最終更新日:2018/03/30
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2018 (週1コマ)通年 開講時限 木6
開講学部・学科等 大学院
科目コード 062000400 科目ナンバー
授業名 著作権法講義
英文授業名 Copyright Law
担当教員 三浦 正広

授業形態 講義
e-learning利用 manaba その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業
教職課程科目 教職に関する科目
テーマ・キーワード 著作権 知的財産権 著作者人格権

授業の概要・ねらい  高度情報社会におけるデジタル・ネットワークの発達は、文学、音楽、美術などの古典的な著作物を保護してきた著作権法に大きな変革をもたらした。本講義においては、伝統的な著作者保護の視点から、メディアや複製・情報技術とともに発展してきた著作権法制度を概観し、情報技術の発展にともなう利用態様の拡大と権利保護強化の必要性など、情報社会の変容にともなって生じてきた著作権をめぐるさまざまな論点について体系的に考察するとともに、インターネット時代における著作権法のあり方について考える。

到達目標 著作権法の基礎理論を体系的に理解することを目的とする。
教科書と準備するもの 半田正夫『著作権法概説』法学書院
参考書 斉藤博『著作権法』有斐閣
作花文雄『詳解著作権法』ぎょうせい
田村善之『著作権法概説』有斐閣
中山信弘『著作権法』有斐閣
加戸守行『著作権法逐条講義』著作権情報センター
半田正夫・松田政行『著作権法コンメンタール』(全3巻)勁草書房
島並・横山・上野『著作権法入門』有斐閣
「著作権判例百選」有斐閣
評価の基準 著作権法の体系的理解ができている。
著作権法の判例理論について理解ができている。
 
具体的評価方法 定期試験は春・秋期末に基本的な理解を問う論述試験のほか、判例研究レポートを実施し、それらの成績を合わせて評価判定する。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
著作権法に関する基礎的な理解を深めることができるように、事例研究によるアクティブ・ラーニングを取り入れる予定です。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
講義の目的、スケジュール、成績評価等について 第16回 内容
著作権法の解釈方法:伝統的アプローチと産業保護的アプローチ
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習・復習:講義の目的を理解し、講義スケジュール、シラバスを確認する。
授業の予習・復習には、それぞれ90分の学修時間を必要とします。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:知的財産法制度の全体的な枠組みおよび産業財産権と著作権の異同等について理解し、著作権法の解釈方法について考える。
復習:著作権法の解釈方法としての伝統的アプローチと産業保護的アプローチについて整理する。
授業実施特記 授業実施特記
第2回 内容
著作権の歴史 ~印刷術、出版、出版業者の保護、創作者(知的創作)の保護 第17回 内容
著作権の公共性:著作権の制限と利用者の保護
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:印刷術、出版、出版業者の保護、排他的独占権、創作者(知的創作)の保護など、複製技術の発達に合わせて変遷してきた著作権制度の歴史について整理する。
復習:印刷・出版と著作権との関係について復習する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:著作権法が目的とする文化の発展の観点から、情報社会における著作物が果たす役割、著作権制度の意義について考える。
復習:著作権の制限の内容、保護期間、公有著作物の保護について理解する。
授業実施特記 授業実施特記
第3回 内容
著作権法の意義および目的
 創作者主義の原則、著作権理論:著作権一元論と二元論、大陸法とアメリカ法:著作者の権利とコピーライト、著作者の権利と所有権、著作者の権利と産業財産権
第18回 内容
アイデアと表現:著作物の利用と翻案
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:創作者主義、人格権と財産権、著作権一元論・二元論、大陸法とアメリカ法:著作者の権利とコピーライト、著作者の権利と所有権、著作者の権利と産業財産権、著作権法の解釈方法について理解する。
復習:基本概念、用語について復習する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:著作権法におけるアイデア・表現二分論について考える。
復習:保護を受ける著作物の定義、著作物の具体例について理解する。
授業実施特記 授業実施特記
第4回 内容
著作権法の概要
 著作物、著作者の権利、無方式主義、保護期間、著作物の利用、権利侵害と救済方法
第19回 内容
映画の著作物:著作者、著作権者、頒布権、保護期間
