授業の概要・ねらい |
力学を習得することは物体の運動と力の働きに関する現象を理解するために重要であるばかりでなく、物理学のその他の分野を学ぶ上でも非常に重要な土台となる。この授業では、力学の概念や法則を理解し、それを適用する能力を習得することを目指し、微分・積分を用いた質点(大きさを無視した物体)の運動, 2個の質点の相対的な運動, 剛体(変形しない物体)の運動について解説する。また、必要に応じて数学的な知識の説明も行う。 |
到達目標 |
① さまざまな物体の運動について、微分を用いた運動方程式をたてて、それを解くことができる。
② 仕事と仕事率, 仕事とエネルギーの関係、エネルギー保存則について理解する。
③ 運動量と力積の概念、運動量保存則について理解する。
④ 2個の質点の相対的な運動について理解する。
⑤ 力のモーメント、角運動量について理解する。
⑥ 剛体の回転運動を理解する。 |
教科書と準備するもの |
原 康夫 著、理工系の基礎物理 力学、学術図書出版社、1998、2,000円+税 |
参考書 |
廣岡秀明著、大学新入生のための物理入門 第2版、共立出版
大成逸夫, 田村忠久, 渡邊靖志 編 、理工系の物理学入門、裳華房
原康夫著、基礎物理学、学術図書出版 |
評価の基準 |
① 位置, 速度, 加速度の関係性を理解し、微分・積分を用いて表わす事ができる。(80%)
② ニュートンの運動の三法則について理解している。 (90%)
③ 質点に力が働いているときの運動方程式をたてて、それを解くことができる(直線上と平面上)。(80%)
④ 仕事と仕事率, 仕事とエネルギーの関係について理解している。 (80%)
⑤ 力学的エネルギー保存則について理解している。 (80%)
⑥ 運動量と力積の概念が理解できている。(80%)
⑦ 運動量保存則の概念を理解し、それを利用して衝突の運動を解くことができる。(70%)
⑧ 2個の質点からなる系の重心の運動や、相対運動についての問題を解くことができる。(70%)
⑨ 剛体の回転運動を理解し、一定の角加速度の問題を解くことができる。(60%)
以上の点に着目し、その到達度によって成績評価を行う。 |
具体的評価方法 |
評価基準それぞれについて、演習問題(20%)、中間試験(30%)、定期試験(50%)で評価する。 |
第1回 |
内容
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ガイダンス 授業の進め方について説明する。
直線運動の変位と速度 直線上を運動する物体の位置と速度、(微分や積分で表した)位置と速度の関係について説明する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(予習) 微分と積分について調べておく。教科書1ページから10ページまでを読んでおく。教科書3ページの例題1, 6ページの例題2, 8ページ問1, 9ページ問2と問3を解く。 (復習) 教科書とノートを読み返すこと。また、教科書21ページの演習問題1の中からA1とA2を解く。 |
授業実施特記 |
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第2回 |
内容
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直線運動の加速度 直線上を運動する物体の加速度について説明する。(微分や積分で表した)速度と加速度の関係について説明する。 落下運動について解説する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(予習) 第1回の内容を復習しておく。教科書10ページから19ページまでを読んでおく。教科書13ページの問4, 14ページの問5と問6, 17ページの問7と問8, 18ページの問9を解く。 (復習) 教科書とノートを読み返すこと。また、教科書21ページの演習問題1の中からA3~A15まで解く。 |
授業実施特記 |
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第3回 |
内容
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ベクトル ベクトルの和、直交座標系とベクトル、スカラー積(内積)、ベクトル積(外積)について説明する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(予習) 教科書23ページから32ページまでを読んでおく。教科書27ページの問1, 29ページの問2を解く。 (復習) 教科書とノートを読み返すこと。また、教科書33ページの演習問題2の中からA1~A6, B1~B3を解く。 |
授業実施特記 |
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第4回 |
内容
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平面運動 平面上を運動する物体の位置・速度・加速度、相対速度、等速円運動について説明する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(予習) 第1回から3回までの内容を復習しておくこと。三角関数の微分について調べておくこと。教科書34ページから41ページまでを読んでおく。教科書35ページの例題1, 41ページの例題2を解く。 (復習) 教科書とノートを読み返すこと。また、教科書42ページの演習問題3の中からA1~A9, B1, B2を解く。 |
授業実施特記 |
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第5回 |
内容
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運動の法則 運動の第1法則(慣性の法則), 第2法則, 第3法則(作用反作用の法則)について説明する。 また、力について、合力と力の分解、重力、力のつりあいについて説明する。 放物運動について説明する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(予習) 第1回から4回までの内容を復習しておくこと。教科書44ページから62ページまでを読んでおく。教科書54ページの例題1, 55ページの例題2, 58ページの例題3と問5を解く。 (復習) 教科書とノートを読み返すこと。また、教科書64ページの演習問題4の中からA4~A21を解く。 |
授業実施特記 |
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第6回 |
内容
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摩擦力と抵抗 静止摩擦力、最大摩擦力、運動摩擦力、粘性抵抗、慣性抵抗について説明する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(予習) 教科書68ページから77ページまでを読んでおく。教科書70ページの例題1, 77ページの問2を解く。 (復習) 教科書とノートを読み返すこと。また、教科書78ページの演習問題5の中からA1~A9を解く。 |
授業実施特記 |
