最終更新日:2017/01/31
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)春期 開講時限 金4
開講学部・学科等
科目コード 661057300 科目ナンバー LWL01502
授業名 親族法・相続法A
英文授業名 Civil Law (Family Law & Succession Law) A
担当教員 五島 京子

授業形態 講義
e-learning利用 manaba その他:
担当形態 単独
関連する授業 親族法・相続法B、民法総則A/民法総則B
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業 親族法・相続法B
教職課程科目 教科に関する科目
テーマ・キーワード 民法・家族・夫婦

授業の概要・ねらい 本講義では、民法第4編で定められる親族法について基礎的な知識を修得し、民法でどのように夫婦関係を規定しているのかを理解することがねらいである。親族法には、婚姻・離婚・内縁・親子・養子・親権後見・扶養などの内容が含まれるが、親族法・相続法Aにおいては夫婦関係を中心に講義をする。具体的には、親族の範囲・婚姻・離婚・内縁について、制度の沿革を紹介したうえで、条文の解釈、判例の動向、学説の展開、さらには比較法的考察を加えて検討する。
到達目標 ①親族・血族・姻族・親系・親等を理解し、ある者と他の者が親族であるか否か、どのような親族関係にあるかを説明することができる。
②婚姻の成立要件と効果について、概要を説明することができる。
③離婚の種類・内容・手続き・効果と問題点を整理して説明することができる。
④内縁に関する判例法理を説明することができる。
教科書と準備するもの 前田陽一=本山敦=浦野由紀子著『民法Ⅵ――親族・相続〔第3版〕』(有斐閣、2015年〔2,700円+税〕)
講義前にmanabaでレジュメをダウンロードし、必ず持参すること。レジュメは講義の前後3-4週間公開されるが、公開期限を過ぎるとダウンロードできなくなるので、注意すること。
参考書 水野紀子=大村敦志編『民法判例百選Ⅲ親族・相続』(有斐閣、2015年〔2,100円+税〕)
その他、最初の講義の際、参考文献リストを配付する。
評価の基準 ①親族の範囲を理解している。
②婚姻の成立要件と効果について、概要が理解できている。
③離婚の種類・内容・手続き・効果が理解できている。
④内縁について説明できる。
具体的評価方法 春期定期試験(80%)、manaba上の小テスト(10%)、授業中の態度および勉学意欲(10%)で評価する。なお、秋期試験後、2年生以上の成績不良者については再試験を実施するが、その場合、出席が3分の2以上なければ再試験を受けることはできない。
関連リンク 裁判所,厚生労働省,法務省,総務省法令データ提供システム
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
Q3の「十分に理解できたか」という項目のポイントが他の項目に比べて低めなので、さらに理解しやすいように工夫をしたい。パワーポイントで図や表は多用しているが、板書で考える速度に合わせて図示するなど、受講生の満足度につながる工夫を考えたい。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
ガイダンス
1年間の授業計画
親族法・相続法の位置づけ
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)当科目のシラバスを必ず読んでおくこと。教科書1~6頁を読んでおくこと。
(復習)民法の中の親族法・相続法の位置づけを、民法総則Aのガイダンスと対比しながら自分で整理してみる。
授業実施特記
第2回 内容
Ⅰ 序
家族法の歴史と変遷、戸籍制度、家庭裁判所、身分行為
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書7~23頁、28~35頁を読んでおくこと。
(復習)民法総則A(財産法)のガイダンス・序論部分の講義と対比して、親族法・相続法A(家族法)の特徴は何かを考え、共通点と相違点を書き出してみる。
授業実施特記
第3回 内容
Ⅱ 親族
親族の範囲、親族の効果
民法725~730条
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書23~27頁を読んでおくこと。
(復習)自分の親戚の家系図を書き、血族か姻族か、直系か傍系か、何親等かを書き出してみる。
授業実施特記 講義終了後manaba上の小テスト(家族法の沿革・親族の範囲)を実施する。
第4回 内容
Ⅲ 婚姻の成立(その1)
婚姻とは、婚姻の要件(届出と意思)
民法739、742条
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書40~46頁を読んでおくこと。
(復習)婚姻意思に関する判例を、婚姻意思の内容と婚姻意思の存在時期に分けて整理する。
授業実施特記
第5回 内容
Ⅲ 婚姻の成立(その2)
