最終更新日:2018/03/30
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2018 (週1コマ)秋期 開講時限 金2
開講学部・学科等 政経・経営
科目コード 632041500 科目ナンバー BAM02407
授業名 日本経済論(各論)
英文授業名 Japanese Economy (Specific Studies)
担当教員 高橋 誠

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業
教職課程科目 教科に関する科目
テーマ・キーワード 多国籍企業 比較優位の原則 リーマンショック アベノミクス 国家戦略特区 非正規雇用  フレキシキュリティモデル

授業の概要・ねらい 授業のねらい:現代日本経済はグローバル資本主義システムの一環として機能し、国民経済のさまざまな局面において、世界経済の影響を直接に被る構造の中にある。前半では、現代日本経済と世界経済の関係を認識するために必要な基本的知識、すなわちグローバル資本主義、会社および多国籍企業、国際貿易理論(「比較優位の原則」等)、TPP・RCEP問題の可否等を学ぶ。この作業を踏まえて、中段では時系列的に、リーマンショック後の現代日本経済のマイナス成長期とそこからの脱却の試み、そして東日本大震災の災禍から第二次安倍政権下のアベノミクス政策までが主題になる。終盤において、非正規雇用・貧困=格差、少子高齢化・社会保障、財政再建等の現代日本経済が抱える諸問題は、世界経済との相関においてのみ分析が可能であり、その作業を踏まえて、はじめて、日本経済も直面する近未来、「第四次産業革命」(「ソサエティー5.0」)への展望が拓けてくることであろう。
到達目標:現代日本経済の諸問題はグローバル資本主義システムとの相関においてはじめて分析可能であり、時間制約の下で、自ずとその解決策も国内視点とグローバル視点が焦点を結ぶ「狭い道」にのみあることが理解されよう。
到達目標 グローバル資本主義におけるアベノミクス政策の意義および賛否両論と現代日本経済の抱える諸問題(非正規雇用・少子高齢化に伴う社会保障・財政再建)を説明できること。
教科書と準備するもの 最初の授業で指示する
参考書 稲葉陽二・乾友彦・伊勢崎大理『『Next 教科書シリーズ 日本経済論』弘文堂、2012年
若森章孝『新自由主義・国家・フレキシキュリティの最先端』晃洋書房、2013年
日経ビジネス編『日経ビジネス 日本経済入門』日経BP社、2014年
三橋規宏・内田茂男・池田吉紀『新・日本経済入門』日本経済新聞出版社、2015年
若田部昌澄『ネオアベノミクスの論点 レジームチェンジの貫徹で日本経済は復活する』PHP研究所(PHP新書)、2015年
会田卓司・榊原可人『日本経済の新しい見方』金融財政事情研究会、2017年
NHKスペシャル「人体」取材班編『人体の神秘の巨大ネットワーク』(第1巻[プロローグ]神秘の巨大ネットワーク/[第1集]腎臓が寿命を決める)、東京書籍、2017年
渡辺正峰『脳の意識 機械の意識:脳神経科学の挑戦』中央公論新社、2017年
藤井彰夫『日本経済入門』日本経済新聞出版社(日経文庫)、2018年
評価の基準 「デフレ脱却」の処方箋であるアベノミクス政策の論点と経過および現代日本経済の抱える諸課題について理解しているか否かを基準にして評価する。
具体的評価方法 授業貢献度を重視し、期末試験の実施により、総合的に評価する。期間中に1回、主題に関する新聞記事を読み、小論文を提出して戴く。可能であれば、それにもとづいて、討論会を行いたい。講義の出席者のみに資料・重要事項を示したプリント教材を配布する。なお、3分の2以上の出席者を評価の前提条件とすることは言うまでもない。後期定期試験(80%)・小論文(20%)の実施により、総合的に成績を評価する。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
質問4の「この授業を受講して満足している」の評価が、質問1および質問9と共に全体平均よりわずかではあるが上回っていることは有難いことである。各質問事項の内容を再度吟味して、改善に努めたい。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
ガイダンス:グローバル資本主義における現代日本経済
講義計画と授業内容および評価の説明
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:講義の計画と内容を一瞥しておくこと
復習:「講義の計画と内容」を熟読すること
授業実施特記
第2回 内容
Ⅰ グローバル資本主義における現代日本経済
1 グローバル資本主義とは何か
(1) グローバル資本主義システムのアーティキュレーション構造
(2) 多国籍企業の定義とその現状
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:グローバル資本主義の概念を把握しておくこと
復習:多国籍企業の定義に関するレジュメを再読、熟考
授業実施特記
第3回 内容
2 会社とは何か、誰のものか?
