最終更新日:2017/03/21
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)春期,(週1コマ)秋期 開講時限 月3,水4
開講学部・学科等 アジア
科目コード 140107100 科目ナンバー ASE01503
授業名 経済のしくみ(国際経済を含む)
英文授業名 Elementary Economics
担当教員 榊原 一也

授業形態 講義
e-learning利用 manaba その他:
担当形態 単独
関連する授業 ミクロ経済,マクロ経済,国際経済,日本の経済
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業
教職課程科目 教職に関する科目、教科に関する科目
テーマ・キーワード 経済学の基礎

授業の概要・ねらい  われわれが普段,意識的にも無意識的にも行っている経済活動を学び,世の中を理解することを目的とします。また,この講義は予習ではなく復習を重視して進めます。具体的には,まず履修者が講義を聴き,重要な項目(市場の失敗やGDPなど)を理解します。次に,講義内容のノートをまとめるなどの復習を行うことにより,しっかりとした知識とします。このようにして,経済のしくみを身につけます。履修者が経済新聞が理解できるようになり,視野が広がることを期待しております。

 なお,この講義を受けた後,経済学に興味を持った学生は,ミクロ経済,マクロ経済,国際経済,日本の経済などの経済学を履修することを勧めます。
到達目標 経済新聞が理解できるように,経済学の基礎を身につける。
教科書と準備するもの 教科書は使用しません。
講義資料は一週間前に「manaba(マナバ)」に掲載するので,事前に各自印刷し,講義時に持ってきてください。
参考書 岡崎哲郎編著(2012)『経済学のススメ』ミネルヴァ書房
中谷武・中村保編著(2010)『1からの経済学』碩学舎・中央経済社
鈴木正俊(2006)『経済データの読み方』岩波新書
評価の基準 ①学期末試験
 柱となる項目(たとえば,「市場の失敗」や「付加価値」など)の知識が身についたかどうかを見ます。

②参加態度
 毎回,講義後,以下を確認します。それは参加者が講義した知識を理解し,活用や応用ができるかを見ます。
具体的評価方法 「授業への参加態度(リアクションペーパー50%)+定期試験(50%)」で評価する。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
 授業評価アンケート,ありがとうございます。全体平均を上回る評価が頂けました。今後もすこしでも満足度が上がるよう,改善をしていきたいと思います。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
【イントロダクション】

 この講義の内容,進め方,評価方法などについて説明する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】事前にシラバスを見てどのような科目であるのかを把握してください。
    毎朝,新聞の経済欄を読んできてください。
【復習】講義を受け,自身の履修計画に組み込むかどうかを考えてください。
授業実施特記
第2回 内容
【経済の基本】

 履修者の皆さんが経済学とは何かを理解します。さらに,この講義のフレームワーク(枠組み)となる経済循環を理解します。この循環で重要なのは,経済主体(家計・企業・政府),市場(財・サービス市場,金融・資本市場,労働市場),需要と供給です。つまり経済学の話をしていく上で欠かすことのできない基礎を身につけます。
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】事前にシラバスを見てどのような科目であるのかを把握してください。
    毎朝,新聞の経済欄を読んできてください。
【復習】講義した内容を理解し,自作のノートの確認や作成などを行ってください。
授業実施特記
第3回 内容
【財・サービス市場】

 「神の見えざる手」。履修者の皆さんも聴いたことがあるかもしれませんが,経済学の父と言われるアダム・スミスが市場メカニズムを表現した言葉です。このメカニズムは自動調節機能が作用して価格と数量(需要と供給の均衡点)が決定します。履修者の皆さんはこの市場メカニズムを把握します。また,価格以外の需要と供給の決定要因を考えて頂きます。
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】事前にシラバスを見てどのような科目であるのかを把握してください。
    毎朝,新聞の経済欄を読んできてください。
【復習】講義した内容を理解し,自作のノートの確認や作成などを行ってください。
授業実施特記
第4回 内容
【市場機構と市場の失敗】

 今回は,まず市場メカニズムの復習を行います。そして次に,このメカニズムが作用しても経済的な「効率性」を達成されない「市場の失敗」を学びます。さらに,履修者の皆さんと完全市場競争の限界や発展可能性について議論してみたいと思います。
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】事前にシラバスを見てどのような科目であるのかを把握してください。
    毎朝,新聞の経済欄を読んできてください。
【復習】講義した内容を理解し,自作のノートの確認や作成などを行ってください。
授業実施特記
第5回 内容
【労働市場:日本的雇用慣行】
 
