授業の概要・ねらい |
本講義は企業の形成・運営に関する法律と、企業が行う取引に関する法律を取り上げる。伝統的な講義分類でいえば、商法総則・商行為法と会社法を概観する。
日常生活をするうえで、企業にお世話にならない日はない。大学を卒業すると、多くの人は企業に就職する。公務員になれば規制対象の多くは企業である。日常雑貨類を購入する店も企業である。そのような企業を、法律というフィルターを介して理解する、それが企業法の目的である。 |
到達目標 |
①商法条文の解釈方法を修得することにより、複雑怪奇な条文を解釈・適用できるようになる。
②民法の特別法である商法を修得することにより、一般法・特別法の関係、法秩序における私法の地位といったような、法秩序の基礎を理解できるようになる。
③法科大学院など各種試験勉強における会社法の基礎的理解を得られるようになる。 |
教科書と準備するもの |
中村信男=和田宗久『ビジネス法入門 第2版』(中央経済社、2017年)
本書は商学部で開講される企業法を念頭に置いているため、商学部生が必ずしも十分な知識を有しているとは言い難い民法の基礎知識にも紙幅が多く割かれている。法学部生を対象とする本講義では、同書を用いて民法を簡単に復習するとともに、商法関連部分に重点を置いて講ずる。
当然ながら、最新版の六法は必携(教科書末尾に条文が掲載されてはいるが、六法は別個持参するほうが望ましい)。平成26年会社法改正も取り上げるので、平成27年度以降六法以外は役に立たない。 |
参考書 |
落合誠一『会社法要説 第2版』(有斐閣、2016年)、落合誠一ほか『商法Ⅰ 総則・商行為 第5版』(有斐閣、2013年)、小塚荘一郎=森田果『支払決済法 第2版』(商事法務、2014年)
各種試験勉強のために会社法の理解を深めたいと考える者は、指定教科書以外に、上記落合『会社法』や田中亘『会社法』(東京大学出版会、2016年)なども座右においておくことが望ましい。 |
評価の基準 |
学期末試験で評価する。講義途中で発言を求め、良い答えには発言点を与えて成績に反映させる。具体的基準は以下の通り。
①商法の条文を解釈できるようになったか。
②民法の特別法である商法を理論的に整序して理解できるようになったか。 |
具体的評価方法 |
学期末試験の素点+発言(レポート)点=最終的な点数となる。
試験:80%
発言点:20% |
関連リンク |
担当者教員紹介 |
第1回 |
内容
|
後期ガイダンス・役員等の義務と報酬規制(1) 取締役の善管注意義務と忠実義務、利益相反状況の意義 教科書:115~117頁 |
第16回 |
内容
|
|
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:教科書の指定頁を眺めておく。取締役は会社経営をする際に誰の利益を一番に考えるべきかを理解する。 復習:レジュメとそれへの書き込みを参考に、教科書をもう一度読み直す。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
|
授業実施特記 |
|
授業実施特記 |
|
第2回 |
内容
|
役員等の義務と報酬規制(2) 競業避止義務、利益相反取引 教科書:117~121頁 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:教科書の指定頁を眺めておく。各「具体的発現形態」において、どのような利益衝突が起きるのかを、具体的に理解しておく。 復習:レジュメを参考に、教科書をもう一度読み直す。 |
授業実施特記 |
|
第3回 |
内容
|
役員等の義務と報酬規制(3) 会社の役員が受ける報酬の内容とそれに対する法規制を理解する 教科書:121~127頁 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:教科書の指定頁を眺めておく。各「具体的発現形態」の一場面である「報酬規制」において、どのような利益衝突が起きるのかを、具体的に理解しておく。報酬の具体的与え方も理解する。 復習:レジュメを参考に、教科書をもう一度読み直す。 |
授業実施特記 |
|
第4回 |
内容
|
役員等の民事責任と株主代表訴訟(1) 会社の役員の会社に対する義務違反の際の責任、その追及手段としての株主代表訴訟を理解する 教科書:128~132頁 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:教科書の指定頁を眺めておく。会社が役員の責任を追及することが稀であることを理解しておく。 復習:レジュメを参考に、教科書をもう一度読み直す。 |
授業実施特記 |
|
第5回 |
内容
|
