最終更新日:2017/01/30
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)春期 開講時限 木2
開講学部・学科等 理工
科目コード 645003300 科目ナンバー SEM03410
授業名 機構学
英文授業名 Kinematics of Mechanisms
担当教員 山本 節雄

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業
教職課程科目
テーマ・キーワード 機構、キネマティックス、機械、ロボット、メカトロニクス、からくり

授業の概要・ねらい 授業のねらい:自動車、飛行機等の輸送機械、パソコン、スマホ等の情報・通信機器、家電機器、発電・送電を行うエネルギー機器、建築・土木機械、そしてそれらの機械を製造するロボット、工作機械等の産業機械、等々、私達の生活は機械無しでは成り立ちません。本授業では、そのような社会の基盤となる機械が、どのような仕組みで動作するのか学びます。
 機構はある特定の運動をするように部品が組み合わされた機械要素であり、機械は機構の組み合わせにより目的とする動作、機能を実現するようにしたものです。機構学は、機構の構造と動作の性質を幾何学と運動学を用いて分析、理解するものであり、機械設計のためには必須の学問です。本授業では、機構学の基礎を学ぶとともに、機械の歴史を辿りつつ、機械の進歩に果たした機構技術の貢献についても調べ、ロボット等のメカトロニクスにおける機構の役割についても講義する。
到達目標 機械設計の基礎となる機構の基礎知識を修得する。機械の動作メカニズムを理解することができ、基本的な機構の運動(変位、速度、加速度)を解析することができるようになる。
教科書と準備するもの 機構学 重松洋一、大高敏男著 コロナ社 2600円+税
参考書 大学課程機構学 稲田重男・森田鈞 オーム社
基礎から学ぶ機構学 鈴木健司・森田寿郎著 オーム社
機械力学ー機構・運動・力学ー 三浦宏文編著 朝倉書店
ロボット機構学 鈴森康一著 コロナ社
評価の基準 成績は、出席受講態度(出席、質疑参加)、理解度テスト・レポート等および期末試験の結果で総合評価する。
具体的評価方法 出席授業態度30%、理解度テスト・レポート等20%、期末試験50%の割合を基本として、総合的に成績評価を行う。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
機構がどのように動くのか、頭の中でイメージするのが難しいようです。模型やアニメーションをつかって理解を助けるようにしたいと思います。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
機械の発達と機構:機械の歴史を機構の進歩の視点から辿り、機構の果たした役割とその重要性を学ぶ。同時にそこで用いられた機構の基本的な構成と運動の特徴について理解する。
(第1回と第2回の授業を通して機構学を学ぶ十分な動機付けを行う。)
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:身近にある機械および機構の動きを観察して記録してくること。
授業実施特記
第2回 内容
メカトロニクス装置における機構:ロボットを代表とする現在の機械装置はメカトロニクス技術を駆使して高度な動作を実現している。本授業ではロボットを例に、その基本構造と動作、駆動方法および制御方法の基礎について学び、メカトロニクス装置において、エレクトロニクスのみならず、メカ(機構)も重要な基本技術であることを理解する。

授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:メカトロニクス装置としてどのようなものがあるか調べて記録してくること。
授業実施特記
第3回 内容
機械の運動(その1、機械部品の運動と自由度):機械部品として最も多く使用されているリンク機構とそれを構成する対偶の分類と性質を理解し、機構全体の運動をイメージし自由度を計算する手法を学ぶ。