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:著作物、著作者の権利、無方式主義、保護期間、著作物の利用、権利侵害と救済方法など、著作権法の基本的な構成、概念および原理等について整理する。
復習:基本概念、用語について整理し、著作権制度の存在意義について復習する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:著作権法における映画の著作物の位置づけについて理解しておく。
復習:著作権法における映画の著作物の概念、関連する権利とその問題点について理解する。
授業実施特記 授業実施特記
第5回 内容
保護を受ける著作物:著作物の要件(創作性、アイデアと表現)、文学、音楽、美術、建築、映画、写真、プログラム…、タイプフェイス、応用美術、キャラクター… 第20回 内容
私的使用のための複製:デジタル複製と私的録音録画・私的複写
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:著作物の要件(創作性、アイデアと表現)、著作物性、応用美術、キャラクター、タイプフェイス等について、保護を受ける著作物の定義、著作物の具体例について確認する。
復習:著作権法の定義規定および裁判例を通じて、各著作物の内容、問題点について復習するする。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:著作権の制限規定である私的使用のための複製に関する著作権法30条の規定について、その意義、歴史的経緯、関連する裁判例について理解しておく。
復習:私的使用のための複製とその現代的意義について理解する。
授業実施特記 授業実施特記
第6回 内容
保護を受ける著作物:二次的著作物、共同著作物、結合著作物、編集著作物 第21回 内容
コンピュータ・プログラムの法的保護:法改正とその経緯
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:二次的著作物、共同著作物、結合著作物、編集著作物とその権利関係について理解する。
復習:著作権法の定義規定および裁判例を通じて、各著作物の内容、問題点について整理する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:著作物としてのプログラムの特性および著作権法による保護の内容について理解しておく。
復習:知的財産法体系全体におけるプログラムの保護の意義について整理する。
授業実施特記 授業実施特記
第7回 内容
著作者の権利:著作者、著作権者、法人著作、著作者人格権:公表権、氏名表示権、同一性保持権、著作者の名誉声望の保護、著作者死後の人格的利益の保護 第22回 内容
カラオケと演奏権:権利侵害主体、間接侵害論、カラオケ法理
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:著作者、著作権者、法人著作、著作者人格権(公表権、氏名表示権、同一性保持権)、著作者死後の人格的利益の保護について理解する。
復習:創作者主義の原則と例外、著作者人格権の意義について考える。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:音楽の利用に関する著作権法上の問題点、カラオケと演奏権、集中的権利管理について整理しておくこと。
復習:音楽をめぐる著作権法上の問題点について整理し、理解する。
授業実施特記 授業実施特記
第8回 内容
著作者の権利:著作権:複製権、上演権・演奏権、上映権、公衆送信権、口述権、展示権…、出版権、版面権、追及権
 保護期間:原則と例外
第23回 内容
レンタルCDと貸与権:法改正による貸与権の創設と実務上の運用
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:複製権、上演権・演奏権、上映権、公衆送信権、口述権、展示権など、著作権を構成する各支分権およびその他の利用権の具体的内容について理解する。
復習:条文および裁判例を踏まえて、各権利の具体的な内容を整理する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:レンタルCDの登場と貸与権創設の際の議論の過程、貸与権の具体的内容および運用方法について理解する。
復習:権利者団体とレンタル業者団体の協議内容を踏まえ、レンタル制度の歴史的、法的意義を確認する。
授業実施特記 授業実施特記
第9回 内容
著作者の権利:著作権:頒布権、譲渡権、貸与権、翻訳権・翻案権…、報酬請求権 第24回 内容
ゲームソフトと同一性保持権:ときめきメモリアル事件ほか
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:頒布権、譲渡権、貸与権、翻訳権・翻案権、その他出版権、版面権、追及権、および保護期間について理解する。
復習:条文および裁判例を踏まえて、各権利の具体的な内容を整理する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:ゲームソフトにおける改変と同一性保持権の関係について考える。
復習:具体的事例を通して、同一性保持権の意義について理解する。
授業実施特記 授業実施特記
第10回 内容
