最終更新日:2017/01/31
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)春期 開講時限 月1
開講学部・学科等 経営
科目コード 631024700 科目ナンバー BAM02411
授業名 労働法A
英文授業名 Labor Law A
担当教員 高野 敏春

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業 単独
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
憲法、民法総則、債権総論、債権各論、刑法総論、刑法各論、会社法
後続関連授業 労働経済、社会政策、
教職課程科目 教科に関する科目
テーマ・キーワード 労働法の主要な争点を事例によって学ぶ 

授業の概要・ねらい 働くことの意義について、いつの時代も人々は、悩み、惑い、不平を漏らし、そして、様々な選択を迫られてきた。単に生活の糧をえるだけが目的ならば、より収入が高く、楽な仕事に就けばよい。しかし、就職は、職業に就く、経済的自立を前提に、人生の将来がかかる仕事であるから受講生は、同時に、労働者として働き方を考え、自分を創り活かす「キャリア形成」を考えて頂きたいのである。
 労働法は、経済情況だけでなく、社会的な力関係によって流さがちな労働者が自由決定する働き方のルールで、“働き方の最低労働条件”を定めた各法令の総称である。けれども、現に、「ブラック企業」「ブラックバイト」などの呼称があるように法令を守らない実態が存在する。そこで、これから雇用社会に踏みだそうとする学生を念頭にした本講義のねらいは、労働法の主要な争点を判例から学び、労働法の理論の解明に努めることを目的にすることによってリーガルマインドの涵養に寄与する。
到達目標 本講義の到達目標は、労働法の実際の判例を学び、争点を解明するリーガル・マインドの涵養によって、労働法の理論を習得することにある。
教科書と準備するもの 髙野敏春他著『基礎から学ぶ労働法Ⅰ』第3版 エイデル研究所、2015年。
髙野敏春他著『基礎から学ぶ労働法Ⅱ』第2版 エイデル研究所、2016年刊予定。
参考書 『労働判例百選』(第8版),有斐閣。『労働法の争点』第4版、有斐閣。
浅倉むつ子他『労働法』第5版、有斐閣、2015年。
小六法、労働白書
寺島実郎『何のために働くか』文春新書。
渡邉正裕『35才までに読むキャリアの教科書』ちくま新書。
濱口桂一朗『若者と労働』中公クラレ、2013年。
大久保幸夫『キャリアデザイン入門Ⅰ』(第2版)2016年。

評価の基準 評価の基準 講義を通じて、労働法の解釈・適用能力の習得できたか。

   
具体的評価方法 講義を通じて、定期試験等(50%)及びレポート・小テスト(30%)、受講態度等(20%) により評価する。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
学生自身の意欲的な取り組みに関しては、まだ十分な結果が出されていません。しかし、担当者としては、これを十分に引き出せるように、授業を構成し、授業運営にさらなる工夫を加えていきたい。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
労働法の定義 〜 講義の進め方(年間計画)
 労働法は、憲法と民法的側面を持つ社会法である。労働法の対象は4つの分野にまとめられていたが、1985年代以降の労働法の改正により、個別労働紛争解決と労働審判の2分野が加わった。市民法とその市民法の修正を展開する。法律体系を概観する。
【事例】「職工事情」1巻52~53頁
第16回 内容
労働基準法の意義と法的効力
授業時間外における学修(予習・復習等) 労働法の仕組みと理念について考える
【キーワード】憲法22・29・27・28条、民法、市民法と社会法、判例法理、ADR、
【予習】テキストⅠ「労働法の意義と目的」 p36~p44
【復習】労働法の定義については、その法の対象範囲を定め、労働法が国法秩序の中でどこに位置するかを考え、労働法の特質を再認識して下さい。60分

