最終更新日:2018/04/14
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2018 (週1コマ)春期 開講時限 水5
開講学部・学科等
科目コード 673502200 科目ナンバー
授業名 国語概論A
英文授業名 Introduction to Japanese Language A
担当教員 山室 和也

授業形態 講義、アクティブ・ラーニング
e-learning利用 manaba その他:
担当形態 単独
関連する授業 国語概論B、教科教育法国語、国語特論A、国語特論B、文章表現法
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
なし
後続関連授業 国語概論B、教科教育法国語
教職課程科目 教科に関する科目
テーマ・キーワード 言葉の力、思考力・判断力・表現力、話す力・聞く力、書く力、読む力、言葉の理解、知識及び技能、音声、文字・表記、語彙、文法、言語文化、情報活用、論理

授業の概要・ねらい 授業の概要:小学校国語科についての入門科目である。小学校における国語という教科の位置づけと内容の概略を理解する。さらに、大学における国語に関する科目の履修についての説明、他の科目の履修の中での本科目の位置づけ、教員になるにあたって必要となる事柄など、初年次の初等教育の学びの導入としての役割も果たす。
具体的な内容に関しては、言葉の手本となるべき教員自身の国語(日本語)に対する意識を高め、思考力・判断力・表現力につながる言葉の力(話す力・聞く力、書く力、読む力)を確かなものにし、技能を高め磨くことをめざす。 また、その支えとなる言葉の基礎的な理解(音声、文字・表記、語彙、文法、言語文化、情報活用、論理)を深め、運用する技能を身に付ける。
授業のねらい(到達目標):初等教育コースでの学びの意識を持ち、国語に関する興味を持つこと。小学校の教科国語で扱われる内容の全体像を理解すること。自ら意識を持って言葉を調べ、その特徴に気づくこと。言葉の運用能力を身に付けること。
到達目標 小学校国語の教科内容に興味を持つこと
小学校国語の内容の全体像を理解すること
自ら意識を持って言葉を調べ、その特徴に気付くこと
言葉の運用能力をつけること
教科書と準備するもの 平成20年版『小学校学習指導要領』『小学校学習指導要領解説国語編』東洋館出版社
平成29年版『小学校学習指導要領』『小学校学習指導要領解説国語編』東洋館出版社
沖森卓也・木村義之・陳力衛・山本真吾著『図解日本語』三省堂
久米公『漢字指導の手引き第七版』教育出版
参考書 授業内容に関連する図書等については適宜紹介する
評価の基準 言葉の理解の学習において、言葉のそれぞれの領域に関する知識を持ち、理解を確かなものとする。
言葉の力の学習において、国語科の内容に関わる基礎的な資質・能力を体験的に身につけ、それを課題レポートにまとめ振り返る。
上記に加えて、自己紹介スピーチを実施。授業中の課題に対する取り組み、グループワークにおける話し合いへの参加などの授業中の取り組み・授業への参加度も評価の対象とする。
具体的評価方法 平常点(スピーチの発表15%も含めて)     25%
言葉の力1に対する課題レポート         25%
言葉の力2に対する課題レポート         25%
言葉の理解に関する基礎的な筆記試験       25%
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
シラバスの活用についての評価が不十分なので、授業前後の学修にどのようなことをすればよいかを常に参照するような手立てを授業内でも設定する。manabaを活用してその手立てを具体化する。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
オリエンテーション
小学校における国語という教科の位置づけ
大学における国語に関する科目の系統性とこの科目の位置づけ
国語における基礎・基本
学習指導要領とは(平成20年版学習指導要領および平成29年版学習指導要領)
学習指導要領と教科書
国語という教科の構造と日本語の基礎・基本
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)授業を受ける前にシラバスを読んでくること。
自分が小学校時代に使った教科書を読みなおしてくる。手元にない場合には図書館で調べてみる。
学習指導要領とはどういうものか調べておく。
