最終更新日:2016/01/31
Syllabus戦争と法
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)秋期 開講時限 月1
開講学部・学科等 政経
科目コード 631022000 科目ナンバー
授業名 戦争と法
英文授業名 War and Law
担当教員 目賀田 周一郎

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態
関連する授業 国際社会の法構造
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
国際社会の法構造
後続関連授業
教職課程科目
テーマ・キーワード 戦争、武力紛争、国際人道法、自衛権、集団安全保障、安全保障理事会

授業の概要・ねらい 国際連合のもとで、国際社会における紛争の平和的な解決を義務付けるとともに、国連憲章2条4項により武力の行使は一般的に禁止され、国際の平和と安全の維持・回復については、安全保障理事会の下で集団安全保障を確保することが想定されていた。しかしながら、今日に至るまで様々な武力紛争は後を絶たず、安保理も常任理事国の拒否権により機能しない場合が多い。このような現実を正確に理解するため、戦争及び武力紛争に関する国際法の歴史、現行の国際法の枠組みを理解し、具体的な事例について国際法の観点からの評価・分析を行う。
グローバリゼーションのもとで、世界の平和と安定は国際的な連帯や協力がなければ実現しがたい。理想論を唱えるのは容易いが、より必要なことは、国際法、国連の現実を直視し、具体的な事例に即してその問題の所在、限界を認識し、現状を改善していく努力が不可欠であり、我が国の対応も問われているといえる。このような問題について自らの意見を表明できるだけの知識、分析力を身に付けることを目指す。
到達目標 武力紛争に関連する実定国際法について正確に理解し、説明できること。
現実の事態に対処する上での国際法、国連の限界について認識し説明できること。
平和と安全を維持するために国際法、国連はどのような改革が必要か、また、日本はどのように貢献できるかにつき自らの意見を持つこと。
教科書と準備するもの 「国際紛争と国際法」家正治他 (嵯峨野書院) 2900円+税
必要に応じ他の文献を示し、資料を配布する。
条約集、例えば「国際条約集」奥脇直也他編(有斐閣)2800円+税
参考書 「国際法」中谷和弘他 (有斐閣アルマ)2000円+税
「国際連合 軌跡と展望」明石康 (岩波新書)720円+税
「戦争と法」 筒井若水 (東京大学出版会)1971年
「違法の戦争、合法の戦争」筒井若水 (朝日新聞社)1200円+税
「人道的介入」 最上敏樹 (岩波新書) 740円+税
評価の基準 武力紛争に関連する実定国際法について正確に理解し、説明できるか。
現実の事態に対処する上での国際法、国連の限界について認識し説明できるか。
平和と安全を維持するために国際法、国連はどのような改革が必要か、また、日本はどのように貢献できるかにつき自らの意見を言えるか。
具体的評価方法 定期試験80%
出席20%
予習・復習を兼ねた課題の提出とその内容は加点要素となる。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
戦争の違法化の歴史
古典的正戦論、19世紀の無差別戦争観から国際連盟、不戦条約への動き、国連憲章の採択の経緯、国連憲章2条4項、51条採択の経緯と意義、解釈問題等について論ずる。
授業時間外における学修(予習・復習等) 次回の授業の内容の予習を兼ねて課題を出す。
授業実施特記
第2回 内容
紛争の平和的解決
国際法における紛争の平和的解決の義務、交渉、調停、司法裁判等の仕組みと限界、国連憲章第6章の下での措置につき論ずる。

