最終更新日:2018/02/13
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概要
対象年度 年度 2018 (週1コマ)秋期 開講時限 月3
開講学部・学科等
科目コード 670006000 科目ナンバー
授業名 史料と史料学B
英文授業名 Materials for History B
担当教員 丸島 和洋

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
史料と史料学A
くずし字の基礎的知識があればなおよいですが、必須ではありません。本講義をもととして、学習していってください。
後続関連授業
教職課程科目
テーマ・キーワード 日本 中世 古文書 古記録 史料 資料

授業の概要・ねらい  日本の歴史を学ぶには、「古文書」を始めとする史料を読み込んでいく必要がある。本講義では、古代~中世の古文書を対象に、どのような種類の古文書が残されていて、それぞれどのような目的・経緯で出され、機能したのかを解説していく。古文書の様式は、時代の変遷や、政権の交代によって変わるものだから、講義ごとに、それぞれの時代・政権を特徴付ける古文書を、写真を配りながら取り上げていく。前期の講義では、室町時代から織豊期までの公文書を中心に検討する。
 関連する博物館展示がある場合は、講義内で適宜紹介する。
到達目標 日本中世後期の歴史史料を、様式論・機能論・伝来論という「史料学」「古文書学」の観点から把握する能力を身につける。これは、歴史学を学んで行く上で必要不可欠な、史料操作の基礎を理解することも意味する。
教科書と準備するもの 佐藤進一著『新版 古文書学入門』(法政大学出版局、2003年)
適宜史料プリントを配布し、授業はプリントを軸に行う。講義はテキストの記載順とは異なり、かつその後の研究の進展を反映したものだが、テキストをベースにした上で、講じるものである。
参考書 児玉幸多編『くずし字用例辞典 普及版』(東京堂出版、1993年)
笠間影印叢刊刊行会編『字典かな―出典明記』(笠間書院、1972年)
日本歴史学会編『演習古文書選 古代・中世編』(吉川弘文館、1971年)
苅米一志『日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法』(吉川弘文館、2015年)
丸島和洋『戦国大名の「外交」』(講談社選書メチエ、2013年)
丸島和洋『真田信繁の書状を読む』(星海社新書、2016年)
評価の基準 期末試験結果による評価。出席は前提条件となる。
具体的評価方法 出題範囲はテキスト・配布プリントを踏まえた講義内容となる。講義の内容をどの程度理解できているかを問う。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
今年度新規担当。受講生の理解状況を確認しながら講義を進めようと思います。積極的に質問をしてきてください。歴史学にとって基礎となる学問ですから、これからの研究に上手く活かせるよう、意識して授業に臨んでください。
単位互換 世田谷6大学コンソーシアム
首都圏西部単位互換
その他
特記 ガイダンスを兼ねたイントロダクションを行いますので、初講には必ず出席すること。また、板書やスライドのスマホ・デジカメによる撮影、およびSNSへのアップは控えること。

