最終更新日:2017/02/02
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)通年 開講時限 木4
開講学部・学科等
科目コード 671000200 科目ナンバー
授業名 倫理学概論
英文授業名 Introduction to Ethics
担当教員 吉原 裕一

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業
教職課程科目 教科に関する科目
テーマ・キーワード 倫理学、思想

授業の概要・ねらい  倫理学とは、より善い人生を生きるためには自分がどうあるべきかを模索する学問です。そのためには、自分自身を理解し、自分をとりまく状況を理解し、さらに自分が置かれているパラダイムを理解する必要があります。しかし、この作業は簡単なことではありません。一般に、私たちは自分の価値観を正しいものだと無意識に思い込み、自分を相対化して眺める視点を忘れるという傾向を持っているからです。この偏見を克服するためには、過去の思想家たちがどのようにして彼ら自身のパラダイムを理解すべく苦闘したのか、その姿勢に学ぶのがきわめて有効でしょう。
 この講義では、現代日本人である私たちに関わりの深い過去のさまざまな倫理思想をめぐり、幅広い基本知識の修得を目標として概説してゆきます。受講者諸君は、ただ講義内容を受動的にトレースするのではなく、「この思想家は、どのような根拠に基づいて、どのような倫理思想を生み出したのか」という具体的なイメージをつかむように理解を深めてください。そういう数々の過去のお手本をおさらいすることによって、「自分の力で〈問い〉を見いだすところからスタートして、正しい筋道に沿ってよりよい〈答え〉を導きだす」という倫理学の方法を、諸君も身につけることができるはずです。
到達目標 ・講義で扱う分野における、中学社会科/高校公民の教員採用試験で一般的に要求される程度の知識を包括的に修得していること。
・提示された問題ならびに思想について、倫理学的方法にしたがって自分で考察を深めた上、その内容を他者が理解できるような明解な論理で説明したレポートを作成すること。
教科書と準備するもの 毎回、必要に応じてレジメを配付するので、特に指示がない限り準備は不要です。
参考書 受講者の動向や興味に応じて、適宜、講義の中で紹介してゆきます。
評価の基準 ・知識の修得については、授業内でおこなう小テストやミニレポートの結果によって評価する。
・倫理学的方法にしたがって問題を考察する能力が身に付いているか否かについては、レポートの内容によって評価する。
具体的評価方法 ・「小テスト/リアクションペーパーによる平常点を4割」「春期レポート3割/秋期レポート3割」の比重で勘考する。
・全ての授業回に出席することを前提としているが、教育実習の公欠など、やむをえず欠席回数が多くなった場合、ミニレポートの追加によって努力点を認めることもある。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
今年度から新たに担当する授業であるので、フィードバックはない。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
【ガイダンス】
・講義の全体像、進め方、学修の目的と評価基準について
・思想/哲学/宗教/道徳/倫理の相違点
・現代日本に生きる我々が、過去の思想や哲学を学ぶ意義
第16回 内容
【自己をめぐる思想 Ⅰ】
・「近代的自我」~西洋哲学の場合
・デカルトの心身二元論
・近代国家の礎となる概念とは
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】シラバスを読み、講義内容を把握しておく。
【復習】ガイダンスでの説明から、講義の全体像を確認する。この講義で、評価に関して修得を求められる事柄を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】春期の講義に関するレポートを作成し、授業開始時に提出する。今回の講義内容ををおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。
授業実施特記 授業実施特記
第2回 内容
【他者理解のために Ⅰ】
・愛とはなにか、多様な定義をめぐって
・愛/恋/情の相違点
第17回 内容
【自己をめぐる思想 Ⅱ】
・「近代的自我」~日本思想の場合
・夏目漱石と「自己本位」「則天去私」
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。 授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。
授業実施特記 授業実施特記
第3回 内容
【他者理解のために Ⅱ】
・アガペー(キリスト教)/慈悲(仏教)/仁(儒学)の、現代日本社会における可能性
・アイデンティティを確立することの難しさ
第18回 内容
【自己をめぐる思想 Ⅲ】
・近世の心身論
・「心の中にこそ身体がある」(中江藤樹)
・「仮己」と「真己」を自覚する(佐藤一斎)
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。 授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。
授業実施特記 授業実施特記
第4回 内容
【個と社会をめぐる思想 Ⅰ】
・現代日本における国家のイメージ
・プラトンが理想とした「国家」
・ヘーゲルの人倫完成態「国家」
・和辻哲郎がめざした共同体「国家」
第19回 内容
【現代社会における倫理的問題 Ⅰ】
・「言葉」をめぐる諸問題
・「日本文化の重層性」
・近代社会が置き去りにしてきたもの
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。 授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。
授業実施特記 授業実施特記
第5回 内容
【個と社会をめぐる思想 Ⅱ】
・和辻哲郎『倫理学』を読む
・「人間存在の否定的構造」とはなにか
・「公共性の欠如態としての私的存在」
第20回 内容
【現代社会における倫理的問題 Ⅱ】
・「責任」とはなにか
・「全体性」と「他性」(レヴィナス)
・個人と社会の整合性を考える
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。 授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。
授業実施特記 授業実施特記
第6回 内容
【個と社会をめぐる思想 Ⅲ】
・和辻哲郎『倫理学』を読む
・「二人共同体」「三人共同体」そして「国家」へと至る論理
・和辻の枠組みで、個としての私たちを考察する
第21回 内容
【現代社会における倫理的問題 Ⅲ】
・「青年期」「成人」という概念をめぐって(エリクソン)
