授業の概要・ねらい |
【授業の概要】
・戦後復興期から五五年体制期,そして政治改革・行財政改革の歴史を講義する。
・なぜ政治改革が必要となったのか。五五年体制の特色を説明しつつ,2000年代にかけての一連の制度改革についてふれる。
・小泉首相はなぜ“強かった”のか? その意味を省庁再編,官邸機能の強化,および政治改革の成果のなかから考える。
【ねらい】
・戦後からこんにちにいたるまでの歴史を概観できる。
・政治改革および行財政改革の背景と内容,その展開過程について知ることができる。
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到達目標 |
・政治改革による政治の変化,行財政改革による統治構造の変化について理解することができる。
・現代政治史における基礎的用語や人名を把握し,順序立てて説明することができる。 |
教科書と準備するもの |
教科書には,薬師寺克行『現代日本政治史ー政治改革と政権交代』(有斐閣,2014年)を指定します。
それ以外には,国語辞書、漢和辞典、歴史事典などが入った電子辞典もしくはインストール済みのノート型パソコン、あるいはネットブック、iPadのような情報端末があればお持ちください。
ノートはかならず用意してください。
ノートは毎日とるべきです。講義でメモをするためのノートと,講義の記録と自習用にもう1冊べつにノートを用意しましょう。
高校で日本史を履修していない学生は,大学受験用の参考書を用意し,事前学習することをすすめます。ある程度の歴史の知識が無いとむつかしく感じることがあります。 |
参考書 |
通史なら,中央公論新社から刊行されている『日本の近代』シリーズか,小学館の『大系日本の歴史』シリーズ,もしくは講談社『日本の歴史』シリーズを勧めます。いずれも文庫化されていますので,比較的手に取りやすいでしょう。
通史ではなく,テーマ設定された研究書を読むのであれば,ソフトカバーか新書・文庫から選ぶとよいでしょう。
近代・現代日本政治史に関連するところでは,中央公論新社が古くから良書を送り出しています。最近では,ちくま新書も外せません。あと,名著や古典を収録し絶大な信頼を寄せられている,講談社学術文庫や岩波現代文庫もチェックしておくべきです。
戦後から昭和の終わりの日本政治を整理した良書としては,
石川真澄『戦後政治史』(岩波新書)があります。
ほかに,
北岡伸一『自民党』(中公文庫)
竹中治堅『首相支配』(中公新書)
飯尾潤『日本の統治構造』(中公新書)
内山融『小泉政権』(中公新書)
日本再建イニシアティブ『民主党政権 失敗の研究』(中公新書)
牧原出『「安倍一強」の謎』(中公新書)
牧原出『権力移行』(NHK出版)
を参考書として指定します。
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評価の基準 |
・教科書および講義の内容を把握し,要点を説明することができる。
・歴史から現代を理解する視点をもち,かつ自身で分析ができる。 |
具体的評価方法 |
■配点
○定期試験(論説問題2問出題 自筆のノートのみ持ち込み可):80パーセント
○平常点:20パーセント
平常点は授業への参加姿勢,受講態度から判断し評価します。また積極的な発言やリアクションも評価対象となります。 |
第1回 |
内容
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■ガイダンス: 講義の目的,評価法,授業計画を説明 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
教科書に指定した『現代日本政治史』を入手し,ひととおりめをとおすようにしてください。 第1章を読んで,分からない言葉・人物名をしらべておきましょう。 |
授業実施特記 |
ガイダンスではレポートの提出規定や,評価法など,たいせつな説明をしますので,かならず出席するようにしてください。 |
第2回 |
内容
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■第1章「自民党単独政権期」 ・五五年体制の確立 ・自民党政権の長期化とその要因 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
・五五年体制とはなんでしょうか。 ・自民党単独政権が長期におよんだ理由はなんでしょうか。 ・第2章を読んで,分からない言葉・人物名をしらべておきましょう。 |
授業実施特記 |
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第3回 |
内容
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■第2章「一九八九年」 ・昭和の終わりと政治経済システムの動揺 ・冷戦の終わりと日本の外交・安保政策の転換 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
・1989年の政治的混乱とはなんでしょうか。 ・冷戦終結の意味とはなんでしょうか。 ・第3章を読んで,分からない言葉・人物名をしらべておきましょう。 |
授業実施特記 |
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第4回 |
内容
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■第3章「不発に終わった政治改革」 ・海部首相の政権運営 ・竹下派に振り回された宮澤首相
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
・海部首相は国民になにを訴えたのでしょうか。 ・宮澤内閣期の自民党政治とはなんでしょうか。 ・第4章を読んで,分からない言葉・人物名をしらべておきましょう。 |
授業実施特記 |
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第5回 |
内容
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■第4章「細川連立内閣」 ・細川連立政権が誕生するまで ・細川政権の成功と失敗 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
・細川連立政権の成立過程をまとめてみましょう。 ・細川政権はなぜ失敗したのでしょう。 ・第5章を読んで,分からない言葉・人物名をしらべておきましょう。 |
授業実施特記 |
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第6回 |
内容
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■第5章「自民党の復権と村山内閣」 ・長い対立のときを超えて ・村山首相のこだわりと危機対応 ・復活する自民党,衰退する社会党 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
