最終更新日:2017/02/24
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 開講時限
開講学部・学科等 法・政経・理工・文・経営
科目コード 120100600 科目ナンバー
授業名 経済学B
英文授業名 Economics B
担当教員 高橋 誠

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業
教職課程科目 教科に関する科目
テーマ・キーワード EU ユーロ危機 英国EU離脱問題 ASEAN共同体 TPP RCEP 世界システム 地域経済統合  反グローバリズム トランプ現象

授業の概要・ねらい 2009年12月1日に欧州連合(EU)の新基本条約である「リスボン条約」が発効され、EUは経済統合から本格的な政治統合の段階に進んだ。EUは2013年にクロアチアが加盟し、現在、28ヵ国体制であるが、ユーロ圏(19ヵ国)は依然として、ギリシャの金融・財政危機に端を発した「ユーロ危機」問題を克服していない。ユーロ圏は通貨統合はしたが、財政はバラバラという構造的矛盾を「欧州安定化メカニズム(ESM)」構想によって解決策を見出すか、あるいは解体か設計変更かの厳しい選択を迫られたままである。英国のEU離脱問題に直面し、あらためて、EUの進化過程を現在の水準から照射し、各段階における問題点と歴史的意味を再検討する。反グローバリズムの底流にあるのは「格差」の拡大である。EU離脱派勝利と「トランプ現象」はグローバリズムに起因する同じ現象のそれぞれである。しかし、再度、グローバル化を受け入れざるを得ないであろう。反グローバリズムに代わりうるのは、市民社会の調整機能であろう。
同時に、EU経済の現代的諸問題を東アジアの視座から比較史的に分析する。グローバル化の観点から、環太平洋経済連携協定(TPP)や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)およびアジアインフラ投資銀行(AIIB)の問題を考える際に有益な知識と知恵を得ることができよう。
到達目標 グローバル化と世界システムにおけるEUとTPPおよびRCEPの意義と問題点について説明できることが目標となる。
教科書と準備するもの 使用しない(毎回、レジュメを配布)。ただし、高橋誠『世界資本主義システムの歴史理論』世界書院、1998年を参考図書に指定する。

参考書 高橋誠『世界資本主義システムの歴史理論』世界書院、1998年。
庄司克宏『欧州連合』岩波書店(新書1099)、2007年。
田中晋・秋山志郎編著『欧州経済の基礎知識』日本貿易振興機構(ジェトロ)、2010年
田中素香『ユーロ 危機の中の統一通貨』岩波書店(新書1282)、2010年
水野和夫『世界経済の大潮流:経済学の常識をくつがえす資本主義の大転換』太田出版、2012年
水野和夫・大澤真幸『資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか』NHK出版(新書400)、2013年
進藤榮一『アジア力の世紀 どう生き抜くのか』岩波書店(新書1432)、2013年
評価の基準 グローバル資本主義の構造的変化とグローバル資本主義における地域経済統合の意味をどの程度理解しているか否かを基準にして評価する。
具体的評価方法 授業貢献度を重視し、後期定期試験の実施により、総合的に評価する。なお、期間中に1回、主題に関する新聞記事を読み、小論文を提出して戴く。可能であれば、それにもとづいて、討論会を行いたい。講義の出席者のみに資料・重要事項を示したプリント教材を配布する。なお、3分の2以上の出席を評価の前提条件とすることは言うまでもない。後期定期試験(80%)と小論文(20%)の実施により、総合的に評価する。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
担当科目の評価が全体平均の値をすべての項目で下回っていることは申し訳なく、今後、特に質問3の「この授業について十分に理解できた」と質問4の「この授業を受講して満足している」の項目を重点として改善に努めたい。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
講義の計画と内容の説明
「グローバル経済における欧州連合(EU)
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:EUについて調べておくこと
授業実施特記
第2回 内容
統一ヨーロッパ論の先駆
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:あらかじめ配布したレジュメを熟読しておくこと
授業実施特記
第3回 内容
欧州連合の歴史①:人類史的展望の始動
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:あらかじめ配布したレジュメを熟読しておくこと
授業実施特記
第4回 内容
欧州連合の歴史②:拡大欧州連合の発進
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:あらかじめ配布したレジュメを熟読しておくこと
授業実施特記
第5回 内容
欧州連合の歴史③:新リスボン条約の発効
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:あらかじめ配布したレジュメを熟読しておくこと
授業実施特記
第6回 内容
欧州連合の政治的統合段階における諸問題と将来展望:「ユーロ危機」および英国EU離脱問題
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:あらかじめ配布したレジュメを熟読しておくこと
授業実施特記
第7回 内容
東南アジア諸国連合(ASEAN)の経済・政治・社会・国際関係の現状
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:ASEAN共同体(2015年12月)について調べておくこと
授業実施特記
第8回 内容
日・中・韓の経済・政治・社会・国際関係の現状
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:日・中・韓の外交関係について考察しておくこと
授業実施特記
第9回 内容
環太平洋経済連携協定(TPP)再考
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:あらかじめ配布したレジュメを熟読しておくこと
授業実施特記
第10回 内容
東アジア地域包括的経済連携協定(RCEP)に関する諸問題
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:RCEPについて調べておくこと
授業実施特記
第11回 内容
世界貿易機構と自由貿易協定・経済連携協定
<補論> グローバル化について考える
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:あらかじめ配布したレジュメを熟読しておくこと
授業実施特記
第12回 内容
世界システムと地域経済統合問題(討論会)
テーマ:EUとTPPおよびRCEPの比較的考察
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:討論会用の発言メモの作成
授業実施特記 統一テーマに関する討論会
第13回 内容
世界システムと地域経済統合問題(討論会)
テーマ:TPPおよびRCEPの考察
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:討論会用の発言メモの作成
復習:二回にわたる討論会の成果を各自確認し、他に学ぶこと
授業実施特記 統一テーマに関する討論会
第14回 内容
地域経済統合の彼方:世界政府樹立への途か、地域連合構想か?
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:地域経済統合の彼方について熟考しておくこと
復習:世界政府樹立への途か、地域連合構想かという対照的な見解を比較検討すること
授業実施特記
第15回 内容
主要論点の検討
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:配布されたレジュメを一覧して、授業に臨むこと
復習:終期授業の中で特に重要と思われるテーマについて熟考すること
授業実施特記