授業の概要・ねらい |
BIMモデラ-として世界的に認められているArchiCADを使用して、2次元汎用CADによる幾何学形状を作図する建築設計手法(2学年で学習)を発展させ、3次元の建築オブジェクト部材を組み合わせることでパソコン内に建築物モデルであるBIM=ビルディング・インフォメーション・モデル(バーチャルモデル)を作成するBIM建築設計手法を講義する。同時にここで作成されたモデルデータを活用して、建築プロジェクトの初期段階から情報共有/共同作業実現を図るIPD(Integrated Project Delivery)の運用手法も併せて講義する。 |
到達目標 |
前半では、LogHouseのモデリングや喫茶店のInterior設計、複雑な立体形状のRC造ビル設計を実習し、3次元オブジェクトCADの概念や基本操作を覚えると共に、インターネットを使ったコラボレーション設計を学習し、レンダリングやウオークスルーの技術を使ったプレゼンテーション手法を習得する。後半では、仮想敷地に課題となる建築プロジェクト概要を設定し、各自が独自の「3次元設計Objectモデル」を作成することで、より高度な建築情報活用の手法を習得する。 |
教科書と準備するもの |
その都度資料を配布する。
資料;3次元ObjectCAD操作マニュアル
(基本設計資料-LogHouse編、喫茶店Interior編)
(応用設計資料-ArchiCADトレ-ニングガイド-ビルディング編)
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参考書 |
1.やさしく学ぶArchiCAD超実戦テクニック(完山 剛)
2.やさしく学ぶArchiCAD GDLプログラミング(平沢 岳人)
3.ArchiCADではじめるBIM設計入門[企画設計編] (BIM LABO )
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評価の基準 |
設計課題モデルデ-タとして最終講義終了後に提出させる「BIMモデルデ-タ」及び「プレゼンテ-ションデ-タ」の中で、《到達目標》にどれだけ近づけたかを精査・判定し評価する。
(毎回の講義中に作成・提出するデ-タの講義理解度により加点・減点の調整を行う。) |
具体的評価方法 |
提出課題BINモデルによる判定;80%
毎回の受講時作成のデ-タ内容評価;20%
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関連リンク |
GRAPHISOFT |
第1回 |
内容
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受講者に対しArchiCAD 学生版(無料)を配布し、インストールIDを発行する。 3次元建築専用CADの一般概念と建築3次元設計の現況を把握する。 (建築設計組織事務所や大手ゼネコンでの設計事例を使って解説する。) 3DObjectモデル設計概要の理解(簡易な3次元データを使って特徴的な機能を実習する。) |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
[準備等]登録に必要な書類(学生証、所有パソコンのスペック、自分のメ-ルアドレス)を持参すること。 |
授業実施特記 |
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第2回 |
内容
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ArchiCADの基本操作(1) LogHouseのモデリング-1,2 (起動、作図設定、躯体・建具・ベランダ・屋根の作成を通して3次元Object設計の基本操作と2次元汎用CADデータとの構造的相違を学習する。) |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
[準備等]設計マニュアル(LogHouse)の3~22頁を予め読んでおくこと。 |
授業実施特記 |
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第3回 |
内容
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ArchiCADの基本操作(2) LogHouseのモデリング-3,4 (断面図・立面図の作成、建具の変更、レンダリング、ライブラリの利用、テクスチュア貼付け、印刷などの操作を通して3次元Object設計のデータ連携機能と操作方法を修得する。) |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
[準備等]設計マニュアル(LogHouse)の23~37頁を予め読んでおくこと。 [復習等]講義中の未完成モデルは、次週までに完成させて当日のフォルダ-に保存しておくこと。 |
授業実施特記 |
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第4回 |
内容
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ArchiCADの基本操作(3) 喫茶店Interiorの設計-1,2 (建築オブジェクトの設定・配置、3D表現、室内の造作などの操作を通して3次元Object設計の各オブジェクトプロパティの設定方法・内容とその運用手法を修得する。) |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
[準備等]設計マニュアル(Interior)の3~21頁を予め読んでおくこと。 |
授業実施特記 |
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第5回 |
内容
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ArchiCADの基本操作(4) 喫茶店Interiorの設計-3,4 (ライブラリの配置、光源の設定・配置、背景の設定、喫茶店内のレンダリング・ウオークスルーなどの実習を通して3次元Object設計のパラメトリックなデータ変更方法と各種のプレゼンテ-ション手法を修得する。) |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
[準備等]設計マニュアル(Interior)の21~29頁を読み、2階増設時の設計案を考えておくこと。 [復習等]次週までに2階建てモデルを完成させて当日のフォルダ-に保存しておくこと。 |
授業実施特記 |
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第6回 |
内容
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ArchiCADを使った鉄筋コンクリート造ビルディングの設計-1,2 (3次元モデル作成環境設定-作業環境設定、モデリング環境設定、属性設定-を習得する。) (敷地入力-新規プロジェクトの作成、敷地入力、敷地ボリュームの入力-を習得する。) (建物外観の作成-グリッドと通り芯の設定、柱の設定、梁の設定、床スラブの作成、外壁の作成、曲面外壁の追加、曲面壁長さの修正、柱と梁の編集-を習得する。) |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
[準備等]設計マニュアル(RcBuilding)の11~51頁を予め読んでおくこと。 課題モデルの敷地場所を地図デ-タで調査しておくこと。 |
授業実施特記 |
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第7回 |
内容
