授業の概要・ねらい |
将来、エンジニアを目指す学生にとって、材料の特性、構造、処理とパフォーマンスの関係を理解することは重要である。機械や構造物を製作する上で必要な材料の基本的性質について理解することは必須であり、私たちの生活に大きな影響を与え、社会成長、生活の質向上を大きく促す。そのため、機械材料に対する学びは避けて通ることができない。
本授業の内容は材料の基本特性、鉄鋼材料の基礎、金属材料および非金属材料、材料の構造、材料の性質、複合材料、機能材料、熱処理方法などである。特に金属材料を中心に授業を行い、航空機、ロボット、自動車、電子機器を含む機械や装置の設計と製作に必要となる材料の性質についての知識を学ぶ。また、その内容ついて正しく理解し、鉄鋼材料や非鉄金属の特性および用途等を説明でき、用途に合わせた材料の選択ができるようになることがこの授業のねらいである。 |
到達目標 |
A.機械材料工学の基礎知識を習得できる。
B.材料の機械的性質および鉄、非鉄金属の特性を理解できるようになる。
C.適切な機械材料の選択能力を身に着けられる。
D.様々なアプリケーションで特定の材料が使用される理由を論述するようになる。 |
教科書と準備するもの |
矢島悦次郎・市川理衛・古沢浩一・宮崎 亨・小坂井孝生・西野洋一 著:若い技術者のための機械金属材料,(2017),丸善出版 (ISBN-13:978-4621301241) |
参考書 |
荘司 郁夫・小山 真司・井上 雅博・山内 啓・安藤 哲也:機械材料学, (2014), 丸善出版(ISBN-13: 978-4621088401)
日本機械学会編:機械材料学(JSMEテキストシリーズ),(2008), 日本機械学会(ISBN-13: 978-4888981699) |
評価の基準 |
1.機械材料工学の基礎知識が身についている。
2.材料の性質について説明することができる。
3.金属材料の熱・機械的性質を説明することができる。
4.鉄鋼材料、非鉄金属の特性および用途等を説明できる。 |
具体的評価方法 |
・ショートテストおよびレポ-ト(授業時)による評価(50%)、定期試験(期末)による評価(50)%で評価する。
・授業内での発言や授講態度、課題やレポートの提出状況等も含め総合的判断する。 |
第1回 |
内容
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「ガイダンス」 授業の進め方について説明する。 「機械材料と材料学の意義」 授業構成についてのガイダンス、および材料と金属の歴史について解説する。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
[予習項目]シラバスを読んで、機械と材料」について考えておくこと。材料の歴史についても調べておくこと。(所要時間120分) [復習項目]材料と金属の歴史についてまとめること。(所要時間120分) |
授業実施特記 |
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第2回 |
内容
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「材料の構造」 原子の構造と結合、金属の結晶構造、ミラー指数について解説する。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
[予習項目]材料、特に金属の結晶構造について調べておくこと。(所要時間120分) [復習項目]・授業内テストのフィードバック(テスト問題の再解答) ・金属の結晶構造についてもとめること。(所要時間120分) |
授業実施特記 |
授業内小テスト |
第3回 |
内容
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「材料の一般的性質」 材料の機械的性質とその評価方法、材料の強度、引張試験、硬さ試験、衝撃試験について解説する。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
[予習項目]材料の機械的性質について調べておくこと。(所要時間120分) [復習項目]・授業内テストのフィードバック(テスト問題の再解答) ・SS400(一般構造用圧延鋼材)と純アルミニウムの機械的性質についてまとめること。(所要時間120分) |
授業実施特記 |
授業内小テスト |
第4回 |
内容
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「材料の製造と加工」 代表的な素形材の製造法および加工法について概説し、金属および合金の凝固と金属組織の関係、金属組織および機械的性質へ加工プロセスが及ぼす影響について解説する。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
[予習項目]材料の様々な製造法について調べておくこと。(所要時間120分) [復習項目]・授業内テストのフィードバック(テスト問題の再解答) ・金属および合金の凝固、また鋳造および鍛造加工の基礎についてまとめること。(所要時間120分) |
授業実施特記 |
授業内小テスト |
第5回 |
内容
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「塑性変形および破壊」 結晶の変形・すべりと転位、それによる塑性変形について解説する。また、ぜい性破壊と延性破壊の特徴について解説する。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
[予習項目]材料の塑性変形、また材料の破壊の種類について調べておくこと。(所要時間120分) [復習項目]・授業内テストのフィードバック(テスト問題の再解答) ・弾性変形および塑性変形の違い、また延性破壊と脆性破壊の違いについてまとめるること。(所要時間120分) |
授業実施特記 |
授業内小テスト |
第6回 |
内容
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「鉄鋼材料 その1」 炭素鋼および合金鋼の状態図と組織について解説する。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
[予習項目]鉄鋼材料と鋼の状態図について調べておくこと。(所要時間120分) [復習項目]・授業内テストのフィードバック(テスト問題の再解答) ・鋼の状態図と変態、まとめること。(所要時間120分) |