授業時間外における学修(予習・復習等)
授業実施特記 授業実施特記
第2回 内容
労働法の過去・現在
 人間の働き方は、きわめて経済事象に左右される。
【判例】福音印刷所事件・大審院大正11・5・29、民集1巻259頁。
授業時間外における
学修(予習・復習等)  働き方の過去・現在
【キーワード】労働力の過剰供給、労働力の摩滅、特殊商品化、団結禁止法、治安維持
第17回 内容
雇用の平等原則
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】テキストⅠ「労働法の意義と目的」 p18~p22
【復習】人間の「働き方」は、古代、中世、近代、現代と変化してきたことを概観し、世界の 働き方と比べてみよう。特に、産業革命以降の働き方の課題を調べて下さい。60分
授業時間外における学修(予習・復習等)
授業実施特記 授業実施特記
第3回 内容
労働法の過去・現在・未来(労働法規の変遷)
 世界の働き方と日本の戦前戦後の働き方を概観する。
【判例】医療法人新光会事件・最三小昭和43・4・9民集22巻4号845頁。
学修(予習・復習等)  【キーワード】団結禁止法、治安維持法、工場法、労働三法、1985年以後の労働法、
第18回 内容
男女同一賃金の原則
均等待遇の原則
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】テキストⅠ「労働法の意義と目的」 p18~p35
【復習】我が国における戦前と戦後の労働法の相違は、日本国憲法の制定と労働基本権の保障 にある。現行の労働法の特徴と戦後の変遷を概観し、まとめて下さい。60分
授業時間外における学修(予習・復習等)
授業実施特記 授業実施特記
第4回 内容
労働法の当事者(労働者・使用者・労働組合)
民法における「役務契約」
【判例】新国立劇場運営財団事件・東京高判平成21・9・16労判989号1
学修(予習・復習等)  労働法の当事者
【キーワード】委任、請負、雇用、労働者、
第19回 内容
使用者の権利とセクシャルハラスメント
労働給付債権と賃金債務
指揮命令権
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】テキストⅠ「労働法の当事者」 p45
 労働法の当事者である労働者・使用者・労働組合について調べて下さい。
【復習】民法の雇用と労働法上の労働者とどこが違うのか、まとめておいて下さい。60分

授業時間外における学修(予習・復習等)
授業実施特記 授業実施特記
第5回 内容
労働契約の権利義務と労働条件の決定
ここでは、労働契約の特質とその性格について学ぶが、ことに労働条件の決定について理解しておきたい。
【判例】F 社Z事業部事件・東京地判平成13・12・3労判826号76頁。
【キーワード】労働契約、従属労働、労務提供と賃金支払い、付随義務、
第20回 内容
労働契約の成立  民法と労働法
(期間の定めその他の原則)
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】テキストⅠ 「労働契約の権利義務 p60~p75
【復習】労働関係に入るには、労働契約の性質を理解しなければならない。雇用契約とどこが違うかを考えて下さい。60分
授業時間外における学修(予習・復習等)
授業実施特記 授業実施特記
第6回 内容
労働関係の形成
 採用の自由は、使用者のもつ経営の要諦であり、労働者にとって労働関係の形成にあたる。
ここでは、採用内定、試用契約、採用内定取り消しについて考える。
【判例】三菱樹脂事件・最大判昭和48・12・12民集27巻11号1536頁。
学修(予習・復習等)  労働関係の形成
【キーワード】労働契約、採用の自由、身元保証契約、募集、内定、内々定、採用内定
第21回 内容
試用契約と採用内定
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】使用者の採用の自由について考え、あなたの就活の流れを考えて見よう。 
 テキストⅠ 「労働関係の形成」 p76~p22  60分 
【復習】採用内定の取消権と使用契約の相違について考えて見よう。

