最終更新日:2017/02/17
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)春期 開講時限 木2
開講学部・学科等
科目コード 674404900 科目ナンバー
授業名 日本近代文学・文化論ⅠA
英文授業名 Modern Japanese Literature and Culture ⅠA
担当教員 中島 礼子

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
日本近代文学・文化講読ⅠA,日本近代文学・文化講読ⅠB
後続関連授業 日本近代文学・文化論ⅠB
教職課程科目 教科に関する科目
テーマ・キーワード 明治の結婚   家父長制

授業の概要・ねらい 明治期における家父長制下のさまざまな結婚を描いた小説を手がかりに、明治の結婚について考察する。高学歴夫婦の結婚を描いた坪内逍遙「細君」、明治の時代には珍しく結婚後、家父長制下の結婚を否定するような女性を描いた森鷗外「半日」を取り上げる。明治期の結婚と今日の結婚との違いやその時代的背景など理解できるようにする。
到達目標 明治初年の女性の教育・とくに高等教育について説明できる。
明治期の女性の地位「七去の定め、三従の掟」について説明できる。
「細君」における夫人の結婚観を分析し、問題点を指摘できる。
旧憲法・民法下の女性、とくに離婚・妻の無能力・親権と親子の関係について民法親族篇・相続篇をもとに説明できる。
これらを踏まえ「細君」の夫婦の問題点を指摘することができる。
森鷗外「半日」において、小説が創作された当時の夫・妻・夫の母親の関係性と今日の夫・妻・夫の母親の関係性を分析し、説明できる。


教科書と準備するもの プリントを配布する。
参考書 講義の進行とともに随時紹介する。
評価の基準 明治初年の女性の教育・とくに高等教育について説明できる。
明治期の女性の地位「七去の定め、三従の掟」について説明できる。
「細君」における夫人の結婚観を分析し、問題点を指摘できる。
旧憲法・民法下の女性、とくに離婚・妻の無能力・親権と親子の関係について民法親族篇・相続篇をもとに説明できる。
これらを踏まえ「細君」の夫婦の問題点を指摘することができる。
森鷗外「半日」において、小説が創作された当時の夫・妻・夫の母親の関係性と今日の夫・妻・夫の母親の関係性を分析し、説明できる。


