授業の概要・ねらい |
幼稚園における教育課程の編成と保育の在り方を学ぶため、幼稚園教育の基本についての講義と、グループでの保育検討を行う。
■授業のねらい
①幼稚園教育の基本を理解すること。
②幼稚園における指導が、幼児理解に基づく指導計画の作成、環境の構成と活動の展開、幼児の活動に沿った必要な援助、反省や評価に基づいた新たな指導計画の作成といった循環の中で行われること(文部科学省、2008)を理解すること。
③一人ひとりの子どもを理解し、適切な評価に基づいて保育を改善する方法を身に付けること。
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到達目標 |
①幼稚園教育の基本について説明することができる。(60%)
②教育課程の意義と編成の方法について説明することができる(カリキュラム・マネジメントを含む)。(60%)
③保育(指導計画及び実際の援助)を複眼的に検討することができる。(60%) |
教科書と準備するもの |
文部科学省.(2008).幼稚園教育要領解説.東京:フレーベル館. 190+税
国立教育政策研究所教育課程研究センター.(2005).幼児期から児童期への教育.大阪:ひかりのくに. ¥600+税
文部科学省.(2013)「幼稚園教育指導資料第1集 指導計画の作成と保育の展開」東京:フレーベル館.¥250+税
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参考書 |
文部科学省.(2017).幼稚園教育要領.東京:フレーベル館. 149+税
河邉貴子・赤石元子(監修).(2009).今日から明日へつながる保育:体験の多様性・関連性をめざした保育の実践と理論.東京:萌文書林. 2,200+税
河邉貴子(編著).(2008).新・幼稚園教育要領/新・保育所保育指針対応教育課程・保育課程論.東京:東京書籍. 1,600+税 |
評価の基準 |
①幼稚園教育の基本について説明することができる。
②教育課程の意義と編成の方法について説明することができる(カリキュラム・マネジメントを含む)。
③保育(指導計画及び実際の援助)を複眼的に検討することができる。
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具体的評価方法 |
小テスト(50%)、ワークシート(観察記録、小レポートを含む)(50%) |
第1回 |
内容
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幼稚園とはどんなところか ①授業の進め方についての確認を行う。 ②幼稚園とはどんなところかを知る。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
準備:幼児期に幼稚園や保育所等に通った経験がある場合は、そこで一日どの様な活動をしていたかを思い出し、登園から降園までを時系列にメモしてくること(箇条書き可)。また、印象に残っていること(行事や出来事等)があれば、メモしてくること。 復習:遊びの中の学びについて具体例をワークシートにまとめて提出すること(提出した翌週に返却および解説を行う)。
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授業実施特記 |
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第2回 |
内容
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幼稚園教育要領の改訂の背景とポイント、幼児期の特性と幼稚園教育の役割 ①幼稚園教育要領改訂の背景とポイント(カリキュラム・マネジメント、総則、指導計画作成上の留意事項、子育ての支援と預かり保育の充実)について学ぶ。 ②幼児期の特性と幼稚園教育の役割について学ぶ。 ③「知識や技能の基礎」、「思考力・判断力・表現力等の基礎」、「学びに向かう力、人間性等」からみた「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」と小学校との接続について学ぶ。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:『幼稚園教育要領』を読んでくること。また、幼稚園教育の目的(学校教育法第22条)を調べてノートに書いてくること。 復習:幼稚園での学びが小学校での学びにどのようにつながるのか、具体例をワークシートにまとめて提出すること(提出した翌週に返却および解説を行う)。
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授業実施特記 |
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第3回 |
内容
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幼稚園教育の基本 ①幼稚園教育の基本(人格形成の基礎を培うこと、環境を通して行う教育、幼稚園教育の基本に関連して重視する事項、計画的な環境の構成、教師の役割)について学ぶ。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:『幼稚園教育要領解説』第1章第1節を読んでくること。 復習:幼稚園教育の基本に関連して重視する事項について、ノートにまとめること。 |
授業実施特記 |
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第4回 |
内容
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指導計画の作成と保育の展開①(指導計画作成の基本) ①指導計画作成に当たっての基本的な考え方について学ぶ(カリキュラム・マネジメントを含む)。 ②指導計画の作成の具体的な手順とポイントについて学ぶ。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:『指導計画の作成と保育の展開』の第1章と第2章を予め読んでくること。 復習:幼稚園と小学校との指導方法の違いについてノートにまとめること。 |
授業実施特記 |
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第5回 |
内容
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指導計画の作成と保育の展開②(指導計画の意義と保育) ①カリキュラム・マネジメントの重要性をふまえた指導計画の作成と保育の実際について学ぶ。 ②小テスト(翌週に返却および解説を行う) |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:『指導計画の作成と保育の展開』の第3章を読んでくること。 復習:指導計画の意義についてノートにまとめること。 |
授業実施特記 |
小テスト(翌週に返却および解説を行う)
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第6回 |
内容
