最終更新日:2016/03/19
Syllabus技術者倫理
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)秋期 開講時限 木4
開講学部・学科等 理工
科目コード 643033600 科目ナンバー SEZ01002
授業名 技術者倫理
英文授業名 Engineer Ethics
担当教員 高木 千太郎

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業
教職課程科目
テーマ・キーワード 高度技術社会における新たな技術者像の構築、専門技術者、倫理、技術力、想像力、倫理観価値、安全、公衆

授業の概要・ねらい 技術者についてJABEEでは、これまでの技術者としての必要な工学的知識以外に「社会が必要としている特定の業務に関して、高度な知識と実務経験に基づいて専門的なサービスを提供するとともに独自の倫理規定に基づいた自立機能を備える職業」と説明し、倫理的能力を持つことが必要としている。本授業は、今後ますます厳しくなる社会環境において必要な人材として要求されるている①技術力、②想像力、③倫理観を持ち、「公平・公正」として評価される専門技術者となることを主眼に授業を進める。授業は、個々の技術者が社会においてどのように行動すべきかを具体的な事例を基に論理的に考察し、倫理的な問題が生じた場合の対応方法や考え方について学習し、必要となるスキルを学ぶ。

授業の目的:社会から評価される公平・公正なプロフェッショナルエンジニアとなる
到達目標 1.技術者に求められる技術力、想像力、倫理観について正しく理解する。
2.技術者(研究者含む)が直面する倫理的な諸問題に対し適切に対処できる。
3.社会から優れた技術者として認められる理想像に向かって継続的に学び、実行する能力を身に付ける。
教科書と準備するもの ・講義を行う前にWeb上で公開する各講義別資料
参考書 ・「技術と倫理」今村遼平著 電気書院
・「技術者入門」松島隆裕編 学術図書出版
・「技術者の倫理入門」杉本泰治・高城重厚 丸善
評価の基準 1.期末試験:50%
2.課題レポート:30%
3.授業への取り組み(意欲、授業態度、発表力など):20%
 遅刻・欠席は減点する。
具体的評価方法 1.期末試験は、択一及び記述解答を定量的に評点する。
2.課題レポートは、講義中に解説した内容等を理解した程度を筆記された文章から評価し、達成度から評点する。
なお、レポート提出期限及び筆記量等条件を満足しない場合は、減点する。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
アンケート結果から技術者として必要な倫理観を簡潔に解説し、事例における考え方、対応の方法、大学生として学ぶ必要事項等を見直した。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
①技術者倫理教育とその必要性
②倫理観
③モラルとモラールの意味と違い
授業時間外における学修(予習・復習等) 技術者として必要な倫理、モラールを事前学習し、何が欠けると技術者として評価されないかをまとめておくこと。第1回目の講義内容を復習し、以降の講義に役立てる。
授業実施特記
第2回 内容
①技術者とは
②優れた技術者となるためには
授業時間外における学修(予習・復習等) 技術者として必要な技術力、想像力、倫理観について参考図書やインターネット等から検索し、要点をまとめ、講義の理解度を高めるために役立てる。
授業実施特記
第3回 内容
①プロフェッショナル・エンジニア
②技術者の責任
授業時間外における学修(予習・復習等) プロフェッショナルエンジニアとはどのような技術者か、技術者が公衆に対して負うべき責務とは何かを取りまとめておくこと。
授業実施特記
第4回 内容
①技術者の倫理的な行動
②公平・公正
③慕われる技術者「八田與一」の紹介
授業時間外における学修(予習・復習等) 技術者に求められる正しい倫理的な行動、考えとは何かを講義前に予習し、事例で解説する台湾の人々から慕われる「八田與一」とはどのような事業を成し遂げたのかを検索し、まとめておくこと。