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ArchiCADを使った鉄筋コンクリート造ビルディングの設計-3,4 (建物外観の完成-フロアのコピー、吹抜け部分の作成、RFフロアの作成、屋根の入力、断面図の作成-を習得する。) (デザイン検討・外観の修正-断面及び立面でベクトルハッチングとシェードの追加、断面図に寸法の追加、外壁の編集と追加、新規間仕切り壁の作成-を習得する。) |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
[準備等]設計マニュアル(RcBuilding)の52~96頁を予め読んでおくこと。 [復習等]課題モデルの敷地を2次元デ-タで作成し、疑問点や問題点を抽出しておくこと。 |
授業実施特記 |
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第8回 |
内容
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ArchiCADを使った鉄筋コンクリート造ビルディングの設計-5,6 (建具の追加と調整-建具オブジェクト、建具ツールの設定、外壁にドアの追加、カーテンウォールの作成、斜め建具の作成、断面図上でのドアのコピー、立面図上での窓のコピー、建具一覧表の作成-を習得する。) (その他オブジェクトの追加-階段オブジェクトの入力方法、新規階段の作成、内観パースとカメラの設定、新規オブジェクトの作成、備品と建具の追加-を習得する。) |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
[準備等]設計マニュアル(RcBuilding)の97~132頁を予め読んでおくこと。 |
授業実施特記 |
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第9回 |
内容
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ArchiCADを使った鉄筋コンクリート造ビルディングの設計-7,8 (詳細設定-断面形状マネージャ、断面形状壁の編集、複合構造の設定-を習得する。) (図面要素の追加-ArchiCADでの二次元機能、プロジェクトに詳細図の追加、平面詳細図への2D要素の追加、外部図面データの結合と調整、新規3Dゾーンと各種一覧表-を習得する。) |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
[準備等]設計マニュアル(RcBuilding)の133~157頁を予め読んでおくこと。 [復習等]課題モデルの敷地上に建物モデルを作成する準備(下書き、スケッチなど)を進めること。 |
授業実施特記 |
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第10回 |
内容
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ArchiCADを使った鉄筋コンクリート造ビルディングの設計-9,10 (プレゼンテーションの手法-カメラビュー・3Dウィンドウ・レンダリング・3D投影・3D表示要素などの設定、各種レンダリングエンジンを使った画像の作成-を習得する。) (プロジェクト図面管理-プロジェクトビューの作成、ビューの設定-を習得する。) |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
[準備等]設計マニュアル(RcBuilding)の159~184頁を予め読んでおくこと。 [復習等]課題建物モデルのテ-マ、設計イメ-ジをまとめておくこと。 |
授業実施特記 |
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第11回 |
内容
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ArchiCADを使った鉄筋コンクリート造ビルディングの設計-11 (ドキュメントレイアウト-レイアウト設定、レイアウトブック発行、図面の印刷-を習得する。) 3次元設計の実務展開例を紹介し、設計課題別案(仮想敷地、建築プロジェクト概要)を提示する。 (新機能利用例やアドオン利用方法を学習しながら課題設計案の疑問点を解決していく。) |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
[準備等]設計マニュアル(RcBuilding)の185~203頁を予め読んでおくこと。 [復習等]課題モデルの敷地を完成させて当日のフォルダ-に保存しておくこと。 |
授業実施特記 |
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第12回 |
内容
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3次元Objectモデル設計実習(1)(2) (課題設計予定地の外部道路を含む敷地形状を3次元メッシュで完成する。) (AutoCADやスケッチなどで準備した配置図や建物スケッチ図などの元データをArchiCADデータに変換する。) |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
[準備等]課題設計予定地の地図情報から敷地周辺のインフラ計画を考えておくこと。 |
授業実施特記 |
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第13回 |
内容
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3次元Objectモデル設計実習(3)(4) (課題建物の3次元モデル構造を作成しながら、モデル作成上の問題点・疑問点を解決する。) (使用する建物部材、テクスチャなどを準備しながら、モデル作成上の問題点・疑問点を解決する。) |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
[準備等]課題モデルの敷地上に建物モデル(床、柱、梁、壁、屋根、階段など)を計画しておくこと。 [復習等]課題モデルに建具やテクスチャ、照明、備品などを配置して当日のフォルダ-に保存しておくこと。 |
授業実施特記 |
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第14回 |
内容
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3次元Objectモデル設計実習(5)(6) (3次元モデル作成と並行して、モデルから平面・立面・断面図を抽出し、詳細図を加えてで修正する。) (カメラを配置し、パース、レンダリング・ウオークスルーを作成する。) (3次元表示モデルBIMxの作成と操作を実習する。) |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
[復習等]課題モデルの外構設計を完成し、植栽・車・人・などを配置して当日のフォルダ-に保存しておくこと。 |
授業実施特記 |
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第15回 |
内容
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3次元Objectモデル設計実習(7)(8) (課題設計モデルを、次の①及び②を配慮して完成させる。) ①作成モデル、動画、BIMX を個別のデ-タにする。 ②設計主旨、建物概要、配置図・各階平面図・4面立面図・2方向断面図、パース(レンダリング画像1枚を含む)、 各種一覧表(面積表、建具表は必須)を、複数のA1レイアウトに配置する。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
[復習等]完成作品(①と②の全て)を当日のフォルダ-に保存する |
授業実施特記 |
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