最終更新日:2017/02/09
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)秋期 開講時限 水5
開講学部・学科等 政経
科目コード 632043300 科目ナンバー
授業名 情報政策論
英文授業名 Information Policy
担当教員 砂田 薫

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
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教職課程科目
テーマ・キーワード

授業の概要・ねらい 情報通信技術は、長期にわたって経済・社会の仕組みを変化させていく汎用技術(GPT)であり、経済・産業の成長のみならず、社会の情報基盤として我々の生活の質にも大きな影響を与えるものである。そのため、多くの国において情報通信技術の開発と利用は国家レベルの重要政策と位置付けられている。
本授業では、日本および海外における情報政策について解説する。とくに、現在の主な政策課題となっている、IoT(Internet of Things)や人工知能といった新技術の開発と利用、技術がもたらす経済的・社会的影響、プライバシー保護などの諸課題について学び、自ら問題意識をもって考えることを重視する。さらに、政策立案プロセス、情報政策の歴史についても理解を深めたい。
到達目標 情報政策について、政策課題と政策過程の両面から理解を深めると同時に、自分の意見をまとめ、それを伝える力を伸ばすことを目標とする。
政策課題については、産業政策、技術政策、規制政策の観点から現状と課題を学ぶ。情報通信技術(ICT)の活用政策、ネット規制など、現在の重要課題を取り上げる。政策過程については、海外との比較を行いながら、官と民の関係の変化について学ぶ。
また、国家レベル、地方自治体を中心とした地域レベル、グローバルレベルの3つの視野から情報政策について考える。それぞれのレベルでの政策課題や政策過程について現状を分析するほか、歴史についても触れる。
教科書と準備するもの なし。必要に応じてプリントを配布する。
参考書 内閣IT戦略本部、総務省の情報通信政策、経済産業省の情報政策の各ホームページ。
評価の基準 期末試験:100%

具体的評価方法 ■期末試験
 授業の理解度をみる試験を実施する。
関連リンク 総務省の情報通信政策に関するポータルサイト,経済産業省の情報政策ホームページ,砂田薫「日本のソフトウェア産業と政策の変遷」,情報処理推進機構 情報政策史の年表と報告書 ,首相官邸 IT戦略本部
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特記

授業計画
第1回 内容
■オリエンテーション
「情報政策とは何か」「情報政策論で何を学ぶか」について入門的な解説を行う。また、授業の到達目標、学ぶ範囲、授業の進め方、成績評価の方法について説明する。また、日本の国家ICT(情報通信技術)戦略の全体像について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 復習
授業実施特記
第2回 内容
■マイナンバー
国民共通番号制度「マイナンバー」について解説する。諸外国における同様の制度についても紹介し、マイナンバーの意義と課題を考えたい。また、今後日本でいかに活用すべきかを議論する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 復習
授業実施特記
第3回 内容
■電子政府(1)
電子政府とは何か、その定義を理解したうえで、先進国の事例について学ぶ。とくに、北欧諸国と韓国をケーススタディとして、行政の効率化とコスト削減、透明性、国民・市民サービスの向上が電子政府によっていかに進むかを解説する。先進国では、透明性を高めるためのオープン・ガバメントや、サービス向上のための「Government digital service(政府デジタルサービス)」への進化がみられる。新しい政府の役割を考えつつ、電子政府の意義と課題について理解を深めたい。
授業時間外における学修(予習・復習等) 復習
授業実施特記
第4回 内容
■電子政府(2)
日本の電子政府の現状について解説する。先進国と比べると、国・地方自治体ともに、効率性、透明性は必ずしも高いとはいえないものの、着実な取り組みが行われている。ただし、業務変革を行わないまま電子化を進めた結果として、様々な問題が発生している。国および地方の両方から、行政情報化の歴史と現状、そして日本が抱える課題について学ぶ。
授業時間外における学修(予習・復習等) 復習
授業実施特記
第5回 内容
■日本の情報政策の歴史(1)
コンピュータ産業、ソフトウェア産業を中心とする通商産業省(経済産業省の前身)の20世紀の情報政策の歴史を整理する。とくに「通産省モデル」と呼ばれた1970年代の日本の情報政策の特徴を解説し、日本のコンピュータ産業が短期間に成長した理由を学ぶ。
授業時間外における学修(予習・復習等) 復習
授業実施特記
第6回 内容
■日本の情報政策の歴史(2)
IOT(Internet of Things)時代に入り、産業構造が大きく変化しつつある。データのオープン化や共有化の推進、スタートアップ支援など日本の競争力向上に関する政策を解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 復習
授業実施特記
第7回 内容
■IoTと人工知能に関わる政策
人と機械の協働、AIの研究開発など、AIに関わる政策全般について理解を深めたい。
授業時間外における学修(予習・復習等) 復習
授業実施特記
第8回 内容
■サイバーセキュリティ政策
サイバー攻撃が年々増加し、その対策は政府や企業にとってますます重要な課題になっている。セキュリティ人材の育成政策についても触れる。
授業時間外における学修(予習・復習等) 復習
授業実施特記
第9回 内容
■米国・欧州・アジアの情報政策
技術政策とIT産業の競争力に力を置く米国、先進的なIT利用と情報社会政策に力を入れる欧州、IT産業の育成とIT利用にに力を入れるアジアなど、世界の情報政策の現状と特徴を解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 復習
授業実施特記
第10回 内容
■プライバシーと個人情報保護(1)
プライバシーの権利の発生から個人情報保護法の制定にいたるまで、制度の歴史について理解を深める。
授業時間外における学修(予習・復習等) 復習
授業実施特記
第11回 内容
■プライバシーと個人情報保護(2)
IOT、ウェラブルコンピュータ、ビッグデータなど、近年のICTの技術革新によって、パーソナルデータの収集と利用が大規模に行われつつあり、それに伴い法制度の見直しが議論されている。近年の議論を整理して、今後のプライバシー保護について考える。
授業時間外における学修(予習・復習等) 復習
授業実施特記
第12回 内容
■情報通信の政策過程
霞が関の官庁を中心とする伝統的な政策立案プロセスに変化が起こり初めている。ロビーイング活動、市民参加など、政策に関わる民間の動きをまとめる。
授業時間外における学修(予習・復習等) 復習
授業実施特記
第13回 内容
■ローカルな情報政策
電子自治体、地域情報化など、ローカルなレベルでの情報政策の課題について解説する。地方分権、地域の直接民主主義など、政治問題と密接に関わる情報政策について解説する。さらに、情報通信のユニバーサルサービス政策への理解も深めたい。
授業時間外における学修(予習・復習等) 復習
授業実施特記
第14回 内容
■電子民主主義(eデモクラシー)
インターネットの普及と民主主義に関する話題を整理して解説する。民主主義を深化させていくために情報技術をどのように活用すべきかを考える
授業時間外における学修(予習・復習等) 復習
授業実施特記
第15回 内容
■まとめ
国家レベル、グローバルレベル、ローカルレベルでの情報政策の課題について全体を整理し、今後の政策決定のあり方、重要な政策課題についての理解を深める。
授業時間外における学修(予習・復習等) 復習
授業実施特記