最終更新日:2018/01/25
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概要
対象年度 年度 2018 (週1コマ)春期 開講時限 木5
開講学部・学科等
科目コード 661058700 科目ナンバー LWL03400
授業名 刑法各論A
英文授業名 Criminal Law (Special Part) A
担当教員 滝井 伊佐武

授業形態 講義
e-learning利用 manaba その他:
担当形態 単独
関連する授業 刑事手続法、刑事訴訟法
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
刑法総論A、刑法総論B
後続関連授業 刑法各論B、犯罪者処遇法、犯罪学、被害者学
教職課程科目 教科に関する科目
テーマ・キーワード 刑法、各則、個人法益に対する罪、生命・身体・自由

授業の概要・ねらい 授業のねらい:
刑法典上の重要犯罪を中心に、犯罪成立の個別的要素について講義する。

授業の概要:
刑法各論は、各種の犯罪について、その個別的な成立要素を検討する講座です。形式的意義における刑法=刑法典に規定されている諸犯罪のなかから、重要な犯罪について成立要件を考えていきます。個人的法益に対する罪といわれる基本的な犯罪から考察をはじめます。
この講座では主に 個人的法益に対する犯罪を取り扱います。
履修生の理解度により、授業の進度を調整することがあります。
本講座は、講義形式で進める。
到達目標 重要犯罪の成立要素に関する基本的知識を身につける。
刑法学の各論として、重要犯罪の成立要件について検討することができる。(刑法各則の考察)
教科書と準備するもの 「刑法講義各論」大谷實、成文堂
2018年度版の六法(毎回必携)

指定教科書の立場を支持できない場合は、体系書といわれるものの中から、各自で選択するとよい。(開講時にも説明する。自分に合いそうだと感じたものを選ぶとよい。できるだけ詳しいものを推奨する。)
 
基本書の選択ガイドとして、下記のようなものを示しておく(これらのほかから選択してもよい)。(順不同)
「刑法各論講義」川端博、成文堂
「刑法各論」斎藤信治、有斐閣
「刑法各論」曽根威彦、弘文堂
「刑法各論」高橋則夫、成文堂
「刑法各論」西田典之、弘文堂
「刑法各論講義」前田雅英、東大出版
「判例刑法各論」西田ほか、有斐閣
「刑法各論」山口厚、有斐閣
「刑法各論」山中敬一、成文堂
ほか
参考書 「刑法判例百選2各論」山口・佐伯(編)、(有斐閣)
「最新重要判例250 刑法」前田雅英、(弘文堂)
「新基本法コンメンタール 刑法 (別冊法セミ219)」浅田・井田(編)、(日本評論社)
「新・判例ハンドブック【刑法各論】」高橋・十河(編)、(日本評論社)
「刑法各論 判例50!」十河ほか、(有斐閣)
ほかの参考書は適宜指示する。
評価の基準 刑法各論の重要論点に関する学説・判例について説明することができる。その到達度によって評価する。

中間試験および学期末試験により評価する(各50%ずつ)。〔中間と期末に計2回実施する試験を両方とも受験すること。〕
評価の補助として、講義時間内の小テスト、在宅作成のレポートを課すことがある。
 ※ manabaを利用して レポート課題などを告知する場合がある。各自でmanabaへの接続方法に慣れておくこと。
具体的評価方法 全試験の総得点によって評価する。〔計2回実施する試験を受験すること。配分は各50%ずつ〕
中間試験・学期末試験は論述式を予定(形式は予告する)。

