最終更新日:2018/01/15
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2018 (週1コマ)秋期 開講時限 木2
開講学部・学科等 法・政経・理工・文・経営
科目コード 120100400 科目ナンバー LAS01102
授業名 政治学B
英文授業名 Political Science B
担当教員 大木 啓介

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業 法学・経済学・社会学
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業 近代日本政治史・現代日本政治史・日本政治思想史・政治体制論・西洋政治思想史
教職課程科目
テーマ・キーワード 社会集団・統治機構・正統性

授業の概要・ねらい  政治学の基礎概念を現代政治の実態とからめて講述する。「政治の世界」の輪郭を、支配者と行政幹部と被支配者との三つどもえの権力闘争という観点から描写していきたい。ことに「政治の世界」を構成する主要な要素に着目し政治の動態過程を考察すると共に、グローバルな視点から民主主義と民主化の問題にも注意を喚起して、現代政治を的確に見る「眼」を受講者なりに身につけられるよう配慮する。「政治学A」も受講することが望ましい。
到達目標 ①政治現象を把握する基礎概念を修得すること。
②これに基づき「政治の世界」を社会集団の動態、統治機構の動態・正統性の動態に着目して概観できること。
教科書と準備するもの 教科書は使用しない。その代わり、原則として毎回、プリントを配付する。
参考書 坂本多加雄『市場と国家』坂本多加雄選集Ⅱ(藤原書店)
慶野義雄『国民の政治学』(嵯峨野書院)
H・J・ウィーアルダ『入門 比較政治学』(東信堂)
慶野義雄ほか『国家・憲法・政治』(嵯峨野書院)
M.ウェーバー『職業としての政治』(岩波文庫)
その他、授業の進度に応じて指示していく。
評価の基準 政治現象を把握する基礎概念を修得すること、これに基づき「政治の世界」を社会集団の動態、統治機構の動態・正当性の動態に着目して概観できること。主として、この2点に関する筆記試験(授業内中間試験・学期末試験)の結果に基づいて成績評価をおこなう。
具体的評価方法 評価基準に基づく筆記試験
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
アンケートの要請を踏まえ、難解な用語も可能な限り易しく解説するよう心がける。また、なるべく現実政治の具体例を挙げていく。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
ガイダンス
 1)政治における事実命題と価値命題
 2)憲法と政治体制
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)本シラバスに目を通しておく。
(復習)規範的研究と経験的研究との相違を確認する。憲法と政治体制との関連を、また特に憲法と政治的現実との「ギャップ」を確認する。
授業実施特記
第2回 内容
分析問題の基盤: 国家と政治動態
 1)制度的母体としての「国家」(国家の3要素を中心に)
 2)政治動態モデル(支配者-行政幹部-被支配者の三つどもえの権力闘争として)
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)日本国憲法における「国民主権主義」の意味を考えてくる。
(復習)配布したプリントの設問に対する「解答」をまとめておく。
授業実施特記
第3回 内容
社会集団の動態(a)
 社会成層と政治動員の概観
 社会的亀裂への社会階級的視点
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)政治動態モデル(前回配布プリント)について疑問点をまとめておく。
(復習)社会成層と政治動員の関係を整理する。
授業実施特記
第4回 内容
社会集団の動態(b)
 M・ウェーバー3次元アプローチ[階級、身分、党派]
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)前回の授業内容を踏まえて政治動態モデルを再度確認しておく。
(復習)ウェーバーの提示する階級、身分、党派の関係を確認する。
授業実施特記
第5回 内容
社会集団の動態(c)
 政治闘争の組織体としての圧力団体その他
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)ウェーバーの3次元アプローチの概要を掴んで授業に臨むこと。
(復習)配布したプリントの設問に対する「解答」をまとめておく。
授業実施特記
第6回 内容
社会集団の動態(d)
 政党、政党制、選挙と投票行動
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)前回の授業内容を踏まえて政治動態モデルを再度確認しておく。
(復習)このモデルに政党や選挙・投票を組み入れて、政治過程のダイナミクスを考える。
授業実施特記
第7回 内容
社会集団の動態(e)
 世論と政治: 参加デモクラシー
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)前回の授業内容を踏まえて政治動態モデルを再度確認しておく。
(復習)デモクラシーの古典理論と現代理論を対比して整理する。
授業実施特記
第8回 内容
社会集団の動態(f)
 マスメディアと世論形成
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)前回の授業内容を踏まえて政治動態モデルを再度確認しておく。
(復習)民主政治過程のなかに「第四権力としてのマスメディア」を位置づける。
授業実施特記
第9回 内容
統治機構の動態(a)
 立憲政体と統治機構-立憲主義、議院内閣制と大統領制、国家元首と政府首長、等々
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)日本国憲法の「統治」に関わる条項を通覧しておく。
(復習)立憲政体の意味と権力抑制の作動様式をまとめる。
授業実施特記
第10回 内容
統治機構の動態(b)
 議会政治のなかの行政官僚制
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)前回の授業内容を踏まえて政治動態モデルを再度確認しておく。
(復習)政治家と行政官僚との関係をまとめる。
授業実施特記
第11回 内容
統治機構の動態(c)
 統治組織の問題-政治家 対 行政官僚 対 社会集団
 
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)前回の授業内容を踏まえて政治動態モデルを再度確認しておく。
(復習)議会政治の三原則を念頭に置き、現代政治における支配者-行政幹部-被支配者3者間関係の問題点を確認する。
授業実施特記
第12回 内容
正統性の動態(a)
M・ウェーバーの支配の三類型
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)前回の授業内容を踏まえて政治動態モデルを再度確認しておく。
(復習)理念型としての三類型の意味をまとめる。
授業実施特記
第13回 内容
正統性の動態(b)
 正統性と民主政治
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)前回の授業内容を踏まえて政治動態モデルを再度確認しておく。
(復習)体制類型としてのポリクラシーとモノクラシーを整理する。
授業実施特記
第14回 内容
補論 戦後日本政治における「右」と「左」(国際関係における冷戦状況と国内構図)
 国際政治的要因と国内政治的要因との交錯を、具体的な戦後史ならびに「戦後民主主義」の理念に即して考える。 
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)GHQの占領政策とはどういうものであったか調べておく。
(復習)内外情勢に照らして保革対立の起源とその後の戦後政治の思潮を大まかに掴む。
授業実施特記
第15回 内容
総括と確認
 今学期講義内容の概括と理解度の確認
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)前回の授業内容を踏まえて政治動態モデルを再度確認しておく。
(復習)授業時に実施した確認問題を中心にして期末試験対策を練る。
授業実施特記 今学期配布したプリントをすべて持参すること。