最終更新日:2016/03/19
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)秋期 開講時限 木3
開講学部・学科等 理工
科目コード 647002300 科目ナンバー SEC03207
授業名 維持管理工学
英文授業名 Mechanics of Maintenance
担当教員 高木 千太郎

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業
教職課程科目
テーマ・キーワード ・社会基盤施設、公共事業、少子高齢化社会
・計画、設計、施工
・メンテナンス
・点検・診断、非破壊検査、補修・補強、減量、更新
・アセットマネジメント

授業の概要・ねらい 社会基盤施設を取り巻く社会環境を調査、理解し、建設中心の時代から維持管理の時代へと移り変わる状況において、供用している社会基盤施設の性能確保を担う専門技術者に必要な種々な能力を習得する。
授業の概要は、構造物の高齢化、多発する損傷の原因等を具体的な事例を基に示し、原因を排除し、機能を回復する方策について自己で考えられるように導く。また、機能回復の種々な方策を最適な時期にどのように行うのかを種々な事例、基本的な考え方、実際に行われている対策を中心に解説し、持てるシーズの活用について考察する。種々な事例と現状をビジュアルに解説することからパワーポイント等を活用して示す。
到達目標 ・建設中心の時代から持管理時代に移り変わる現状を理解する。
・維持管理時代に有効に機能する専門技術者となる。
・社会基盤施設のマネジメントを理解し、自ら修繕計画が策定できる。
教科書と準備するもの 各授業開始前にWeb上で配布する講義資料
参考書 ①社会基盤メインテナンス工学 東京大学出版
②アセットマネジメント導入への挑戦 技報堂出版
③橋があぶない ぎょうせい
④これならわかる「道路橋の点検」 建設図書
評価の基準 ・期末試験の成績
・小レポートの内容
・プレゼンテーション能力
・授業中の態度
具体的評価方法 ①試験:50%
②レポート:30%
③受講態度:20%
遅刻及び欠席は減点する。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
事業評価アンケート結果を時期に活かし、変更する。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
①維持管理とは
②建設と維持管理の差異
授業時間外における学修(予習・復習等) 高度経済成長期時代から現代において、社会基盤施設建設の時代から大きく転換し、既存の施設を維持管理する時代へと推移している。ここで、維持管理とは何か、建設との差異は何かを自己で考え、講義時に理解度を高める。また、講義後には、内容を参考に維持管理時代が求める技術者像を自己形成する。
授業実施特記
第2回 内容
①これまでの社会基盤施設整備
②社会基盤施設の高齢化等現状と抱えている課題
授業時間外における学修(予習・復習等) 社会基盤施設の種類と特徴を事前学習し、構造的なポイントを事前学習する。また、現在供用している社会基盤施設の抱えている課題、行政側の対応、問題点を学習しておくこと。
授業実施特記
第3回 内容
①インフラマネジメント及びアセットマネジメント
②社会基盤施設の評価基準である社会的便益
授業時間外における学修(予習・復習等) 社会基盤施設の管理に必要なマネジメントとは何か、どのような場面でマネジメントが機能するのか、マネジメントが無いとどのような問題が起こるのかを事前学習すること。また、社会基盤施設の整備の基準となる便益(ベネフィット)について事前学習し、講義で得た知識を復習し、理解度を高めること。
授業実施特記
第4回 内容
①鋼構造物の性能と発生する損傷
②鋼構造物の劣化
授業時間外における学修(予習・復習等) 社会基盤施設の鋼構造物に発生する損傷、劣化現象等を事前に学習するとともに、インターネット等を活用し内容を事前学習すること。個別鋼構造物を対象に事例研究を行うことが望ましい。
授業実施特記
第5回 内容
①コンクリート構造物(RC、PC)の性能と発生する損傷
②コンクリート構造物の劣化
