最終更新日:2018/01/28
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概要
対象年度 年度 2018 (週1コマ)春期 開講時限 木5,月5
開講学部・学科等
科目コード 661056900 科目ナンバー LWL01100
授業名 憲法A
英文授業名 Constitutional Law A
担当教員 成瀬 トーマス 誠

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業 行政法
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
法学
後続関連授業 憲法B
教職課程科目
テーマ・キーワード 憲法、人権、立憲主義

授業の概要・ねらい  この授業では、日本国憲法(特に人権の分野)に関する基礎的な知識の習得と、自分の意見を持てることを目標とします(ディプロマポリシーの1・2・3に対応)。講義では教科書の理解を踏まえて、より具体的な問題についてやや掘り下げて扱っていきます。そこでは、教科書に載っていない事例やトピックについても扱います。
 進め方としては、講義の進行は基本的には教科書に準拠します。授業の冒頭で教科書の重要箇所について簡単な確認と補足説明をした上で、具体的な事例やトピックについて触れていきます。講義では教科書の解説と補足を行いますが、細かいところは省略することがありますので、しっかりとした予習が必要になります。また、講義後は講義で扱った内容と教科書を照らし合わせて、復習としてノートを整理してください。
 「憲法」と聞くと、どこか堅苦しかったり、日常からは遠い世界の事柄のように感じられるかも知れません。しかし、実際にはより身近なところにあり、日々の暮らしと密接に関わっています。また、それぞれの条文には人類の歴史や知恵が詰まっており、奥が深い世界です。この講義はあくまでも「入門編」ですが、なるだけ具体例を通して、憲法とはどのようなものであるのか、そして社会の中でどのように機能しているのかを学んでいきたいと思います。
到達目標 ①「憲法とは何か」「憲法の基本原理」など、憲法についての基本的な事柄を理解すること
②基本理念と各内容のつながりを把握すること
③憲法で定める人権について、基本的な用語や概念を理解すること
④特に論争が見られる領域について、対立軸を把握し、自分の意見を述べられるようになること
教科書と準備するもの ・芦部信喜著、高橋和之補訂『憲法 第六版』(有斐閣、2015年)。