 今回の講義は,まず労働市場でも需要(企業)と供給(家計)の自動調整機能を確認します。次に,ケインズの「有効需要の原則」と言う考え方を学びます。市場メカニズムが作用すれば完全雇用も夢ではありません。しかし,現実(1900年代前半)には,失業者が減るどころか増えている。これを見たケインズは,「実際の貨幣の支出に裏付けられた有効需要が不足しているためである」と結論づけております。現代でもこの考えは政府の政策に影響を与えているので講義を聴き,理解しましょう。

 最後に戦後日本の労働に関する歩みから生まれた日本的雇用慣行を理解する。日本的雇用慣行とは,終身雇用,年功賃金,企業別組合です。高度経済成長の時はうまく機能していた慣行が景気の後退によって崩れつつあります。
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】事前にシラバスを見てどのような科目であるのかを把握してください。
    毎朝,新聞の経済欄を読んできてください。
【復習】講義した内容を理解し,自作のノートの確認や作成などを行ってください。
授業実施特記
第6回 内容
【労働市場:労働格差】

 第5回に続き,労働について講義していきます。今回のテーマは労働格差です。労働格差には,非正規雇用と正規雇用の格差,世代効果,男女間格差,学歴間格差などがあげられます。これは社会にとって大きいな問題となっていますので理解していきましょう。
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】事前にシラバスを見てどのような科目であるのかを把握してください。
    毎朝,新聞の経済欄を読んできてください。
【復習】講義した内容を理解し,自作のノートの確認や作成などを行ってください。
授業実施特記
第7回 内容
【金融資本市場:貨幣と金融】

 今回はまず貨幣の機能を理解する。ちなみに,貨幣は通貨と言われることがある。そう言った場合,その国の社会で流通しているお金を表します。次に,金融(資金の貸し借り)について理解します。企業は経済活動を行う際に,どのように資金調達しているのでしょうか。これをしっかりと知識として身につけましょう。
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】事前にシラバスを見てどのような科目であるのかを把握してください。
    毎朝,新聞の経済欄を読んできてください。
【復習】講義した内容を理解し,自作のノートの確認や作成などを行ってください。
授業実施特記
第8回 内容
【金融政策:景気を考えよう】

 金融政策とは,中央銀行(日本銀行)による通貨量の調整をいいます。好況時には,インフレ(物価が持続的に上がること)を抑制するために,通貨量を減らします。このことを「金融引き締め」と言います。逆に,不況時はデフレ(物価が下がり続ける現象)を解消するため,通貨を増やします。このことを「金融緩和」と言います。では中央銀行はどのように通貨量を減らしているのでしょうか。今回はこの方法を学びましょう。
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】事前にシラバスを見てどのような科目であるのかを把握してください。
    毎朝,新聞の経済欄を読んできてください。
【復習】講義した内容を理解し,自作のノートの確認や作成などを行ってください。
授業実施特記
第9回 内容
【政府の役割:財政政策】

 今回はまず財政のしくみと役割を学びます。具体的に,政府の歳出(支出)と歳入(収入),予算(歳入と歳出の見積もり)を理解します。たとえば,税金,国債,財政投融資などについて学びます。次に,財政の機能を理解します。具体的に言えば,資源配分の調整,所得の再分配,景気安定化です。

 そして最後に,財政政策を学びます。これは中央銀行の金融政策とセットで理解することが望ましいでしょう(両者を合わせて「ポリシーミックス」と言います)。なぜなら両者とも景気の調整を図る政策であるからです。
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】事前にシラバスを見てどのような科目であるのかを把握してください。
    毎朝,新聞の経済欄を読んできてください。
【復習】講義した内容を理解し,自作のノートの確認や作成などを行ってください。
授業実施特記
第10回 内容
【政府の役割:社会保障】

 今回は前回に引き続き,政府の話で,社会保障の講義を行います。社会保障とは,貧困,病気,老齢,失業などによる生活不安を解消し,最低水準の生活(ナショナル・ミニマム)を国が保証することをいいます。

 履修者の皆さんは日本の社会保障制度を理解しましょう。この制度は,我々の生活を生涯に渡って支え,基本的な安心を与えております。具体的に,社会保険,公的扶助,社会福祉,公衆衛生を学びます。
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】事前にシラバスを見てどのような科目であるのかを把握してください。
    毎朝,新聞の経済欄を読んできてください。
【復習】講義した内容を理解し,自作のノートの確認や作成などを行ってください。
授業実施特記
第11回 内容
【GDP(国内総生産)と経済成長】