著作権の制限(自由利用):私的使用のための複製、私的録音録画補償金制度、教育・福祉目的による利用、営利を目的としない利用、引用・出所の明示、違法複製物のダウンロード、技術的保護手段、権利管理情報の改変、インターネット利用における権利制限… 第25回 内容
中古ゲームソフト販売と頒布権:最高裁判決とその後の経過
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:私的使用のための複製、私的録音録画補償金制度、教育・福祉目的による利用、営利を目的としない利用、引用・出所明示、違法複製物のダウンロード、技術的保護手段、権利管理情報の改変、インターネット利用における権利制限等、著作権の制限規定について理解する。
復習:立法の経緯や趣旨を踏まえ、具体的な裁判例を通して、各規定の理解を深める。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:中古ゲームソフト訴訟の概要および論点を整理する。
復習:中古ゲームソフト訴訟における判例理論について理解する。
授業実施特記 授業実施特記
第11回 内容
著作者契約法(許諾による著作物の利用):出版契約、出版権、著作権契約、著作権譲渡契約、著作物利用許諾契約、電子書籍と出版権 第26回 内容
ファイル交換ソフトの違法性:Winny事件など
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:著作物の利用に関する契約、著作権譲渡契約、著作物利用許諾契約、出版契約、電子書籍と出版権、および著作者契約法について理解する。
復習:民法上の契約法理論と著作権契約理論との違いについて考える。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:一連のファイル共有ソフトについて、事実関係および判決理由を整理する。
復習:インターネット時代における著作物の利用および保護について理解する。
授業実施特記 授業実施特記
第12回 内容
著作隣接権:実演家:ワンチャンス主義、実演家人格権、著作者の権利と実演家の権利の平準化、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者 第27回 内容
デジタル・コピーと私的録音録画補償金制度:制度の内容と問題点、特定の機器および記録媒体
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:著作隣接権の対象である実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者について理解する。
復習:実演家の権利保護におけるワンチャンス主義、実演家人格権の意義、著作者の権利と実演家の権利の平準化について考える。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:私的録音録画補償金制度の内容と問題点を整理する。
復習:インターネット時代における私的録音録画補償金制度のあり方について検討する。
授業実施特記 授業実施特記
第13回 内容
権利の執行:権利侵害の態様、民事的救済(差止請求権、損害賠償請求権…)、刑事罰 第28回 内容
図書館における著作権問題:図書館における複製
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:著作者の権利等の侵害態様、および差止請求権、損害賠償請求権などの民事的救済、刑事罰についてついて理解する。
復習:デジタル・ネットワーク時代における権利の執行のあり方について考える。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:デジタル複製、送信、電子書籍など、図書館に関する著作権法上の問題について理解する。
復習:インターネットにおける新しい図書館の概念について考える。
授業実施特記 授業実施特記
第14回 内容
著作権の国際的保護:ベルヌ条約、万国著作権条約、TRIPs協定、WIPO著作権条約ほか 第29回 内容
肖像権、パブリシティ権
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:ベルヌ条約、万国著作権条約、実演家等保護条約(ローマ条約)、TRIPS協定、WIPO著作権条約、WIPO実演・レコード条約など、著作者の権利および著作隣接権の保護に関する国際条について理解する。
復習:各条約の基本原理、具体的内容について整理する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:判例を整理し、肖像権およびパブリシティ権の概念、内容について理解する。
復習:人格権および財産権の理論にもとづいて整理する。
授業実施特記 授業実施特記
第15回 内容
体系的研究のまとめ 第30回 内容
最新の法改正および裁判例の動向について
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:これまでの授業内容を整理する。
復習:これまでの授業内容を整理し、復習する
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:最新の法改正および新たな裁判例について確認する。
復習:最新の法改正および裁判例の動向について整理する。
授業実施特記 授業実施特記