最終更新日:2017/02/23
Syllabus
クリックして表示・非表示切り替え
概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)春期 開講時限 水4
開講学部・学科等 政経・法・経営
科目コード 820031100 科目ナンバー
授業名 人文地理概説
英文授業名 Introduction to Human Geography
担当教員 伊藤 修一

授業形態 講義
e-learning利用 manaba その他:
担当形態 単独
関連する授業 地理学A、地理学B、自然地理概説、地誌学
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
地理学A、地理学B
後続関連授業 自然地理概説、地誌学
教職課程科目 教科に関する科目
テーマ・キーワード 地図、人口、農業、工業、商業、都市、職業、家族、民族

授業の概要・ねらい  この授業では、人間活動の特徴を地理(学)的な見方でとらえる力を養成し、説明していく基本的な方法を学修することを目指す。はじめに人間活動の特徴を規定する人口の特徴を確認したうえでうえで、地域同士の結びつきや、農業・工業・商業といった経済活動、職業・家族・民族に関する社会的現象の特徴が空間的にどのように表れるのかについて、具体例を挙げながら説明する。
到達目標  人文地理的現象の特徴を捉えて、説明できることを到達目標とする。具体的には以下の4点である。
(1)地図や統計図表の解釈によって、人文地理的現象の特徴を読み取ることができること。
(2)古典的な立地法則や空間モデルといった人文地理的現象の一般性を理解できること。
(3)人文地理的現象が生じる背景やメカニズムについての理解を深めること。
(4)特定の地域でみられる人文地理的現象について、その一般性や例外的特徴を理解できること。
教科書と準備するもの  中学校や高校などで利用した地図帳
参考書  授業では資料を随時配布し、折に触れて参考書を紹介していく。全体の内容にかかわるものとして、さしあたり、以下の本を紹介する。
・坂本英夫・浜谷正人編著、最近の地理学、大明堂、1985
・富田和暁・藤井 正編、新版 図説 大都市圏、古今書院、2010
評価の基準 (1)地図や統計図表の解釈によって、人文地理的現象の特徴を読み取ることができること。
(2)経済地理的な立地法則や社会地理的な現象の分布傾向を説明できること。
(3)経済活動や社会現象の特徴や背景、過程について説明できること。
(4)特定の地域でみられる人文地理的現象を、その一般性に照らして説明できること。
具体的評価方法  評価の基準に示した項目それぞれの到達割合を合計する。複数回実施予定の小テストあるいは課題20%程度、授業内試験80%程度から総合的に評価する。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
 コメントペーパーなどを用いてより多くの受講生の興味関心をくみ取って、授業に反映させるように努めたい。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
ガイダンス
・授業全体を通じての目標、進め方、予習復習、評価方法などに関して説明する。
・学問としての地理や人文地理の位置づけを説明する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)シラバスを熟読し、講義内容や授業の進め方などについて理解する。 
(復習)地理や人文地理の特徴について整理する。
授業実施特記
第2回 内容
地図とは?
