最終更新日:2017/02/01
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)秋期 開講時限 木4
開講学部・学科等
科目コード 674308200 科目ナンバー
授業名 名跡鑑賞B
英文授業名 Appreciation of Calligraphic Masterpieces B
担当教員 亀澤 孝幸

授業形態 講義、実験・実習・実技
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
名跡鑑賞A
後続関連授業
教職課程科目 教科に関する科目
テーマ・キーワード 書道 漢字 芸術

授業の概要・ねらい 東アジア漢字文化圏に固有の芸術である「書」について、講義と実技の両方を通して、その鑑賞の方法を学ぶ。毎回の授業では、中国の書の歴史における名品一点を取り上げ、その歴史的背景、鑑賞のポイントについて講義した後、受講者は、作品の一節を半紙に「臨書」し、清書一点を仕上げる。「臨書」とは、古典を手本にして、その形や筆のはたらきを写し取る、もっとも基本的な学書法である。それは同時に、書の鑑賞力を養うための基礎となるものである。秋期は、芸術性の高いスタイルを確立した北宋以降の行草書を取り上げたのち、古代文字である隷書から篆書へと、漢字書体の変遷を遡る。
到達目標 ① 書を芸術として観る鑑賞力を身につける。
② 書を通して、東洋的な美への感性を磨く。
③ 書の作品を自分の言葉で批評できるようになる。
教科書と準備するもの 初回より実習を行うので、各自、書道用具・用材一式を準備すること。
参考書 『中国法書選』全60冊(二玄社)
石川九楊編『書の宇宙』全24巻(二玄社)
国士舘大学書道研究室編『大学書道・中国篇』(天来書院)
西林昭一『書の文化史』上・中・下(二玄社)
西林昭一『中国書道文化辞典』(柳原出版)
評価の基準 ① 書の魅力を理解することができたか。
② 芸術としての書に固有の特質を理解できたか。
③ 書の作品を自分の言葉で批評できるか
具体的評価方法 ・平常点50%、毎回の実技課題50%によって評価する。
・平常点は、授業への参加、受講態度、授業内の発言などを総合的に判断する。
・実技課題については、巧拙を評価基準とはせず、あくまで主体的な取り組みを評価する。
授業評価アンケート
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単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
行草(1) 蘇軾「黄州寒食詩巻」
書の中の書、天下の劇跡と称される中国書道史上の最高傑作のひとつを通して、書とはいかなる芸術か考える。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書の該当ページを読み、作品と書人の基本事項を整理しておく。
(復習)授業で書いた箇所以外の部分を臨書学習する。
授業実施特記
第2回 内容
行草(2) 黄庭堅「李太白憶旧遊詩巻」
変幻きわまりない黄庭堅の草書を、筆法と章法(構成)の面から分析する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書の該当ページを読み、作品と書人の基本事項を整理しておく。
(復習)授業で書いた箇所以外の部分を臨書学習する。
授業実施特記
第3回 内容
行草(3) 王鐸
一見奔放で自由自在な王鐸書法の根底に、確固たる王羲之書法が存在することを理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書の該当ページを読み、作品と書人の基本事項を整理しておく。
(復習)授業で書いた箇所以外の部分を臨書学習する。
授業実施特記
第4回 内容
行草(4) 傅山
「巧みであるよりも拙なく、美しくあるよりも醜くあれ」と説いた傅山の美学を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書の該当ページを読み、作品と書人の基本事項を整理しておく。
(復習)授業で書いた箇所以外の部分を臨書学習する。
授業実施特記
第5回 内容
隷書(1) 「曹全碑」
もっとも洗練された隷書の姿によって、その字形と筆法の特徴を学ぶ。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書の該当ページを読み、作品と書人の基本事項を整理しておく。
(復習)授業で書いた箇所以外の部分を臨書学習する。
授業実施特記
第6回 内容
隷書(2) 「礼器碑」
「曹全碑」と双璧をなす隷書の典型を学ぶ。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書の該当ページを読み、作品と書人の基本事項を整理しておく。
(復習)授業で書いた箇所以外の部分を臨書学習する。
授業実施特記
第7回 内容
隷書(3) 「開通褒斜道刻石」
波磔のない隷書(古隷)の書法を摩崖の大字を通して学ぶ。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書の該当ページを読み、作品と書人の基本事項を整理しておく。
(復習)授業で書いた箇所以外の部分を臨書学習する。
授業実施特記
第8回 内容
篆書(1) 「泰山刻石」
中国統一を果たした始皇帝が正式な書体に定めた小篆の典型を学ぶ。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書の該当ページを読み、作品と書人の基本事項を整理しておく。
(復習)授業で書いた箇所以外の部分を臨書学習する。
授業実施特記
第9回 内容
篆書(2) 「権量銘」
度量衡の統一のために各地に配られた「権」(おもり)や「量」(ます)に記された皇帝の詔勅は、粗雑でやや崩れた小篆で書かれている。肩肘張らない書にも独特の魅力があることを理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書の該当ページを読み、作品と書人の基本事項を整理しておく。
(復習)授業で書いた箇所以外の部分を臨書学習する。
授業実施特記
第10回 内容
篆書(3) 「石鼓文」
石鼓文は、戦国時代の秦の「大篆」と呼ばれる書体で書かれていると考えられる。西周金文とのつながりを理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書の該当ページを読み、作品と書人の基本事項を整理しておく。
(復習)授業で書いた箇所以外の部分を臨書学習する。
授業実施特記
第11回 内容
簡牘
紙が発明される以前、日常的な書写メディアとして竹や木の札が使われていた。これらを総称して簡牘と呼ぶ。生命感あふれるその肉筆書の多彩な書法を味わう。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書の該当ページを読み、作品と書人の基本事項を整理しておく。
(復習)授業で書いた箇所以外の部分を臨書学習する。
授業実施特記
第12回 内容
楚帛書
戦国時代、南方では大国「楚」が独自の文化を発展させていた。そこで使われていた書体は、秦系の文字と大きく異なる。円転を基調とする楚系文字の書法に触れる。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書の該当ページを読み、作品と書人の基本事項を整理しておく。
(復習)授業で書いた箇所以外の部分を臨書学習する。
授業実施特記
第13回 内容
金文(1) 「大盂鼎」
西周の正統的書体を示す青銅器「大盂鼎」の銘文は、古代思想を知る上でも重要な史料である。象形性が色濃く残る古代文字を通して、当時の社会を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書の該当ページを読み、作品と書人の基本事項を整理しておく。
(復習)授業で書いた箇所以外の部分を臨書学習する。
授業実施特記
第14回 内容
金文(2) 「散氏盤」
謹厳な「大盂鼎」に対して、独特な字形をみせる「散氏盤」を例に、鋳造と肉筆の関係、書体の正統性といった問題を考える。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書の該当ページを読み、作品と書人の基本事項を整理しておく。
(復習)授業で書いた箇所以外の部分を臨書学習する。
授業実施特記
第15回 内容
甲骨文
最古の漢字である甲骨文が、どのような目的で、何を記したものであるのかを理解し、文字と書の力について考える。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書の該当ページを読み、作品と書人の基本事項を整理しておく。
(復習)授業で書いた箇所以外の部分を臨書学習する。
授業実施特記