最終更新日:2017/01/24
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)春期 開講時限 木3
開講学部・学科等
科目コード 661057900 科目ナンバー LWL02400
授業名 刑法総論A
英文授業名 Criminal Law (General) A
担当教員 滝井 伊佐武

授業形態 講義
e-learning利用 manaba その他:
担当形態 単独
関連する授業 刑事手続法、法哲学
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
法学、憲法
後続関連授業 刑法総論B、刑法各論、刑事訴訟法、犯罪者処遇法、犯罪学、被害者学
教職課程科目 教科に関する科目
テーマ・キーワード 刑法、総則、刑罰、構成要件、違法、責任、

授業の概要・ねらい 授業のねらい:
基本的構成要件を中心に、犯罪成立の共通要素について講義する。

授業の概要:
刑法総論は、犯罪と刑罰に関する法律に共通する原理・原則を学習する講座です。一口に犯罪といっても、何が犯罪なのか直感的に決めているわけではありません。何が犯罪になるのか、犯罪とは何かを厳密に定義しておかねばなりません。なんとなくワルそう、アノ人はアヤシイ、と誰かが感じただけで処罰される世界は健全とはいえません。そうならないために、犯罪とはなにか、刑罰とは何か、その根本をしっかりと考える必要があります。刑法は社会を安全にする法律の一つです。その基本をしっかりと学習していきましょう。
履修生の理解度により、授業の進度を調整することがあります。
本講座は、講義形式で進める。
到達目標 犯罪成立要素の共通要素および不成立事由に関する基礎知識を身につける。
犯罪論の総論として、犯罪成立の共通要素を検討することができる。(刑法総則の考察)
教科書と準備するもの 「刑法講義総論」大谷實、成文堂
2017年度版の六法(毎回必携)

指定教科書の立場を支持できない場合は、体系書といわれるものの中から、各自で選択するとよい。(開講時にも説明する。自分に合いそうだと感じたものを選ぶとよい。できるだけ詳しいものを推奨する。)
 
基本書の選択ガイドとして、下記のようなものを示しておく(下記リストのほかから選択してもよい)。(順不同)
「講義刑法学・総論」井田良、有斐閣
「刑法総論講義」川端博、成文堂
「刑法総論」斎藤信治、有斐閣
「刑法総論」曽根威彦、弘文堂
「刑法総論」高橋則夫、成文堂
「刑法総論」立石二六、成文堂
「刑法総論」西田典之、弘文堂
「刑法総論講義」前田雅英、東大出版
「判例刑法総論」西田ほか、有斐閣
「刑法総論」山口厚、有斐閣
「刑法総論」山中敬一、成文堂
ほか
参考書 「刑法判例百選1総論」山口・佐伯(編)、(有斐閣)
「最新重要判例250 刑法」前田雅英、(弘文堂)
「新基本法コンメンタール 刑法 (別冊法セミ219)」浅田・井田(編)、(日本評論社)
「新・判例ハンドブック【刑法総論】」高橋・十河(編)、(日本評論社)
ほかの参考書は適宜指示する。
評価の基準 刑法総論の重要論点に関する学説・判例について説明することができる。その到達度によって評価する。
学期末試験および中間試験より評価する(各50%ずつ)。〔中間と期末の2回実施する試験を受験すること。〕
評価の補助として、講義時間内の小テスト、在宅作成のレポートを課すことがある。
 ※ manabaを利用して レポート課題などを告知する場合がある。各自でmanabaへの接続方法に慣れておくこと。
具体的評価方法 全試験の総得点によって評価する。〔計2回実施する試験を受験すること。配分は各50%ずつ〕
中間試験・学期末試験は論述式を予定(形式は予告する)。

補助評価を加味する場合の比率は、総合成績の1割(最大10%)までとする。
関連リンク manaba 国士舘大学 KLIC
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
秋学期の刑法総論Bとセットで履修する。
中間試験・レポートの日程等に関する告知は、授業内のほかmanabaでも行なう。
manabaで資料配付を行なうことがある。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
ガイダンス、授業の進め方、予復習の方法、体系書の案内
刑法とは何か
 法と法律の区別など刑法学習の基礎用語の知識について確認を行なう。
授業時間外における学修(予習・復習等) [予習等]公法・私法の区別、実体法・手続法の区別について考えてくること。
 シラバスを事前に読んでおくこと。
 便覧で卒業に必要な要件および科目を確認しておくこと。

