最終更新日:2018/01/29
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2018 (週1コマ)秋期 開講時限 水4
開講学部・学科等 アジア
科目コード 610023300 科目ナンバー ASR02551
授業名 シルクロードの歴史
英文授業名 History of Silk Road
担当教員 濱田 英作

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
アジアの地理、アジア文明史、宗教学、中国の歴史、日中関係史、多文化社会、ユーラシアの世界遺産
後続関連授業 特になし。
教職課程科目 教職に関する科目
テーマ・キーワード シルクロード、東西交渉史、ユーラシア、大乗仏教、三本の道、オアシス

授業の概要・ねらい 概要:古代から現代に至るまでユーラシア大陸を横断・縦断して、東と西の世界を結んできた交流の道、シルクロードの全体像と、その起源および発展の歴史について、説明し講義する。
ねらい:アジアの文化交流を知る上でも欠かせない道であるシルクロードについて、広い知識を得る。それを背景に、現代世界の問題を考える。広く身につけるべきアジア学の一環・一端として、それぞれの地域が出会い、交流し、新たな文化や文明を作り上げていく、そうしたダイナミックな動きについて考える力を涵養する。グローバル社会の一員としての広いものの見方や、多様な考え方ができるようになる。
到達目標 (A)グローバル社会の一員として、シルクロードの全体像と、その具体的な姿および発展の歴史的経緯について知識を得て、理解と認識が深まる。
(B)知的理解力を得て、さまざまな物事に対する、多面的な分析および考察の能力が高まる。
(C)自らの意見と識見とを持ち、それを適切な形式で表現・発表できる総合コミュニケーション能力が高まる。
教科書と準備するもの 特になし。
参考書 長澤和俊『シルクロード』(講談社学術文庫)。『シルクロードを知る事典』(東京堂出版)。濱田英作『シルクロードの伝説』(サイマル出版会)。『講談社 新シルクロードの旅 1、2、3』。『中国漢代人物伝』(成文堂)。その他、授業の中で紹介する。
評価の基準 (A)この講義で説明したところの「シルクロード」の概念およびその通史を的確に把握・理解し、文章によって体系的に記述し説明することができる。(50%)
(B)シルクロードの歴史的・文化的発展の全容を、講義内容に沿って理解し、文章によって論理的に展開し記述することができる。(50%)
具体的評価方法 ・評価の基準に示した項目の到達度を総計する。定期試験(90%)・受講態度(10%)を総合的に評価する。
・遅刻は平常点に含まれる減点の対象とする。
関連リンク 白楊樹
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
2016年度秋には高い評価を得られて、感謝しています。現在のところ、2017年度のアンケートについては、いまだ結果がわかりませんが、パワーポイントのスライドショーなどもさらに充実・洗練させて、より具体的にわかりやすく、かつダイナミックな授業展開をこころがけます。地理・歴史・環境に関心のある諸君、また中国のみならず中央アジアから西アジア地域、さらにはヨーロッパにまで広く興味を持つ諸君の積極的な受講を期待します。
単位互換 首都圏西部単位互換
特記 質問受付:水・木・金の午後、3013研究室。Eメールでの質問も可。eyhamada@kokushikan.ac.jp

