最終更新日:2017/03/09
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)春期 開講時限 金3
開講学部・学科等
科目コード 661069200 科目ナンバー
授業名 契約法A
英文授業名 Contract Law A
担当教員 田岡 絵理子

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業 民法財産法入門、不法行為法
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
民法財産法入門
後続関連授業 不法行為法
教職課程科目
テーマ・キーワード 実社会との接点を通じて民法を学ぶ、民法・債権各論・契約法

授業の概要・ねらい 本講義では、契約に関する法を学びます。私たちの生活の中では、毎日、様々な契約が結ばれています。コンビニでガムを買うときは、売買契約を結びますし、アパートを借りる場合には、賃貸借契約を結びます。アルバイトをしている方であれば、雇い主との間で雇用契約を締結していることになります。こうやって、自分の生活の周りを見渡すと、様々な契約を結んでいることがわかると思います。これら各種の契約には、その契約の種類に応じて、いろいろなルールが設計されています。そうした、各種の契約に関するルールをまとめて、契約法と呼んでいます。本講義では、各種の契約がもつ基本的な特徴を理解し、各契約類型相互間の異動を学びます。その上で、各契約類型に特有の問題点を扱いながら、なぜ、そのような問題が生じるのか、そして、その問題はどのように解決されるべきかを学び、それを通して、それぞれの契約が持つ特徴のさらなる深い理解を目指します。
到達目標 個々の具体的な事例問題の分析を通して、各契約が有する特徴について理解を深める。そして、具体的な事例問題の解析にあたっては、そこで用いられる法理論が、どのような理屈で成り立っているのか、何を目的として成り立つものであるかを学習します。それによって、それぞれの法理論が有する理論的側面と実質的価値判断の側面の双方を理解します。
教科書と準備するもの 潮見佳男『基本講義 債権各論Ⅰ契約法・事務管理・不当利得』(新世社)
もっとも、他に債権各論あるいは契約法の教科書ですでに使用している物がある、あるいは、他に使いたい教科書があるということであれば、その教科書を使用しても構いません。
講義においては、教科書のページ数を指示して、その内容を見ることもありますので、その際には、指定教科書の方が参照しやすいということはあります。しかし、指定教科書以外であっても、その際には、同項目の箇所を開いて見れば対応可能です(どの項目を探して参照すればよいかは、講義の最中に指摘するので安心してください)。

