授業の概要・ねらい |
児童・生徒を安全に登下校させ、学校においてはより健康的な生活を送ることが大切である。学校保健の目的とする児童・生徒さらには職員の健康管理、健康の維持増進の具体的な方法について学ぶ。児童・生徒の心と体の健康を守り、望ましい発育・発達をうながすための働きかけ(指導)のあり方について学び理解するとともに戦後の50年を支えた「健康観」と著しい変化をとげつつある現代社会に対応する健康のあり方についてともに学び考察を進めたい。
児童・生徒は生活時間の多くを学校で過ごす。その為にも教科指導や課外活動にとどまることなく児童・生徒の健康に積極的に関わる具体的な方法について考察を進める。
英語表記:school health&health education |
到達目標 |
学校保健とは、学校教育における保健教育、保健管理、保健組織活動によって成り立つことを理解すること。その目的は、児童生徒の健康の維持増進。学校教育に必要な保健・安全への配慮。児童生徒自らが健康の保持増進を図ることができる能力(生きる力)を高めることにあることを充分理解する。
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教科書と準備するもの |
《改訂》学校保健(東山書房・¥2,600.-)
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参考書 |
学校保健ハンドブック(ぎょうせい)
どう変わる21世紀の学校体育・健康教育(大修館)
中学校・高等学校保健体育教科書/在学時に使用したもので差し支えない。(毎時、持参すること)
教育保健学への構図 |
評価の基準 |
児童・生徒の健康を守り、発育・発達を促す働きとしての学校保健の仕組みと働きを理解し説明できる。健康診断や健康観察・健康相談の具体的な方法を説明できる。児童・生徒の健康状態について客観的に評価しその対策について説明出来る。
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具体的評価方法 |
各時間ごとの課題レポートに対する評価(毎時間、提出を求める。課題は各自の自由選択とする)を50%、小テスト及び定期試験(レポート提出に代える)による評価を50%とし、総合評価する。 |
関連リンク |
文部科学省,厚生労働省,日本教育保健学会,日本学校保健学会,学校保健会 |
第1回 |
内容
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ガイダンス。 講義の進め方、教科書、資料およびノート等について説明する。評価の方法について周知徹底させる。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
世界人権宣言、世界保健機関(WHO)憲章前文及び日本国憲法など、学校保健に関係の深い法律をあらかじめリストアップし、該当する記述をまとめること。 |
授業実施特記 |
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第2回 |
内容
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健康の概念(1): 健康の概念とその重要性、特に世界人権宣言・世界保健機関憲章・日本国憲法・児童憲章にみる「健康」の概念について学ぶ。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
伝染病予防法と感染症予防法の改正点を伝染病予防法との比較について学修すること。 疾病傾向の変化。特に感染症から生活習慣病への変化の誘因をまとめること。 感染症の種類について復習し理解しましょう。 |
授業実施特記 |
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第3回 |
内容
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健康の概念(2):戦後の「健康観」の変遷 感染症を中心とした戦後の疾病傾向とその対策、学校教育の果たした役割について学ぶ。 戦前・戦後を通じて学校教育が担った役割とその変化について学ぶ。 健康指標の変遷と諸外国との比較を学ぶ。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
菌や食生活が原因となる疾病とともに生活習慣が引き金となって招く疾病について学修すること。 学校保健安全法の要旨についても事前に学修すること。 |
授業実施特記 |
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第4回 |
内容
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健康の概念(3):これからの健康観と「生きる力」 これからの社会に求められる健康観、これからの学校教育に求められる健康教育のあり方について。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
児童・生徒の健康を守る仕組みと具体的な方法についての法律的根拠について学習すること。 健康管理・健康相談・保健指導の具体的なあり方についてあらかじめ学習をしておくこと。 生活習慣病の種類とその原因についてまとめましょう。 |
授業実施特記 |
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第5回 |
内容
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学校保健とは(1) 学校保健のめざすものとその方法(計画・組織)の実際、特に保健学習・健康相談・健康管理の具体例について学ぶ。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
「健康観察」とは何か?具体的に説明できるようにしよう。 発育曲線、欲求の発達について学修しておくこと。 「発育・発達」(発育曲線や欲求の発達や構造)の視点から児童・生徒の健康を学修する。 |
授業実施特記 |
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第6回 |
内容
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学校保健とは(2):心身の健康管理 学校における保健管理と健康診断・健康相談の詳細について学ぶ。 児童・生徒の発育・発達について身体的側面・心理的側面から考察する。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
毎学年定期的に実施される健康診断。あるいは臨時に実施される健康診断についてその狙いと具体的な方法・結果の評価について学修する。 |
授業実施特記 |