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指導計画の作成と保育の展開③(指導計画の作成と保育の展開) ①カリキュラム・マネジメントの重要性をふまえた指導計画の評価・改善のポイントと実際について学ぶ。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:『指導計画の作成と保育の展開』の第4章を読んでくること。 復習:小テストで間違えた箇所の確認とする。 |
授業実施特記 |
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第7回 |
内容
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3歳児の発達の特徴と指導計画①(3歳児前半の保育) ①3歳児の発達の特徴を踏まえた指導計画の在り方を学ぶ。 ②心のよりどころとしての保育者の役割について学ぶ。 ③3歳児前半の保育の様子を見て記録をとる(DVD)。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:『幼児期から児童期への教育」』第3章第1節を読んでくること。 復習:心のよりどころとしての保育者の役割についてワークシートにまとめ、提出すること。 |
授業実施特記 |
ワークシート(提出した翌週に返却および解説を行う) |
第8回 |
内容
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3歳児の発達の特徴と指導計画②(3歳児後半の保育) ①自己発揮を支える保育者の役割について学ぶ。 ②3歳児後半の保育の様子を見て記録をとる。(DVD)
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:『幼稚園教育要領解説』の付録、保育所保育指針第二章子どもの発達(Pp.276‐279.)を読んでくること。また、前回の保育記録を読み返しておくこと。 復習:自己発揮を支える保育者の役割についてワークシートにまとめ、提出すること。 |
授業実施特記 |
ワークシート(提出した翌週に返却および解説を行う) |
第9回 |
内容
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4歳児の発達の特徴と指導計画① ①4歳児の発達の特徴を踏まえた指導計画の在り方を学ぶ。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:『幼児期から児童期への教育』第3章第2節を読んでくること。 復習:授業を振り返り、4歳児の発達の特徴についてノートにまとめること。 |
授業実施特記 |
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第10回 |
内容
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4歳児の発達の特徴と指導計画② ①4歳児の保育の観察記録をとる。(DVD) ②観察記録をもとに、保育(指導計画及び実際の援助)を複眼的に検討する。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:幼児にとって、友達とのいざこざや葛藤はどのような意味をもつのか、ノートにまとめてくること。 復習:友達とのかかわりを支える保育者の役割についてワークシートにまとめ、提出すること(提出した翌週に返却および解説を行う)。 |
授業実施特記 |
ワークシート(提出した翌週に返却および解説を行う) |
第11回 |
内容
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5歳児の発達の特徴と指導計画① ①5歳児の発達の特徴を踏まえた指導計画の在り方を学ぶ。 ②保育の記録をとるコツと読み取るコツについて学ぶ。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:『幼児期から児童期への教育』第3章第3節を読んでくること。 復習:授業を振り返り、5歳児の発達の特徴についてノートにまとめること。 |
授業実施特記 |
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第12回 |
内容
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5歳児の発達の特徴と指導計画② ①持続的な遊び集団と協同性との関係について学ぶ。 ②5歳児の保育の観察記録をとる。(DVD) ③観察記録をもとに、保育(指導計画及び実際の援助)を複眼的に検討する。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:『幼児期から児童期への教育』第3章第4節を読み、幼小交流活動の意義について、ノートにまとめてくること。 復習:保育記録を読み直し、育ち合い学び合う5歳児の生活についてまとめること。 |
授業実施特記 |
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第13回 |
内容
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特別支援が必要な幼児の指導計画①、幼保一元化施設における教育課程の考え方 ①特別支援が必要な幼児の指導計画について学ぶ。 ②幼保一元化施設における教育課程の考え方について学ぶ。 ③特別支援教育の観察記録をとる。(DVD) |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:『幼稚園教育要領解説』第3章を読んでくること。 復習:特別支援教育で自己肯定感を育むための幼稚園のとりくみについてワークシートにまとめること(提出した翌週に返却および解説を行う)。 |
授業実施特記 |
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第14回 |
内容
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手遊び ①材料や道具がなくても幼児がその場でできる遊びのレパートリーを増やす。 ②幼児に動作をわかりやすく教える方法を学ぶ。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
準備:材料や道具がなくても幼児がその場でできる遊びを調べ、ワークシートにまとめてくること(翌週に返却および解説を行う)。また、模擬保育ができるよう準備してくること。 復習:他の発表者が紹介した遊びを練習し、覚えること。
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授業実施特記 |
ワークシート(翌週に返却および解説を行う) |
第15回 |
内容
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特別支援が必要な幼児の指導計画② ①軽度発達障害の幼児の困難さと指導の具体的なスキルについて事例を通して学ぶ。 ②特別支援教育の観察記録をとる。(DVD) |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:自閉症、高機能自閉症、学習障害、注意欠陥/多動性障害の定義について調べてくること。 復習:軽度発達障害の幼児の指導のポイントをまとめること。 |
授業実施特記 |
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