最終更新日:2018/01/27
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2018 (週1コマ)春期 開講時限 月1
開講学部・学科等 政経・経営
科目コード 120100100 科目ナンバー LAS01002
授業名 法学A
英文授業名 Law A
担当教員 北田 真理

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業 法学B
教職課程科目 教科に関する科目
テーマ・キーワード 交通事故、刑法、死刑制度、罪刑法定主義、民法、不法行為、契約の債務不履行、契約自由の原則、損害賠償請求、成年後見制度

授業の概要・ねらい この講義では、交通事故を起こした大学生Hのとるべき法的責任を理解するため、刑法と民法を中心に講義します。また、憲法的視点にも配慮しながら、法学導入の基礎を築くことを目的としています。「法律を学ぶ=法律の文言解釈を行う」ことを意識しながら、皆さんの生活と法律との関わりを具体的な事例をあげながら丁寧に説明していこうと思っています。新聞やニュースの内容がより深く理解できるようになり、「法律って案外面白い」と思ってもらえることがこの講義の最大の目的です。
到達目標 ・問題の所在を法的に認識し、さまざまな要素を勘案しながら、最も妥当な解決を導く能力(=リーガルマインド)を養うことができる。
・法学全般にわたる基礎的な学習により、論理的で客観的な思考を学ぶことができる。
・新聞やニュースの内容、身近なトラブルを法的に理解することができるようになる。
教科書と準備するもの 使用しません。授業の概要を記したレジュメを配り、それに基づいて授業を進めます。
参考書 (1)松井茂記『はじめての法律学〔第5版〕』(有斐閣、2017)定価 1836円
(2)小型の学習用六法(『ポケット六法』(有斐閣)、『コンパクト六法』(岩波書店)、『デイリー六法』(三省堂)など)。
評価の基準 1.身近な法律問題に関する基礎知識を習得できている。
2.紛争の解決方法について、大まかな法的枠組を理解できている。
3.自分なりに考え、法律の文言解釈を行うことができる。
具体的評価方法 試験100%
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
講義ではあるが、学生の発言の機会を設ける工夫をする。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
ガイダンス:授業の進め方、シラバスの利用方法について説明する。
導入として、例えば人の死亡という同じ結果が生じた場合でも、故意か過失の違いにより罪名が異なることを説明する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)当科目のシラバスを読んでおく。(所要時間30分)
(復習)授業では触れなかった他の罪名について刑法に目を通して確認する。(所要時間120分)
授業実施特記
第2回 内容
刑法 刑罰の目的(1)
自動車運転過失致死傷罪に加え危険運転致死傷罪が成立した経緯、道路交通法と刑法・特別法(自動車運転死傷行為処罰法)とは条文の表現の方法が異なる点など刑法の目的や社会的機能について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書1章1節を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)刑法の分類と社会的機能についてまとめる。(所要時間90分)
授業実施特記
第3回 内容
刑法 刑罰の目的(2)
犯罪理論、刑罰理論について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書1章2節を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)犯罪理論と刑罰理論を決定論・非決定論と結び付けて理解できるように整理する。(所要時間90分)
授業実施特記
第4回 内容
刑法 死刑制度を考える-国際人権法の観点から
死刑廃止論について、国連・アムネスティ・インターナショナルの主張、欧州連合の動向、欧州人権条約を扱う。死刑制度以外の国際的なトピックも扱う。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書1章コラム①死刑を読み、疑問点を整理する。光市母子殺害事件、和歌山毒物カレー事件について事件の内容を確認する。(所要時間90分)
(復習)我が国の三審制、刑事裁判の流れを確認する。(所要時間90分)
授業実施特記
第5回 内容
刑法 罪刑法定主義
法律主義、類推解釈の禁止、遡及処罰の禁止、明確性の原則、罪刑均衡の原則について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書1章3節を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)罪刑法定主義の5つの原則に加え、法源、条文の解釈方法について整理する。(所要時間90分)
授業実施特記
第6回 内容
刑法 犯罪の構造
犯罪成立要件である構成要件、違法性、有責性について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書1章4節を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)違法性阻却事由、責任阻却事由、刑事責任能力について整理する。(所要時間90分)
授業実施特記
第7回 内容
刑事手続と民事手続
刑事裁判と民事裁判の目的、手続の違いを講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書2章全部を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)今までに学習した刑事裁判の流れについてキーワードとともに整理する。(所要時間90分)
授業実施特記
第8回 内容
民法・不法行為(1)
不法行為制度の意義・成立要件について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書3章1~2節を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)不法行為の4つの要件、特に過失責任主義について整理する。(所要時間90分)
授業実施特記
第9回 内容
民法・不法行為(2)
特殊な不法行為について、民法及び特別法について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書3章3節を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)自動車損害賠償保障法とPL法、使用者責任と責任無能力者の監督者の責任について復習し、中間責任について整理する。(所要時間90分)
授業実施特記
第10回 内容
民法・不法行為(3)
不法行為の効果について、損害賠償について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書3章4節を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)損害賠償制度について、我が国と米国との目的の違いを整理する。(所要時間90分)
授業実施特記
第11回 内容
民法・契約(1)
契約自由の原則、意思の欠缺、瑕疵ある意思表示について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書4章1節を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)心裡留保、通謀虚偽表示、錯誤、詐欺・強迫についてまとめ、民法の意思主義と表示主義、表意者保護と第三者保護の関係を整理する。(所要時間90分)
授業実施特記
第12回 内容
民法・契約(2)
契約の目的の社会的妥当性について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書4章1~2節を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)公序良俗・強行規定に反する契約について、どのような類型があるかまとめる。(所要時間90分)
授業実施特記
第13回 内容
民法・契約(3)
権利能力、意思能力、行為能力について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書4章3~4節を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)私的自治の限界として、未成年後見制度、成年後見制度、成年後見契約、消費者保護についてまとめる。(所要時間90分)
授業実施特記
第14回 内容
民法・契約(4)
債務不履行の効果、損害賠償について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書3章5~6節を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)契約の解釈方法(主観的解釈、客観的解釈)についてまとめる。(所要時間90分)
授業実施特記
第15回 内容
試験及びまとめの授業
1つの事実(=交通事故)から刑事上の責任と民事上の責任が発生することを復習する。医療過誤訴訟を題材に不法行為と契約の債務不履行の請求権競合事案を取り上げ、消滅時効も併せて講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書3章6節を読み、疑問点を整理する。(所要時間90分)
(復習)公訴時効、取得・消滅時効についてまとめる。(所要時間90分)
授業実施特記