役員等の民事責任と株主代表訴訟(2) 役員の責任が問題となった具体的事例のうち、法令違反事例と経営判断原則の適用が問題となった事例を理解する 教科書:133~138頁 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:教科書の指定頁を眺めておく。教科書掲載の具体的事件を事例に即して理解しておく。 復習:レジュメを参考に、教科書をもう一度読み直す。経営判断原則についてはその存在意義にも注目する。 |
授業実施特記 |
|
第6回 |
内容
|
役員等の民事責任と株主代表訴訟(3) 役員の責任が問題となった具体的事例のうち監視・監督・監査義務違反事例を、そして、役員の責任軽減について理解する。 教科書:138~141頁 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:教科書の指定頁を眺めておく。教科書掲載の具体的事件を事例に即して理解しておく。 復習:レジュメを参考に、教科書をもう一度読み直す。 |
授業実施特記 |
|
第7回 |
内容
|
ファイナンスに関する法制度(1) 株式会社の資金調達方法のうち、株式と社債の違いについて理解する。 教科書:142~146頁 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:教科書の指定頁を眺めておく。残余的請求権者という言葉の意味を理解しておく。 復習:レジュメを参考に、教科書をもう一度読み直す。 |
授業実施特記 |
|
第8回 |
内容
|
ファイナンスに関する法制度(2) 株式会社の資金調達方法のうち、株式と社債の発行手続について理解する。 教科書:142~146頁 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:教科書の指定頁を眺めておく。株式の発行方法の違い、その際の利害関係について理解する。 復習:レジュメを参考に、教科書をもう一度読み直す。 |
授業実施特記 |
|
第9回 |
内容
|
M&Aおよび組織再編等(1) M&Aの意義、MBOという取引の内容を理解する。 教科書:152~154頁 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:教科書の指定頁を眺めておく。 復習:レジュメを参考に、教科書をもう一度読み直す。 |
授業実施特記 |
|
第10回 |
内容
|
M&Aおよび組織再編等(2) 敵対的M&Aと友好的M&Aの違い、敵対的M&Aに対する防衛策を理解する 教科書:該当頁なし |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:事前配布資料を眺めておく。 復習:講義内容を踏まえ、配布資料をもう一度読み直す。 |
授業実施特記 |
|
第11回 |
内容
|
M&Aおよび組織再編等(3) 各種経営統合の方法を理解する 教科書:154~164頁 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:教科書の指定頁を眺めておく。 復習:レジュメを参考に、教科書をもう一度読み直す。 |
授業実施特記 |
|
第12回 |
内容
|
支払決済方法(1) 手形・小切手の意義、種類、利用方法 教科書:169~177頁 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:教科書の指定頁を眺めておく。 復習:レジュメを参考に、教科書をもう一度読み直す。 |
授業実施特記 |
|
第13回 |
内容
|
支払決済方法(2) 手形・小切手の振出、記載方法 教科書:169~177頁 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:教科書の指定頁を眺めておく。 復習:レジュメを参考に、教科書をもう一度読み直す。 |
授業実施特記 |
|
第14回 |
内容
|
支払決済手段(3) 銀行振込における法律関係、誤振込における諸論点を理解する 教科書:なし |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:新聞・テレビ等を見て、振り込め詐欺が問題になっているとの現状が認識できていればそれでよい。 復習:レジュメ、講義録を参考に、教科書をもう一度読み直す。 |
授業実施特記 |
|
第15回 |
内容
|
後期の総復習 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
予習:後期講義内容の復習をしておく。 復習:レジュメとそれへの書き込みを参考に、教科書をもう一度読み直す。 |
授業実施特記 |
|