毎回の講義ではプリントを配布します。
参考書 ・長谷部恭男ほか編『憲法判例百選Ⅰ(第6版)』『憲法判例百選Ⅱ(第6版)』(有斐閣、2013年)。
評価の基準 ・用語や概念の基礎について、しっかり理解できているか
・憲法論として問題を把握し、自分の見解を述べることができるか
具体的評価方法 ・授業内での小テスト(知識問題):30%
・定期試験(知識問題+論述問題):70%
授業評価アンケート
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受講生へメッセージ
講義ではなるだけ分かりやすい言葉で、具体的な例を交えながら解説していきます。また、授業ではコメントシートを配布します。コメントシートには、質問や要望を書いてください。多く見られる質問や重要だと思われる質問について、その次の回の講義の冒頭で取り上げ、補足説明をします。また、授業への要望(板書の方法や説明の方法について)も、可能な限り応えていきたいと思います。より充実した講義にするためにも、積極的な記入をお願いします
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
「ガイダンス」
講義の進め方やクラス内のルール、講義計画などについて説明します。また、憲法を学ぶための「コツ」についても触れていきます
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:シラバスを読み込むこと
復習:憲法を学ぶ意味について、各自で改めて考えること
授業実施特記
第2回 内容
「憲法とは」
憲法とは何か、憲法の分類、憲法の特質、について検討します
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第1章を読み、重要語句や概念を把握すること。必要に応じて参考書も参照すること
復習:講義内容と教科書を照らし合わせ、ノートを作成すること
授業実施特記
第3回 内容
「日本国憲法の歴史」
日本国憲法がどのようにして作られたのか、その歴史を解説します
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第2章を読み、重要語句や概念を把握すること。また「押し付け憲法論」についての資料を
   読み、賛成・反対双方の考えについて把握すること
復習:講義内容と教科書を照らし合わせ、ノートを作成することそこでは、事例について双方の見解を整
   理した上で自分の考えをまとめること
授業実施特記
第4回 内容
「国民主権と選挙権」
日本国憲法の基本原理である国民主権について解説します。その上で、国民主権とつながりの深い選挙権についても扱います
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第3章1・2節と第12章2節を読み、重要語句や概念を把握すること。また「外国人地方
   参政権」についての資料を読み、賛成・反対双方の考えについて把握すること
復習:講義内容と教科書を照らし合わせ、ノートを作成すること。そこでは、事例について双方の見解を
   整理した上で自分の考えをまとめること
授業実施特記
第5回 内容
「基本的人権の原理」
基本的人権について、その基本的な考え方や享有主体について検討します
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第5章を読み、重要語句や概念を把握すること。また配布資料を読み、人権をどこまでの範
   囲で認めるべきかについて考えること
復習:講義内容と教科書を照らし合わせ、ノートを作成すること
授業実施特記
第6回 内容
「基本的人権の限界」
基本的人権の限界について、公共の福祉と私人間の効力、公務員の人権を中心に検討します
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第6章を読み、重要語句や概念を把握すること。また配布資料を読み、それぞれの説につい
   て把握すること
復習:講義内容と教科書を照らし合わせ、ノートを作成すること
授業実施特記
第7回 内容
「包括的基本権」
包括的基本権について解説した上で、自己決定権につき安楽死の問題を検討します
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第6章1節を読み、重要語句や概念を把握すること。また安楽死に関する事例を読み、事案
   の概要を把握すること
復習:講義内容と教科書を照らし合わせ、ノートを作成すること
授業実施特記
第8回 内容
「平等」
法の下の平等について解説します。その上で、同性婚について事例を検討します
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第6章2節を読み、重要語句や概念を把握すること。また同性婚に関する資料を読み、賛
   成・反対双方の考えについて把握すること
復習:講義内容と教科書を照らし合わせ、ノートを作成すること。そこでは、事例について双方の見解を
   整理した上で自分の考えをまとめること
授業実施特記
第9回 内容
「内心の自由」
思想・良心の自由、信教の自由、そして学問の自由について解説します。事例として、信教の自由と差別禁止法の衝突の問題について扱います
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第8章を読み、重要語句や概念を把握すること。また信教の自由と差別禁止法の衝突に関す
   る資料を読み、双方の考えについて把握すること
復習:講義内容と教科書を照らし合わせ、ノートを作成すること。そこでは、事例について双方の見解を
   整理した上で自分の考えをまとめること
授業実施特記
第10回 内容
「表現の自由」
表現の自由について解説します。その上で営利表現の自由について詳しく扱います
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第9章を読み、重要語句や概念を把握すること。特に二重の基準論についてしっかりと把握
   すること。営利表現の自由についての事例を読み、内容を把握すること
復習:講義内容と教科書を照らし合わせ、ノートを作成すること
授業実施特記
第11回 内容
「経済的自由」
職業選択の自由、居住・移転の自由、財産権の保障、について解説します。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第10章を読み、重要語句や概念を把握すること。財産権についての事例を読み、内容を把
   握すること
復習:講義内容と教科書を照らし合わせ、ノートを作成すること
授業実施特記
第12回 内容
「人身の自由」
刑事手続上の人権について解説します。その上で志布志事件について扱います
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第11章を読み、重要語句や概念を把握すること。志布志事件についての事例を読み、内容
   を把握すること
復習:講義内容と教科書を照らし合わせ、ノートを作成すること
授業実施特記
第13回 内容
「社会権」
生存権と労働基本権について解説した上で、朝日訴訟を事例として生存権をより深く扱います
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第13章1・3節を読み、重要語句や概念を把握すること。朝日事件についての配布資料を
   読み、概要を把握すること
復習:講義内容と教科書を照らし合わせ、ノートを作成すること。そこでは、生存権をめぐる各説の内容
   を整理し、自身の見解をまとめること
授業実施特記
第14回 内容
「教育を受ける権利」
教育を受ける権利について解説した上で、教育現場の様々な人権問題を事例ベースで解説します
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第13章2節を読み、重要語句や概念を把握すること
復習:講義内容と教科書を照らし合わせ、ノートを作成すること
授業実施特記
第15回 内容
「総括」
前期の内容について、憲法の基本理念に重点を置いて総復習します。また、事前に寄せられた前期内容でわからなかった部分についての質問に可能な限り答えます
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書及びこれまで作成したノートを見直し、わからない点をピックアップすること
復習:教科書及びノートを見直し、重要語句や概念の意味について改めて整理すること。また、議論の対
   立が見られる点については論点を整理した上で、自身の見解を練ること
授業実施特記