授業実施特記 |
授業内小テスト |
第7回 |
内容
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「鉄鋼材料 その2」 鋼の種類とその特性、鋳鉄および鋳鋼について解説する。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
[予習項目]鉄と鋼の違い、また鋼の種類について調べておくこと。(所要時間120分) [復習項目]・授業内テストのフィードバック(テスト問題の再解答) ・鉄と鋼の違いまたそれぞれの強度についてまとめること。(所要時間120分)
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授業実施特記 |
授業内小テスト |
第8回 |
内容
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「材料の熱処理」 鋼の熱処理理論の基礎(変態、溶体化、再結晶)、主な熱処理法(焼入れ、焼き戻し、焼きならし、焼きなまし)、熱処理前後の組織、材料の機械的性質に及ぼす熱処理組織の影響について解説する。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
[予習項目]鋼の熱処理の種類について調べておくこと。(所要時間120分) [復習項目]・授業内テストのフィードバック(テスト問題の再解答) ・熱処理の基礎、特に鋼の熱処理についてまとめること。(所要時間120分) |
授業実施特記 |
授業内小テスト |
第9回 |
内容
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「合金の平衡状態図」 状態図の基礎(相律、二元合金状態図、鉄-炭素合金状態図、アルミニウム-銅合金状態図)について解説する。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
[予習項目]合金の平衡状態図また金属の相平衡と相変態について調べておくこと。(所要時間120分) [復習項目]・授業内テストのフィードバック(テスト問題の再解答) ・状態図の基礎、特にFe-C 状態図についてまとめること。(所要時間120分) |
授業実施特記 |
授業内小テスト |
第10回 |
内容
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「非鉄金属材料 その1」 アルミニウム、銅とそれら合金について解説する。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
[予習項目]鉄鋼と非鉄鋼材料の違いについて調べておくこと。(所要時間120分) [復習項目]・授業内テストのフィードバック(テスト問題の再解答) ・非鉄鋼材料特にアルミニウムの特性についてまとめること。(所要時間120分) |
授業実施特記 |
授業内小テスト |
第11回 |
内容
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「非鉄金属材料 その2」 マグネシウム、チタンおよびそれら合金について解説する。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
[予習項目]チタン合金またマグネシウム合金とそのアプリケーションについて調べておくこと。(所要時間120分) [復習項目]・授業内テストのフィードバック(テスト問題の再解答) ・純チタンまたチタン合金の特性とそれらの応用についてまとめること。(所要時間120分) |
授業実施特記 |
授業内小テスト |
第12回 |
内容
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「その他非鉄材料、複合材料、機能材料」 セラミックス、ポリマー、プラスチック、繊維強化プラスチック材料、形状記憶合金、超塑性合金について解説する。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
[予習項目]複合・機能材料の創製について調べておくこと。(所要時間120分) [復習項目]・授業内テストのフィードバック(テスト問題の再解答) ・複合材料の基礎について、また金属基複合材料についてまとめる。(所要時間120分) |
授業実施特記 |
授業内小テスト |
第13回 |
内容
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「材料の接合法」 溶接の基礎とその他接合法、異種材の接合法など新しい接合法について解説する。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
[予習項目]接合また溶接の種類について調べておくこと。(所要時間120分) [復習項目]・授業内テストのフィードバック(テスト問題の再解答) ・溶接の書類についてまとめること。(所要時間120分) |
授業実施特記 |
授業内小テスト |
第14回 |
内容
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「材料の強化法および表面処理」 材料の強化法のまとめ、加工プロセス・熱処理による材料強化の原理の振り返り、合金による強化の基礎、表面処理による強化について解説する。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
[予習項目]金属の表面改質技術について調べておくこと。(所要時間120分) [復習項目]・授業内テストのフィードバック(テスト問題の再解答) ・金属の表面処理法と強化方法についてまとめること。(所要時間120分) |
授業実施特記 |
授業内小テスト |
第15回 |
内容
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「まとめ」 第1~14回までの授業の理解度を確認するため総説と総合演習を行う。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
[予習項目]これまでの講義内容を再確認すること。(所要時間120分) [復習項目]・授業内テストのフィードバック(テスト問題の再解答) ・これまでの授業内容をまとめること。(所要時間120分) |
授業実施特記 |
期末試験 |