具体的評価方法 評価の基準に示した事柄を十分に達成しているかどうかをレポート・授業内での発言内容で評価する。成績の評価はレポート80%、平常点20%で評価する。
平常点には、授業内での発言内容、受講態度等を総合的に判断する。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
学生が理解できるように、丁寧な説明を心がける。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
授業内容についての説明と受講に際しての諸注意
なぜ明治期の結婚を描いた小説として、坪内逍遙「細君」・森鷗外「半日」をとりあげるのかについて説明。
授業時間外における学修(予習・復習等) 坪内逍遙・森鷗外について調べる。(予習)(所要時間90分)
明治期の結婚の内実について確認する。(復習)(所要時間90分)
授業実施特記
第2回 内容
坪内逍遙の文学について説明。「細君」の成立、梗概。
「細君」の文学史的意義。
明治初年代から二〇年代までの女子教育。男女同権論。
授業時間外における学修(予習・復習等) 「細君」執筆時の坪内逍遙について調べる。(予習(所要時間90分))
当時の女子を取り巻く状況について確認する。(復習(所要時間90分)
授業実施特記
第3回 内容
坪内逍遙「細君」(一 小間使と細君)を読み込み、内容把握につとめる。
登場人物、夫人と主人の夫婦仲
授業時間外における学修(予習・復習等) 坪内逍遙「細君」(一 小間使と細君)を予め読み、自分なりの登場人物の把握につとめる。(予習)(所要時間90分)
内容について再確認し、それぞれの人物関係を図にしてみる。(復習)(所要時間90分)
授業実施特記
第4回 内容
坪内逍遙「細君」(一 小間使と細君)(二 親子)を読み込み、内容把握につとめる。
夫人が実家に帰る。実家での父と娘。
授業時間外における学修(予習・復習等) 坪内逍遙「細君」(二 親子)を予め読み、自分なりの登場人物の把握につとめる。(予習)(所要時間90分)
夫人と継母との関係、父親は「細君」でどのように描かれているかを再確認する。(復習)(所要時間90分)
授業実施特記
第5回 内容
坪内逍遙「細君」(二 親子)を読み込み、内容把握につとめる。
義理の母に夫と離婚したい旨を話すが、義理の母はその話に取り合わない
授業時間外における学修(予習・復習等) 坪内逍遙「細君」(二 親子)でなぜ夫人は夫と離婚したいのか、また義理の母が義理の娘の願いを素直に受け入れないのかについて考える。(予習)(所要時間90分)
授業で内容把握につとめた結果、予習で考えたことについてまとめ、深める。(復習)(所要時間90分)
授業実施特記
第6回 内容
坪内逍遙「細君」(三 とつおいつ)を読み込み、内容把握につとめる。
婦人の地位。「七去の定め、三従の掟」
夫人の夫某(高学歴)、夫人(高学歴)・夫人の結婚観
夫の女性関係
授業時間外における学修(予習・復習等) 坪内逍遙「細君」(三 とつおいつ)を予め読み、自分なりの登場人物の把握につとめる。(予習)(所要時間90分)
当時の婦人の地位について説明を受けたことをもとにして、夫人の結婚観や高学歴夫婦の実態について再確認する。(復習)(所要時間90分)
授業実施特記
第7回 内容
坪内逍遙「細君」(三 とうおいつ)(四 乱脈)を読み込み、内容把握につとめる。
夫人は離婚の意思を持つが、実家では義理の母がその話をに取り合わず、しかたなく夫婦の関係を続ける。義理の弟の借金の後始末のため、夫に内緒で自分の着物を質に入れる。
授業時間外における学修(予習・復習等) 坪内逍遙「細君」(四 乱脈)を予め読み、自分なりの登場人物の把握につとめる。(予習)(所要時間90分)
夫人の結婚観と義理の母の結婚観の相違が何によるのかについて、当時の結婚観に照らし合わせて考えてみる。義理の弟の借金の後始末のため、夫に内緒で自分の着物を質に入れる夫人の心情を想像してみる。(復習)(所要時間90分)
授業実施特記
第8回 内容
坪内逍遙「細君」(四 乱脈)を読み込み、内容把握につとめる。
質屋に使いに出した小間使いが賊に襲われ、そのことが夫に露見する。夫は激怒し、夫人に「財産は夫の物」と言い、また夫人の高学歴を持ち出し、「生意気だ」と非難する。
夫人は離縁される。
授業時間外における学修(予習・復習等) 坪内逍遙「細君」(四 乱脈)のあらすじ・登場人物について整理する。(予習)(所要時間90分)
なぜ夫が妻の行為に激怒したのか、またそこで妻の高学歴について夫がどのように考えているのかなどについて考えてみる。(復習)(所要時間90分)
授業実施特記
第9回 内容
旧憲法・民法下の女性、とくに離婚・妻の無能力・親権と親子の関係について説明。民法親族篇・相続篇
これらを踏まえ「細君」の夫婦の問題について考察。
受講者全員で感想・意見を述べ合う。
授業時間外における学修(予習・復習等) 当時の結婚・離婚について調べる。(予習)(所要時間90分)
学んだことをもとに「細君」における結婚に関する問題点を考察する。(復習)(所要時間90分)
授業実施特記
第10回 内容
森鷗外の結婚について説明。とくに再婚した森しげ、鷗外と母親との関係、鷗外の結婚観。
授業時間外における学修(予習・復習等) 森鷗外の評伝を読み、鷗外について予め予備知識を持つ。(予習)(所要時間90分)
鷗外における「半日」執筆動機、「半日」が森鷗外の文学における位置などについて再確認する。(復習)(所要時間90分)
授業実施特記
第11回 内容
森鷗外「半日」に表れた夫と妻、夫と夫の母親、その関係性。
授業時間外における学修(予習・復習等) 森鷗外「半日」を予め読み、自分なりの登場人物の把握につとめる。(予習(所要時間90分))
授業で考えた夫と妻、夫と夫の母親、その関係性について自分の考えたことをまとめる。(復習(所要時間90分))
授業実施特記
第12回 内容
森鷗外「半日」における妻と夫の母親、その関係性。
授業時間外における学修(予習・復習等) 森鷗外「半日」において妻はどのように捉えられているか、また夫は妻に夫の母親とどのような関係を望んでいるかなどを考えながら「半日」を読んでみる。(予習)(所要時間90分)
森鷗外「半日」における妻と夫の母親、その関係性について、明治時代と今日を比較しながら考えてみる。(復習)(所要時間90分)
授業実施特記
第13回 内容
森鷗外「半日」において何が問題なのか。小説が創作された当時の夫・妻・夫の母親の関係性と今日の夫・妻・夫の母親の関係性を念頭に置き、考える。
受講者全員で感想・意見を述べ合う。
授業時間外における学修(予習・復習等) 森鷗外「半日」における結婚、特に明治の結婚と今日の結婚との相違などについて考えをまとめておく。(予習)(所要時間90分)
授業受講後、受講者の感想・意見を聞いて自分の考えがどう変わったか、また、あらためてどのような感想・意見を持ったかについてまとめてみる。(復習)(所要時間90分)
授業実施特記
第14回 内容
「細君」「半日」から明治期の結婚について考察する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 「細君」「半日」から見られる明治期の結婚について自分なりの整理をする。(予習)(所要時間90分)
「細君」「半日」から見られる明治期の結婚の背景にある民法・制度が当時の人々への影響について考え、まとめる。(復習)(所要時間90分)
授業実施特記
第15回 内容
石橋湛山「維新後婦人に対する観念の変遷」により、良妻賢母教育、女子の職業について考える。
授業時間外における学修(予習・復習等) あらかじめ石橋湛山「維新後婦人に対する観念の変遷」を読み、内容把握につとめる。(予習)(所要時間90分)
石橋湛山「維新後婦人に対する観念の変遷」において問題提起されている事柄が今日では解決されているのか、現状について考えてみる。(復習(所要時間90分))
授業実施特記