 GDP(Gross Domestic Product)とは,「国内総生産」と言われ,国の豊かさをはかる指数であり,一国経済の状態を知る上で最も基本的な用語であります。現在,国の景気を判断する重要な指数となっているので,履修者の皆さんはその基本を学ぶことになります。

 とりわけ,三面等価の原則を理解しましょう。基本的に,これは生産から見たGDPと分配面から見たGDPと支出面から見たGDPが一致するという考え方です。なぜ一致するのかをしっかりと知識にしましょう。
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】事前にシラバスを見てどのような科目であるのかを把握してください。
    毎朝,新聞の経済欄を読んできてください。
【復習】講義した内容を理解し,自作のノートの確認や作成などを行ってください。
授業実施特記
第12回 内容
【経済のグローバル化:国際貿易】

 前回学んだように,支出面から見たGDPは「GDP=個人消費+民間投資+政府支出+純輸出(輸出-輸入)」で表されます。今回注目するのは純輸出の部分かと思います。この部分は国際貿易と言いますが,個々の授業を点で捉えるのではなくつながりを持ってば理解しやすいでしょう。

 今回,履修者の皆さんが理解して欲しいのは,自由貿易です。自由貿易はリカードの比較優位という考えを重視したもので,政府が貿易活動に制限を加えないものをいいます。この考え方はWTO(世界貿易機関),FTA(自由貿易協定)やTPP(環太平洋経済連携協定)などを理解する鍵となるのでしっかりとおさえましょう。
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】事前にシラバスを見てどのような科目であるのかを把握してください。
    毎朝,新聞の経済欄を読んできてください。
【復習】講義した内容を理解し,自作のノートの確認や作成などを行ってください。
授業実施特記
第13回 内容
【経済のグローバル化:国際ビジネス 】

 前回の国際貿易の続きで,今回はまず国際ビジネスを学びます。国際ビジネスはより広い概念であり,それには国際貿易に加えて海外生産が含まれます。具体的に言えば,①国内で生産した製品を海外に輸出する,②独自の海外生産拠点に投資し,そこで生産された製品を現地で販売する,③戦略的提携によって海外企業に製品の一部または全部を委託するなどであります。履修者の皆さんは国際ビジネスをふまえ,なぜ企業は国境を越えるのかを理解しましょう。

 次に,グローバル戦略とマルチドメスティック戦略を身につけ,多国籍企業を学びます。グローバル戦略は世界を単一市場と捉え,製品の標準化を進めます。マルチドメスティック戦略は各国や地域の市場ニーズを把握するために現地適応を進めます。この2つを理解すれば,多国籍企業の分類(本国指向型:Ethnocentric),(現地指向型:Polycentric),(地域指向型:Regiocentric),(世界指向型:Geocentric)が理解できることでしょう。
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】事前にシラバスを見てどのような科目であるのかを把握してください。
    毎朝,新聞の経済欄を読んできてください。
【復習】講義した内容を理解し,自作のノートの確認や作成などを行ってください。
授業実施特記
第14回 内容
【イノベーションと経済成長】

 不断に古きものを破壊して新しきものを創造して,絶えず内部から経済構造を革命化する産業上の突然変異のことをシュンペーターは「創造的破壊」と言いました。創造的破壊とは,まさに「イノベーション」のことで,経済活動の中で生産要素や手段など,今までとは異なる新しい仕方で結びつけたものと規定しております。この規定を「新結合」と言います。新結合には,①新しい生産物又は生産物の新しい品質の創出と実現(→ 新しい財貨),②新しい生産方式の導入,③産業の新しい組織の創出,④新しい販売市場の開拓,⑤新しい買い付け先の開拓があります。

 履修者の皆さんはイノベーションの内容を理解しましょう。イノベーションの担い手は,企業家(起業家)です。これはベンチャービジネスの基礎となります。 
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】事前にシラバスを見てどのような科目であるのかを把握してください。
    毎朝,新聞の経済欄を読んできてください。
【復習】講義した内容を理解し,自作のノートの確認や作成などを行ってください。
授業実施特記
第15回 内容
【経済のしくみの総括】

 これまでの講義を有機的につなげる講義を行います。履修者の皆さんは,それぞれがばらばらではなく,つながりあるものとして捉えて欲しいです。
授業時間外における学修(予習・復習等) 【予習】事前にシラバスを見てどのような科目であるのかを把握してください。
    毎朝,新聞の経済欄を読んできてください。
【復習】講義した内容を理解し,自作のノートの確認や作成などを行ってください。
授業実施特記