最終更新日:2017/02/14
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)春期 開講時限 月1,月2
開講学部・学科等 政経
科目コード 632037900 科目ナンバー
授業名 金融論(銀行論)
英文授業名 Money and Banking (Banking System)
担当教員 川村 哲章

授業形態 講義
e-learning利用 manaba その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業
教職課程科目
テーマ・キーワード 金融 資本 投資 収益率 資本コスト 銀行システム

授業の概要・ねらい  金融とは何か? 金融が原因で社会の混乱が引き起こされるという漠然とした印象があるように思われる。また、経済的利益が簡単に得られる手段としてだけ金融が考えられ、その面から非常に大きな興味を持たれる場合もある。金融がいろいろな意味で社会に大きな影響力を持つことは確かであろう。
 この授業では、そのような金融を、基本的に「社会を豊かにする力である」という視点からとらえる。その一環として、金融の世界で大きな役割を担ってきた銀行についての基本的な理論、制度、政策、歴史について学び、金融についての健全な理解を得たい。
到達目標 金融について、基本的な知識を持ち、それについて説明することができる。
銀行の役割を説明することができる。金融の問題について、バランスの取れた健全な見方を示すことができる。
教科書と準備するもの  川西諭 山崎福寿著『金融のエッセンス』有斐閣ストゥディア 1900円+税
参考書 『金融読本』
評価の基準 金融について、基本的な知識を持ち、それについて説明することができるか。
銀行の役割を説明することができるか。金融の問題について、バランスの取れた健全な見方を示すことができるか。その際、専門用語を十分に理解して使うことができるか。










具体的評価方法  定期試験期間中に、金融および銀行の働きについて基本的な概念、用語に理解があるかどうか問う試験を実施します。
 3分の2以上の出席が試験を受けるための前提です。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
理解の進んだ学生のために応用問題を積極的に提示していきたい。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
ガイダンス:授業の進め方。
授業全体のアウトライン、授業の受け方、評価の仕方、教科書などについて。
授業の受け方のポイントを説明する。
授業時間外における学修(予習・復習等) シラバスを見ておくこと。
授業実施特記
第2回 内容
金融とは何か?
 日常生活で接し得る金融商品の説明からはじめてその基本的で、本質的な原理について講義する。銀行預金、債券の取引、株式の取引、保険の購入、金融取引の難しさなど。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習 教科書の2~16頁を読んで、わかりにくいところを把握しておくこと。
復習 ノートの整理をし、ポイントになる言葉について整理しておくこと。
授業実施特記
第3回 内容
資本と投資1
 価値と利益を生みだし、社会を豊かにする源泉としての資本と投資について講義する。具体例として、農業、工業、サービス業においてそれぞれの産業の特徴に基づき投資が行われていることを見る。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習 教科書の17~25頁を読んで、内容をひととおりつかんでおく。
復習 各産業の特徴に基づいた投資のしかたについて整理し、身近に感じている金融機関についてどのような特徴があるか考えてまとめる。
授業実施特記
第4回 内容
資本と投資2
 株式や債券への投資をすることの社会的な意味について講義する。金融資産への投資が、実物投資を生み出すことや、流通市場と発券市場の関係について説明する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習 教科書の25~33頁を読んで、一応の理解をしておくこと。
復習 制度としての株式会社と証券の発行市場と流通市場整理しておくこと。
授業実施特記
第5回 内容
投資の収益率と利子率1
 収益率とは何か、福利とは何か、なぜ複利の借金は大きく膨らんでしまうのか、さらになぜ収益そのものよりも収益率のほうが大事なのかについて講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習 教科書の34~44頁を読んで疑問点を把握しておく。
復習 教科書の問題の収益率を実際に計算し、正しい投資判断の根拠を理解してまとめる。 
授業実施特記
第6回 内容
投資の収益率と利子室2
 収益率を使った高度な投資判断について、機会費用と資本コストの概念に基づいて講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習 教科書の44~53頁をひととおり読んでおくこと。
復習 教科書の例題を解きなおしておくこと。
授業実施特記
第7回 内容
金融取引が生み出す利益
 貸出資金の需要曲線と供給曲線から、金融取引が貸し手と借り手の双方に利益をもたらすことを講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習 教科書の54~74頁を読んでおくこと。
復習 教科書73~74頁の練習問題を解くこと。
授業実施特記
第8回 内容
社会を豊かにしてきた金融取引
 金融の発展について歴史的な実例を見る。利子の容認と経済発展、世界を変えた発明、ムハマド・ユヌスとグラミン銀行、マーク・ザッカ―バーグとフェイスブックなど、社会、経済の発展に金融が果たした役割について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習 教科書の75~86頁をひととおり読んでおくこと。
復習 社会、経済の発展について金融が果たした役割という視点からまとめておく。
授業実施特記
第9回 内容
2つの金融システム
金融システムを銀行システムと市場システムの大きく2つに分け、それに対応する間接金融と直接金融について講義する。
金融取引の阻害要因1
金融取引を阻害するものについて講義する。

 
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習 教科書の87~103頁を読んでおくこと。
復習 銀行システムと市場システム、それぞれのお金の流れを理解し、まとめる。
授業実施特記
第10回 内容
金融取引の阻害要因
金融取引を阻害する(1)マッチング問題、(2)ニーズの違い、(3)貸し倒れリスクの3つの阻害要因について理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習 教科書の96頁~112頁をよんでおくこと。
復習 3つの阻害要因についてまとめておくこと。
授業実施特記
第11回 内容
情報の非対称性とその対策
 貸し倒れリスクの原因の一つとして、情報の非対称性は、本質的に重要で深刻な問題であることを講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習 教科書の104~111頁を読んでおくこと。
復習 情報の非対称性とその対策についてまとめておくこと。
授業実施特記
第12回 内容
銀行システムの役割1
 金融取引の阻害要因を取り除くために、銀行システムがどのように働くかについて講義する。具体的には、銀行の資産返還機能や分散投資について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習 教科書の112~122頁を読んでおくこと。
復習 銀行の資産返還機能、大数の法則、分散投資、リスク・プレミアムという言葉についてまとめておくこと。
授業実施特記
第13回 内容
銀行システムの役割2
 銀行システムの働きについて、委託された情報生産者としての役割という観点から講義する。情報生産の重複の無駄を防ぎ、ただ乗りやモラルハザードなどの問題を克服する銀行システムの働きとはどのようなものか。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習 教科書の122~130頁を読んでおくこと。
復習 ただ乗り問題、モラルハザードについてまとめ、情報生産の無駄を回避する銀行の働きを整理しておくこと。
授業実施特記
第14回 内容
中央銀行の働きについて
 発券銀行、銀行の銀行、政府の銀行という中央銀行の働きについて講義するとともに、歴史的に中央銀行がどういう経緯で生まれたか、どんな組織であるのか講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習 予め配る資料を読んでおくこと。
復習 中央銀行の働き、歴史、組織についてまとめておくこと。
授業実施特記
第15回 内容
中央銀行と金融政策について
 公開市場操作を中心とした金融政策について講義する。資金の流れと経済活動に及ぼす影響を説明する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習 予め配る資料を読んでおくこと。
復習 金融政策について資金の流れから理解し、まとめておくこと。
授業実施特記