最終更新日:2017/02/06
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)秋期 開講時限 金3
開講学部・学科等 経営・政経
科目コード 633024000 科目ナンバー BAM02210
授業名 競争戦略論
英文授業名 Competitive Strategy
担当教員 田淵 泰男

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業 経営学総論Ⅰ
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
企業戦略論
後続関連授業
教職課程科目 教科に関する科目
テーマ・キーワード 経営戦略論の体系における「競争戦略論」の領域について重要事項を学ぶ

授業の概要・ねらい 国内外における企業間競争の激化とともに、1980年代から競争戦略論が台頭してきました。競争戦略は、競合企業に対して持続的な競争優位性を確立するための戦略です。競争力の優劣が企業の存続と盛衰に決定的な影響をおよぼすので、競争力の分析、競争戦略の策定・実行は、最も重要な経営課題です。この授業では、競争戦略の基礎理論から実際の企業間競争における戦略の分析までを解説し、それら理論的かつ現実的な理解を狙いとしています。
到達目標 到達目標を分野別に示します。
①経営戦略論の発展史とそこにおける競争戦略論の位置づけと課題について説明できる。
②業界の競争構造分析がどうして必要なのか、それが何を目的としているのかを説明できる。
③「5つの競争要因」それぞれの分析ポイントが何であるかを説明できる。
④競争の基本戦略を選択するときの考え方および各戦略の選択にかんする必要条件が説明できる。
⑤資源ベース戦略論(RBV)について、ポジショニング・アプローチと対比して説明できる。
⑥競争地位を類型化し、それぞれに基づく競争対抗戦略とは何かが説明できる。
⑦先発企業の競争優位性の発生源泉は何か、後発企業の逆転の戦略は何かが説明できる。
⑧デファクト・スタンダード獲得の競争戦略が重要視される理由および通常の戦略との相違点が何かを説明できる。
教科書と準備するもの 重要な内容はすべてパワーポイントとプロジェクターをつかってスクリーンに表示する(教科書は利用しない)
参考書 適宜紹介する
評価の基準 定期試験と授業への取り組み姿勢
具体的評価方法 定期試験80%、授業への取り組み状況20%で評価する。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
アンケート集計後の授業に反映させるとともに、翌年度の授業計画においても考慮する。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
「戦略」の概念
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)企業戦略論(春期)で学んだ経営戦略の概念について整理しておくこと。
(復習)戦略および経営戦略の諸概念について整理し、それぞれの要点をメモしておくこと。
授業実施特記
第2回 内容
経営戦略論の発展史および競争戦略論の位置付けと意義
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)これまで「経営学総論Ⅰ」や「企業戦略論」の授業で学んだ経営戦略論の各論にどのようなものがあったかを整理しておくこと。
(復習)経営戦略論は、それぞれの時期に企業が抱えていた経営上の課題を解決するかたちで、新しい理論が提唱され、学説論叢と実証研究等を踏まえて理論的発展を遂げてきたこと、それらが蓄積されて現在の経営戦略論の体系が整備されてきたことを確認しておくこと。また、その中で「競争戦略論」の位置づけを確認しておくこと。
授業実施特記
第3回 内容
業界の競争構造分析(5つの競争要因)のフレームワーク
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)ポーターとはどのような人物なのか、どのような理論を打ち出したのか、その特徴はどこにあるのかについて、配布プリントをよく読んでくること。
(復習)ポーター戦略論が産業組織論(SCPパラダイム)を逆用して構築した理論であることを理解しておくこと。
授業実施特記
第4回 内容
「5つの競争要因」分析①買い手の交渉力と売り手の交渉力
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)ポーター戦略論における「5つの競争要因」とは何かを確認しておくこと。
(復習)買い手と売り手の交渉力を分析する目的と意義を再確認すること。買い手の交渉力を高める要因のそれぞれについて、何故その要因が影響を及ぼすのか、実例も考慮して理解しておくこと。売り手の交渉力を高める要因のそれぞれについて、何故その要因が影響を及ぼすのか、実例も考慮して理解しておくこと。
