最終更新日:2017/01/31
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)通年 開講時限 木3
開講学部・学科等
科目コード 674300500 科目ナンバー
授業名 中国近世文学史
英文授業名 History of Feudal Chinese Literature
担当教員 秋谷 幸治

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業
教職課程科目 教科に関する科目
テーマ・キーワード 中国近世文学史・中国の伝統文化を深く知ろう

授業の概要・ねらい  みなさんは、『三国志演義』『水滸伝』『西遊記』などを読んだことはあるでしょうか。小説そのものは読んだことはなくとも、テレビドラマや漫画や絵本になったものにきっと触れたことがあるでしょう。
 『三国志演義』『水滸伝』『西遊記』は、いずれも白話(話言葉)で書かれていますが、こうした形式の文学は中国に大昔からあったわけではなく、近世(宋以降)になってはじめて登場します。近世になると社会が大変革し、新しい形式の文学が続々と生み出されるのです。本授業は、中国近世の歴史的特徴を理解し、あわせて『三国志演義』をはじめとする近世の代表的な文学作品に親しむことを目的としています。
到達目標 中国近世の文学および文化全般に関する知識を身につける。
教科書と準備するもの 川合康三編訳『新編 中国名詩選』(下)(岩波文庫)1140円+税
参考書 前野直彬著『中国文学序説』(東京大学出版社)
前野直彬編『中国文学史』(東京大学出版社)
吉川幸次郎著『宋詩概説』(岩波文庫)
吉川幸次郎著『元明詩概説』(岩波文庫)
その他、授業で紹介します。
評価の基準 中国近世の文学および文化に関する知識が身についたか、日本と中国の伝統文化の違いを理解できたかを基準に評価します。
具体的評価方法 評価の目安は、授業態度(20%)、授業中の課題(20%)、前期・後期のレポート(60%)
授業評価アンケート
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受講生へメッセージ
中国の伝統文化に広く興味を持ってもらえるよう、工夫して授業を展開していきたいと思います。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
ガイダンス。
授業中のきまりと進め方を説明します。中国における近世とはいかなる時代であったのかを概説します。
第16回 内容
元代文学概説①
元代の歴史的特徴について学びます。
授業時間外における学修(予習・復習等) シラバスを熟読しておく。(予習)
配付された資料を読み直し、中国の近世はどの王朝を指すのかを覚える。(復習)
授業時間外における学修(予習・復習等) 『新編 中国名詩選』(下)の「元・明・清の詩歌」(437~438頁)を熟読しておく。(予習)
宋から元に王朝が代わり、統治者が漢民族からモンゴル族になることで社会がどう変化したのかをまとめる。(復習)
授業実施特記 授業実施特記
第2回 内容
中国文学の特徴①
中国に住む諸民族の風習や文化について学びます。
第17回 内容
元代文学概説②
元代の高啓の詩、四大家の詩について学びます。
授業時間外における学修(予習・復習等) 配布資料「中国文学の領域」(3~12頁)を熟読しておく。(予習)
現代の中国にいかなる民族が住んでいるのかを覚える。(復習)
授業時間外における学修(予習・復習等) 『新編 中国名詩選』(下)に載っている高啓の詩を読んでおく。(予習)
モンゴル族が統治する元において、漢民族の詩人たちはどのような生き方をし、どのような詩作を残したのかをまとめる。(復習)
授業実施特記 授業実施特記
第3回 内容
中国文学の特徴②
中国の北方と南方における文化の違いについて学びます。 
第18回 内容
元代文学概説③
元以前の戯曲について学びます。
授業時間外における学修(予習・復習等) 配付資料「中国文学の領域」(13~16頁)を熟読しておく。(予習)
