最終更新日:2017/01/31
Syllabus東洋史B
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)秋期 開講時限 火2,火3,金4
開講学部・学科等 法・政経・理工・文・経営
科目コード 110102000 科目ナンバー
授業名 東洋史B
英文授業名 Asian History B
担当教員 山元 貴尚

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業
教職課程科目
テーマ・キーワード 現代東アジア世界 中華世界システム 東アジアの近代化

授業の概要・ねらい 《授業の概要》
 現在、中国は全世界にも影響力を及ぼす経済大国に成長した。その反面、国内では民族・経済格差が表面化し、対外的には周辺国との間で摩擦が生じている。東洋史Bでは、中国を中心として、現代に至るまでの諸相や現代における諸問題の原因について理解を深め、ユーラシア東部地域の将来像を考える。
《授業のねらい》
東洋史を通じて現代中国および世界への影響や問題点を理解する。
東アジア世界とヨーロッパ世界との政治・思想・民族面での相異についての理解を深める。
現代東アジア世界に対して客観的かつ多角的な視点を養う。


到達目標 ・東洋史を通じて現代のユーラシア東部地域の諸問題を読み解くことができる。
・中国諸王朝と周辺王朝との興亡から多民族国家中国への理解を深める。
・現代中国における諸問題の原因を理解し、それに対する客観的かつ多角的な意見を持つ。
教科書と準備するもの 特に指定しない。

必要に応じてプリントを配布する。
参考書 特に指定しないが、簡易な参考書として以下を挙げる。
石田憲司・鈴木正弘共著『概観中国の政治と文化』世音社刊(2002年4月発行)