授業時間外における学修(予習・復習等) 社会基盤施設のコンクリート構造物に発生する損傷、劣化現象および代表的な事例を関連する資料を基に事前学習すること。コンクリート構造物に発生する損傷は、ひび割れが関与している事例が多いので、事例研究を行っておくこと。
授業実施特記
第6回 内容
劣化の進行と劣化予測(鋼材等金属材料:疲労、腐食、変形等)
授業時間外における学修(予習・復習等) 第3回の講義で解説している、マネジメントにおける最適な対策時期の選定に必要な劣化予測技術に関連する事項を事前学習すること。また、講義時に解説したポイントを復習し理解度を高めること。
授業実施特記
第7回 内容
劣化の進行と劣化予測(コンクリート材料:中性化、塩害、アルカリシリカ反応等)
授業時間外における学修(予習・復習等) 材料的に結合力が鋼構造と比較して弱いコンクリート構造物の劣化予測技術を事前に学習し、鋼構造の劣化予測との差異を考察しておくこと。
授業実施特記
第8回 内容
①点検(遠望及び近接目視点検と記録)
②診断(損傷程度の評価、健全度診断)
授業時間外における学修(予習・復習等) 第5回、第6回で学習した材料別の劣化予測を基にそれらを工学的に的確に見出すための技術、点検、調査とはどのようなことであるのかを事前学習すること。また、講義後には、身の回りにある種々な構造物を対象に点検するとはどのような考え方、行為が必要であるのかを復習することが望ましい。
授業実施特記
第9回 内容
①非破壊検査の概要と活用方法
②個別の非破壊検査解説
③モニタリングとその事例
授業時間外における学修(予習・復習等) 一般的に行われている目視点検の限界を前回講義結果を基に考察し、点検の高度化、数値化等を参考資料とを基に事前学すること。また、近年話題となっている構造物のモニタリングについても事前学習しておくことが望ましい。
授業実施特記
第10回 内容
①構造物の維持管理
②維持作業
授業時間外における学修(予習・復習等) 第1回で学んだ維持管理の概論を基に、構造物の安全性確保に機能する維持管理、特にこまめに行う作業維持管理の特徴を事前学習し、疑問点を洗い出しておくこと。維持管理によって構造物の寿命に大きな差異があることを復習し、維持管理の重要性を理解すること。
授業実施特記
第11回 内容
鋼構造物の補修技術(概要、設計方法、施工方法、事例研究)
授業時間外における学修(予習・復習等) 構造物の機能や性能の劣化を止め、当初設定された性能を期待値まで回復する技術である補修に関し、鋼構造物の関連資料を基に事前学習し、講義の理解度を高めるようにポイントを整理しておくこと。
授業実施特記
第12回 内容
コンクリート構造物の補修技術(概要、設計方法、施工方法、事例研究)
授業時間外における学修(予習・復習等) 材料的に均一な鋼構造と骨材をセメントで接着したコンクリートとは基本的な対策技術は異なっている。そこで、対策効果が出にくいコンクリート構造物の補修、鋼構造物の補修との差異を事前学習し、事例研究を行っておくこと。
授業実施特記
第13回 内容
鋼構造物の補強技術(概要、設計方法、施工方法、事例研究)
授業時間外における学修(予習・復習等) 鋼構造物の補強技術は、損傷が腐食、疲労、変形に対する対策が主となっている。そこで、これら損傷が発生した場合、基準不適合となった場合にどのような対策が機能、性能を向上させることが可能かを事前学習しておくこと。
授業実施特記
第14回 内容
コンクリート構造物の補強技術(概要、設計方法、施工方法、事例研究)
授業時間外における学修(予習・復習等) コンクリート構造物の補強技術は、ひび割れ、剥離、断面欠損やアルカリシリカ反応や塩害・中性化に対する対策が主である。ここに示した技術に関し、参考図書等を基に事前学習しておくこと。また、鋼構造物の補強技術とコンクリート構造物の補強技術を整理して、種々な場面で役立つように復習すること。
授業実施特記
第15回 内容
社会基盤施設における望ましい維持管理、減量、更新について
①グループ討議と課題のプレゼンテーション
授業時間外における学修(予習・復習等) 社会基盤施設に発生する損傷・劣化現象、対応する対策技術、対策時期、対策事例やそれらを効率的・効果的に行うマネジメントについて講義全体を通して学んだ知識や資料を基に疑問点を整理し、講義時に質問することで理解度を高めることが可能となる。質問ポイントを整理し、必ず疑問を残さないようにすること。
授業実施特記