授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第1章、1.1機械部品の運動と自由度を読んで理解してくること。理解できない部分は疑問事項としてメモしてくること。
授業実施特記
第4回 内容
機械の運動(その2、瞬間中心):リンク機構が運動している時の瞬間中心を理解し、瞬間中心を幾何学的に求める手法を学ぶ。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第1章、1.2瞬間中心を読んで理解してくること。理解できない部分は疑問事項としてメモしてくること。
授業実施特記
第5回 内容
機械の運動(その3、瞬間中心を用いたリンク運動の図形解法):前週に学んだ手法により瞬間中心を求め、さらに求めた瞬間中心を用いてリンクの運動(速度、加速度)を求める図形解法を学ぶ。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第1章、1.4瞬間中心を用いたリンク運動の図形解法を読んで理解してくること。理解できない部分は疑問事項としてメモしてくること。
授業実施特記
第6回 内容
リンク機構(その1、スライダクランク機構):代表的なリンク機構を取り上げ、その特徴と動作原理について学ぶ。まず、スライダクランク機構の運動を数式で解析する手法を学ぶ。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第2章、2.1スライダクランク機構、2.2節の交替を読んで理解してくること。理解できない部分は疑問事項としてメモしてくること。
授業実施特記
第7回 内容
リンク機構(その2、4節回転リンク機構、平行リンク機構、直線運動機構)重要なリンク機構として4節回転リンク機構、平行リンク機構、直線運動機構を取り上げ、それらの動作原理と特徴を学ぶ。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第2章、2.34節回転リンク機構、2.4平行リンク機構、2.5直線運動機構を読んで理解してくること。理解できない部分は疑問事項としてメモしてくること。
授業実施特記
第8回 内容
カム機構(その1、カム機構とは、カム機構の種類と実施例)使用されることが多く重要な機構要素であるカム機構の種類とその特徴を学び、それらの使用されている実施例を調べる。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第3章、3.1カム機構とは、3.2カム機構の種類、3.3カム機構の実施例を読んで理解してくること。理解できない部分は疑問事項としてメモしてくること。
授業実施特記
第9回 内容
カム機構(その2、カムの運動)カムの運動を理解し、その運動を規定する輪郭曲線とカム線図の描き方を学ぶ。平面カムを例に、カムの運動に対する従動節の変位、速度および加速度について学ぶ。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第3章、3.3板カム理論、3.4カムの圧力角を読んで理解してくること。理解できない部分は疑問事項としてメモしてくること。
授業実施特記
第10回 内容
巻掛け伝動機構(その1、巻掛け伝動装置の種類、実施例、動力伝達の基礎)巻掛け伝動装置の種類とその適用範囲を学び、実施例について調べる。摩擦伝動の代表例として、平ベルト伝動装置を取り上げ、動力伝達の基礎と基本的な設計方法を学ぶ
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第4章、4.1巻掛け伝動装置の種類、4.9巻掛け伝動装置の実施例、4.2ベルトの掛け方、4.4平ベルト伝動装置を読んで理解してくること。理解できない部分は疑問事項としてメモしてくること。
授業実施特記
第11回 内容
巻掛け伝動機構(その2、摩擦伝動と確実伝動の具体例と特徴)摩擦伝動装置の事例としてVベルト伝動装置、ロープ伝動装置、確実伝動装置の事例として歯付きベルト伝動装置、ローラチェーン伝動装置、サイレントチェーン伝動装置、を取り上げ、それぞれの特徴と基本的な設計方法を学ぶ。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第4章、4.4Vべルト伝動装置、4.5ロープ伝動装置、4.6歯付きベルト伝動装置、4.7ローラチェーン伝動装置、4.8サイレントチェーン伝動装置を読んで理解してくること。理解できない部分は疑問事項としてメモしてくること。
授業実施特記
第12回 内容
歯車装置(その1、歯車の基礎)歯車による動力伝達の基礎を学ぶ。最も基本的なインボリュート平歯車を取り上げ、インボリュート曲線で構成される歯形の特徴とインボリュート歯形の切削原理を学ぶ。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第5章、5.1歯車装置の基本、5.2インボリュート平歯車を読んで理解してくること。理解できない部分は疑問事項としてメモしてくること。
授業実施特記
第13回 内容
歯車装置(その2、:ラックとピニオンおよび歯車の設計方法)ラックとピニオンの組み合わせの動作原理を学び、その設計方法を習得する。また、一対の歯車のかみあい原理を学び、その設計方法を習得する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第5章、5.3ラックとピニオン、5.4歯車のかみあいと転位歯車の利用、5.5かみあい長さとかみあい率を読んで理解してくること。理解できない部分は疑問事項としてメモしてくること。
授業実施特記
第14回 内容
歯車装置(その3、歯車変速装置の動作原理)遊星歯車装置や差動歯車装置の特徴とその動作原理を学ぶ。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書第5章、5.6遊星歯車装置を読んで理解してくること。理解できない部分は疑問事項としてメモしてくること。
授業実施特記
第15回 内容
機械装置の機構:これまでに学んだ知識を基に、動力伝達や運動の変換など、機械の動きの特徴を調べる。
授業時間外における学修(予習・復習等) 身近な機械の動力伝達機構を調べ、これまでに学んだ機構がどのように使われているのか検討してくること。
授業実施特記