最終更新日:2016/01/30
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)秋期 開講時限 水4
開講学部・学科等 大学院
科目コード 011011600 科目ナンバー
授業名 メソポタミア史特論B
英文授業名 History of Mesopotamia B (Specific lecture)
担当教員 小口 裕通

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業 西アジア史特論 (松本 健)、メソポタミア史特論A (小口 和美)
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
西アジア考古学研究 (松本 健)、メソポタミア考古学研究A (小口 和美)
後続関連授業 なし
教職課程科目 教科に関する科目
テーマ・キーワード メソポタミア考古学・メソポタミア歴史学

授業の概要・ねらい メソポタミア考古学と歴史学の両分野のなかから、幾つかの話題を取り上げ解説して、考古学/歴史学的な見方や考え方の能力を養う。

到達目標 講義内容を十分に理解したうえで、メソポタミアの考古学や歴史学に関係する事柄を、自ら調べ上げ、論理的な思考のもと正確に把握できる。
教科書と準備するもの 教科書はないが、講義の進行にともなって、プリントを配布する。用意するものは B5のノート1冊。
参考書 必要に応じて、随時、紹介する。
評価の基準 ① 講義内容を十分に把握している。
② 自らリサーチを進めることができる。
③ 論理的思考ができる。
以上のことに着目して、提出物によってその到達度を評価をする。
具体的評価方法 講義内容に対して、履修者が自ら調べて作成したノート提出。あるいはレポート提出。ノートは、自ら調べた内容の豊富さや適切さをみて評価する。レポートの場合には、リサーチの仕方の妥当性や、論文スタイルの適切性、内容の論理性などの観点から評価する。
 
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
妥当な意見を参考にし、改善の努力をする。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
(1) メソポタミアの「年号」方式の詳説
バビロニアの「年名」(ハンムラビ王の年名表を例示して解説)とアッシリアの「リンム」年 (古アッシリア時代のリンム表を例示して解説)
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) 当科目のシラバスを読んでおくこと。
(復習) バビロニアの「年名」とアッシリアの「リンム」年について、講義内容以外の例を調べ、ノート作成。
授業実施特記
第2回 内容
(2-1) メソポタミアの年代説の詳説 その1
3年代説 (高年代説、中年代説、低年代説)が提唱された理由
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) 複数の年代説が生じる理由を事前に調べておくこと。
(復習) メソポタミアの3年代説について、講義内容を基にして自ら詳細を調べ、ノートにまとめる。
授業実施特記
第3回 内容
(2-2) メソポタミアの年代説の詳説 その2
5年代説(超高年代説、高年代説、中年代説、低年代説、超高年代説)となった経緯 (提唱の歴史)
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) 3年代説以外にどうのような説があるか、調べてくる。
(復習) 5年代説のなかで、どれが妥当かを熟考して、その考えをノートにまとめる。
授業実施特記
第4回 内容
(3-1) 層位的解釈と出土状況からみた遺物の考古学的資料価値 その1
a. 建築層 (building level) 居住層 (occupation level) 破壊層 (destruction level)   
b. 墓やピットの切り込み、切り合い

授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) 考古学でいうところの「層」にはどのようなものがあるかを事前に調べてくる。
(復習) 今日の講義内容に自分が調べたことを加えて、ノートに文章でまとめる。
授業実施特記
第5回 内容
(3-2) 層位的解釈と出土状況からみた遺物の考古学的資料価値 その2
c. 遊離遺物 侵入遺物 in situ遺物  
d. 生活堆積層 建物破損堆積層 埋土 逆転層位
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) 遺物の出土状況の例を調べてくる。
(復習) 今日の講義内容に自分が調べたことを加えて、ノートに文章でまとめる。
授業実施特記
第6回 内容
(4-1) 時期・時代区分と考古学上の編年 その1
a. 年代的指標と編年
b. 南メソポタミアの編年、北メソポタミアの編年、トムセンの3時期区分を基盤にした編年
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) 考古学上の「編年」とはなにかを調べてくる。
(復習) 今日の講義内容を基にして、メソポタミアの編年表 (現時点での通説) をノートに作成してみる。
授業実施特記
第7回 内容
(4-2) 時期・時代区分と考古学上の編年 その2
c. 近年新編年体系として提唱された、北メソポタミアを対象とするジェジーラ(Jazirah) 編年について紹介・解説
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) ジェジーラ編年はだれによって提唱されたのか、またその経緯を調べてくる。
(復習) 今日の講義内容に自分が調べたことを加えて、ノートに文章でまとめる。
授業実施特記
第8回 内容
(4-3) 時期・時代区分と考古学上の編年 その3
d. 一遺跡の層序だけを基にした単一編年 (旧方式) と複数の遺跡から得られるデータを基にした地域編年 (新方式)
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) 現在、中近東で一般的に行われている遺跡の調査のしかたをマクロ的視野から調べてくる。
(復習) 今日の講義内容に自分が調べたことを加えて、ノートに文章でまとめる。
授業実施特記
第9回 内容
(5) 政治史的時代区分と物の流行時期との間に生じる矛盾
南メソポタミアの初期王朝時代第IIIb期とアッカド王朝時代を例にとって
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) 初期王朝時代IIIb期とアッカド時代の歴史について、現在わかっていることを調べてくる。
(復習) 今日の講義内容に自分が調べたことを加えて、ノートに文章でまとめる。
授業実施特記
第10回 内容
(6) 物の流行の変化と政治的変化の係わり合い
前2千年紀の北メソポタミアを例にとって
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) 前2千年紀の北メソポタミアの歴史について調べてくる。
(復習) 今日の講義内容に自分が調べたことを加えて、ノートに文章でまとめる。
授業実施特記
第11回 内容
(7) メソポタミア考古学への地理形態学 (geomorphology) の導入と景観考古学 (landscape archaeology) の発展
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) geomorphologyとlandscape archaeologyとは何かを調べてくる。
(復習) 今日の講義内容に自分が調べたことを加えて、ノートに文章でまとめる。
授業実施特記
第12回 内容
(8) 出土遺物の用途・機能推定方法
特殊な遺物を取り上げ、その機能推定方法を解説
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) 出土した遺物の用途はどのように推定できるのかを考えてくる。
(復習) 今日の講義内容に自分が調べたことを加えて、ノートに文章でまとめる。
授業実施特記
第13回 内容
(9) 遺物の空間分布論 (線状分布、放射状分布など)
遺物の空間分布形態から何がわかるのかを説明 (交易路の推定、文化の拡散など)
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) 中近東における同じ遺物の分布例を一例だけ調べてくる。
(復習) 今日の講義内容に自分が調べたことを加えて、ノートに文章でまとめる。
授業実施特記
第14回 内容
(10) 遺跡の古代名の推定/比定法
 
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) メソポタミアあるいは中近東の遺跡の古代名の比定方法を、とある一遺跡を例にとって考えてみる。
(復習) 今日の講義内容を基にして、遺跡の古代名の推定/比定の方法にはどのようなものがあるかを、ノートに文章でまとめる。
授業実施特記
第15回 内容
(11) 遺跡の古代名の推定とその検証
北東シリアの遺跡テル・ファカリエがミタンニ王国の首都ワシュカンニであるという推定から生じた問題を例にとり解説
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) 北東シリアの遺跡テル・ファカリエについて、発掘報告書や関連論文を調べ、それらの内容をみておくこと。
(復習) 今日の講義内容に自分が調べたことを加えて、ノートに文章でまとめる。
授業実施特記