(1) 会社とは何か  
(2) 会社は誰のものか
(3) 多国籍企業のパフォーマンス 
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:「会社とは何か」について検討しておくこと
復習:岩井克人の会社観に関する論考を再読、熟考
授業実施特記
第4回 内容
3 国際貿易理論:「比較優位の原則(比較生産費説)」
(1) 「絶対優位」と「比較優位」
(2) リカード・モデルとヘクシャー=オリーンの理論 
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:貿易はなぜ起こるのか考えておくこと
復習:「比較優位の原則」に関するレジュメの再読、熟考
授業実施特記
第5回 内容
4 グローバル資本主義ネットワークにおける現代日本経済:日系企業の海外事業展開
(1) 日本の対内直接投資・対外直接投資の動向
(2) TPP(環太平洋経済連携協定)・RCEP(東アジア地域包括的経済連携)問題
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:日系企業の海外事業展開に関する具体的事例を想定しておくこと
復習:TPP・RCEPに関するレジュメの熟読、検討
授業実施特記
第6回 内容
Ⅱ リーマンショック後の現代日本経済
1 小泉政権以後の景気動向とリーマンショック(グローバル金融危機)
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:「リーマンショック」の事実関係について調べておくこと
復習:リーマンショックに関するレジュメの熟読
授業実施特記
第7回 内容
2 経済停滞期(マイナス成長)
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:あらかじめ配布される「実質経済成長の推移」に関するレジュメを検討しておくこと
復習:マイナス成長の意味について熟慮すること
授業実施特記
第8回 内容
3 東北大震災・原発問題・地域経済ネットワークの脱臼
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:「地域経済ネットワーク」について自分の考えを整理しておくこと
復習:自分のこととして、東日本地域について思いを致すこと
授業実施特記
第9回 内容
4 アベノミクスのデフレ脱却政策とその分析
(1) アベノミクスの旧「三本の矢」(金融緩和政策・財政政策・規制緩和政策)と新「三本の矢」とその後の成長戦略
(2) 「規制緩和」とTPP問題
(3) アベノミクス論争:賛成論・対・反対論
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:「アベノミクス」の新「三本の矢」について調べておくこと
復習:「アベノミクス論争の現在」に関するレジュメを再読、検討
授業実施特記
第10回 内容
5 グローバル資本主義におけるアベノミクス政策の意味と現状
(1) 国家戦略特区とグローバル資本主義
(2) アベノミクスの現状
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:国家戦略特区について調べておくこと
復習:「民泊」に対する見解を整理しておくこと
授業実施特記
第11回 内容
Ⅲ グローバル資本主義の構成因子としての現代日本経済の諸課題
1  経済成長率の低下とその影響
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:経済成長率の低下に伴う影響について再度考えておくこと
復習:低成長期における非正規雇用問題の検討
授業実施特記
第12回 内容
2 日本的雇用システムの変容:非正規雇用・格差問題(「働き方改革」)
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:非正規雇用と「改正労働法」との関係について調べておくこと
復習:非正規雇用問題と「働き方改革」について熟考
授業実施特記
第13回 内容
3 少子高齢化と社会保障問題
(1) 少子高齢化
(2) 社会保障問題
(3) フレキシキュリティ政策の「導入」問題
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:少子高齢化と社会保障問題について自分の考えを整理しておくこと
復習:フレキシキュリティ政策の「導入」問題に対する自分の判断を確認すること
授業実施特記
第14回 内容
4 財政問題と財政再建の方法
(1) 財政問題
(2) 財政再建の方法
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:あらかじめ配布された「平成30年度予算に関する資料」(『日本経済新聞』の記事)を読んでおくこと
復習:日本の財政再建問題に関するレジュメを再読、熟考
授業実施特記
第15回 内容
主要論点の検討と討議
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:配布されたアベノミクスと現代日本経済の諸問題に関するレジュメを再読しておくこと
復習:アベノミクスと現代日本経済の諸問題について熟考すること
授業実施特記