授業時間外における学修(予習・復習等)
授業実施特記 授業実施特記
第7回 内容
労働関係の展開(人事)
 長期雇用の下では、しばしば身分を維持しながら労働条件が変更される場合がある。このようなことを人事というが、労働法上は労働契約の変更というきわめて重要な契約変更となる。
【判例】東亜ペイント事件判決・最高裁昭和61・7・14労判労判477号6頁。
第22回 内容
人事における出向、配置転換、
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】テキストⅠ 「労働関係の展開」 p84~p93
【復習】事情変更の法理について調べておこう。60分
授業時間外における学修(予習・復習等)
授業実施特記 授業実施特記
第8回 内容
労働関係の終了
 労働関係の終了は、本人の死亡、会社法人解散、期間満了、退職、合意解約、定年、解雇、懲戒解雇がある。 【判例】高知放送事件・最高裁昭和52・1・31労判268号17頁。
       【判例】ラクソン事件・東京地判平成3・2・25労判588号74頁。
【キーワード】死亡、会社法人解散、期間満了、退職、合意解約、定年、解雇自由の制限
第23回 内容
転勤における法的効果、
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】テキストⅠ「労働関係の終了」p94~p99
【復習】テキストここでは、労働関係終了の基本を考え、解雇権の濫用法理についてまとめて下さい。60分
授業時間外における学修(予習・復習等)
授業実施特記 授業実施特記
第9回 内容
企業組織の変動と労働契約
 会社の組織変動に伴い、労働者はどのように位置づけられるか。
【判例】高知放送事件・最高裁昭和52・1・31労判268号17頁。
【キーワード】合併、吸収、労働契約継承法
第24回 内容
賃金の定義と年俸制
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】テキストⅠ 「企業組織の変動と労働契約」 p112~p117
【復習】会社法の吸収合併を見てみよう。60分

授業時間外における学修(予習・復習等)
授業実施特記 授業実施特記
第10回 内容
懲戒
 懲戒および懲戒事由は、就業規則に記載された場合に法的効力を持つ。
 【判例】大阪地裁堺支・平成15・6・15労判855号22頁。
 【キーワード】就業規則、企業秩序、内部告発、戒告、けん責、出勤停止、懲戒解雇
第25回 内容
賃金の支払い原則
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】テキストⅠ 「企業秩序と懲戒」 p186~p195
【復習】内部告発者の懲戒について考えてみよう。
授業時間外における学修(予習・復習等)
授業実施特記 授業実施特記
第11回 内容
懲戒2
 懲戒および懲戒事由は、就業規則に記載された場合法的効力を持つ。
【判例】関西電力事件・最高1小昭和58・9・8労判415号29頁。
【キーワード】就業規則、企業秩序、内部告発、戒告、けん責、出勤停止、懲戒解雇
第26回 内容
労働時間
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】テキストⅠ 「企業秩序と懲戒」 p186~p195
【復讐】企業秩序についてまとめてみよう。
授業時間外における学修(予習・復習等)
授業実施特記 授業実施特記
第12回 内容
賃金
 賃金は、その意義について理解し、「額。本人直接、保証」の三大原則を説明できるようになりたい。
【判例】日新鋼事件・最高裁平成2・11・16民集44巻8号1085頁。
【キーワード】賃金の構造、年功序列賃金と年俸制、出来高払い、労働の対価、ノーワークノーペイ、最低賃金、賃金支払い四大原則、
不当労働行為の意義と経緯
第27回 内容
年休と残業
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】テキストⅠ 「賃金」 p120~p131
【復習】報酬と賃金の相違についてまとめてみよう(民法623条と労基法11条)。
授業時間外における学修(予習・復習等)
授業実施特記 授業実施特記
第13回 内容
賃金2
【判例】小田急電鉄事件・東京高判平成15・12・11労判867号5頁。
【キーワード】賃金債権の確保、賞与、企業年金、退職金、退職金
割増退職金、就業避止義務違反
第28回 内容
解雇,解雇自由の限界(労基法上の解雇制限、禁止)整理解雇
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】テキストⅠ 「退職金・賞与の問題」 p132~p139
【復習】テキスト企業年金と退職金の相違について考えよう。60分
授業時間外における学修(予習・復習等)
授業実施特記 授業実施特記
第14回 内容
労働時間
【判例】三菱長崎造船所事件・最高裁昭和52・1・31労判268号17頁。
【キーワード】労働時間の意義、労基法上の労働時間、法定労働時間、6つの労働時間、
第29回 内容
労働協約・就業規則の意義と効力
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】テキストⅠ 「労働時間」 p140~p152
【復習】6つの労働時間の違いについて説明できるようにする。60分
授業実施特記
授業時間外における学修(予習・復習等)
授業実施特記 授業実施特記
第15回 内容
まとめ
第30回 内容
企業の合併と分離
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】テキストⅠ 「労働法」 p1~p161
【復習】論点の解法を整理しましょう。
授業時間外における学修(予習・復習等)
授業実施特記 授業実施特記