(復習)小学校教員になるという気持ちを改めて確認し、その決意を簡単に文章にまとめておく。初等教育専攻の授業科目一覧、関連する科目のシラバスの閲覧などをしておくこと。
授業実施特記
第2回 内容
【言葉の力1】①話す力・聞く力
音声言語の特徴、日本語の発音・発声、話す力、聞く力
スピーチのためのオリエンテーション
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)日本語の発音について知っていることをまとめてくる<事前課題>
(復習)スピーチのためのオリエンテーションで説明したことをもう一度読み直し、振り返っておく。
自分のスピーチではどのようなことを話すか、どのような順序で話すかをイメージしてみる。発表までにはしっかりと準備をしておく。
授業実施特記
第3回 内容
【言葉の力1】②書く力(1)
丁寧に書いてみよう(書写)、筆順
黒板に字を書く
話しことばと書きことば
スピーチ①
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)指定された課題の部分を視写してくる。視写して気がついたことをまとめてくる。
(復習)授業内容の確認をする。小学校1・2年生で学習する漢字(学習指導要領に記載されている)を全て視写し、その筆順を確認する。ひらがな、カタカナについても同様に確認をしておく。
授業実施特記
第4回 内容
【言葉の力1】③書く力(2)文章表現
様々な文章の種類(説明文、手紙文、詩、短歌・俳句、随筆、物語)
説明文(意見文・報告文)を書く過程(題材の設定、情報の収集、内容・構成の検討、考えの形成、記述、推敲、共有)
創作文の書き方(詩、短歌・俳句、物語)
手紙の書き方
スピーチ②
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)ある事柄について説明をする文章をあらかじめ書いてくる
(復習)授業で扱った創作文のうち、詩、短歌、俳句のいずれかの形式で創作する。
授業実施特記
第5回 内容
【言葉の力1】④読む力(1)説明的文章
説明的文章とはどのような文章か
小学校で学習する説明的文章とは
読み取りに必要な力・読解力
スピーチ③
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)事前に指定された説明的文章教材を読み、その文章構成を自分なりに分析してくる。
(復習)本時の学習内容の振り返りをする。理解が不十分だった箇所を明確にして次の時間に臨む。必要に応じて担当者に質問をすること。
授業実施特記
第6回 内容
【言葉の力1】⑤読む力(2)文学的文章
文学的文章とはどのような文章か
物語、詩
読み取りに必要な力・読解力
スピーチ④
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)事前に指定された文学的文章教材を読み、それがどういう作品なのかを簡潔に説明できるようにまとめておく。
(復習)本時の学習内容の振り返りをする。理解が不十分だった箇所を明確にして次の時間に臨む。必要に応じて担当者に質問をすること。
授業実施特記 ■【言葉の力1】に関わる課題レポート
第7回 内容
【言葉の理解】①文字・表記
日本語の文字の種類(漢字・カタカナ・ひらがな・ローマ字)
漢字の学習(グループワーク)の発表
漢字の学習の留意点
スピーチ⑤
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)小学校で学習する漢字全てに目を通し、その学年別配当から何か気がついたことを2,3挙げてくる。グループワークの発表のための準備となる
(復習)各グループの発表内容の評価、内容についての補足をしておく。(指導要領における学年別漢字配当表での漢字の確認)
授業実施特記
第8回 内容
【言葉の理解】②文法
日本語のきまり:文法とは、言葉の単位、語と文と文章と
主語と述語、日本語の主語の特徴、主語と述語を結ぶもの「テニヲハ」
日本語の文末表現、さまざまな文の終わり方、文と文とをつなぐ言葉(接続語、指示語他)
スピーチ⑥
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)日本語の文法について知っていることを以下の観点の中から一つ選び、整理してまとめてくる。
①日本語の言葉の単位について、外国語との比較もしながら調べておく。その際中学・高校時代に用いた文法の副読本や教科書の巻末の記載事項を手がかりにしてみるとよい。
②中学・高校までの国語の文法の時間に学習してきた「助動詞」について、どのようなものがあったか具体的に挙げてみる。それがどのような意味働きをするものかをまとめておく。
