最終更新日:2017/06/12
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 集中 開講時限 集中
開講学部・学科等 政経
科目コード 632032700 科目ナンバー
授業名 経済開発論(貧困と開発)
英文授業名 Theory of Economic Development (Poverty and Development)
担当教員 助川 成也

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業
教職課程科目
テーマ・キーワード 開発独裁 輸出志向型工業化戦略 市民社会化 ASEAN共同体

授業の概要・ねらい ※担当者変更に伴い、内容が変更となる場合があります。

最初に、経済開発の意義と目的を確認しつつ、経済開発論の基礎的知識を習得する。その上で、アジアにおける経済開発の多くが共通して、「開発独裁から市民社会化」への途上にあるという中長期的な歴史的意義について考察する。その準備作業を経て本論に入る。1980年代から90年代中期まで、韓国、台湾、シンガポール、香港のアジアNIEsが開発戦略の大転換をはかり、電気電子、半導体、化学、機械等の産業部門において輸出志向型工業化戦略に成功し、高度経済成長を持続させてきた。したがって、前期は特に、短期間に経済開発を進め、経済発展を遂行してきた台湾経済がNIEs的発展を成し得たとする論拠にもとづいて、「経済の優れたパフォーマンス」を示してきたアジアNIEsとその後の東南アジア諸国連合(ASEAN)の成果を分析し、開発途上諸国・地域の経済開発の可能性と条件について考察することになる。
到達目標 大韓民国、台湾省、東南アジア諸国連合(ASEAN)、中華人民共和国の経済開発の分析を通じて開発独裁による経済開発の歴史的、構造的限界を説明できることが目標となる。
教科書と準備するもの 最初の授業で指示する
参考書 高橋誠『世界資本主義システムの歴史理論』世界書院、1998年
園田哲男『戦後台湾経済の実証的研究』白桃書房、2003年
周牧之『中国経済論』日本経済評論社、2008年
浅沼伸爾・小浜裕久『途上国の旅:開発政策のナラティブ』勁草書房、2013年
進藤榮一『アジア力の世紀 どう生き抜くのか』岩波書店(新書1432)、2013年
評価の基準 東アジア各国の経済開発の事例を通じて、「開発独裁から市民社会化への途」のシェーマが浮き彫りになってくることの意味を理解しているか否かを基準にして評価する。
具体的評価方法 授業貢献度を重視し、期末試験の実施等により、総合的に評価する。期間中に1回、主題に関する新聞記事を読み、小論文を提出して戴く。可能であれば、それにもとづいて、討論会を行いたい。講義の出席者のみに資料・重要事項を示したプリント教材を配布する。なお、3分の2以上の出席を評価の前提条件とすることは言うまでもない。前期定期試験(80%)・小論文(20%)の実施により、総合的に成績を評価する。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
ガイダンス
講義計画と講義内容の説明
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:講義の計画と内容を再度熟読すること
授業実施特記
第2回 内容
経済開発の基礎1:経済開発の意義と目的―
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:「経済開発とは何か」について考察しておくこと
授業実施特記
第3回 内容
経済開発の基礎2:開発独裁から市民社会化へ(経済開発の段階論)
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:開発独裁の概念について調べておくこと
授業実施特記
第4回 内容
大韓民国の経済開発の歴史と現状(従属的発展から市民社会の形成へ)
授業時間外における学修(予習・復習等) 復習:金鎬泳氏の韓国経済開発小史を再読し、熟慮すること
授業実施特記
第5回 内容
台湾省の経済開発の歴史と現状(典型的なNIEs的発展類型)
台湾省のNIEs的発展の諸要因とマクロ的発展のパフォーマンスの達成の論拠
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:台湾省の歴史について調べておくこと
授業実施特記
第6回 内容
東南アジア諸国連合(ASEAN)の経済開発の概観
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:東南アジア諸国連合に関する自分のイメージを確認しておくこと
授業実施特記
第7回 内容
東南アジア諸国連合の経済開発の特徴(ASEAN経済共同体)
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:ASEAN共同体(2015年12月)について調べておくこと
授業実施特記
第8回 内容
シンガポールの経済開発の歴史と現状(都市国家の開発戦略)
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:シンガポールの地政学的位置について検討しておくこと
授業実施特記
第9回 内容
マレーシアの経済開発の歴史と現状(先進国入りをめざす多民族国家)
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:マレーシア社会の民族構成について調べておくこと
復習:レジュメの再読
授業実施特記
第10回 内容
インドネシアの経済開発の歴史と現状(新戦略としての成長基盤形成)
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:インドネシアの戦後史を概観しておくこと
授業実施特記
第11回 内容
タイの経済開発の歴史と現状(「開かれた国家」による開発戦略)
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:タイのキャッチアップ戦略について調べておくこと
授業実施特記
第12回 内容
中国経済の経済開発の歴史と現状(世界第2位の経済大国への途)
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:中国経済に関するイメージを確認しておくこと
授業実施特記
第13回 内容
中国のWTO加盟と市場開放
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:中国のWTO加盟の意味についてあらかじめ考察しておくこと
授業実施特記
第14回 内容
中国経済の課題と展望
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:中国の将来像について検討しておくこと
復習:現代中国の課題と展望に関するレジュメを再読し、熟考せよ
授業実施特記
第15回 内容
主要論点の検討と討議
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:配布されたレジュメを一覧して、授業に臨むこと
復習:授業の中で特に重要と思われるテーマについて熟考すること 
授業実施特記 討論会