[第1回授業の復習]法・法律の区別・意義・種別について知識を整理すること。
[毎回の授業の復習]各回の授業で扱われた論点、授業内で復習すべき事項として指摘された点について、整理して確実に身に付けること。(以下同じ。特に重点を置く事項のみ各別に示す)
[次回の予習]この講義では次回授業で扱う事項を告知する。その項目について予習すること。(以下同じ)
授業実施特記 ガイダンス
第2回 内容
刑法の意義、犯罪とは何か
 形式的/実質的意義における刑法の意義に関して講義する。
 犯罪の一般的要件と個別的要件の区別に関して解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]実質的/形式的意義における刑法、犯罪成立要素の3分法について、各自で体系書を読んでくること。
それぞれ選択した体系書が異なるから、目次や事項索引を用いて、シラバスで示されたキーワードを探して該当部分を予習してくるように。
[復習]刑法の意義・他の法律との違い、犯罪論体系の骨子をまとめる。
授業実施特記
第3回 内容
学派の争い。刑罰の意義
 古典学派刑法学と近代学派刑法学の考え方について講義する。
 各学派の歴史的背景について略説する。
 学派の違いによる犯罪観・刑罰観の相違を解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]古典学派(旧派)・近代学派(新派)・新古典学派の刑法学の流れ、応報刑主義・予防論・教育改善刑思想について読んでくること。
[復習]学派の違いをまとめる。
授業実施特記
第4回 内容
罪刑法定主義と刑法解釈
 刑法原理たる罪刑法定主義を講義する。
 法律主義と派生原則について解説する。
 解釈学手法について説明する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]罪刑法定主義の派生原則について読んでくること。法解釈の種類について調べてくること。
[復習]罪刑法定主義と派生原則をまとめる。
授業実施特記
第5回 内容
罪刑法定主義と刑法の適用範囲
 罪刑法定主義の発展について解説する。
 刑法の適用範囲について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]罪刑法定主義の目的と現代的意義について読んでくること。
[復習]罪刑法定主義の厳格な考え方と、刑法解釈の厳格さ・柔軟性についてまとめる。
授業実施特記
第6回 内容
犯罪論体系。行為とは何か
 構成要件論など、犯罪論の基本的思考方法について解説する。
 構成要件の意義・機能について概説する。
 行為概念について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]構成要件論の基本構造(行為・違法・責任の大別)、刑法における行為の意義について読んでくること。
[復習]構成要件の発展(事実類型・違法類型・違法有責類型などの考え方)についてまとめる。
授業実施特記
第7回 内容
行為と因果関係
 狭義の行為について略説し、因果関係の意義について講義する。
 因果関係学説の基本的相違について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]狭義/広義の行為の意義、構成要件的結果の意義、条件説・原因説・相当説について読んでくること。
[復習]行為を巡る諸論点をまとめる。因果関係学説を整理する。
授業実施特記
第8回 内容
因果関係学説と判例
 判例における因果関係の判断について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]因果関係をめぐる判例について調べてくること。
[復習]因果関係の判断についてまとめる。
授業実施特記
第9回 内容
重要論点の再確認 (春学期)
 学習した重要論点をまとめる。

授業のまとめと中間試験 (日程が前後する場合がある)
 ※ 追試験に該当する事由により中間試験を受験できなかった者には、manabaを通じてレポート課題を告知する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]ここまで扱ってきた論点の復習。学説・判例・立法例、答案構成を準備してくること。
[復習]自己の知識の再点検をおこなう。
授業実施特記 授業内試験
第10回 内容
構成要件の検討
故意・過失の意義(基本)
 構成要件的故意・過失の位置づけについて解説する。
 犯罪成立の主観的要素に関して概略を述べる。

中間試験講評 (授業進度等により実施日を変更する場合がある)
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]主観的構成要件要素の基本部分、構成要件を違法類型とする意義について読んでくること。
[復習]答案の書き方を省察する。故意過失の体系的地位と基本概念をまとめる。
授業実施特記 試験解説と答案構成のアドヴァイス
第11回 内容
違法性とは何か
 違法性の本質を巡る権利侵害説・秩序違反説・規範違反説・法益侵害説について概説する。
 権利行使と恐喝、無権利者と住居侵入の事例について検討する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]違法性の本質をめぐる諸学説、法益の意義について読んでくること。
[復習]違法性の考え方・判断特徴をまとめる。
授業実施特記
第12回 内容
違法性阻却事由1・概説、正当業務行為
 違法判断の特徴に関して講義する。
 違法性の推定根拠・実在根拠について解説する。
 緊急行為と一般的正当化事由について概説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]一般的違法阻却事由の意義と種類、正当防衛・緊急避難の意義について読んでくること。正当防衛の要件について読んでくること。
[復習]違法性阻却事由の意義・種別をまとめる。
授業実施特記
第13回 内容
正当防衛と緊急避難
 正当防衛と緊急避難の異同(基本的特性)について講義する。
 正当防衛の要件について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]正当防衛・緊急避難の要件について読んでくること。
[復習]正当防衛・緊急避難の諸要件をまとめ、正当防衛と緊急避難の異同を整理する。
授業実施特記
第14回 内容
違法性阻却事由2・労働争議ほか
可罰的違法性
 当罰性と可罰性について略説する。
 可罰的違法性の意義について解説する。
 可罰的違法性の理論を講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]可罰的違法性の理論の意義・限界について読んでくること。
[復習]可罰的違法性の理論と関連判例を整理する。
授業実施特記
第15回 内容
違法性阻却事由3、犯罪成立の客観的要素
 犯罪不成立事由についてのまとめ。

(注) 期末試験
 (定期試験期間中に実施の予定であるが、授業内試験とする場合がある。事前に告知する。)
授業時間外における学修(予習・復習等) [準備等]違法性阻却事由・正当化事由の機能・効果について読んでくること。

[今後の予習等]学期末試験に対して各自で準備すること。
[復習等]春学期の講義を振り返って各自の理解度と学習到達度を自己評価し、学習不足だった箇所を夏期休暇中に補完すること。
 各自で春学期の学習履歴を振り返って自習の問題点を洗い出し、秋期の学習姿勢を設定すること。
[秋学期への予習・準備等]秋学期で扱うと予告された単元について、予習すること。
授業実施特記 まとめ、(試験)