③接続詞について、これまでの学習で知っていることを書き出しておく。具体的にどのような接続詞があったのか、どのような使われ方をするのか例文を作ってまとめておく。
(復習)学習指導要領で「主語」と「述語」について学習する時期はいつか調べてみる。
小学校の教科書でそれぞれの文の「主語」と「述語」はどれなのか、探してみる。その時に気がついたことをまとめておく。
授業実施特記
第9回 内容
【言葉の理解】③語彙と意味
語の分類:語種(和語・漢語・外来語)、語構成(複合語・派生語)、語の体系と意味(同義語・類義語・対義語)
語の意味の変化、比喩、見立て
スピーチ⑦
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)語種、語構成ということについて、その用語の意味を調べておく。比喩について、その用語の意味や具体的な種類についてテキストや他の図書を参考に調べておく。
(復習)身近な言葉(知っていて使える言葉)を類義語、対義語などの組み合わせにしてみる。できるだけ多くの具体例を探してまとめておく。身近な言葉を語種と語構成という観点で見直し、それぞれの用例を5~10例挙げてみる。「見立て」の手法を用いた詩やなぞなぞをできるだけたくさん作ってみる。
授業実施特記
第10回 内容
【言葉の理解】④言語文化(言葉遊びを含む)
伝統的な言語文化について:短歌・俳句、随筆、物語、神話・伝承、近代の文章等
ことわざ・慣用句・故事成語
方言と共通語、外国語と日本語
言葉遊び
スピーチ⑧
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)高校までに学習した古典の中で一番印象に残っている作品を一つ挙げ、その理由も説明できるようにしておく。
(復習)授業で取り上げた言葉遊びの他にどのような言葉遊びがあるか調べて自分なりにやってみる。
授業実施特記 ■【言葉の理解】4回分の学習における基礎的な事項については、期末に筆記試験を行うのでしっかり復習しておく。
第11回 内容
【言葉の力2】①音読の力
文章を読んでみよう
様々な音読の方法
群読に挑戦
スピーチ⑨
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)自分の好きな詩を一つ選び音読の練習をしてくる。
(復習)授業で扱った作品を改めて一人で、あるいはグループで音読、群読してみる。
授業実施特記
第12回 内容
【言葉の力2】②コミュニケーションの力
話し合うということ
伝えるということ
聞くということ
スピーチ⑩
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)相手に何かを伝える時に気を付けていることは何かを箇条書きにしてまとめてくる。
(復習)授業でやった活動を家であるいは友達と再体験してみる。
授業実施特記
第13回 内容
【言葉の力2】③情報活用の力
情報とは
情報の整理
情報の活用(レポートの書き方と関連して)
情報機器の利活用
スピーチ⑪
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)小学校の授業における情報機器の活用と言ったらどのようなものを思い浮かべるか挙げてくる。
(復習)大学の授業のノートを今回学んだ情報の整理法のいずれかを用いて整理し直してみる。
授業実施特記
第14回 内容
【言葉の力2】④論理の力
論理とは
言葉を使って考える
論理パズルに挑戦
スピーチ⑫
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)論理という言葉の意味を調べてくる。そして、「論理の力」という表現にはどのような意味があるか、どのような感じがあるか、理由も含めてまとめてみる。
(復習)授業で扱いきれなかった論理パズルについて自分で挑戦してみる。
授業実施特記 ■【言葉の力2】に関わる課題レポート
第15回 内容
まとめ
これまでの学習の振り返り
小学校国語で扱う内容の理解と、その体験によってこの後に続く「理論と実践」「教科教育法」において、どのように子どもが学ぶのかについて考える。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)これまでのノート・プリント等を読み返して、この半期の授業についての振り返りをしておく。
(復習)言葉の理解に関わる筆記試験を期末に行うので、もう一度復習をして試験に臨むこと。
授業実施特記 授業評価アンケートの実施。この科目の自己評価と今後の抱負の記入。