補助評価を加味する場合の比率は、総合成績の1割(最大10%)までとする。
関連リンク manaba 国士舘大学 KLIC
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
秋学期の刑法各論Bとセットで履修すること。
中間試験・レポートの日程等に関する告知は、授業内のほかmanabaでも行なう。
manabaで資料配付を行なうことがある。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
ガイダンス、授業の進め方、体系書の案内、予復習の方法
刑法各論とは何か
 刑法各論の意義について講義する。
 個人法益・社会法益・国家法益に対する犯罪の区別法を講義する。
 特別法上の犯罪を解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 準備等]犯罪成立要素の共通要素/個別的要素の区別について調べておくこと。
 犯罪の3分法(個人/社会/国家に対する犯罪)について調べておくこと。
 シラバスを事前に読んでおくこと。
[第1回授業の復習]総則・各則の意義、刑法総論・各論の検討対象について知識を整理すること。
[毎回の授業の復習]各回の授業で扱われた論点、授業内で復習すべき事項として指摘された点について、整理して確実に身に付けること。(以下同じ。特に重点を置く事項のみ各別に示す)
[次回の予習]この講義では次回授業で扱う事項を告知する。その項目について予習すること。(以下同じ)
(所要時間 計180分) なお、この所要時間は準備および復習に少なくとも必要な時間である。(以下同じ)
授業実施特記 ガイダンス
第2回 内容
犯罪成立の個別的要素
 個別的犯罪成立要素としての主体・客体・行為・結果・故意過失について講義する。
 法益と個別犯罪の関係について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]犯罪成立の客観的要素(主体・客体・行為・結果)、主観的要素(故意/過失)の区別について読んでくること。
 それぞれ選択した体系書が異なるから、目次や事項索引を用いて、シラバスで示されたキーワードを探して該当部分を予習してくるように(以下同じ)。
[復習]法益による犯罪の区別についてまとめる。
(所要時間 各90分)
授業実施特記
第3回 内容
生命に対する罪、人の始期と終期
 人の意義について講義する。
 死体・胎児との区別について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]人の始期・終期をめぐる諸学説、胎児/人/死体の区別、実行行為について読んでくること。
[復習]客体としての胎児・人・死体についてまとめる。
(所要時間 各90分)
授業実施特記
第4回 内容
殺人の罪
殺人の罪/殺人罪の区別
 基本類型、予備未遂罪、自殺関与罪について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]既遂/未遂の意義、犯罪成立の客観的要素、主観的要素について読んでくること。
[復習]刑法各論で扱われる個別的犯罪要素の種類について整理する。
(所要時間 各90分)
授業実施特記
第5回 内容
殺人と自殺関与
 殺人行為と同意・承諾等について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]自殺関与等に関する可罰性の根拠、追死の意思の錯誤をめぐる諸学説、間接正犯構成について読んでくること。
[復習]同意・承諾と錯誤についてまとめる。
(所要時間 各90分)
授業実施特記
第6回 内容
身体に対する罪
 身体の安全について概説する。
 身体の安全に対する犯罪の種別を解説する。
 傷害の意義を講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]故意犯/過失犯/結果的加重犯による区別、傷害の意義について読んでくること。
自動車運転死傷行為処罰法について調べてくること。
[復習]傷害の意義をめぐる諸学説をまとめる。
(所要時間 各90分)
授業実施特記
第7回 内容
暴行と傷害
 暴行概念について解説する。
 暴行罪と傷害罪の関係を講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]刑法における暴行の意義(四つの意義)、暴行罪と傷害罪の関係をめぐる諸学説について読んでくること。
[復習]傷害罪と暴行罪の関係をめぐる諸学説をまとめる。
(所要時間 各90分)
授業実施特記
第8回 内容
堕胎罪をめぐる問題
 堕胎罪の保護法益および客体を解説する。
 胎児性傷害と堕胎罪等の関係を講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]堕胎行為の意義、胎児と傷害をめぐる諸学説について読んでくること。
[復習]堕胎罪に関連する犯罪類型、判例を整理する。
(所要時間 計180分+試験対策学習)
授業実施特記
第9回 内容
重要論点の再確認1(春学期)

中間試験 (日程が前後する場合がある)
 ※ 追試験に該当する事由により中間試験を受験できなかった者には、manabaを通じてレポート課題を告知する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]ここまで扱ってきた論点の復習。 学説・判例・立法例、答案構成を準備してくること。
[復習]自己の知識の再点検をおこなう。
(所要時間 各90分)
授業実施特記 授業内試験
第10回 内容
生命身体と犯罪、遺棄の罪
 遺棄の概念について解説する。

中間試験講評 (授業進度等により実施日を変更する場合がある)
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]致死傷を伴う犯罪に関する刑法上の扱い、遺棄の概念について読んでくること。
[復習]答案の書き方を省察する。遺棄罪の位置づけをまとめる。
(所要時間 各90分)
授業実施特記 試験解説と答案構成のアドヴァイス
第11回 内容
遺棄罪(各説)
 遺棄罪の成立要件を講義する。
 保護責任の意義を解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]抽象的/具体的危険犯の考え方による違い、遺棄(狭義)と移置の違いについて読んでくること。
[復習]遺棄罪の基本構造をまとめる。
(所要時間 各90分)
授業実施特記
第12回 内容
自由に対する罪、逮捕監禁(総説)
 刑法における自由の意義・保護について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]自由の意義(身体的/精神的自由・現実的/可能的自由)、逮捕監禁の罪質について読んでくる。
[復習]逮捕監禁罪と自由の保護範囲について整理する。
(所要時間 各90分)
授業実施特記
第13回 内容
逮捕監禁(各説)
 各犯罪の成立要素を講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]逮捕監禁行為の意義、被侵害者の意識の要否について読んでくること。
[復習]判例の事案との関係をまとめる。
(所要時間 各90分)
授業実施特記
第14回 内容
脅迫と強要
 精神的な自由と刑法的保護について概説する。
 脅迫の意義について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]強迫との相違、刑法における脅迫の意義(三つの意義)、害悪の意義・違法性、強要の未遂について読んでくること。
[復習]強迫の種別をまとめる。脅迫罪・強要罪の成立要件を整理する。
(所要時間 計180分+試験対策学習)
授業実施特記
第15回 内容
人と犯罪
 人の生命・身体・自由に対する侵害と保護について略説する。

(注) 期末試験
 (定期試験期間中に実施の予定であるが、授業内試験とする場合がある。事前に告知する。)
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]略取誘拐の区別・意義、略取誘拐における目的犯、親告罪について読んでくること。
[今後の予習等]学期末試験に対して各自で準備すること。
(所要時間 計180分+試験対策学習)

[復習等]春学期の講義を振り返って各自の理解度と学習到達度を自己評価し、学習不足だった箇所を夏期休暇中に補完すること。
 各自で春学期の学習履歴を振り返って自習の問題点を洗い出し、秋期の学習姿勢を設定すること。
[秋学期への予習]秋学期で扱うと予告された単元について、予習すること。
授業実施特記 まとめ、試験