最終更新日:2017/04/01
Syllabus建築と介護支援論
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)秋期 開講時限 月2
開講学部・学科等 理工
科目コード 643034700 科目ナンバー SEA04021
授業名 建築と介護支援論
英文授業名 Ecological Health
担当教員 小松 泰喜

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業
教職課程科目
テーマ・キーワード 社会保障と介護、介護保険と介護予防、健康寿命と介護

授業の概要・ねらい 超高齢社会を迎え、社会保障全体を取り巻く環境は、大きく変化してきている。それに伴い、社会の中で新たな専門性と役割を整理し、介護ニーズに即した制度改革と福祉・介護のパラダイム転換を理解すること。そして社会福祉のサービス体系、在宅福祉、契約制度、自立と尊厳について学び、実施体制の変化についてもその理解を深める。特に高齢者や障害者(児)と社会がその障害等により社会生活を営む上で不憫を被ることのないよう、また日常感じている不便を少しでも軽減できる住みやすい社会のあり方を探求することを授業のねらいとしている。
到達目標 1. 介護を通して医療・保健・福祉の相互関係を理解すること。
2. 実践向きの授業形態を目指し、介護の問題と制度の仕組みを理解するとともに、高齢社会全体へ活用できる知識を得ること。
3. 直面する具体的問題に際し、その解決や対処方法について学び、相互の連携関係の大切さを知り、迅速かつ的確な行動に移せるようにすること。
4. 予防的措置(気づき)や観察能力(見きわめ)を養い、社会的貢献ができるような努力をすること。
教科書と準備するもの 特に指定はしない予定である。
参考書 「改訂 新・セミナー介護福祉11 介護概論(一番ケ瀬康子編 / 井上千津子編 / 鎌田ケイ子編 / 日浦美智江編)」ミネルヴァ書房
「形態別介護技術―障害者編 (リーディングス介護福祉学)」一番ヶ瀬康子 監修 建帛社
評価の基準 期末試験は授業内で触れたこととし、適宜ノートを持参し授業内容についてメモを取ってもらう。試験時にはそのノートや配布資料のみ持ち込み可能とし、出席と授業の内容の理解を前提に評価を実施する。
具体的評価方法 期末試験(50%)、レポート提出(20%)を中心に評価します。また、出席状況(30%程度)も加味し、総合的に評価する(例年とはちがい、出席に関する評価を高くしている)。
関連リンク 厚生労働省,独立行政法人福祉医療機構
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単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
イントロダクションと授業のオリエンテーション
授業時間外における学修(予習・復習等) 介護を取り巻く社会的背景について理解するために、医療や介護、その他の社会福祉や介護に関する新聞記事やweb情報をメモや切抜きとして保管し、いつでも話題提供ができるようになっておくこと。
授業実施特記 講義
第2回 内容
介護とは① 1)介護の原則と目標、2)自立生活のための介護、3)高齢者、障害者の生活と介護の役割について学ぶことにする。
授業時間外における学修(予習・復習等) 「介護」をどのように定義づけるのか、介護の概念について説明できるように自身の考えをまとめておくこと。
授業実施特記 講義
第3回 内容
介護とは②  4)健康について、5)終末期あるいはターミナルケアと介護、6)介護過程とその役割(認知症を含む)について学ぶことにする。特に認知症は2025年に向けて先進国の多くが積極的に取り組んでいることもあり、その病態等についても理解してもらう。
授業時間外における学修(予習・復習等) 介護の範囲の考え方のために、「健康」に関する概念をWHO(世界保健機関)を理解し、健康寿命についてその定義を確認しておくこと。
授業実施特記 講義
第4回 内容
介護技術(安全・安心を目的とした技術)①-1
1)生活環境の安全管理(感染予防も含む)、2)食事動作と介護、3)排泄動作と介護について学ぶこととする。
授業時間外における学修(予習・復習等) 介護の専門性に求められる資質を理解することを条件に、具体的な介護技術についても学ぶ機会を設ける。特に介護技術は動作学の延長であることから、力学的な視点でその動作を捉えられるように、これまで履修してきた科目との整合性を確認すること。
授業実施特記 講義
第5回 内容
介護技術(安全・安心を目的とした技術)①-2
4)衣服の着脱と介護、5)入浴動作・身体の清拭と介護、感染予防、6)種々の移動動作について学ぶこととする。
授業時間外における学修(予習・復習等) 介護の専門性に求められる資質を理解することを条件に、具体的な介護技術についても学ぶ機会を設ける。特に介護技術は動作学の延長であることから、力学的な視点でその動作を捉えられるように、これまで履修してきた科目との整合性を確認すること。また、介護動作のリスク管理についても学ぶこととする。
授業実施特記 講義
第6回 内容
介護技術(安全・安心を目的とした技術)①-3
7)生活習慣と健康習慣、8)高齢者の生活体力、9)人生の質と社会生活の維持(レクリエーションと地域活動)について学ぶこととする。