授業計画
第1回 内容
ガイダンス―古文書の紙と書札礼―
春学期講義のまとめ
授業時間外における学修(予習・復習等) 配布物があると、それを受け取っただけで安心してしまう傾向があるが、講義内容と結びつけなければ十分な理解をすることはできない。積極的にノートを取り、配布物やテキスト・参考文献を読み直して理解を深めてもらいたい。なお大学における板書は、補足説明的なものが主であるので、ただ板書を書き写すだけでは意味がない点に注意されたい。
授業実施特記 ガイダンスにあたるので、欠席がないようにしてもらいたい。
第2回 内容
室町幕府文書(1)―御判御教書と下知状―
授業時間外における学修(予習・復習等) 前回の復習や積極的なノート取りはもちろんだが、「史料学」「古文書学」は政治史と密接に結びついた学問である。高校の教科書などに立ち戻り、各時代の基礎的な政治史的流れを踏まえて講義に臨むようにすれば、理解がより深まる。南北朝~室町時代の政治史をおさえておいてもらいたい。
授業実施特記
第3回 内容
室町幕府文書(2)―使節遵行の仕組み―
授業時間外における学修(予習・復習等) 前回の復習や積極的なノート取りはもちろんだが、「史料学」「古文書学」は政治史と密接に結びついた学問である。高校の教科書などに立ち戻り、各時代の基礎的な政治史的流れを踏まえて講義に臨むようにすれば、理解がより深まる。室町時代の政治史をおさえておいてもらいたい。
授業実施特記
第4回 内容
室町幕府文書(3)―奉行人連署奉書―
授業時間外における学修(予習・復習等) 前回の復習や積極的なノート取りはもちろんだが、「史料学」「古文書学」は政治史と密接に結びついた学問である。高校の教科書などに立ち戻り、各時代の基礎的な政治史的流れを踏まえて講義に臨むようにすれば、理解がより深まる。室町~戦国時代の政治史をおさえておいてもらいたい。
授業実施特記
第5回 内容
室町幕府文書(4)―将軍御内書と副状―
戦国大名文書(1)―他大名との外交書状―
授業時間外における学修(予習・復習等) 前回の復習や積極的なノート取りはもちろんだが、「史料学」「古文書学」は政治史と密接に結びついた学問である。高校の教科書などに立ち戻り、各時代の基礎的な政治史的流れを踏まえて講義に臨むようにすれば、理解がより深まる。室町~戦国時代の政治史をおさえておいてもらいたい。
授業実施特記
第6回 内容
戦国大名文書(2)―判物(直状・書下)と奉書―
授業時間外における学修(予習・復習等) 戦国大名文書を対象とする「古文書学」はまだ十分に進展しているとはいえないのが現状である。教科書での取り扱いも短い時代である上、地方ごとに政治情勢が異なる時代でもあり、政治史の予習も難しい。テキストで予習した上で、講義内容の復習を丁寧に行ってもらいたい。
授業実施特記
第7回 内容
戦国大名文書(3)―印判状―
授業時間外における学修(予習・復習等) 戦国大名文書を対象とする「古文書学」はまだ十分に進展しているとはいえないのが現状である。教科書での取り扱いも短い時代である上、地方ごとに政治情勢が異なる時代でもあり、政治史の予習も難しい。テキストで予習した上で、講義内容の復習を丁寧に行ってもらいたい。
授業実施特記
第8回 内容
女性の出した文書―女房奉書と仮名消息―
授業時間外における学修(予習・復習等) 本講では、ひらがな書きの文書を扱うことになる。参考文献などから、変体仮名について予習して臨んでもらいたい。
授業実施特記
第9回 内容
戦国時代の戦争文書(1)―禁制の獲得―
授業時間外における学修(予習・復習等) 戦国大名文書を対象とする「古文書学」はまだ十分に進展しているとはいえないが、本講の内容については一定以上の蓄積がある。参考文献を講義中に提示するので、積極的に知識を深めていってもらいたい。
授業実施特記
第10回 内容
戦国時代の戦争文書(2)―感状の発給と陣立書の成立―
授業時間外における学修(予習・復習等) 戦国大名文書を対象とする「古文書学」はまだ十分に進展しているとはいえないのが現状である。教科書での取り扱いも短い時代である上、地方ごとに政治情勢が異なる時代でもあり、政治史の予習も難しい。テキストで予習した上で、講義内容の復習を丁寧に行ってもらいたい。また、前期講義受講者は、「南北朝期の文書(2)―軍忠状と着到状―」の内容を復習すると理解がより深まる。
授業実施特記
第11回 内容
起請文と牛玉宝印
授業時間外における学修(予習・復習等) 戦国大名文書を対象とする「古文書学」はまだ十分に進展しているとはいえないが、本講の内容については一定以上の蓄積がある。参考文献を講義中に提示するので、積極的に知識を深めていってもらいたい。
授業実施特記
第12回 内容
証文(1)―譲状と置文―
授業時間外における学修(予習・復習等) 中世前期にさかのぼって、「私文書」に属する文書をみていく。テキストだけでなく、鎌倉時代の「惣領制」について、高校教科書などで予習した上で講義に臨んでもらいたい。
授業実施特記
第13回 内容
証文(2)―売券―
授業時間外における学修(予習・復習等) 引き続き私文書を検討する。テキストで予習をして講義に臨んでもらいたい。
授業実施特記
第14回 内容
一字状と官途書出―偽文書と家の由緒―
授業時間外における学修(予習・復習等) 戦国期の公文書を主としつつも、江戸時代に踏み込んだ講義を行う。予習が難しい内容だが、「古文書とは何か」、「機能論」「伝来論」を考える上で重要な内容を含むので、復習を丁寧に行ってもらいたい。
授業実施特記
第15回 内容
織田政権・豊臣政権の文書
授業時間外における学修(予習・復習等) 織豊政権の「古文書学」についても、十分に体系化されているとは言いがたい。しかし戦国期の室町幕府文書や戦国大名文書を踏まえて成立してくるものだから、後期の講義内容全体を復習して講義に臨んでもらいたい。
授業実施特記