・村山内閣の意味とはなんでしょうか。 ・自民党復活の理由となんでしょう。 ・第6章を読んで,分からない言葉・人物名をしらべておきましょう。 |
授業実施特記 |
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第7回 |
内容
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■第6章「戻ってきた自民党政権」 ・改革にこだわった橋本首相 ・政権維持を優先した小渕首相 ・変われない自民党 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
・橋本行革とはなんでしょうか。 ・小渕,森政権期の課題とはなんでしょうか。 ・第8章を読んで,分からない言葉・人物名をしらべておきましょう。 |
授業実施特記 |
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第8回 |
内容
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■第8章「小泉内閣と構造改革」 ・小泉首相の誕生 ・小泉改革の中身 ・小泉改革の意味 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
・小泉首相の登場はなにを意味したのでしょう。 ・小泉改革とはなんでしょうか。 ・第9章を読んで,分からない言葉・人物名をしらべておきましょう。 |
授業実施特記 |
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第9回 |
内容
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■第9章「小泉改革を可能にしたもの」 ・世論を背景にした改革 ・なぜ首相主導は実現したのか ・靖国問題と拉致問題 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
・小泉首相はどのように政権運営をおこなったでしょうか。 ・小泉首相の首相政治についてまとめてみましょう。 ・第11章を読んで,分からない言葉・人物名をしらべておきましょう。 |
授業実施特記 |
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第10回 |
内容
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■第11章「ポスト小泉政権の迷走」 ・危機管理の甘さが招いた第一次安倍政権の失敗 ・「ねじれ国会」に苦しんだ福田,麻生首相
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
・第一次安倍政権が失敗に終わった理由とはなんでしょうか。 ・“強すぎる”参議院とはどういうことでしょうか。 ・第12章を読んで,分からない言葉・人物名をしらべておきましょう。 |
授業実施特記 |
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第11回 |
内容
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■第12章「進化する民主党」 ・統治システムの改革をめざして ・マニフェストをめぐる試行錯誤 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
・民主党の特徴とはなんでしょう。 ・マニフェストではどのような統治システム改革をうたっていたのでしょう。 ・マニフェストで誓約された具体的な政策とはなんでしょう。 ・第13章を読んで,分からない言葉・人物名をしらべておきましょう。 |
授業実施特記 |
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第12回 |
内容
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■第13章「民主党政権の誕生と混迷」 ・失速する民主党政権 ・激化する党内対立 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
・民主党政権の功罪についてかんがえてみましょう。 ・第14章を読んで,分からない言葉・人物名をしらべておきましょう。 |
授業実施特記 |
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第13回 |
内容
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■第14章「再び政権交代」 ・消費税増税問題と中韓に翻弄された野田首相 ・第二次安倍内閣の誕生 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
・民主党政権はなぜ失敗したのでしょう。 ・第二次安倍政権の政策とはなんでしょう。 ・終章を読んで,分からない言葉・人物名をしらべておきましょう。 |
授業実施特記 |
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第14回 |
内容
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■終章「四半世紀に及ぶ「改革運動」」 ・何が変わったのか ・世論調査政治の台頭 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
・1990年代前後の選挙制度改革,中央省庁再編の制度変更がもたらした現代政治の変化とはなんでしょうか。 ・議院内閣制から執政政治への転換とはなんでしょうか。 ・マスメディア対策をおこなったり,直接有権者に訴える「外側からの」政治はなにを意味するのでしょうか。 |
授業実施特記 |
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第15回 |
内容
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■講義総括 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
・1980年代から2000年代にまでいたる政治改革のコンテクストを整理しましょう。
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授業実施特記 |
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