・地理的現象を理解するために不可欠な地図の特性や種類を確認し、その活用上の注意点やインターネット上の地図などの地理情報システムの仕組みなどについて概説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)辞書などで「縮尺」の意味を調べる。地図帳の地図の彩色や各種記号の特徴を確認する。
(復習)地図の分類方法を整理する。地理情報システムについて簡潔に説明できるようにする。
授業実施特記
第3回 内容
人口の変化と空間的分布
・世界や日本の人口推移と分布の特徴を確認し、その変化の要因と地域差について概説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)「世界人口推計」や日本の統計局のホームページなどの資料により、世界と日本の人口の推計値を確認する。
(復習)世界や日本の人口推移と分布の変化の特徴を簡潔に説明し、それらの変化の要因を人口学的に説明できるようにする。
授業実施特記
第4回 内容
人口構造とその課題
・地域人口の性・年齢構造の特徴を読み取り、そこから現在地域が抱える問題や今後起こりうる地域問題について考察する方法について説明する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)世界や日本の人口推移と変化の要因を整理する。
(復習)人口の性・年齢構造を示す図から、地域の特徴を読み取って説明できるようにする。
授業実施特記
第5回 内容
農業の立地論
・人口増加と食料生産との一般的な関係や世界の農業分布の特徴を確認したうえで、農業的土地利用の地理学的な捉え方を概説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)世界や日本の人口推移と分布の変化の特徴を整理する。
(復習)人口増加と食料生産との関係とその問題点や、チューネンの農業立地論による農業的土地利用の展開について説明できるようにする。
授業実施特記
第6回 内容
地域間の結びつき―結びつきの特性
・人・モノ・カネ・情報などによって結びつく地域同士の関係の特徴について概説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)辞書などで「相互作用」の意味を確認しておく。
(復習)地域間の結びつきの性質に基づいた法則性を理解して、結びつきの強さを予測したり、地域を評価する方法を説明できるようにする。
授業実施特記
第7回 内容
地域間の結びつき―拡散・伝播
・情報や病気などが空間的に広まっていく特徴について概説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)地域間の結びつきの特徴を整理する。
(復習)対象の特徴をふまえて、空間的な拡散・伝播の特徴の一般性と特異性について説明できるようにする。
授業実施特記
第8回 内容
現代の工業と工業立地の理論
・今日の日本と世界の工業の現状を確認したうえで、工場の立地の地理学的な考え方を概説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)産業革命と人口との関係や、人口分布の時間的変化の特徴について整理する。
(復習)現代の工業の特徴を概説し、ウェーバーの工業立地論による工場立地の基本的な考え方を説明できるようにする。
授業実施特記
第9回 内容
工業立地の実際
・ウェーバーの工業立地論に照らして、実際の工場の分布傾向を説明、解釈する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)ウェーバーの工業立地論による工場立地の基本的な考え方を整理する。
(復習)実際の工場の分布の特徴と、理論的にみた分布の特徴の共通点と差異を説明できるようにする。
授業実施特記
第10回 内容
現代の第3次産業と商業立地の理論
・今日の日本と世界の第3次産業の現状を確認したうえで、商業施設の立地の地理学的な考え方を概説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)辞書などで「第3次産業」の意味を確認しておく。
(復習)第3次産業の位置づけと、クリスタラーの中心地理論による商業施設立地の基本的な考え方を説明できるようにする。
授業実施特記
第11回 内容
商業立地の実際
・クリスタラーの中心地理論に照らして、実際の商業施設の分布傾向を説明、解釈する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)クリスタラーの中心地理論による商業立地の基本的な考え方を整理する。
(復習)実際の商業施設の分布の特徴と、理論的にみた分布の特徴の共通点と差異を説明できるようにする。
授業実施特記
第12回 内容
都市居住構造の形成—社会経済的特徴からみた場合
・職業などの社会経済的特徴から都市内部の居住構造の特徴を概観し、その特徴が現れる背景や過程について説明する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)世界や日本の都市の分布傾向を確認する。
(復習)社会経済的特徴からみた人口分布の一般的傾向に照らして、東京の居住構造の特徴や形成過程を具体的に説明できるようにする。
授業実施特記
第13回 内容
都市居住構造の形成—家族の特徴からみた場合
・家族形態の特徴から都市内部の居住構造の特徴を概観し、その特徴が現れる背景や過程について説明する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)社会経済的な特徴からみた居住構造の空間的特徴について整理する。
(復習)家族形態による世帯分布の一般的傾向に照らして、東京の居住構造の特徴や形成過程を具体的に説明できるようにする。
授業実施特記
第14回 内容
都市居住構造の形成—民族の特徴からみた場合
・民族的な側面から都市内部の居住構造の空間的特徴を概観し、その特徴が現れる背景や過程について説明する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)社会経済的な特徴や家族的な特徴からみた居住構造の空間的特徴について整理する。
(復習)民族からみた人口分布の一般的傾向に照らして、東京の居住構造の特徴や形成過程を具体的に説明できるようにする。
授業実施特記
第15回 内容
試験と授業のまとめ
・試験を通じて到達度の確認を行う。
・授業内容に関する質疑応答を行う。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)ノートや配布資料、地図帳を読み込み、活用して地域を説明できるようにしておく。
(復習)ノートや配布資料、地図帳を読み込み、活用して地域を説明できるようにしておく。
授業実施特記