授業実施特記
第5回 内容
「5つの競争要因」分析②新規参入の脅威と代替品の脅威
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)ポーター戦略論における「5つの競争要因」とは何かを確認しておくこと。
(復習)新規参入の脅威の程度を決める要因として、各種「参入障壁」の存在とそれが参入を困難にする理由を理解しておくこと。代替品との競合について実際例を基に理解を深めるとともに、代替品の脅威を強める要因について各種要因の効果を理解しておくこと。
授業実施特記
第6回 内容
「5つの競争要因」分析③既存企業間の敵対関係の強さを決める諸要因
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)ポーター戦略論における「5つの競争要因」とは何かを確認しておくこと。
(復習)業界内部の同業他社間競争を激しくする要因のそれぞれについて、何故その要因が競争を激化させるのかを実際の状況も考慮して理解しておくこと。
授業実施特記
第7回 内容
業界内部の構造分析  戦略グループと移動障壁
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)ポーターのポジショニング・アプローチ体系を再確認しておくこと。
(復習)業界内部の構造分析の必要性と戦略グループの選択、移動障壁が戦略グループ間の移動を困難にさせて、収益性の格差を発生・持続させる理由を理解しておくこと。
授業実施特記
第8回 内容
競争の基本戦略  3つの基本戦略
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)ポーターのポジショニング・アプローチ体系を再確認しておくこと。
(復習)基本戦略が、2つの選択肢の選択の結果として決定されること、それぞれの基本戦略に必要な組織能力・経営資源等が何であるかを確認しておくこと。基本戦略の中から1つの戦略を選択すべしとする論拠を確認しておくこと。
授業実施特記
第9回 内容
価値連鎖(バリューチェーン)
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)価値連鎖、バリューチェーンという用語を調べておくこと。
(復習)価値連鎖の全体系、および、それを各価値活動に分解して分析することの必要性と戦略的意義を理解しておくこと。
授業実施特記
第10回 内容
経営資源ベースの戦略論(RBV)
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)ポジショニング・アプローチが外部要因重視であることを確認しておくこと。
(復習)内部要因重視のRBVの理論的前提、VRIOフレームワークの意義とそれぞれの要因がどのような意味を持つかを理解しておくこと。
授業実施特記
第11回 内容
競争地位の類型化と競争対抗戦略
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)ポーターの基本戦略は、あらゆる企業にとって、いずれかを選択することが必要な戦略であることを復習しておくこと。
(予習)市場における競争地位の類型化、類型化された競争地位に基づく戦略の必要性、各競争地位ごとの市場目標や戦略課題等を理解しておくこと。


授業実施特記
第12回 内容
リーダー・チャレンジャー・フォロワー・ニッチャー企業の戦略
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)市場における競争地位の類型化と競争地位別の特性等を復習しておくこと。
(復習)リーダー・チャレンジャー・フォロワー・ニッチャー、それぞれの企業の戦略定石を理解しておくこと。
授業実施特記
第13回 内容
先発企業の競争優位性と後発逆転の戦略
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)身近な製品について、先発企業の製品に優位性があるのを具体的に考えておくこと。
(復習)先発企業の長期的競争優位性について、歴史的検証、実証的分析、理論的な発生分析の研究を理解しておくこと。後発企業がもつ利点を理解しておくこと。
授業実施特記
第14回 内容
デファクト・スタンダードと競争戦略
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)デファクト・スタンダードという用語を調べておくこと。
(復習)デファクト・スタンダード獲得競争の特徴、通常の競争とは異なり従来の理論が通用しない理由、デファクト・スタンダード競争戦略のそれぞれの要因について理解しておくこと。
授業実施特記
第15回 内容
競争戦略論の総まとめ
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)これまでの授業内容を整理しておくこと。
(復習)定期試験対策を行っておくこと。
授業実施特記