その他参考となる書籍は授業内で随時紹介する。
評価の基準 ・東洋史を通じて現代におけるユーラシア東部地域の情況を理解する。
・現代ユーラシア東部地域の諸問題の原因について理解する。
・ユーラシア東部地域の将来像について自己の意見を客観的かつ多角的に文章で表現する。
具体的評価方法 評点対象者は実施講義回数の2/3以上の出席とする。
《評価方法》
毎回の講義後に行う理解度を確認するリアクションペーパーの評点(50%前後)および論述式の春期試験を実施(50%前後)し、総合的に判断して評価を算出する。
なお、試験は秋期講義の最終時(15回目)に行う。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
世界史や中国史の知識を持たなくとも理解を深められるよう、できる限りわかりやすく説明する。
アンケート結果を受けて、受講者の意見や要望を講義に反映させる。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
ガイダンス-東アジア世界の興亡-
東アジア世界の確立とヨーロッパ世界との相異点を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
東アジア世界における冊封体制と中世から近世におけるヨーロッパ世界の情勢について調べておく。
授業実施特記
第2回 内容
文の力で統治する-五代十国時代~北宋王朝前半期-
唐王朝滅亡後に再び混乱するの五代十国の状況と、960年に趙匡胤が建国した北宋王朝の統治体制について理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
唐代末期から五代十国、北宋王朝時期の武人政治と文人の動向について調べておく。
《復習》
唐王朝時期の軍事制度や税制について確認しておく。
授業実施特記
第3回 内容
中国都市の発達と派閥の形成-北宋王朝後半期-
新たに中国の都となった開封や地方都市や経済の発展と、11~12世紀頃の宋王朝における派閥政治について理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
宋王朝時期の都市とその空間を示した清明上河図とよばれる絵巻物について調べてみる。
《復習》
宋王朝の科挙制度確立に基づく文人政治の利点と問題点をまとめておく。
授業実施特記
第4回 内容
北方民族の脅威 -遼王朝・金王朝-
916年の建国以降、中国王朝に進入した契丹族・女真族について学習し、北方遊牧民族による農耕文化圏の統治方法について理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
契丹族やツングース系民族について調べておく。
《復習》
宋王朝の政治体制と王安石の新法についてまとめておく。
授業実施特記
第5回 内容
戦争か、和平か-南宋王朝-
北方遊牧民族の進出によって1127年に南遷した南宋王朝に関して政治的側面から理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
靖康の変に関して調べておく。
岳飛と秦檜に関して調べておく。
《復習》
北方遊牧民族の農耕民族統治についての問題点をまとめておく。
授業実施特記
第6回 内容
ユーラシアの支配-モンゴル帝国・元王朝-
1206年にクリルタイで即位したチンギス=ハンによるユーラシア大帝国の統治体制およびフビライ=ハンによる東アジア世界の統治体制を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
ユーラシア東部の地理的情況やモンゴル人が支配下に治めた地域を確認しておく。
《復習》
宋王朝と北方民族との間で結ばれた和議についてまとめておく。
授業実施特記
第7回 内容
陸地の支配と海洋の支配-明王朝前半期-
1368年にモンゴル人より再び中国を取り戻した明王朝について学習し、鄭和の大航海による海洋進出と海禁=朝貢システムについて理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
鄭和による海洋遠征で到達した地域について確認しておく。
《復習》
モンゴルのウルス体制についてまとめておく。
授業実施特記
第8回 内容
南北からの侵入者-明王朝後半期-
北方民族と倭冦の侵攻で「北虜南倭」といわれた15~16世紀頃の明王朝について学習し、明王朝の衰退原因を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
明王朝と対立した北方民族と海域から侵入した倭寇について調べておく。
《復習》
海禁=朝貢システムの形成と海域アジア世界と内陸アジア世界についてまとめておく。
授業実施特記
第9回 内容
北方系民族の支配ふたたび-清王朝前半期-
16世紀後半、中国東北部に居住する女真族の中国進出と清王朝の成立について学習し、最盛期を現出した康煕・雍正・乾隆までの時代を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
ツングース系女真族の居住地や風習について調べておく。
《復習》
中華世界の形成や統治方法をまとめておく。
授業実施特記
第10回 内容
停滞する東アジア世界とヨーロッパ各国の進出-清王朝後半期-
19世紀頃の近代化したヨーロッパ列強国による東アジア世界への進出について学習し、東アジア地域の半植民地化への過程を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
産業革命とヨーロッパ列強の世界進出について調べておく。
《復習》
最盛期までの清王朝についてまとめておく。
授業実施特記
第11回 内容
近代への道と辛亥革命-中華民国-
ヨーロッパ列強国に進出された清王朝の対応と、近代化を目指した辛亥革命の展開について学習し、建国した中華民国がおかれていた時期の世界情勢を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
孫文の動向と中国各地に形成された軍閥について調べておく。
《復習》
清朝末期のヨーロッパ勢力の進出についてまとめておく。
授業実施特記
第12回 内容
第一次世界大戦と日本の中国大陸進出-中華民国と国民党-
1910年代の世界情勢と第一次世界大戦時期の日本の中国進出への中華民国の対応について学習し、共産主義思想の流入と共産党の成立を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
第一次世界大戦時期の東アジア状勢を調べておく。
1900年前後に世界的な拡散をした社会主義や共産主義について調べておく。
《復習》
辛亥革命と袁世凱政権の状況をまとめておく。
授業実施特記
第13回 内容
第二次世界大戦と中国・日本-国民党と共産党-
第二次世界大戦時期における日中関係を学習し、国民党と共産党の動向を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
蒋介石と毛沢東の動向を調べておく。
《復習》
第一次世界大戦の結果と中国における共産主義思想の流入についてまとめておく。
授業実施特記
第14回 内容
社会主義国家の樹立-中華人民共和国-
国共内戦から今日におよぶ共産党による社会主義国としての中華人民共和国の諸状況について理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
今日の東アジアにおける諸問題について調べておく。
《復習》
中華人民共和国成立以降の状況をまとめておく。
授業実施特記
第15回 内容
東洋史から現代の東アジア世界の諸問題を読み解く-これからの東アジア世界-
これまでの東洋史講義をふまえて、東アジア世界の将来像を考え、試験を実施する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《復習》
これまで行った講義のまとめをしておく。
授業実施特記