最終更新日:2018/01/27
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2018 (週1コマ)秋期 開講時限 月1
開講学部・学科等 政経・経営
科目コード 120100200 科目ナンバー LAS01003
授業名 法学B
英文授業名 Law B
担当教員 北田 真理

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
法学A
後続関連授業
教職課程科目
テーマ・キーワード 日本国憲法、基本的人権、統治機構、違憲審査、民法(家族法)、親権、離婚後300日問題、嫡出推定、代理出産、婚姻、離婚、相続

授業の概要・ねらい この講義では、皆さんにとって最も身近な家族問題について法的に理解してもらうことを目的に、民法(家族法)について講義します。今後の人生の選択に不可欠な知識を習得することができるはずです。
おもな法律(法学Aでは刑法・民法(財産法)を講義する)について一通り学習した後、最後に、憲法について講義します。憲法の目的について深く理解してもらうことを目的に、統治機構、基本的人権の順番で講義します。
到達目標 ・問題の所在を法的に認識し、さまざまな要素を勘案しながら、最も妥当な解決を導く能力(=リーガルマインド)を養うことができる。
・法学全般にわたる基礎的な学習により、論理的で客観的な思考を学ぶことができる。
・新聞やニュースの内容、身近なトラブルを法的に理解することができるようになる。
教科書と準備するもの 使用しません。授業の概要を記したレジュメを配り、それに基づいて授業を進めます。
参考書 小型の学習用六法(『ポケット六法』(有斐閣)、『コンパクト六法』(岩波書店)、『デイリー六法』(三省堂)など)。
評価の基準 1.身近な法律問題に関する基礎知識を習得できている。
2.紛争の解決方法について、大まかな法的枠組を理解できている。
3.自分なりに考え、法律の文言解釈を行うことができる。
具体的評価方法 試験100%
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
講義ではあるが、学生の発言の機会を設ける工夫をする。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
ガイダンス:授業の進め方、シラバスの利用方法について説明する。
民法・家族法(1)
近年の児童虐待に対応した親権制度の改正、離婚後の子との面会交流をめぐるトラブルについて講義する。離婚前後の夫婦間の子の奪い合いに関し、ハーグ子奪取条約についても解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)当科目のシラバスを読んでおく。教科書5章1節を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)離婚後単独親権制度の問題点、親権喪失・停止制度についてまとめる。(所要時間90分)
授業実施特記
第2回 内容
民法・家族法(2)
法律上の親子関係の成立について、生物学上の親=法律上の親とならない場合のトラブルについて、父子関係、母子関係に分けて講義する。特に、母子関係の代理出産については、国際私法・国際民事訴訟法の観点からの説明をする。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書5章2節を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)嫡出推定制度、離婚後300日問題、成人無戸籍問題、代理出産について復習し、法律上の父親・母親のあり方について自分なりの意見をまとめる。(所要時間90分)
授業実施特記
第3回 内容
民法・家族法(3)
婚姻の成立、効果、夫婦の財産関係について講義する。特に、パートナーシップ制度の解消の際の法的保護のあり方について、ジェンダーと法の視点に配慮しつつ説明する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 内縁、婚姻の効果について復習する。
(予習)教科書5章3節を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)夫婦と婚姻外の男女関係(内縁、パートナーシップ)の関係解消の際の法的保護のあり方についてまとめる。(所要時間90分)
授業実施特記
第4回 内容
民法・家族法(4)
相続について、遺言、法定相続分について講義する。非嫡出子の相続分差別違憲判決(最大判平成25年9月4日)を扱う。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)判決を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)900条4号但書を合憲とされていた理由、上記判決で違憲とされた理由をそれぞれまとめる。(所要時間90分)
授業実施特記
第5回 内容
民法・家族法(5)
我が国における4つの離婚の方法と有責配偶者からの離婚請求の可否、財産分与について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書5章4節を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)民法770条の有責主義から破綻主義への解釈の流れ、夫婦財産別産制・共有制の違いについてまとめる。(所要時間90分)
授業実施特記
第6回 内容
憲法総論(1)
日本国憲法前文、三大基本理念について講義する。特に、天皇主権から国民主権への変遷を高校時代までの日本史の知識と関連させつつ説明する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書6章1節を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)幕末から敗戦までの日本の歴史を復習し、天皇主権であった明治憲法時代をまとめる。(所要時間90分)
授業実施特記
第7回 内容
憲法総論(2)
基本的人権・統治機構の条文を学び、各統治機関(国会・内閣・裁判所)の特徴と弱者救済方法の違いを講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)憲法の条文を読む。(所要時間90分)
(復習)多数決原理が支配する国会とそうでない裁判所との違いを人権保障の観点からまとめる。(所要時間90分)
授業実施特記
第8回 内容
憲法 統治機構(1)
法律「制定」機関である国会、法律「執行」機関である内閣、法律「適用」機関である裁判所について、それぞれの特に重要な条文について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書6章2~3節を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)官僚政治と行政権の肥大化との関係性についてまとめる。(所要時間90分)
授業実施特記
第9回 内容
憲法 統治機構(2)
三権分立と相互の抑制・均衡、違憲審査の歴史について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書Focus④司法審査を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)行政権に対する違憲審査権、国会に対する違憲立法審査権の違いを復習する。付随的・抽象的違憲立法審査権の違いについてまとめる。(所要時間90分)
授業実施特記
第10回 内容
憲法 統治機構(3)
国民主権の発動のあり方、憲法改正について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書6章4節を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)国民から三権への関与の方法をまとめる。(所要時間90分)
授業実施特記
第11回 内容
憲法 統治機構(4)
国政と地方政治の違いについて講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)直接民主制・間接民主制の違いについて整理する。(所要時間90分)
(復習)間接民主制を採る我が国の国政と地方政治の違いについて、国民・住民の政治関与の直接性・間接性を意識しつつ整理する。(所要時間90分)
授業実施特記
第12回 内容
憲法 人権(1)
人権規定の国際化、人権規定の私人間効力、人権の制約根拠、違憲審査の基準について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書7章を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)違憲審査基準である二重の基準論について、精神的自由に対する制限に厳格な審査が求められる理由についてまとめる。(所要時間90分)
授業実施特記
第13回 内容
憲法 人権(2)
13条、14条の違憲審査基準を意識しつつ判例を読む。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)判例を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)14条に関し、国籍法3条違憲判決(最大判平成20年6月4日)で採られた違憲審査基準を検討するとともに、国籍法3条が合憲とされた理由、上記判決で違憲とされた理由をそれぞれまとめる。(所要時間90分)
授業実施特記
第14回 内容
憲法 人権(3)
21条、22条の違憲審査基準を意識しつつ判例を読む。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)判例を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)21条と22条の違憲審査基準を検討し、二重の基準論について整理する。(所要時間90分)
授業実施特記
第15回 内容
試験及びまとめの授業
憲法 人権(4)
13条に関し、憲法制定時には想定されていなかった新しい人権の扱いを講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)判例を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)自己決定権、プライバシー権についての判例を探し、違憲審査基準を意識しつつまとめる。(所要時間90分)
授業実施特記