最終更新日:2017/03/24
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)秋期 開講時限 金3
開講学部・学科等
科目コード 661057000 科目ナンバー LWL01101
授業名 憲法B
英文授業名 Constitutional Law B
担当教員 片山 等

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業 比較憲法
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業
教職課程科目 教科に関する科目
テーマ・キーワード 現代憲法の理解、人権、統治機構  

授業の概要・ねらい 現代憲法をより理解するために、憲法学の基礎的な概念を押さえ、その体系を考えて、統治機構と人権の保障を再構築擦ること。 立憲民主主義の理解。
到達目標 ①立憲民主主義の下での主権者としての憲法学の学習、理解 ②公務員試験や各種資格試験に合格できるような実力の育成  
教科書と準備するもの 芦辺信喜著、高橋和之補訂 「憲法(第6版)」岩波書店(2015)  
参考書 高橋和之編 新・判例ハンドブック憲法 日本評論社 (2014)、別冊ジュリスト憲法判例百選(第6版)①、②、有斐閣 (2013)      
参考書 特になし
評価の基準 ①憲法学上の基本概念が理解できているか、②重要な判例をきちんと理解しているか ③憲法学の総論、人権保障、統治機構の体系的な理解ができているか、 以上を基準とし、理解度を測る方法として、講義中の質問やレポートでの回答をもとめ、期末試験では論述式の解答をもとめる。   
具体的評価方法 授業での発言や発表、受講態度、レポ‐トの内容(30%) 定期試験(70%)
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
講義では聞き取りやすい様にできるだけ明瞭に説明すること、板書も分かり易い様にまとめたうえで書くこととの聴講生からの指摘を、講義を進めるうえで心掛けている。講義への関心をたかめ、また時代の状況を理解するために新聞記事の紹介や解説を、学生からの要望に応えるためにも続けていこうと考えている。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
人権総論(I)。基本的人権の歴史、観念、人権の本質的性格、内容、人権の享有主体について考える。  
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) テキストの該当箇所(75から97頁)を通読し、疑問のある点をノートーにメモをしておくこと。 
(復習) 講義で話された内容を理解できたか、自宅でも確認すること。  
授業実施特記
第2回 内容
人権総論(II)。 社会内部における人権の調整原理について。 他者の人権を侵害する権利は誰にもないのであるから、おのずと人権の主張にも限界があり、他者の人権と調整することが求められる。公共の福祉原理、特別の法律関係における人権の制限、私人間における人権の法的効力の問題について考える。 
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) テキストの該当箇所(98から117頁)を通読して、疑問点をノートにメモをしておくこと。 
(復習) 講義で話された内容を理解できたか、再確認すること。 
授業実施特記
第3回 内容
人権総論(III)。 個人の尊重、生命・自由・幸福追求権(憲法13条)について。戦前の家制度のように家庭においても家父長の下に家族の自由が置かれていたのとは異なり、現行憲法の下では国民はすべて個人としてその自由や権利が保障されている。各個人が自由や幸福の追求にあたり、これを社会が最大に尊重することがもとめられている。憲法14条以下の個別的人権保障の規定とは異なり、13条の保障するのは2次的、補充的に人権を保障するという意味で包括的人権ともいわれている。一例としてプライバー権を取り上げて考える。 
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) テキストの該当箇所(119から127頁)を読み、公法と私法の2分法の意義や内容について、プライバシー権について考えておくこと。
(復習) 講義で話された内容を理解できたか、再度確認をする。
授業実施特記
第4回 内容
参政権と国務請求権。 国民主権原理に基づく参政権(15条)の意義と内容、人権を確保し、保障するための請願権(16条)、国家賠償請求権及び刑事補償請求権(17条、40条)の内容について理解する。 
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)テキストの該当箇所(256から266頁)を読み、わからない点をノートにメモをしておくこと。 
(復習) 講義で話された内容を理解できたか、確認すること。 
授業実施特記
第5回 内容
憲法14条:法の下の平等。 平等観念の変遷、形式的平等と実質的平等、憲法上の法の下の平等の意義および内容、平等権保障の違憲審査基準、を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) テキストの該当箇所(126から145頁)を通読し、わからない点をノートにメモしておくこと。 
(復習) 講義で話された内容を理解できたか、再度確認すること。
授業実施特記
第6回 内容
精神的自由権(I)。 内心の自由の典型的な自由である、思想・良心の自由(19条)、信教の自由、政教分離原則(20条)について理解を深める。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) テキストの該当箇所(146から163頁)を読み、わからない点をノートにメモをしておくこと。 