中国の北方と南方における文化の違いをまとめる。(復習)
授業時間外における学修(予習・復習等) 配付資料「竇娥怨」の第1、2幕を読んでおく。(予習)
元代以前にどのような戯曲があったとされているのかをまとめる。(復習)
授業実施特記 授業実施特記
第4回 内容
中国文学の特徴③
文言と白話について学びます。
第19回 内容
元代文学概説④
元曲の形式と内容について学びます。
授業時間外における学修(予習・復習等) 配付資料「文言と白話」を熟読しておく。(予習)
文言と白話の違いを理解し、文言によって書かれるジャンル、白話によって書かれるジャンルをそれぞれまとめる。(復習)
授業時間外における学修(予習・復習等) 配付資料「竇娥怨」の第3、4幕を読んでおく。(予習)
元曲はいかなる人をターゲットに作られているのかを理解し、元曲の形式面・内容面の特徴をまとめる。(復習)
授業実施特記 授業実施特記
第5回 内容
中国文学の特徴④
典故と対句という表現技法について学びます。
第20回 内容
明代文学概説①
明代の歴史的特徴について学びます。
授業時間外における学修(予習・復習等) 配付資料「典故と対句」を熟読しておく。(予習)
典故、対句の種類や特徴についてまとめる。(復習)
授業時間外における学修(予習・復習等) 『新編 中国名詩選』(下)の「元・明・清の詩歌」(437~438頁)を再度熟読しておく。(予習)
宋代と明代における出版事情の違いについてまとめる。(復習)
授業実施特記 授業実施特記
第6回 内容
宋代文学概説①
宋代がいかなる時代であったのかを捉え、中世と近世の違いについて学びます。 
第21回 内容
明代文学概説②
古文辞派と公安派の詩について学びます。
授業時間外における学修(予習・復習等) 『新編 中国名詩選』(下)「北宋の詩歌」(227~229頁)を熟読しておく。(予習)
中世と近世とを分ける基準をしっかり理解する。(復習)
授業時間外における学修(予習・復習等) 『新編 中国名詩選』(下)に載っている袁宏道の詩を読んでおく。(予習)
古文辞派と公安派の詩説の違いを理解し、いかなる背景からそれぞれの詩説が生まれたのかをまとめる。ミニットペーパーを参照。(復習)
授業実施特記 授業実施特記
第7回 内容
宋代文学概説②
宋詩の特徴と西崑体の詩について学びます。  
第22回 内容
明代文学概説③
明曲の形式と内容について学びます。 
授業時間外における学修(予習・復習等) 『新編 中国名詩選』(下)「北宋の詩歌」(227~229頁)を再度熟読しておく。(予習)
唐詩と宋詩の違いについてまとめる。(復習)
授業時間外における学修(予習・復習等) 配付資料「湯顕祖―大戯曲家の反骨精神」を熟読しておく。(予習)
元曲と明曲の違いをまとめる。(復習)
授業実施特記 授業実施特記
第8回 内容
宋代文学概説③
北宋時代の蘇軾と王安石の詩について学びます。
第23回 内容
明代文学概説④
三国志演義・水滸伝等の通俗小説について学びます。 
授業時間外における学修(予習・復習等) 『新編 中国名詩選』(下)に載っている蘇軾と王安石の詩を読んでおく。(予習)
旧法党と新法党が生まれた背景と主張の違いについてまとめる。(復習)
授業時間外における学修(予習・復習等) 配付資料「三国志演義・水滸伝」を熟読しておく。(予習)
三国志演義の張飛や、水滸伝の魯達といったキャラクターが生まれた文化的背景についてまとめる。(復習)
授業実施特記 授業実施特記
第9回 内容
宋代文学概説④
北宋時代の黄庭堅と江西詩派の詩について学びます。
第24回 内容
三国志演義・水滸伝を題材にした京劇を見ます。
授業時間外における学修(予習・復習等) 『新編 中国名詩選』(下)に載っている黄庭堅の詩を読んでおく。(予習)
江西詩派が提唱した「換骨奪胎」「点鉄成金」という創作法はどのようなものであるのかをまとめる。(復習)
授業時間外における学修(予習・復習等) 京劇とはどういう形態の演劇であるのかを調べてくる。(予習)