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第7回 |
内容
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学校保健とは(3):健康診断 健康診断のねらいと具体的な方法(項目)について学ぶ。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
障碍(障がい)とは何か?具体的に学修する。 養護学校から特別支援校への変遷の経緯について学修する。 学校教育法における特別支援教育に該当する条文を調べておくこと。 |
授業実施特記 |
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第8回 |
内容
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特別支援教育について学ぶとともに、「障碍(しょうがい)」とは何かを学ぶ。 「特別支援教育」の仕組みについて考える。 介護体験等の理解と自己評価のまとめ。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
WHOオタワ憲章における「ヘルスプロモーション」とは何か?を学修する。
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授業実施特記 |
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第9回 |
内容
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ヘルスプロモーションの概念とその定義への理解を深める。 アルマ・アタ宣言における「プライマリケア・ヘルスケア」、日本におけるヘルスプロモーション(健康日本21)について学ぶ。 世界保健機関憲章前文における健康の定義からヘルスプロモーションの時代へと社会が変化するその様子を学ぶ。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
ブレスローにおける、望ましい健康的な健康的な生活習慣七項目について学修すること。 運動器障害〔ロコモティブシンドローム〕とは何か、その原因について学ぶ。 健康寿命とは何かを学修する。
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授業実施特記 |
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第10回 |
内容
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ライフスタイルと学校保健: 生活習慣を学校教育で学ぶ必要(生活習慣の特性)について学ぶ。 健康的な生活習慣(ライフスタイル)の望ましいあり方について学ぶ。 高齢化社会・長寿社会を迎え、望ましい健康的な生活習慣の学びと実践が求められる。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
具体的な健康相談やカウンセリングの手法の概略について学修する。 「いじめ」や「自殺」の現状について学修する。 教科書第Ⅴ章:学校保健活動と教職員の役割についてよく読んでおくこと。 |
授業実施特記 |
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第11回 |
内容
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学校における精神保健の重要性: 児童・生徒の「心の健康/メンタルヘルス」と学校での指導のあり方について考える。 青少年の自殺の現状、自殺を予防するための取り組みについて考える。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
災害時の安全な行動(危機管理)について学修する。 |
授業実施特記 |
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第12回 |
内容
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学校安全:安全教育と安全管理について学ぶ。 安全が確保されるためには、安全な行動を学習しまた危機管理を実践することが必要であることを学ぶ。 学校保健から学校保健安全への社会的な要請について学ぶ。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
性とは何か?基本的な概念についてあらかじめ学修する。 受精・妊娠・出産に関わる器官の働きについて学修する。 |
授業実施特記 |
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第13回 |
内容
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学校保健と性教育(1): 子どもの発育・発達と性教育/学校性教育の目標と内容/指導上の留意点について学ぶ。 同時に性的少数者(性同一性障害)への理解をすすめるために知るべきことを学ぶ。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
HIV・AIDSについて、また「性病」(性行為感染症)の定義について学修する。 |
授業実施特記 |
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第14回 |
内容
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学校保健と性教育(2):諸外国及び日本におけるエイズの現状。学校教育におけるエイズ教育のあり方について考える。 また、性の健康管理の重要性・性感染症の病理を知るとともにその予防対策について学ぶ。 |
授業時間外における学修(予習・復習等) |
喫煙、飲酒の有害性について学修する。 また、薬物依存の危険性についても学修する。 |
授業実施特記 |
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第15回 |
内容
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青少年への喫煙・飲酒のみならず、薬物乱用・薬物依存の有害性を理解し、防止するための方法について学ぶ。
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授業時間外における学修(予習・復習等) |
中学校、高等学校の保健体育教科書を参考に、禁煙教育、薬物乱用防止の具体的な教育について「指導案」を作成すること。 |
授業実施特記 |
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