授業時間外における学修(予習・復習等) この授業の内容についての復習、次回の授業の内容についての予習を兼ねた課題を出す。
授業実施特記
第3回 内容
国連の集団安全保障と自衛権
国連憲章第7章の仕組み、51条制定の経緯、自衛権に関する国際法上の諸問題、国連安保理の機能変化等につき論ずる。
授業時間外における学修(予習・復習等) この授業の内容についての復習、次回の授業の内容についての予習を兼ねた課題を出す。
授業実施特記
第4回 内容
武力紛争法
武力紛争に適用されるハーグ法系の交戦法規、ジュネーブ法系のジュネーブ4条約及び追加議定書、その他の特定兵器の使用制限、生産禁止条約等の概要、原則、意義等につき論ずる。
授業時間外における学修(予習・復習等) この授業の内容についての復習、次回の授業の内容についての予習を兼ねた課題を出す。
授業実施特記
第5回 内容
朝鮮戦争と冷戦期の国連
朝鮮戦争の国際法上の評価、国連憲章上の位置付け、冷戦期の国連平和維持活動等について論ずる。
授業時間外における学修(予習・復習等) この授業の内容についての復習、次回の授業の内容についての予習を兼ねた課題を出す。
授業実施特記
第6回 内容
湾岸戦争
湾岸戦争の概要、国連安保理の役割、多国籍軍の国連憲章上の位置付け、日本の貢献とその評価等につき論ずる。
授業時間外における学修(予習・復習等) この授業の内容についての復習、次回の授業の内容についての予習を兼ねた課題を出す。
授業実施特記
第7回 内容
国連平和維持活動
PKOは、UNEFの停戦監視・兵力引き離しの任務から、カンボジア等での国家の復興を支援する複合的任務、ソマリア等での平和執行任務等いくつかの類型があり、冷戦後は派遣の数が急激に増えたが、そのようなPKOを巡る様々な問題につき論ずる。
授業時間外における学修(予習・復習等) この授業の内容についての復習、次回の授業の内容についての予習を兼ねた課題を出す。
授業実施特記
第8回 内容
旧ユーゴ問題と人道的介入
旧ユーゴの紛争と平和構築問題につき論ずる。特に、NATO空爆による人道的介入の問題について取り上げる。
授業時間外における学修(予習・復習等) この授業の内容についての復習、次回の授業の内容についての予習を兼ねた課題を出す。
授業実施特記
第9回 内容
ソマリア、ルワンダ内戦
冷戦終了により平和執行的な任務を帯びたPKOの試みがどのように推移をたどったか、また、ルワンダの大量虐殺を何故防げなかったのか等につき論ずる。
授業時間外における学修(予習・復習等) この授業の内容についての復習、次回の授業の内容についての予習を兼ねた課題を出す。
授業実施特記
第10回 内容
アフガン戦争
9.11に対する米国の自衛権発動によるアフガン戦争の諸問題及び国連の対応等につき論ずる。
授業時間外における学修(予習・復習等) この授業の内容についての復習、次回の授業の内容についての予習を兼ねた課題を出す。
授業実施特記
第11回 内容
イラク戦争とイラク復興
2003年のイラク戦争に至る経緯と国連安保理の対応、多国籍軍の武力行使の正当化に関する種々の議論を検討する。
授業時間外における学修(予習・復習等) この授業の内容についての復習、次回の授業の内容についての予習を兼ねた課題を出す。
授業実施特記
第12回 内容
国際テロとIS問題
国際テロに対する自衛権の発動は国際法上どのように評価されるか、ISの国際法上の評価等につき論ずる。
授業時間外における学修(予習・復習等) この授業の内容についての復習、次回の授業の内容についての予習を兼ねた課題を出す。
授業実施特記
第13回 内容
軍縮と軍備管理
核軍縮が進まない一方、核拡散の危険はむしろ高まっている今日の状況につき論ずる。
授業時間外における学修(予習・復習等) この授業の内容についての復習、次回の授業の内容についての予習を兼ねた課題を出す。
授業実施特記
第14回 内容
日本を巡る安全保障
日本の安全保障環境の現状と安全保障の法的側面につき論ずる。

授業時間外における学修(予習・復習等) この授業の内容についての復習、次回の授業の内容についての予習を兼ねた課題を出す。
授業実施特記
第15回 内容
日本の国際貢献
開発援助を含む日本の国際貢献について考え、更にどのような国際貢献が望ましいか、或は、必要かにつき検討する。
授業時間外における学修(予習・復習等) この授業の内容についての復習を兼ねた課題を出す。
授業実施特記