・「アイデンティティ」「モラトリアム」「イニシエーション」
・共同体の解体/個の確立の困難
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。 授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。
授業実施特記 授業実施特記
第7回 内容
【現代日本社会の倫理観の源流を求めて Ⅰ】
・私たちの「伝統的文化」とはなにか
・近世以前の日本、近代の日本、そして現代の日本
・パラダイムという概念
第22回 内容
【人間として生きるために Ⅰ】
・「人間の学としての倫理学」(和辻哲郎)とはなにか
・「親子」の関係をめぐる倫理的諸問題
・「親子」とは、事実でなく思想によって成り立つ
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。 授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。
授業実施特記 授業実施特記
第8回 内容
【現代日本社会の倫理観の源流を求めて Ⅱ】
・朱子学の世界観と人倫に関する基礎知識
第23回 内容
【人間として生きるために Ⅱ】
・再び「親子」の関係をめぐる倫理的諸問題
・現代日本人にとって、人倫の基礎はどこに求めうるのか
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。 授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。
授業実施特記 授業実施特記
第9回 内容
【現代日本社会の倫理観の源流を求めて Ⅲ】
・朱子学が日本に与えた影響
・中国朱子学と日本朱子学の違い
第24回 内容
【人間として生きるために Ⅲ】
・「夫婦」の関係をめぐる倫理的諸問題
・社会制度や愛情が「夫婦」の基底ではない
・日本の伝統的な「夫婦」観に流れているもの
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。 授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。
授業実施特記 授業実施特記
第10回 内容
【日本にとっての東洋倫理思想 Ⅰ】
・日本化された中国思想、漢学の成立
・孔子の思想/孝、仁、天命
・孟子の思想/王道論、性善説、易姓革命
第25回 内容
【人間として生きるために Ⅳ】
・「男」という思想をめぐって
・君子/武士/軍人/家長などの概念と、社会通念上の誤解について
・日本における男女観の変遷を思想史的に再検討する
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。 授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。
授業実施特記 授業実施特記
第11回 内容
【日本にとっての東洋倫理思想 Ⅱ】
・荀子の思想/性悪説、教育の重要性
・韓非子の思想/人を統治してつなぐものとしての法
第26回 内容
【人間として生きるために Ⅴ】
・「女」という思想をめぐって
・天照大神/刀自/主婦などの概念
・近代以降、女性にふりかかってきた災難
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。 授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。
授業実施特記 授業実施特記
第12回 内容
【日本にとっての東洋倫理思想 Ⅲ】
・中華思想と夷狄
・日本人の文化に関する基本姿勢/和魂漢才が成り立つ根拠
・日本人にとっての倫理学
第27回 内容
【人間として生きるために Ⅵ】
・日本人の死生観をめぐる諸問題
・死を共同化する倫理的営み
・より善い生をめざすために
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。 授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。
授業実施特記 授業実施特記
第13回 内容
【日本の風土と文化をめぐる思想 Ⅰ】
・高校倫理の教科書などでとりあげられる著名な風土論
・和辻哲郎『風土』
・「日本文化の重層性」とはなにか
第28回 内容
【超越的存在をめぐる倫理思想 Ⅰ】
・「神」という言葉から私たちが連想するもの
・神/仏/天/霊魂/文明という概念について
・「道理/理法」はどこに実現するのか
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】前回の講義で、問題として提起された事柄について、自分なりの考察を試みる(小テストで確認)。今回の講義内容をおさらいし、どういう内容であったかを説明できる程度に、自分の理解を整理しておく。 授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】秋期ここまでの講義内容の全体をふりかえり、おさらいする。提示されたレポート課題について考察し、自分の中で問題点を整理しておく。
授業実施特記 授業実施特記
第14回 内容
【日本の風土と文化をめぐる思想 Ⅱ】
・高校倫理の教科書などでとりあげられる著名な風土論
・柳田国男『海上の道』『先祖の話』
・常民/まれびと/民芸、の概念
第29回 内容
【超越的存在をめぐる倫理思想 Ⅱ】
・私たちにとって真に意味ある「超越的存在」とはなにか
・人生における幸福の追求と「超越的存在」との関わり
・「道は高遠なところではなく、我々の足下にこそある」(伊藤仁斎)
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】春期ここまでの講義内容の全体をふりかえり、おさらいする。前回提示されたレポート課題について考察し、自分の中で問題点を整理しておく。 授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】秋期ここまでの講義内容の全体をふりかえり、おさらいする。提示されたレポート課題について考察し、執筆作業を進める。
授業実施特記 授業実施特記
第15回 内容
【春期の総括】
・倫理学という学問の方法
・知ることと信じることの違い
第30回 内容
【講義全体をふりかえっての総括】
・私たちにとっての「人倫の自覚」とはどのようなことか
・学問と人生との関わり
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】夏休み期間の本格的なレポート作成に備え、ミニレポートを執筆する。レポートで求められる事柄をここでしっかり理解し、誤った方法によってレポートが徒労に終わらないよう、万全の準備を終えて夏休みを迎える。 授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習・復習】秋期の講義に関するレポートを作成し、授業開始時に提出する。
授業実施特記 授業実施特記