劇の見どころ、演者の妙技、日本の古典芸能との違いなどについてそれぞれ考えてみる。(復習)
授業実施特記 授業実施特記
第10回 内容
宋代文学概説⑤
南宋時代の詩について学びます。
第25回 内容
清代文学概説①
清代の歴史的特徴について学びます。
授業時間外における学修(予習・復習等) 『新編 中国名詩選』(下)「南宋の詩歌」(361~362頁)を熟読しておく。(予習)
南宋時代に唐詩への回帰が提唱された理由についてまとめる。(復習)
授業時間外における学修(予習・復習等) 『新編 中国名詩選』(下)の「元・明・清の詩歌」(437~438頁)を再度熟読しておく。(予習)
満州族の統治者たちが漢民族の知識人に対して、いかなる政策をとったのかをまとめる。(復習)
授業実施特記 授業実施特記
第11回 内容
宋代文学概説⑥
唐宋の駢文と古文について学びます。
第26回 内容
清代文学概説②
三詩家説について学びます。  
授業時間外における学修(予習・復習等) 配付資料「駢文・散文」を熟読しておく。(予習)
駢文・古文の特徴を理解し、いかなる社会階層の人々がそれらを製作したのかをまとめる。(復習)
授業時間外における学修(予習・復習等) 『新編 中国名詩選』(下)に載っている王士禛の詩を読んでおく。(予習)
「神韻説」「格調説」「性霊説」の詩説の違いを理解し、それぞれの詩説が生まれた背景についてまとめる。(復習)
授業実施特記 授業実施特記
第12回 内容
宋代文学概説⑦
宋以前の詞について学びます。
第27回 内容
清代文学概説③
清代の文章と詞について学びます。
授業時間外における学修(予習・復習等) 『新編 中国名詩選』(下)の詞の解説(517頁)を熟読しておく。(予習)
詞というジャンルがどのようにして生まれ、どのような特徴があるのかをまとめる。(復習)
授業時間外における学修(予習・復習等) 前期に学んだ駢文・古文・詞について復習しておく。(予習)
清代において、駢文と詞が再び製作されるようになった背景をまとめる。(復習)
授業実施特記 授業実施特記
第13回 内容
宋代文学概説⑧
宮廷の宋詞と民間の宋詞について学びます。
第28回 内容
清代文学概説④
清代の戯曲と小説について学びます。
授業時間外における学修(予習・復習等) 『新編 中国名詩選』(下)に載っている柳永の詞を熟読しておく。(予習)
宮廷の詞と民間の詞の違いをまとめる。(復習)
授業時間外における学修(予習・復習等) 元曲と明曲の特徴について復習しておく。(予習)
清代において、戯曲はどのように発展していったのか。清代において、小説の読み手はどのように変化していったのか。これらを捉えまとめる。(復習)
授業実施特記 授業実施特記
第14回 内容
宋代文学概説⑨
婉約派と豪放派、宋詞の衰退について学びます。
第29回 内容
中国の近代①
中国がいかに近代化していったのかを学びます。
授業時間外における学修(予習・復習等) 『新編 中国名詩選』(下)に載っている蘇軾の詞を熟読しておく。(予習)
宋詞が衰退してしまった理由をまとめる。(復習)
授業時間外における学修(予習・復習等) 中国の近代化は、何がきっかけではじまったのかを調べておく。(予習)
アヘン戦争、五四運動、大躍進政策、文化大革命がどのような背景のもとに起こったのかをまとめる。(復習)
授業実施特記 授業実施特記
第15回 内容
宋代文学概説⑩
宋代の民間芸能について学びます。前期の授業のまとめをします。
第30回 内容
中国の近代②
いかにして現代の中国が生まれたのかを学びます。講義のまとめをします。
授業時間外における学修(予習・復習等) 配付資料「説教の中から」を読んで、変文とは何かを理解しておく。レポート作成の準備をすること。(予習)
宋代の盛り場ではどのような演芸が演じられたのかをまとめる。(復習)
授業時間外における学修(予習・復習等) 現在、新聞やテレビでどのような中国の話題が取り上げられているのかを調べる。レポート作成の準備をする。(予習)
現代の中国はいかなる問題を抱えているのかを考える。(復習)
授業実施特記 授業実施特記