最終更新日:2017/02/13
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)秋期 開講時限 水3
開講学部・学科等 経営
科目コード 634003900 科目ナンバー
授業名 会計史B
英文授業名 Accounting History B
担当教員 中野 常男

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業 会計史A(外国会計史)
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
会計史A(外国会計史)
後続関連授業
教職課程科目 教科に関する科目
テーマ・キーワード 会計史、会計、監査

授業の概要・ねらい ・「会計史B」では、わが国の会計史、特にその現代史を主として通観することにより、会計学を学ぶ上で必要となる会計史の基礎的知識の学修を目指す。
・本授業では、明治以降にわが国の企業が関わった会計不正事件―企業不正事件を事例として取り上げ、それぞれの問題点(とりわけ監査とのかかわり)に焦点を定めて解説する。
到達目標 ① 事例(ケース)から学問を考えるという視点から、個々の会計不正事件が発生した背景や、そこから読みとれる企業会計と監査にかかわる制度上の問題点に関する基礎的知識を習得する。
② 現実に生起した会計不正事件を契機としてどのような企業会計制度の改革が行われたか、具体的な改革の内容に関する基礎的知識を習得する。
③ ①と②における基礎的知識の習得を通じ、わが国における企業会計制度の発達の歴史、特に現代史の部分について、社会経済的環境に関連づけて理解できるようにする。
教科書と準備するもの 吉見 宏、ケースブック監査論(第5版)、新世社、2013
(なお、教科書で網羅できない部分や補足する部分については、別途、追加資料を事前配布する)
参考書 特に使用しない
評価の基準 ① 個々の会計不正事件から読みとれる、それぞれの時点での企業会計と監査の制度上の問題点に関する基礎的知識を習得できていること。
② 現実に生起した会計不正事件を契機としてどのような企業会計制度の改革が行われたか、具体的な改革の内容に関する基礎的知識を習得できていること。
上記の2点について、リポートと試験を用いてその到達度による成績評価を行う。
具体的評価方法 上記の評価基準について、リポート(4回、各10%)、および、定期試験(60%)により評価する。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
受講生の到達度(理解度)を向上させるために、別途配布する資料の改訂を行う。
単位互換
特記 簿記と会計(制度会計)に関する知識とともに、監査の基礎的知識を有していることが望ましい。

授業計画
第1回 内容
ガイダンス
・「会計史B」の授業全体の概要について説明する。 
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:当該科目のシラバスを読んでおくこと。
復習:ガイダンスでの説明を前提に、教科書における叙述内容の大まかな流れを把握しておくこと。
授業実施特記
第2回 内容
わが国固有の簿記法と洋式簿記の導入
・わが国の現代会計史を理解する上での前提として、江戸時代から明治時代初期の会計事情、特に江戸時代の商家が用いた簿記法(「和式帳合」)と、これに代わって明治初期に欧米型の洋式簿記(特に複式簿記)が導入される過程を解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:事前配布資料のうち、関連する部分を読み、疑問点をメモしておく。
復習:わが国固有の簿記法である「和式帳合」の特徴についてまとめる。
授業実施特記
第3回 内容
企業会計制度の形成と展開
・わが国の現代会計史を理解する上での前提として、明治時代の商法(現 会社法)の制定から、第二次世界大戦後の証券取引法(現 金融商品取引法)の制定を背景とした企業会計制度の形成と展開の過程について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:事前配布資料のうち、関連する部分を読み、疑問点をメモしておく。
復習:商法(現 会社法)会計と証券取引法(現 金融商品取引法)会計、それぞれの目的と制度、特に財務報告にかかわる側面の特徴についてまとめる。
授業実施特記 第1回リポートの課題を提示(次回の授業で回収)
第4回 内容
大日本精糖事件
・上記の事例を基に、監査の必要性とその起源について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第1章を読み、疑問点をメモしておく。
復習:監査の必要性と起源についてまとめる。
授業実施特記
第5回 内容
雅叙園観光事件
・上記の事例を基に、監査にかかわる会計専門職業人について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第2章を読み、疑問点をメモしておく。
復習:高度専門職業人としての会計専門職業の存在意義についてまとめる。
授業実施特記
第6回 内容
日本コッパース事件
・上記の事例を基に、監査に対する会計専門職業人と社会との間にある認識上のギャップ(監査期待ギャップ)の問題について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 習:教科書第3章を読み、疑問点をメモしておく。
復習:監査期待ギャップ問題、特に日本のそれについてまとめる。
授業実施特記
第7回 内容
山陽特殊製鋼事件
・上記の事例を基に、証券取引法(現 金融商品取引法)監査制度について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第4章を読み、疑問点をメモしておく。
復習:当該事件発生当時における公認会計士監査の問題点についてまとめる。
授業実施特記
第8回 内容
カネボウ事件
・上記の事例を基に、金融商品取引法監査制度について解説する
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:事前配布資料のうち、関連する部分を読み、疑問点をメモしておく。
復習:当該事件発生当時における公認会計士監査の問題点についてまとめる。
授業実施特記 第2回リポートの課題を提示(次回の授業で回収)
第9回 内容
興人事件と三田工業事件
・上記の事例を基に、監査役監査と会計監査人監査について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第5章~第6章を読み、疑問点をメモしておく。
復習:わが国の監査制度における監査役監査と会計監査人監査の問題点についてまとめる。
授業実施特記
第10回 内容
平和相互銀行事件
・上記の事例を基に、会社機関としての監査役について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:事前配布資料のうち、関連する部分を読み、疑問点をメモしておく。
復習:会社機関としての監査役の問題点についてまとめる。
授業実施特記 第3回リポートの課題を提示(次回の授業で回収)
第11回 内容
住友商事事件
・上記の事例を基に、金融商品取引法監査と監査役監査それぞれにおける監査報告書について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第8章を読み、疑問点をメモしておく。
復習:監査意見と監査報告書についてまとめる。
授業実施特記
第12回 内容
大和銀行事件
・上記の事例を基に、内部監査と内部統制について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第9章~第10章を読み、疑問点をメモしておく。
復習:内部統制と内部統制報告書についてまとめる。 
授業実施特記
第13回 内容
なみはや銀行事件
・上記の事例を基に、企業の継続性と監査について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第11章を読み、疑問点をメモしておく。
復習:継続企業の前提と監査意見についてまとめる。
授業実施特記
第14回 内容
ロッキード事件
・上記の事例について、不正・違法な支出と監査について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第12章を読み、疑問点をメモしておく。
復習:不正な支出等と監査についてまとめる。
授業実施特記 第4回リポートの課題を提示(次回の授業で回収)
第15回 内容
授業のまとめ
・第2回から第14回までの授業で解説した主要な内容について総括する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書と配布資料の全体を通読することにより、わが国の現代会計史、特に大きな会計不正事件―企業不正事件の概要と、これらの事件を契機とする、監査を含めた企業会計制度改革の動向を改めて理解すること。
復習:リポートと試験の結果をふまえて、自ら目標を定めてさらなる学修を行うこと。
授業実施特記