(復習) 講義で話された内容を理解できたか、再度確認すること。 
授業実施特記
第7回 内容
精神的自由権 (II).学問の自由(23条)と表現の自由(21条)について理解を深める。純粋な内心、内面の自由とは異なり、表現の自由は対社会的な権利でもあり、他者の権利、自由との調整をもとめられる。二重の基準に見られるように、表現の自由を規制する法律についての合憲性判定基準の内容を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)テキストの該当箇所(164から215頁)を通読し、わからない点をノートにメモをしておくこと。 
(復習) 講義で話された内容を理解できたか、再度確認する。
授業実施特記
第8回 内容
経済的自由権について。 職業選択の自由、居住・移転の自由(22条)、財産権の保障(29条)の意義とその内容を理解する。 
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) テキストの該当箇所(216から233頁)を読み、わからない点をノートにメモをしておくこと。 
(復習) 講義で話された内容を理解できたか、再度確認しておく。
授業実施特記
第9回 内容
身体的自由権 (I)。 奴隷的拘束からの自由(18条)、適正手続保障(31条)について理解を深める。人権保障の歴史は、手続保障の歴史であるといわれているが、その意味を正確に理解すること。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)テキストの該当箇所(234から238頁)を読み、わからない点をノートにメモをしておくこと。 
(復習) 講義で話された内容を理解できたか、再度確認すること。 
授業実施特記
第10回 内容
身体的自由権 (II) 。 刑事公訴提起前の被疑者に対する権利保障(33から35条)、公訴提起後の被告人に対する権利保障(37から39条)、残虐刑の禁止(36条)の意義およびその内容について理解する。 
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) テキストの該当箇所(238から247頁)を読み、わからない点をノートにメモをしておくこと。
(復習) 講義で話された内容を理解できたか、再度確認しておく。
授業実施特記
第11回 内容
社会権的基本権。 現代福祉国家を象徴する所謂社会権は、どのようにして憲法上に登場したのか、ワイマール憲法の意義、国民の生存権(25条)、教育を受ける権利(
26条)、労働基本権(27条、28条)の保障の意義及びその内容を理解する。また、消極的権利性と積極的権利性との違いにつても理解を深める。 
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) テキストの該当箇所(258から273頁)を読み、わからない点をノートにメモをしておくこと。 
(復習) 講義で話された内容を理解できたか、再度確認しておく。
授業実施特記
第12回 内容
財政立憲主義について。 国家、政府の財政処理権は、国民主権の下では、国会の議決に基づくこと(83条)、租税法律主義(84条)、予算の法的性格、決算の審査(90条)、さらに公金支出の禁止事項(89条)が定められており、財政面での立憲主義について理解を深める。 
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) テキストの該当箇所(349から355頁を読み、わからない点をノートにメモをしておくこと。
(復習) 講義で話された内容を理解できたか、再度確認しておく。
授業実施特記
第13回 内容
地方自治制度(憲法第8章、92条から95条)について。  日本国憲法は、住民自治と団体自治からなる地方自治制度を定めており、法律の範囲内ではあるものの地方公共団体に条例の制定権をみとめている。法律と条例との関係、条例の性質、条例の範囲と限界について理解する。 
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) テキストの該当箇所(355から362頁)を読み、わからない点をノートにメモをしておくこと。 
(復習) 講義で話された内容を理解できたか、再度確認する。
授業実施特記
第14回 内容
憲法の保障:抵抗権と国家緊急権、憲法の改正と憲法の変遷、あるいは憲法の破壊について。憲法の保障とは何か、自然権を基軸とする抵抗権と国家の非常時を全面に出しての国家緊急権との関係はどうか、憲法の「改正」をいいつつその実憲法を「破壊」する試みに対してどのように憲法秩序を擁護するか、につての理解を深める。 
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習) テキストの該当箇所(363から366頁、381から389頁)をよく読んで、わからない点をノートにメモをしておくこと。 
授業実施特記
第15回 内容
違憲審査制度(81条)について、および今期に学習した内容のおさらい。明治憲法とは異なり、現憲法は法律などの憲法適合性を問うために違憲審査制度を定めているが、極めて消極的な運用のためややもすると忘れられた存在にもみえることがある。この制度の活性化のためにも、各国の示唆制度との比較も必要であろう。
付随的審査制度の下での違憲審査の在り方について理解を深める。今期最後の講義にあたり、全般的なおさらいと、論述式問題に慣れるための訓練を呼びかけることとする。 
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)テキストの該当箇所(366から381頁)をよく読み、わあらない点をノートにメモをしておくこと。 
(復習)講義で話された内容を理解できたか、再度確認する。
授業実施特記