最終更新日:2017/03/19
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)春期 開講時限 木2
開講学部・学科等 法・政経・理工・文・経営
科目コード 120100300 科目ナンバー
授業名 政治学A
英文授業名 Political Science A
担当教員 大木 啓介

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業 法学・経済学・社会学
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業 近代日本政治史・現代日本政治史・日本政治思想史・政治体制論・西洋政治思想史
教職課程科目 教科に関する科目
テーマ・キーワード 政治・国民国家・集権化・民主化

授業の概要・ねらい  政治学の基礎概念を現代政治の実態とからめて講述する。「政治の世界」の輪郭を、支配者と行政幹部と被支配者との三つどもえの権力闘争という観点から描出する一方、国際関係にも射程を広げ、国際政治と国内政治との関係をも吟味していく。必ずしも政治の全体像を提示する意図はないが、現代政治を的確に見る「眼」を受講者なりに身につけられるようヒントを提示していく。「政治学B」も履修することが望ましい。
到達目標 ①政治現象を原理的かつ概念的に把握できる基礎概念を修得すること。
②これに基づき近代国民国家の形成史を今日の行政国家化現象に至るまで民主化と集権化との交錯という視点から説明できること。
教科書と準備するもの 教科書は使用しない。その代わり、原則として毎回、プリントを配付する。
参考書 坂本多加雄『市場と国家』坂本多加雄選集Ⅱ(藤原書店)
慶野義雄『国民の政治学』(嵯峨野書院)
H・J・ウィーアルダ『入門 比較政治学』(東信堂)
慶野義雄ほか『国家・憲法・政治』(嵯峨野書院)
M.ウェーバー『職業としての政治』(岩波文庫)
その他、授業の進度に応じて提示していく。
評価の基準 政治現象を把握する基礎概念を修得すること、これに基づき近代国民国家の形成史を、国際的・世界史的脈絡のなかに位置づけながら、今日の行政国家化現象に至るまで民主化と集権化との交錯という視点から説明できること、主として、この2点に関する筆記試験(授業内中間試験・学期末試験)に基づいて成績評価をおこなう。
具体的評価方法 評価基準に基づく筆記試験(授業内中間試験30%・期末試験70%)
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
アンケートの要請を踏まえ、難解な用語も可能な限り易しく解説するよう心がける。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
授業ガイダンス
 授業方針と授業内容について解説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)本シラバスに目を通しておく。
(復習)授業で概説した「政治」の輪郭についてまとめておく。
授業実施特記
第2回 内容
政治と政治学
 政治の実態と政治学との関係について概説する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)「政治」「政策」「政体」の辞書的定義を確認しておく。
(復習)政治における闘争と統合について配布プリントを参考にまとめる。
授業実施特記
第3回 内容
基礎視角(1) 政治権力
 権力概念を取り上げて、「国家」現象としての政治を観望する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)「権力」に関するイメージを自分なりに文字化しておく。
(復習)権力の実体説と関係説、ゼロサム概念と非ゼロサム概念を確認する。
授業実施特記
第4回 内容
基礎視角(2) 通時視点と共時視点
 政治の世界を捉える座標軸を提示する。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)高校「世界史」教科書の近代国家成立に関わる箇所を読んでおく。
(復習)近代国家の成立と政治暴力との関連についてまとめる。
授業実施特記
第5回 内容
基礎視角(3) 暴力と国家(a)
 政治暴力の意味と支配-被支配の関係を考える。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)高校「世界史」教科書の近代国家成立に関わる箇所を読んでおく。
(復習)ウェーバーの「物理的暴力行使の独占」の意味をまとめる。
授業実施特記
第6回 内容
基礎視角(4) 暴力と国家(b)
 支配-被支配の関係における実効性、合法性、正当性を考える。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)ウェーバー『職業としての政治』指定箇所を熟読玩味しておく。
(復習)政治暴力の類型、合法性と正当性の概念についてまとめる。
授業実施特記
第7回 内容
基礎視角(5) 私的利害と公的権威(a)
 政治的統一体の成立要件とは何か。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)ウェーバー『職業としての政治』指定箇所を熟読玩味しておく。
(復習)基礎概念としての「利害関心」と「集団」の意味を確認する。
授業実施特記
第8回 内容
基礎視角(6)私的利害と公的権威(b)
 政治的統一体の存続要件とは何か。
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)ウェーバー『職業としての政治』指定箇所を熟読玩味しておく。
(復習)政治共同体の構造転換を整理・確認する。
授業実施特記
第9回 内容
基礎視角(7)史的展開への適用(序)-国際的・世界史的脈絡への視点の導入
 国際関係(国家間システム)の形成のなかに国民国家形成過程を位置づける。
 
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)領土的境界の画定が「内と外との分離」を生み、国際関係を形作るゆえんを考える。
(復習)総ての国ぐにの全地球的な政治舞台への編入過程を整理・確認する。
授業実施特記
第10回 内容
基礎視角(8) 史的展開への適用(a)
 近代国民国家の形成史(「集権化」を中心にして)
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)「自由放任」「私的自治」「夜警国家」「社会権」「自由権」の辞書的定義を確認しておく。
(復習)支配の固定化、合理化、機能化の流れをまとめる。
授業実施特記
第11回 内容
基礎視角(9) 史的展開への適用(b)
 近代国民国家の形成史(「民主化」を中心にして)
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)法学入門講義レベルの「基本的人権」の基礎的事項を整理しておく。
(復習)公民資格(シティズンシップ)の全成人への拡大過程を整理する。
授業実施特記
第12回 内容
基礎視角(10) 史的展開への適用(c)
 集権化と民主化との相互作用としての政治動態
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)前2回の配布プリントを熟読しておく。
(復習)集団利害と統治権威との長期的バランス化をまとめる。
授業実施特記
第13回 内容
基礎視角(11) シティズンシップと政治統合
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)前回配布プリントの指定箇所を熟読玩味しておく。
(復習)シティズンシップの拡大と国民社会の漸次的統合との関連を確認する。
授業実施特記
第14回 内容
基礎視角(12)行政国家化現象とその問題 
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)夜警国家から福祉国家への変貌をまとめておく。
(復習)「再分配」としての政治を国家機能の変貌(国家肥大)と絡めて確認する。
授業実施特記
第15回 内容
基礎視角(13) グローバル化(?)と反グローバリズムの中の国際政治と国内政治との相互浸透
授業時間外における学修(予習・復習等) (予習)「ボーダーレス化」「グローバル化」の意味を考えてくる。
(復習)授業時に実施した確認問題を中心にして期末試験対策を練る。
授業実施特記