最終更新日:2017/07/22
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 集中 開講時限 集中
開講学部・学科等 法・政経・文・経営
科目コード 120101700 科目ナンバー
授業名 社会科学概論A
英文授業名 Introduction to Social Science A
担当教員 鈴木 裕之

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業
教職課程科目
テーマ・キーワード 演繹法 帰納法 価値判断論争 可知論 不可知論 複雑系 市民社会 三審級の重層的決定 コーエンモデル

授業の概要・ねらい ※担当者急遽変更に伴い、内容の一部が変更になることがあります。ご了承ください。

春期のテーマは社会科学の方法と対象および市民社会論である。グローバル資本主義のネガティブな側面は「経済成長の限界」と環境問題に象徴的に現れているが、われわれはどのような態度と方法でこれらの難問に立ち向かうべきなのであろうか。グローバル資本主義への対抗として、社会体制を貫く普遍的価値としての市民社会あるいは市民的社会意識(自由・平等・公平・公正・自立・自治・共生)の重要性が問われて久しい。したがって、前半では社会科学諸領域を貫くさまざまな社会科学の方法論、すなわち経験論、可知論・不可知論、記号論、現象学、複雑系等の有効性を検証し、その成果を基礎に、後半ではグローバル市民社会を展望しつつ、西欧および日本における市民社会の理論を検討する。
到達目標 経験論、可知論・不可知論、現象学、複雑系などの社会科学の方法論と市民社会の世界史的意味を理解し、説明できることが目標となる。
教科書と準備するもの 篠原一『市民の政治学』岩波書店(新書872)、2004年。
参考書 高橋誠『世界資本主義システムの歴史理論』世界書院、1998年。
内田義彦『社会認識の歩み』岩波書店(新書798)1971年。
篠原敏雄『市民法学の可能性』頸草書房、2003年。
山口定『市民社会論 歴史的遺産と新展開』有斐閣、2004年。 
稲葉陽二編『ソーシャル・キャピタルの潜在力』日本評論社、2008年。
植村邦彦『市民社会とは何か 基本概念の系譜』平凡社(新書559)、2010年
川勝平太『「鎖国と資本主義」』藤原書店、2012年
重田園江『社会契約論 ホッブス、ヒューム、ルソー、ロールズ』筑摩書房(新書1039)、2013年
評価の基準 内外のさまざまな社会科学の方法論や市民社会論の歴史的意味を理解しているか否かを基準にして評価する。
具体的評価方法 授業貢献度を重視し、小論文の提出と期末試験の実施等により総合的に成績を評価する。講義の出席者のみに資料・重要事項を示したプリントを配布する。期間中に講義の主題に関する新聞記事あるいは資料を読み、各自の見解を小論文として提出して戴く。履修者が少人数の場合には講義の内容と形式が変更されることがあるので、あらかじめ了承願いたい。その場合には、討論が中心の授業になる。なお、3分の2以上の出席を評価の前提条件とすることは言うまでもない。前期定期試験(80%)・小論文(20%)の実施により、総合的に成績を評価する。
授業評価アンケート
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受講生へメッセージ
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
社会科学概論とは何か:社会科学の方法と対象
講義計画と内容の説明
授業時間外における学修(予習・復習等) 復習:「講義の計画と内容」を熟読すること
授業実施特記
第2回 内容
社会科学の方法の基礎1:演繹法と帰納法・「価値判断論争」

授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:演繹法と帰納法について考えておくこと
授業実施特記
第3回 内容
社会科学の方法の基礎2:構造分析と歴史理論分析を統合する総合アプローチ
社会科学の方法の基礎3:自然科学と社会科学の方法の重層性

授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:「歴史と構造」について考えておくこと
復習:「自然科学と社会科学の方法の重層性」に関するレジュメを再読、熟考
授業実施特記
第4回 内容
社会科学の方法1:経験論(1)
市民社会論の源流:西欧の近代市民社会思想(ホッブス、ロック等)

授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:あらかじめ配布されるレジュメの読解
授業実施特記
第5回 内容
社会科学の方法1:経験論(2)
市民社会論の源流:続・西欧の近代市民社会思想(ルソー、スミス等)

授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:あらかじめ配布されるレジュメの読解
授業実施特記
第6回 内容
社会科学の方法1:特論
市民社会論の継承と転回:ヘーゲルとマルクス

授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:あらかじめ配布されるレジュメの読解
授業実施特記
第7回 内容
社会科学の方法2:可知論・対・不可知論(不確定性原理/不確実性)

授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:あらかじめ配布されるレジュメの読解
復習:レジュメの再読、熟考
授業実施特記
第8回 内容
社会科学の方法3:記号論
社会科学の方法4:現象学
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:あらかじめ配布されるレジュメの読解
復習:精神医学における現象学的手法に関するレジュメの再読
授業実施特記
第9回 内容
社会科学の方法5:複雑系


授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:あらかじめ配布される「単純系・複雑系」に関するレジュメの読解、熟考
授業実施特記
第10回 内容
現代市民社会論(1)
市民社会とは何か:市民・市民社会・市民社会論
[資料]M.M.ハワードによるJ.L.コーエンモデル(市民社会の概念図)の検討




授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:「市民社会とは何か」について自らの見解を確認しておくこと

授業実施特記
第11回 内容
現代市民社会論(2)
現代市民社会の分析方法①:歴史理論的アプローチ(西欧と日本の市民社会)
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:江戸幕藩体制の内における「市民社会」の萌芽、あるいはイギリスと日本の地政学的位置について思いを巡らせておくこと
復習:江戸幕藩体制の内における「市民社会」の萌芽に関する担当者のレジュメを再読、熟考
授業実施特記
第12回 内容
現代市民社会論(2)
現代市民社会の分析方法②:公共空間的アプローチ
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:あらかじめ配布されるレジュメの読解、熟考
授業実施特記
第13回 内容
現代市民社会論(2)
現代市民社会の分析方法③:統合アプローチ(歴史における「三審級の重層的決定」)
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:あらかじめ配布されるレジュメの読解、熟考
授業実施特記
第14回 内容
現代市民社会論(3)
①フランス社会学・ハーバーマス・コーエンモデル
②日本の戦前・戦中・戦後の市民社会論
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:あらかじめ配布されるレジュメの読解、熟考
授業実施特記
第15回 内容
現代市民社会論(4)
世界資本主義システムと市民社会:グローバリズムの調整機能としての市民社会
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:グローバル市民社会に関する自分の見解を整理しておくこと
復習:討論会を振り返り、沈思黙考
授業実施特記 テーマに関する討論会