授業の概要・ねらい |
児童が社会的事象の見方・考え方を働かせ、追究し、解決していく問題解決的な学習での、主体的・対話的で深い学びや教師の役割等を理解し、それを活かして各週指導案を作り、模擬授業を行う。
(1)小学校社会科の目標・内容及び学習指導の在り方について基本的な理解を図る。
(2)社会科教育の実践についての関心を高め、実践的能力を身に付けられるようにする。
(3)次期学習指導要領下での授業も意識し、今後の社会科教育の在り方を考える。
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到達目標 |
社会科の授業を通して育てたい児童の姿について理解し、その実現を目指す授業の質を高めるために必要な素材の教材化と授業実践に対する教師の姿勢を、単元の特性に応じた教材・資料の準備、それらの提示の仕方や活用のさせ方、児童の主体的的・対話的で深い学びを促す効果的な指導の在り方の工夫などの視点で学び、指導計画の作成能力や授業実践力の基礎を身につけることができる。
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教科書と準備するもの |
○「小学校学習指導要領解説・社会科編」
○毎回資料として配られるプリント等を綴じたファイル |
参考書 |
○北敏夫著「社会科の学力をつくる知識の構造図」(明治図書)
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評価の基準 |
●講義内容が、社会科の授業づくりに生きる形で理解できているか。
●講義内容を生かした指導計画案が作れるか。
●教材の研究、学習活動の工夫、指導の工夫について、ワークシートの中に自分の考えが整理でき、グループでの話し合いの中でそのまとめを活用して、授業づくりに関する意見が言えているか。 |
具体的評価方法 |
●毎回の課題レポートごとに内容を採点し、その蓄積の総合点をもとに評価する。
●各自で、学年と単元を決めさせ、単元の目標、その授業を行う上で必要な教材や資料、学習活動の工夫(問題解決学習の学習過程にそって要素の構造化に努め、導入段階の学習問題づくりと関連した授業の工夫を具体化する)、社会的事象の見方・考え方の定着を意識した指導(発問、指示、資料の提示の仕方の工夫)の三つの視点で発表させ、プレゼン内容を評価する。 |
第1回 |
内容
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○ガイダンス(講義内容・諸注意) 社会科で育成を目指す公民としての資質・能力の基礎、学習指導要領社会科の目的と内容、社会科の理解、能力、態度目標と評価の在り方について講義し、社会科学習の目標と内容の構成について、カリキュラムマネージメントの必要性とつなげながら、学年ごとの学習内容の例を示しながら説明する。 ※グループごとに学年を担当し、ワークシートに整理し、説明させる。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(復習)社会科学習の目標と内容について、学年の発達とつなげてワークシートにまとめる。(予習)小学校時代の社会科の授業の感想とよりよい社会科の授業とはどんな授業か、自分の考えをメモしておく。
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授業実施特記 |
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第2回 |
内容
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○社会科の授業づくりの基礎・基本 よりよい社会科授業の条件について、具体的な例を示しながら説明する。 <よりよい社会科授業の条件ー(1)問題解決的な学習と学習過程> 社会科における単元の問題解決的な学習と学習過程について、具体例をもとにその特徴と単元の目標を計画性をもって達成するための働きを中心に講義する。その際、問いや発問は、学習のねらいの達成や学習活動の充実において重要な役割を果たすこと、子どもの発達との関係を考慮して意図的、計画的に設定することについて講義する。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
(復習)よりよい社会科の授業の条件-(1)問題解決的な学習と学習過程についてワークシートにまとめる。さらに、教師は、授業中に子どもにどんな意図でどんな言葉かけをするか、問いと発問について学んだことを整理する。 (予習)社会科の教材や資料にはどんなものがあるか、知っていることを箇条書きにしてくる。
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授業実施特記 |
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第3回 |
内容
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○よりよい社会科授業の条件ー(2)教材・資料 よりよい教材や資料が子どもの学ぶ意欲や社会科の授業の質を高めること、そのためには教材の発掘、選択、資料の収集、作成が大切になることについて講義する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(復習)社会科の教材や資料の果たす役割について、ワークシートに整理しておく。 (予習)学習活動や学習形態について、思いつくことをメモしておく。
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授業実施特記 |
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第4回 |
内容
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○よりよい社会科授業の条件ー(3)多様な学習活動、特に本物から学ぶことの位置づけ-1 より良い社会科の授業のためには、学習過程の各段階における効果的な学習活動や学習形態の工夫が必要であること、特に本物から学ぶ活動をどう位置づけるか、その効果を上げるための手立てを講義する。 ※6年政治単元の2、内容(1)ア(イ)の学習効果を上げるために、税の仕組みから政治を見つめることを取り上げ、そのための教材内容に対する教師自身の知識や理解を深めること。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(復習)租税について学んだことを感想も含めて整理する。 (予習)租税について学んだことを政治の仕組みについて学ぶ授業と授業のどの段階に本物を 位置づけるか考えておく。 |
授業実施特記 |
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第5回 |
内容
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○よりよい社会科授業の条件ー(4)多様な学習活動、特に本物から学ぶことの位置づけー2 6年政治単元で、政治の仕組みを学ぶ際の、税の働き、納税の義務をを学習内容としてどう位置づけるか、そこに本物を取り入れた場合の授業モデルを学び、本物を位置付ける意義、租税そのものの学習内容としての価値を考えさせる。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
(復習)6年政治単元で取り上げる租税の働きや役割について、ワークシートに整理しておく。 (予習)板書の目的について、考えたことをメモしておく。
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授業実施特記 |
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第6回 |
内容
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○よりよい社会科授業の条件-(5)わかりやすい板書 社会科の板書は、学習問題の解決に向けた学習内容や児童の考えが整理されるように工夫することなどの効果的な板書構成について、具体例をもとに講義する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(予習)社会科の学習の評価は何をもとにどのように行われるか、考えたことをメモしておく。 (復習)社会科授業における板書の役割について、ワークシートに整理しておく。 |
授業実施特記 |
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第7回 |
内容