授業時間外における学修(予習・復習等) 介護の専門性に求められる資質を理解することを条件に、具体的な介護技術についても学ぶ機会を設ける。特に介護技術は動作学の延長であることから、力学的な視点でその動作を捉えられるように、これまで履修してきた科目との整合性を確認すること。また、第3回授業でも学ぶように介護予防について、2004年の介護保険改正について理解しておくこと。
授業実施特記 講義
第7回 内容
介護技術(安全・安心を目的とした技術)①-4
10)高齢者福祉施設での生活(身体拘束に関する内容を含む)、11)緊急・事故等の対応、12)介護生活と家族援助、13)福祉用具の利用と活用について学ぶこととする。
授業時間外における学修(予習・復習等) 介護の専門性に求められる資質を理解することを条件に、具体的な介護技術についても学ぶ機会を設ける。特に介護技術は動作学の延長であることから、力学的な視点でその動作を捉えられるように、これまで履修してきた科目との整合性を確認すること。また、実践では高いリスク管理能力を求められることから緊急時対応や事故発生に関する届出等法律についても予習しておくこと。
授業実施特記 講義
第8回 内容
介護予防の実践について触れる
1)予防重視型の制度改革の流れ、2)地域での介護予防実践事例の活動紹介 3)地域包括ケアシステムの理解について学ぶこととする。
授業時間外における学修(予習・復習等) 地域包括ケアシステムについて厚生労働省のホームページにある資料を必ず目を通すようにする。今後の社会保障システムの中で非常に重要な位置づけとして浸透させる必要があることを理解する。
参照ページは以下の通りである。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000018729.pdf
授業実施特記 講義
第9回 内容
介護技術(社会・地域に対する支援)②-1
1)高齢者の日常生活、2)地域活動とコミュニケーション、3)記録と情報の共有化、4)医療・保健・福祉の連携と各専門職の役割、5)介護専門職間の連携について学ぶこととする。
授業時間外における学修(予習・復習等) 様々な介護を取り巻く問題があるが、特に介護過程の仕組みについての理解が十分でないことが多い。そのため、専門用語等が共有できるようによく使われる言葉の定義や意味について説明できること。
授業実施特記 講義
第10回 内容
介護技術(社会・地域に対する支援)②-2
6)医療・保健・福祉の連携と各専門職の役割、7)高齢社会と介護の問題、 8)家庭と家族、9)高齢者福祉施設について学ぶこととする。
授業時間外における学修(予習・復習等) 様々な介護を取り巻く問題があるが、特に介護過程の仕組みについての理解が十分でないことが多い。そのため、専門用語等が共有できるようによく使われる言葉の定義や意味について説明できること。併せて身近な専門職からのインタビュー(視聴覚資材を使用)を介してその職種や職能の理解を深める。
授業実施特記 講義
第11回 内容
認知症に関する問題を取り上げ、その支援に向けた基礎知識と地域での取り組み、認知症サポーターについて触れること(認知症への取り組みのDVDや認知症フォーラムの資料を参考とする)。
授業時間外における学修(予習・復習等) 地域で行われる講演会やNHKなどのテレビ番組を視聴し*、認知症の理解を深めることにする。
*事前に履修者には日程表を配布し、講演会への参加や情報番組等を拝聴してもらうようにする。
授業実施特記 講義とプレゼンテーション
第12回 内容
介護施設・介護者の法的責任についての授業
介護環境が取り巻く法的種々の問題と法的責任について学ぶこととする。
授業時間外における学修(予習・復習等) 介護関連法律の名称を事前に理解しておくこと。①社会福祉法、②生活保護法、③障害者基本法、④身体障害者福祉法、⑤精神保健及び精神障害者福祉に関する法律、⑥知的障害者福祉法、⑦児童福祉法、⑧母子及び寡婦福祉法、⑨障害者の雇用の促進等に関する法律、⑩老人福祉法、⑪老人保健法、以上11
授業実施特記 講義
第13回 内容
介護問題に関する話題提供(生活環境支援と介護負担)
高齢者の身体的特徴と生活環境支援のアプローチから介護負担を減らすことができるかについて、相互間授業を行う予定である。
授業時間外における学修(予習・復習等) 授業で取り上げる報告、論文等について事前に配布し、高齢者の身体的特徴と環境支援についての理解を深めるようにする。
授業実施特記 講義
第14回 内容
高齢化社会と介護の問題 について
1)家庭と家族(老老介護など)、2)種々の高齢者福祉施設(医療・介護施設から有料老人ホーム、高齢者専用賃貸住宅など)について学ぶこととする。
授業時間外における学修(予習・復習等) 2025問題とは?について事前に考えてくる。その背景である「団塊の世代の75歳以上人口の増加」、「社会保障制度から見た負担増」について、必ず資料を用意することとする。
授業実施特記 講義
第15回 内容
社会保障全体の課題とこれからの展望(地域包括ケアシステムのモデル事業の紹介と実践的活動の説明)について学ぶこととする。
授業時間外における学修(予習・復習等) 各国間の人口構成、社会保障制度、社会秩序、紛争、貧困・食糧問題等、これからの介護問題を自身の観点から取り上げ、アジア、少なくとも東アジアの中での日本の役割について考えをまとめてくること。
授業実施特記 講義