である。
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
高校物理Ⅱ
後続関連授業 伝熱工学,冷凍および空調,環境工学,自動車工学
教職課程科目 教科に関する科目
テーマ・キーワード 工学単位、有効数字と精度、温度、エネルギー、エネルギー変換

授業の概要・ねらい 熱力学の基礎知識を解説する。教科書に沿って授業を行う。内容には、温度、エネルギーの概念、熱力学の4つの法則、及び実際の問題における熱力学的考え方への取り組みを含む。
高学年において履修する必要のある工学的問題すべてへの取り組みについて、エネルギーを題材に初歩的な技術者としてセンスを習熟することを授業のねらいとしている。
授業の内容をその日の試験として問題を解くことで実際に近い問題の理解力と問題に対する処理能力を養成する。
受講には、高等学校までに修得した基本的な数学の能力を必要とする。特に、対数と指数の取り扱いができること。また、数式中の文字の意味を把握する能力が必要。また、物理の基本的な知識が必要となる。
到達目標 ・エネルギーに関する単位、単位変換ができ、熱の3つの法則が説明できる。
・理想気体について理解し、状態変化による内部エネルギー・仕事・状態量の計算ができる。
・エントロピの意味を理解し、エントロピや自由エネルギーについて説明できる。
・熱サイクルの計算ができる
教科書と準備するもの 斎藤、小泉著、 「工業熱力学」、 共立出版
教科書・ノートの他に、関数電卓、グラフ用紙、授業内テスト解説ファイルを用意すること。関数電卓はプログラムが組めるものが最適、通信機能を持つものは不可。タブレット、スマフォは小テストでの使用はできないので、注意が必要。
参考書 1. 吉田幸司ほか、基礎から学ぶ熱力学、オーム社
2. Yunus A Cengel,Micheal A Boles著、 図解基礎熱力学、オーム社
3. JSMEテキストシリーズ「熱力学」、日本機械学会
評価の基準 毎時間に小テストを実施して理解度をチェックする。
授業の進行速度は、原則として成績上位グループを基準にする。
しかし、理解率が悪いときには授業の進行を遅めて丁寧に行う。受講態度として、私語、内職、睡眠は授業妨害もしくは受講拒否として厳しく評価する。
到達目標である①熱力学の3つの法則、②理想気体、③エントロピの理解、④サイクルを理解していることが条件で初歩的な問題を解けることが成績評価の視点となる。
具体的評価方法 期末試験に加えて、毎時間の授業内テストの合計で評価する。
毎回のテストでは解説が配布されるので次の時間までに自分の解答と比較して再度の出題に備える必要がある。
期末テストは、教科書・ノートの持ち込みは不可である。
授業態度 15%、授業内試験+期末試験 85% 程度を割り振る。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
授業が厳しい,試験が難しいという意見があります.一方,授業内の解説は理解しやすいという意見もあります.
多くの場合,自分自身での学習を進めれば解決するはずであるので頑張ってください.私語や態度不良に対しては罵倒する程の厳しい態度で臨みますので、君たちの中には厳しい授業評価をする者もいると思いますが真剣に講義するので真剣に受講することを強く望みます。
単位互換 世田谷6大学コンソーシアム
首都圏西部単位互換
特記 教職員は,何時でも担当教員の許可無く授業参観することができます.