授業計画
第1回 内容
オリエンテーション:講義の概要、授業の進め方、成績評価の方法と基準、授業を受けるときのマナーや心構えについて説明する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 本シラバスを読んでくること。復習としては、今回のノート整理をすること。
授業実施特記
第2回 内容
名称の説明:シルクロードという名称について、その由来と、それがいかなる意味と意義を持つのかについて説明する。またそれを、ユーラシア世界全体、アジア、ヨーロッパの概念的把握と関連付けて論ずる。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習としては、「シルクロード」という用語について百科事典や辞書などで調べ、参考書を読んでおくこと。復習としては、ノートの整理をすること。
授業実施特記
第3回 内容
ユーラシアの自然地理と人文地理:シルクロードが走っているユーラシア大陸の気候と地形、つまり自然地理と、そこで暮らす人々の作り上げた、さまざまな生活文化の特質について分類する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習としては、ユーラシア大陸の自然地理、とくに気候区分について、参考書を読み、また百科事典で調べておくこと。復習としては、ノートの整理をすること。
授業実施特記
第4回 内容
主要な三本の道:シルクロードについて、まず東西を走る主要な三本の道筋と、それぞれの範囲および特徴について説明していく。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習としては、参考書の関連項目を熟読しておくこと。
復習としては、ノートの整理をすること。
授業実施特記
第5回 内容
草原の道:それぞれの道ごとに、どういう文化があり、どのような民族がいてどんな生活をし、何が交流したのかを詳しく論じていく。まず「草原の道」と、そこで活躍した遊牧騎馬民族について、その発展の歴史を説明する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習としては、参考書の関連項目を熟読しておくこと。
復習としては、ノートの整理をすること。
授業実施特記
第6回 内容
オアシスの道:それぞれの道ごとに、どういう文化があり、どのような民族がいてどんな生活をし、何が交流したのかを詳しく論じていく。次に「オアシスの道」について説明する。オアシスの発展段階、また灌漑農耕について詳しく解説していく。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習としては、参考書の関連項目を熟読しておくこと。
復習としては、ノートの整理をすること。
授業実施特記
第7回 内容
海の道:それぞれの道ごとに、どういう文化があり、どのような民族がいてどんな生活をし、何が交流したのかを詳しく論じていく。次に「海の道」について説明する。香料、陶磁器、茶などがキーワードである。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習としては、参考書の関連項目を熟読しておくこと。
復習としては、ノートの整理をすること。
授業実施特記
第8回 内容
肋骨路と接続路:上に挙げた三本の道以外のシルクロードについて、詳しく見ていく。南北の肋骨路、接続路について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習としては、参考書の関連項目を熟読しておくこと。
復習としては、ノートの整理をすること。
授業実施特記
第9回 内容
先史時代のシルクロード:中国やオリエントの先史時代、つまり文字にに記されている以前の、新石器時代にさかのぼる、考古学的なシルクロードの起源について説明する。細石器、麦作農耕、彩色土器、玉器、青銅器などについて解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習としては、参考書の関連項目を熟読しておくこと。
復習としては、ノートの整理をすること。
授業実施特記
第10回 内容
歴史時代のシルクロード・歴史の夜明け:文字の記録に残された、最初のシルクロード交流の曙について説明する。アケメネス王朝、スキタイ人、アレクサンドロス大王、ヘレニズムなどが主要なテーマである。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習としては、参考書の関連項目を熟読しておくこと。
復習としては、ノートの整理をすること。
授業実施特記
第11回 内容
中国とシルクロード:紀元前3世紀ごろから、中国がシルクロードにどのように進出したかを追う。それにあわせて、漢民族と戦った遊牧民族、匈奴についても解説する。さらに匈奴と深い文化的・民族的関連を持つ、西アジアで活躍したスキタイ族、その他北方遊牧民について説明していく。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習としては、参考書の関連項目を熟読しておくこと。
復習としては、ノートの整理をすること。
授業実施特記
第12回 内容
東西最初のふれあいの記録:紀元1世紀から2世紀にかけて、シルクロードは最初の全盛期を迎えることになる。ここでは、西の果てのローマ帝国と、東の果ての中国後漢王朝とが、どのように接触をしてお互いの知識を得たかについて説明し論ずる。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習としては、参考書の関連項目を熟読しておくこと。
復習としては、ノートの整理をすること。
授業実施特記
第13回 内容
ヘレニズムと仏教:シルクロードに栄えた北伝仏教(いわゆる大乗仏教)を中心とするヘレニズム文化と、その影響を受けた古代東アジア、とくに飛鳥時代、奈良時代の日本文化の形成との関わりについて解説し論ずる。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習としては、参考書の関連項目を熟読しておくこと。また仏教史について、百科事典の関連項目を調べておくこと。
復習としては、ノートの整理をすること。
授業実施特記
第14回 内容
シルクロード探検史:19世紀から20世紀にかけてのシルクロード歴史文化の再発見にかかわる探険と発掘の歴史と、それに影響を受けた宮澤賢治の作品について論じてみる。現代とシルクロードとの関わりを考察しようという試みである。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習としては、参考書のシルクロード探検に関連する項目を熟読しておくこと。また宮澤賢治の童話作品「雁の童子」「銀河鉄道の夜」などに目を通しておくことを勧める。
復習としては、ノートの整理をすること。
授業実施特記
第15回 内容
授業の内容をまとめ、補足し、質問を受け付ける。試験についての説明を行う。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習としては、ノート整理を詳細に済ませて、授業全般について振り返り、補足・再確認をしてもらいたいポイント、質問をしておきたい疑問点などを、たとえば箇条書きなどの形式で手元に準備しておき、質問事項を考えておくこと。
復習としては、他人の質問事項なども参考にして、本日のまとめ内容を大いに参考にしながら、定期試験への準備を済ませておくこと。
授業実施特記