婚姻障害
民法736~741条
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書47~50頁を読み、manabaで婚姻表をダウンロードして婚姻障害の概要を確認すること。
(復習)再婚禁止期間について、最高裁平成27年12月の大法廷判決はなぜ違憲と判示したのかを整理する。近親婚の範囲についても自分の家系図を書いてどこまで禁止されるのかを確認する。
授業実施特記
第6回 内容
Ⅲ 婚姻の成立(その3)
婚姻の無効と取消し
民法742~749条
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書51~58頁を読み、婚姻表で婚姻の無効の場合と取消しの場合を確認すること。
(復習)民法総則で規定する無効と取消しがどのようなものであるかを確認し、両者の違いを調べる。婚姻の取消しが民法総則で規定する取消しとどう違うかを整理する。
授業実施特記 講義終了後manaba上の小テスト(婚姻の成立)を実施する。
第7回 内容
Ⅳ 婚姻の効果(その1)
一般的効果
民法750~754条
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書58~65頁を読んでおくこと。
(復習)共有制と別産制の違いを整理する。日常家事債務に関する判例を整理する。一方配偶者から他方配偶者の不貞の相手方に対する慰謝料請求の判例を整理する。
授業実施特記
第8回 内容
Ⅳ 婚姻の効果(その2)
夫婦財産制
民法755~762条
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書66~75頁を読んでおくこと。
(復習)共有制と別産制の違いを整理する。日常家事債務に関する判例を整理する。
授業実施特記
第9回 内容
Ⅴ 離婚(その1)
欧米の離婚とわが国の離婚、離婚の歴史、離婚の種類、協議離婚・調停離婚・審判離婚
民法763~765条
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書75~87頁を読んでおくこと。
(復習)欧米の離婚とわが国の離婚の相違を整理する。離婚の種類をすべて挙げることができるようにする。離婚手続きがどのように進んでいくかを、教科書81頁のチャートで確認する。
授業実施特記
第10回 内容
Ⅴ 離婚(その2)
裁判離婚、離婚原因、有責配偶者からの離婚請求
民法770~772条
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書87~95頁を読んでおくこと。
(復習)離婚原因のうち、精神病離婚の問題点を整理する。有責配偶者をめぐる最高裁大法廷判決(昭和62年9月2日)の3要件を整理する。
授業実施特記 講義終了後manaba上の小テスト(婚姻の効果・離婚)を実施する。
第11回 内容
Ⅵ 離婚の効果(その1)
身分上の効果
民法766~767条
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書95~96頁、100~108頁を読んでおくこと
(復習)姻族関係の終了と氏に関して、婚姻の死亡解消と離婚解消でどのような違いがあるのかを整理する。親権と監護権の違いを整理する。
授業実施特記
第12回 内容
Ⅵ 離婚の効果(その2)
財産上の効果
民法768~769条
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書96~100頁、104~108頁を読んでおくこと。
(復習)財産分与の3つの要素を整理する。財産分与と慰謝料の関係を整理する。離婚制度の課題を整理する。
授業実施特記
第13回 内容
Ⅶ 家族法に関するゲストスピーカーの講義 
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)予め配付する資料を読み、質問を考えておく。
(復習)ゲストスピーカーの講義内容について、該当する箇所を教科書で確認し、問題点を整理する。
授業実施特記
第14回 内容
Ⅷ 内縁(その1)
婚約と内縁、内縁保護の歴史
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書36~40頁、108~111頁を読んでおくこと。
(復習)婚約と内縁の異同を整理する。内縁保護の歴史を整理する。最近のパートナーシップと呼ばれる関係と内縁の関係を整理する。
授業実施特記
第15回 内容
Ⅷ 内縁(その2)
内縁法理の展開、重婚的内縁、内縁配偶者の居住の保護
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)教科書111~118頁を読んでおくこと。
(復習)判例法の準婚理論を整理する。判例は所有家屋と賃借家屋で内縁配偶者の居住の保護をどのように図ってきたかを整理する。春期試験に向けて、春期で学んだ内容全体を復習する。
授業実施特記 定期試験直前に、manaba上で小テスト(離婚の効果・内縁)を実施する。