授業計画
第1回 内容
熱とは、熱力学で使う単位や諸量の基礎、予習として高校物理で学習した速度、加速度、力、エネルギー、運動量などの公式と単位を予習してくること。
授業時間外における学修(予習・復習等) 「復習」熱力学で用いるISO単位と生活単位の関係と変換
「予習」単位変換、高等学校物理のなかのエネルギーの単位。
授業実施特記 授業内小テスト
第2回 内容
熱と分子・原子の運動。
授業時間外における学修(予習・復習等) 「復習」物質のエネルギーの計算式。位置、運動エネルギーの意味、共通点
「予習」単位変換、高等学校物理のなかのエネルギーの単位の再度学習。特に比熱の意味、温度の種類について予習してくること。
授業実施特記 授業内小テスト
第3回 内容
力学エネルギと熱エネルギ、ジュールの実験
授業時間外における学修(予習・復習等) 「復習」圧力と運動量、熱とエネルギーの違いと計算方法
「予習」エネルギーの変換。熱力学の第ゼロ法則、
授業実施特記 授業内小テスト
第4回 内容
熱力学の第一法則。エネルギの出入りと蓄積について、収入支出に比較して解説。
授業時間外における学修(予習・復習等) 「復習」章末の問題を解く
「予習」系に出入りするエネルギーの符号と出入りの向きの関係
授業実施特記 授業内小テスト
第5回 内容
理想気体の状態方程式。ボイルシャルルの法則
授業時間外における学修(予習・復習等) 「復習」体積、温度、そして、圧力の意味
「予習」授業内試験を解き直しておくこと。解説の式の意味を把握する。出題問題を理解できるように、例題を解いておくこと。
授業実施特記 授業内小テスト
第6回 内容
大変重要な授業:理想気体の状態変化(その1)。
授業時間外における学修(予習・復習等) 「復習」等○変化という言葉の式に表す方法、等圧変化、等容変化、等温変化について変化前後の値を求めることができるように。
「予習」理想気体の方程式
授業実施特記 授業内小テスト
第7回 内容
大変重要な授業:理想気体の状態変化(その2:断熱変化)。
授業時間外における学修(予習・復習等) 「復習」変化における、熱の出入り、仕事の出入りを理解すること
「予習」理想気体の3つの変化について、予習をしておくこと。
授業実施特記 授業内小テスト
第8回 内容
熱力学の第二法則(その1)
授業時間外における学修(予習・復習等) 「復習」エントロピーの計算方法。エントロピが保存量ではないことの理解。
「予習」断熱変化とはどのような変化か教科書を読んでくること。
授業実施特記 授業内小テスト
第9回 内容
熱力学の第二法則(その2)
授業時間外における学修(予習・復習等) 「復習」エントロピーを熱エネルギの重要な評価に入れる意味
「予習」エントロピと温度の積はどう用いるを学習
授業実施特記 授業内小テスト
第10回 内容
カルノーサイクル
授業時間外における学修(予習・復習等) 「復習」最高熱効率とはなぜ最高なのか
「予習」カルノーサイクルの実現方法、カルノーとはどんな人
授業実施特記 授業内小テスト
第11回 内容
エンタルピとエントロピ
授業時間外における学修(予習・復習等) 「復習」エントロピの意味を再度
「予習」第6,7,8回で学習したことの計算に習熟すること
授業実施特記 授業内小テスト
第12回 内容
有効エネルギーと自由エネルギー
授業時間外における学修(予習・復習等) 「復習」有効エネルギーとは?、自由エネルギーとは?その違いを覚える
「予習」エントロピは消散を表すが、その意味を教科書から理解しておく
授業実施特記 授業内小テスト
第13回 内容
理想気体のサイクル
授業時間外における学修(予習・復習等) 「復習」内燃機関の熱サイクルの違い、ガスタービンサイクルについての課題を考える
「予習」保存方程式と定常状態の中での変化する現象の記述の中でサイクルとは何か。
授業実施特記 授業内小テスト
第14回 内容
内燃機関のサイクル
授業時間外における学修(予習・復習等) 「復習」オットー、ジーゼル、サバテの各サイクルについて違いを学習
「予習」スターリング、ブレイトンの各サイクルの構成を読み、効率計算ができること
授業実施特記 授業内小テスト
第15回 内容
第1回から14回までの授業を振り返り、再度理解を必要とする項目について講義する。また、この工業熱力学Aに続く工業熱力学Bの概略も説明する
授業時間外における学修(予習・復習等) 「復習」熱サイクル
「予習」授業内で示された期末テストの出題範囲について、授業内小テストの解説を再度復習することでテストの備える
授業実施特記 授業内小テスト