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○社会科の授業づくり(1)一時間レベル 「文明開化」の学びをきっかけとして、「幕末と明治維新」「明治新政府の働きと国内の変化」について学習に広がりをもたせる具体的な実践事例をもとに、社会科の授業づくりのポイントを説明する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(復習)本時の授業づくりのポイントについて、ワークシートにまとめる。 |
授業実施特記 |
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第8回 |
内容
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○社会科の授業づくり(2)小単元レベル 「玉川上水」に関する具体的な実践事例をもとに、地域に対する子供たちの認識を深める社会科の授業づくりのポイントを説明する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(復習)本時の授業づくりのポイントについて、ワークシートにまとめる。 (予習)自分がやってみたい社会科の授業について、学年、学習指導要領の目的・内容、取り上げたい教材と提示の仕方を考え、ワークシートにまとめてくる
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授業実施特記 |
※まとめ用のプリント配布 |
第9回 |
内容
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○社会科の授業づくり(3)大単元レベル 「区のようす」の学習に関する具体的な実践事例をもとに、社会科の授業づくりのポイントを説明する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(復習)「町探検」から「区の様子の特色」についての学習に発展する実践事例をもとに、社会科の授業づくりのポイントを、教師の仕込み(ねらいに応じた学習の範囲や内容の焦点化についての隠れた配慮等)などについてワークシートに整理する。 (予習)自分がやってみたい社会科の授業について、学年、学習指導要領の目的・内容、取り上げたい教材と提示の仕方を考え、ワークシートにまとめてくる |
授業実施特記 |
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第10回 |
内容
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○社会科の授業づくり(4)二つの小単元を組み合わせて 「日本の農業」と「地形や気候による暮らしの工夫の違い」の具体的な実践事例をもとに、社会的事象に対する子どもの見方、考え方の定着と広がりや深まりをもたせる社会科の授業づくりのポイントを説明する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(復習)「米作り」と「畜産」の学習をもとに、見方や考え方を転移・応用して学びを深める授業のポイントをワークシートンまとめる。 (予習)自分がやってみたい社会科の授業について、学年、学習指導要領の目的・内容、取り上げたい教材と提示の仕方、育てたい見方・考え方等を考え、ワークシートにまとめてくる。
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授業実施特記 |
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第11回 |
内容
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○授業作りにチャレンジしよう(1) 授業を作るために必要なポイントに合わせて、構想を考えてみる。 ①取り上げたい社会的事象 ②学年と学習指導要領の目的・内容 ③取り上げたい教材、その提示の仕方 ④育てたい見方・考え方 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(復習)(予習)この時間の学習の続きをワークシートにまとめることと、これを基にグループ内でプレゼンするための個人資料を作成する。特に、自分が考えた授業作りの構想が、社会科でねらう公民的資質の基礎あ社会科における見方・考え方の育成にどのようにつながるか、説明できるようにしておく。
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授業実施特記 |
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第12回 |
内容
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○授業作りにチャレンジしよう(2) 授業を作るために必要なポイントに合わせて、構想を考え((1)の続き)、できた学生からグループ内でプレゼンをする。 ①取り上げたい社会的事象 ②学年と学習指導要領の目的・内容 ③取り上げたい教材、その提示の仕方 ④育てたい見方・考え方 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(復習)(予習)この時間の学習の続きをワークシートにまとめることと、これを基にグループ内でプレゼンするための個人資料を作成する。特に、自分が考えた授業作りの構想が、社会科でねらう公民的資質の基礎あ社会科における見方・考え方の育成にどのようにつながるか、説明できるようにしておく。
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授業実施特記 |
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第13回 |
内容
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○授業作りにチャレンジしよう(3) 授業のアイディアについて、グループ内でプレゼンし合い、互いのよさを以下の視点で評価し、各グループの代表を決める。 ※評価の視点:①取り上げた社会的事象の妥当性(その学年の学習指導要領目的や内容、特に公民的資質の基礎、社会科における見方・考え方との関わり)②教材の斬新性(教材そのもの、提示の仕方が児童の興味を引くか、教材は、学習過程のその段階で効果を上げられるか)など
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
(復習)これまでの自己のワークシートをまとめ、社会科という教科の特性と社会科を教える教育的意義についての自分の意見をまとめる。 |
授業実施特記 |
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第14回 |
内容
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○授業作りにチャレンジしよう(4) 授業のアイディアについて、各グループの代表の中から教師が選んだ4名のプレゼンを全体で聞き、個々のよさを以下の視点で評価した意見をワークシートにまとめる。。 ※評価の視点:①取り上げた社会的事象の妥当性(その学年の学習指導要領目的や内容、特に公民的資質の基礎、社会科における見方・考え方との関わり)②教材の斬新性(教材そのもの、提示の仕方が児童の興味を引くか、教材は、学習過程のその段階で効果を上げられるか)など
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
(復習)これまでの自己のワークシートをまとめ、社会科という教科の特性と社会科を教える教育的意義についての自分の意見をまとめる。 |
授業実施特記 |
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第15回 |
内容
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これからの社会科教育 社会科の授業づくりと実践について、「知識の構造図」と「社会科における見方・考え方」の二つの側面から、新しい社会科教育について講義する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
最終レポートの裏側に、社会科の授業づくりで大切なキーワードを問題解決的な学習を意識してまとめさせ、これまでのワークシートに加え、社会科の授業のポイントとして、教師になってからも使えるように綴らせておく。 |
授業実施特記 |
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