最新版六法(小型のもので構いませんが必須です)
参考書 テーマに合わせて、適宜指示します。
評価の基準 評価の基本は、定期試験での成績です。
また、講義中に一定のワークもありますので、それも成績の対象とします。
講義中に、発言を求めることもあります(強制はしませんが)。その際の発言やもまた、評価の対象となりえます。
具体的評価方法 主に定期試験の成績。
定期試験の成績80%、講義中に行われるワークは講義参加の評価として20%。
講義中に行われるワーク(小問題を解くなどです)。
講義中の発言も、講義参加の評価として含みます。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
難しい概念についても、身近な例を用いながら、できるかぎりわかりやすく解説します。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
ガイダンス。今後の授業の進め方などを説明し、契約法の全体像を概観することで、契約法とは何かを学びます。講義中に配布された資料を基にして、復習に時間を割いてください。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:契約法とはいかなる法であるか。各自、使用する教科書の該当箇所を一読し、契約法とはなにか、と問われた時に、一定の答えが述べられるようにしてください。
授業実施特記
第2回 内容
契約とは何か。民法が定める13種類の典型契約についての概略と、契約法を支配する基本原則を考察します。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:契約とは何か、典型契約にはどのような契約があるか、非典型契約にはどのようなものがあるかについて、各自、使用する教科書の該当箇所を一読してください。
復習:講義の内容をまとめるように。講義中に配布された資料を基にして復習に時間を割いてください。
授業実施特記
第3回 内容
「契約は守られなければならない」という契約法の基本原則に例外はないのか。「事情変更の原則」と呼ばれる例外について考察します。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:契約は守られなければならないの原則、その制度趣旨であるところの私的自治と自己責任とは何か、事情変更の原則の内容、趣旨について、各自、使用する教科書の該当箇所を一読してください。
復習:講義の内容をまとめるように。講義中に配布された資料を基にして復習に時間を割いてください。
授業実施特記
第4回 内容
契約成立時の問題1.契約の成立時に起こりうる問題について、契約の交渉を不当に破棄した場合を例に考察します。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:契約成立の仕方、その際に起こりうる問題として、いわゆる契約締結上の過失法理なるものがあるが、それはどのような趣旨でどのような内容を有する準則として定められているのか、各自、使用する教科書の該当箇所を一読してください。
復習:講義の内容をまとめるように。講義中に配布された資料を基にして復習に時間を割いてください。
授業実施特記
第5回 内容
契約成立時の問題2.契約の成立時に起こりうる問題について、情報提供義務を中心に考察します。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:情報提供義務とはどのような趣旨で、どのような場合に課せられる、どのような義務であるか、各自、使用する教科書の該当箇所を一読してください。
復習:講義の内容をまとめるように。講義中に配布された資料を基にして復習に時間を割いてください。
授業実施特記
第6回 内容
契約成立のプロセス。売買契約を例に、申込と承諾による契約の成立というプロセスについて検討し、それを基に、応用として遠隔地にいる当事者間の契約の成立について検討します。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:契約成立のプロセスとして、申込と承諾にはどのようなルールが適用されるのか、その準則と趣旨について、各自、使用する教科書の該当箇所を一読してください。
復習:講義の内容をまとめるように。講義中に配布された資料を基にして復習に時間を割いてください。
授業実施特記
第7回 内容
売買契約とは何か。契約を締結するとどうなるのか。具体的には、売主と買主はそれぞれどのような債務を負うことになるのか、契約の効力を検討します。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:売買契約の当事者が負う債務の内容について、各自、使用する教科書の該当箇所を一読してください。
復習:講義の内容をまとめるように。講義中に配布された資料を基にして復習に時間を割いてください。
授業実施特記
第8回 内容
売主と買主の債務はどのような関係にあるか。同時履行の抗弁権から、売買契約の当事者双方が負う債務の関係はいかにあるべきかを考察します(債務の牽連性)。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:同時履行の抗弁権とは何か、どのような制度趣旨で設計されているかについて、各自、使用する教科書の該当箇所を一読してください。
復習:講義の内容をまとめるように。講義中に配布された資料を基にして復習に時間を割いてください。
授業実施特記
第9回 内容
危険負担1.(債務者主義)同時履行の抗弁権を支える債務の牽連性という考えの応用として、危険負担と呼ばれる現象を考察します。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:危険負担の問題とされる場面が、いかなる場面を念頭に置いているか、その典型例をきちんと把握してください。危険負担の問題を解説する節の冒頭に必ず具体例があるはずです。その具体例を各自、使用する教科書の該当箇所から探してまとめてください。
復習:講義の内容をまとめるように。講義中に配布された資料を基にして復習に時間を割いてください。
授業実施特記
第10回 内容
危険負担2.(債権者主義)債権者主義というのがどういう内容を有し、どのような場面で、またどのような理由で用いられているのかについて学び、かつ、債権者主義の不当性についても学びます。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:危険負担の問題の中でも、売買契約の場合の準則について、その内容、制度趣旨を把握すべく、各自、使用する教科書の該当箇所から探してまとめてください。
復習:講義の内容をまとめるように。講義中に配布された資料を基にして復習に時間を割いてください。
授業実施特記
第11回 内容
売主の債務の意味1。売主は売買契約上どのような債務を負っているのか。売買契約の目的物に欠陥があった場合の売主の責任を考察することで、売主の債務の内容はいかにあるべきかを考察します。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:瑕疵担保責任とはどのような責任であるのか、各自、使用する教科書の該当箇所を一読してください。
復習:講義の内容をまとめるように。講義中に配布された資料を基にして復習に時間を割いてください。
授業実施特記
第12回 内容
売主の債務の意味2。売買契約の目的物に欠陥があった場合の売主の責任を考察することで、売主の債務の内容はいかにあるべきかを考察します。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:瑕疵担保責任の法的性質として対立する法定責任説と債務不履行説と呼ばれる二つの見解を対比し、その違いをまとめるべく、各自、教科書の該当箇所を一読してください。
復習:講義の内容をまとめるように。講義中に配布された資料を基にして復習に時間を割いてください。
授業実施特記
第13回 内容
瑕疵担保責任以外の売主の担保責任一般についての理解を深めます。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:瑕疵担保責任以外に、売主の担保責任としてどのような責任があるか、各自、使用する教科書の該当箇所を一読し、典型例を把握してください。
復習:講義の内容をまとめるように。講義中に配布された資料を基にして復習に時間を割いてください。
授業実施特記
第14回 内容
解除の法的性質。契約から離脱するための制度である解除という制度についての基本的な理解を深め、解除をめぐって起こりうる問題を考察します。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:解除とは何か、特に、解除の効果について、各自、使用する教科書の該当箇所を一読してください。
復習:講義の内容をまとめるように。講義中に配布された資料を基にして復習に時間を割いてください。
授業実施特記
第15回 内容
当事者間の契約が解除された場合、その契約が解除されるとは知らずに一定の利害関係に入った第三者の利益と、契約当事者が解除によって有する利益とはどのように利害調整がされるのかについて考察します。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:契約が解除された場合に、すでに対象となっている契約に第三者が関係していた場合、どのように処理されるのか、「解除と第三者」としてまとめられていることの多い問題点です。各自、使用する教科書の該当箇所を一読してください。
復習:講義の内容をまとめるように。講義中に配布された資料を基にして復習に時間を割いてください。
授業実施特記