授業の概要・ねらい |
近年の地震学の発展は著しく,地震の発生から地盤内の伝播・表層地盤による増幅を含めて,地震動の予測が可能になってきている。また,建築学の発展も顕著で,特に振動解析技術の進歩によって,地震動に対する建物の応答予測も容易になっている。これに伴って,建物の耐震設計技術も時代を追って充実するとともに,地震応答の低減を意図した免震・制震構造など,新しい技術も展開されるようになっている。しかし,阪神淡路大震災を始め,その後の地震によっても,依然として大きな被害が生じているのも事実である。
本講義では,構造物の設計に関わる地震動の特性について,震源から伝播、表層地盤の影響までを,地震波発生のメカニズムから伝播・増幅理論に基づいて,総合的に解説する。また,振動学の基礎を建築設計に関連づけて講義し,地震動の作用を受けた建物の応答予測法や応答特性,免震・制震構造等の地震時の応答制御の基本的な考え方を解説する。これらの知識を基に,耐震設計の現状について述べる。
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到達目標 |
①地震と地震動の基本的特性を理解する。
②地震動に対する建物の応答の基本的特性を理解する。
③建物の耐震設計の考え方の基本が理解する。
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教科書と準備するもの |
プリントを配付する。 |
参考書 |
・「建築のための地震工学」 宇佐美龍夫編著,市ヶ谷出版社,¥3,200+税
・シリーズ〈建築工学〉3「建築の振動」 西川孝夫他著,朝倉書店,¥3,200+税
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評価の基準 |
①地震と地震動の基本的特性が理解できている。
②地震動に対する建物の応答の基本的特性が理解できている。
③建物の耐震設計の考え方の基本が理解できている。
レポートにより,上記の理解度を評価する。 |
具体的評価方法 |
レポート×70%+平常点×30% または レポート×100%
レポートは,地震工学に関するある話題について,各自で調査を行い,各自の考えをまとめる。 |