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第7回 |
内容
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振動 ばねの単振動、単振り子、減衰振動について説明する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(予習) 教科書80ページから93ページまでを読んでおく。教科書83ページの例題1, 85ページの問1, 87ページの例題2と問2, 問3を解く。 (復習) 教科書とノートを読み返すこと。また、教科書の94ページ演習問題6の中からA1~A6, B1~B4を解く。 |
授業実施特記 |
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第8回 |
内容
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中間試験
仕事とエネルギー(1) 一定な力のする仕事、重力による位置エネルギー |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(予習) これまでの内容を復習しておくこと。教科書96ページから102ページまでを読んでおく。 (復習) 中間試験で分からなかった問題の内容を復習しておく。教科書とノートを読み返すこと。また、教科書115ページの演習問題7の中からA1~A3を解く。 |
授業実施特記 |
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第9回 |
内容
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仕事とエネルギー(2) 一定でない力のする仕事、保存力、力学的エネルギー保存則について説明する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(予習) 第8回の内容を復習しておく。教科書102ページから112ページまでを読んでおく。 (復習) 教科書とノートを読み返すこと。また、教科書115ページの演習問題7の中からA4~A26, A29~A30を解く。 |
授業実施特記 |
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第10回 |
内容
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運動量と力積 運動量と力積、運動量保存則、弾性衝突と非弾性衝突について説明する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(予習) 教科書118ページから127ページまでを読んでおく。教科書119ページの例題1, 121ページの例題2, 124ページの例題3と例題4, 126ページの例題5と例題6を解く。 (復習) 教科書とノートを読み返すこと。また、教科書129ページの演習問題8の中からA2~A4, A6~A9を解く。 |
授業実施特記 |
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第11回 |
内容
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角運動量 力のモーメント、角運動量、回転運動の法則、角運動量保存則、万有引力、ケプラーの第2法則(面積速度一定の法則)について説明する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(予習) 教科書131ページから135ページ、138ページから143ページまでを読んでおく。教科書134ページの例題1, 143ページの問1と問2を解く。 (復習) 教科書とノートを読み返すこと。また、教科書149ページの中から演習問題10のA1~A3を解く。 |
授業実施特記 |
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第12回 |
内容
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剛体の重心 2つの質点の重心、重心の運動方程式、重心の運動量保存則、2体問題について説明する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(予習) 教科書150ページから157ページまでを読んでおく。教科書152ページの問1, 153ページ例題1, 154ページ例題2と問2を解く。 (復習) 教科書とノートを読み返すこと。また、教科書159ページの中から演習問題11のA1, A3~A5, B1を解く。 |
授業実施特記 |
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第13回 |
内容
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固定軸のまわりの剛体の回転運動 角速度と角加速度、回転運動の運動エネルギー、慣性モーメントと計算例、平行軸の定理、力のモーメントと回転運動の法則について説明する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(予習) 第4回の等速円運動と第11回の内容について復習しておく。教科書160ページから167ページまでを読んでおく。教科書161ページの例題1, 162ページの問1, 163ページの問2, 164ページの例題2を解く。 (復習) 教科書とノートを読み返すこと。また、教科書170ページの演習問題12の中からA1~A3, A5を解く。 |
授業実施特記 |
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第14回 |
内容
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剛体の平面運動 剛体が回転しながら運動する例について説明する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(予習) 第13回の内容について復習しておく。教科書172ページから180ページまでを読んでおく。教科書173ページの例題1, 174ページ例題2, 177ページの例題3, 178ページの例題4を解く。 (復習) 教科書とノートを読み返すこと。また、教科書の181ページの演習問題13の中からA1~A5を解く。 |
授業実施特記 |
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第15回 |
内容
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試験及び授業のまとめ |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
(予習) 試験に向けて、これまでの内容について復習しておく。 (復習) 試験で解けなかった問題について復習する。 |
授業実施特記 |
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