授業実施特記
第5回 内容
①知的財産権
②PL法
授業時間外における学修(予習・復習等) 高度情報社会における知的財産権、PL法等を特許、著作権等の事例から事前学習し、技術者が抱える課題と今後どのような問題が起こるかを事前学習すること。
授業実施特記
第6回 内容
①技術者の責務
②守秘義務
授業時間外における学修(予習・復習等) 現代社会において、組織における守秘義務とは何か、守秘義務を犯すとどのようなことになり、技術者に求めれる要件等を事前学習し、要点を整理すること。
授業実施特記
第7回 内容
倫理規程と内部告発
授業時間外における学修(予習・復習等) 社会や組織における倫理規程とは何か、どのような過程を経て取りまとめられたかを種々な事例(インターネット等による企業のホームページ等を検索)から事前に予習し、講義時に参考にすること。
授業実施特記
第8回 内容
リスクマネジメントと倫理的問題の種々な解決法
①二者択一問題
②線引き問題
③セブイステップガイド
授業時間外における学修(予習・復習等) 米国等で技術者倫理において活用されている「セブンステップガイド」を事前予習し、どのような場面で使われると効果があるのかを事前に学習し、講義の理解度を高めること。
授業実施特記
第9回 内容
技術者倫理研究問題事例その1
①チャレンジャー号爆発事故と内部告発
②NYシティコープタワービルの設計と倫理観
授業時間外における学修(予習・復習等) 米国NASAの宇宙開発と問題点、建築物における建築基準法と設計技術、建築物設計と法規の関係を予習し、講義の理解度を高めること。
授業実施特記
第10回 内容
技術者倫理問題研究事例その2
①クローン技術と人倫
②食の安全、偽装、リコールなど
授業時間外における学修(予習・復習等) 近年話題となったIPS細胞、STAP細胞技術等を事前に学び、人倫とは何か、人と安全、食の安全とは何かを予習し、技術者として必要な倫理観を整理すること。
授業実施特記
第11回 内容
技術者倫理問題研究その3
①福知山線及び地下鉄日比谷線脱線事故と組織
②JR東日本及び新幹線関連事故と技術力
授業時間外における学修(予習・復習等) 公共交通機関として多くの人々が移動手段として使用する鉄道において技術力の欠如、倫理の欠如が大きな問題となるのかは何故かを事前学習し、要点を整理すること。
授業実施特記
第12回 内容
技術者倫理問題研究その4
①ミネアポリスI-35W州間連絡道路崩落とマネジメント
②溶接不良、PC間詰床版落下と倫理観
授業時間外における学修(予習・復習等) 社会基盤施設として重要な橋梁において事故が発生した場合の影響度、技術力を信頼する公衆の信頼失墜がどのような結果を生むのかを関連する事例から考え、技術者に求められる要点を取りまとめておくこと。
授業実施特記
第13回 内容
技術者倫理問題研究その5
①STAP細胞論文不正の原因
②ノーベル賞と技術者の価値
授業時間外における学修(予習・復習等) 高度技術を駆使して研究する多くの技術者、研究者に関して基礎的な事項の積み上げが成果を生むが、短絡的に成果を求めた結果の末路、倫理観が欠如すると社会的評価もゼロとなるのはなぜかを事前に学習すること。特に。研究者が陥りやすい状況を理解すること。
授業実施特記
第14回 内容
技術者倫理問題研究その6
①NHK報道の解説と技術者
②技術力、想像力、倫理観
授業時間外における学修(予習・復習等) 技術者と報道、技術者の社会的評価と報道、報道における放送倫理を事前に学び、講義で受けた種々な項目を整理復習することで高度な倫理観を修得すること。
授業実施特記
第15回 内容
優れた技術者と育成
①直近の技術者倫理関連事例の紹介と考え方
②選別者(学生)からのプレゼンテーションと解説
授業時間外における学修(予習・復習等) 1回から14回までの講義内容を整理し、各講義の要点、専門技術者として評価されるのはどのような人で、何が欠如すると評価されないかを整理し、講義時の不明点や課題等を質問し、講師の解説を生かすことが望ましい。
授業実施特記