最終更新日:2017/01/31
Syllabus東洋史A
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)春期 開講時限 火2,火3,金4
開講学部・学科等 法・政経・理工・文・経営
科目コード 110101900 科目ナンバー
授業名 東洋史A
英文授業名 Asian History A
担当教員 山元 貴尚

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業 東洋史B
教職課程科目
テーマ・キーワード ユーラシア東部地域 東アジア世界 中国文明 華夷思想 儒教思想

授業の概要・ねらい 《授業の概要》
 中国文明は、滅亡することなく継承された唯一の文明圏であり、その歴史・思想・文化は現代のユーラシア東部地域に共通する基盤ととして受け継がれている。しかし、近年では政治的事情によって、各国が主観的観点での主張を繰り返し、相互に理解を深める機会が失われつつある。東洋史Aでは、日本を含むユーラシア東部地域の歴史について、各時代の世界的情況と比較してより広く多角的な観点から客観的に理解する。
《授業のねらい》
客観的かつ多角的観点からユーラシア東部地域の底流にある歴史・思想・文化についての理解を深める。
到達目標 ・東アジア世界の形成過程から歴史・思想・文化の基礎を学ぶ。
・東洋史の学習を通して客観的かつ多角的な視野を養い、ユーラシア東部地域の歴史・思想・文化に対する理解を深める。
・自己が主張する意見と客観的な観点とを文章で表現する力を身につける。
教科書と準備するもの 特に指定しない。

必要に応じてプリントを配布する。
参考書 特に指定はしないが、簡易な参考書として以下を挙げる。
石田憲司・鈴木正弘共著『概観中国の政治と文化』世音社刊(2002年4月発行)

その他参考となる書籍は授業内で随時紹介する。
評価の基準 ・ユーラシア東部地域各時代の歴史・思想・文化を理解する。
・ユーラシア東部地域の歴史・思想・文化に関連する諸問題について、自己の意見を文章で表現できる。
具体的評価方法 評点対象者は実施講義回数の2/3以上の出席とする。
《評価方法》
毎回の講義後に行う理解度を確認するリアクションペーパーの評点(50%前後)および論述式の春期試験を実施(50%前後)し、総合的に判断して評価を算出する。
なお、試験は春期講義の最終時(15回目)に行う。
授業評価アンケート
フィードバック・
受講生へメッセージ
世界史や中国史の知識を持たなくとも理解を深められるよう、できる限りわかりやすく説明する。
アンケート結果を受けて、受講者の意見や要望を講義に反映させる。
単位互換
特記

授業計画
第1回 内容
ガイダンス-東洋史の範囲-
中国の地理的状況や中国人の起源について学習し、多元的に発生した中国文化を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
東アジア世界の地形や地名について調べておく。
人類の起源についても確認しておく。
授業実施特記
第2回 内容
中国文明の発祥-新石器時代から夏王朝-
紀元前3000年前後における中国新石器時代の諸文化と幻の王朝といわれる夏王朝について学習し、文献史料にみえる伝説や近年の考古学的発見から中国文明を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
新石器時代の土器の形状や青銅器の形状を調べておく。
中国文明のはじまりに関係する伝説を確認しておく。
《復習》
人類のアフリカ単一起源説と多元発祥説との立場をまとめておく。
授業実施特記
第3回 内容
中国初期王朝の形成-殷王朝-
中国最古の文字史料である甲骨文字の発見から明らかとなった殷王朝について学習し、メソポタミア文明・エジプト文明・インド文明と対比して理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
甲骨文字の字形を調べ、メソポタミア文明・エジプト文明・インド文明で使用されていた文字を確認しておく。
各文明の都市とその形状をみておくとよい。
《復習》
幻の王朝といわれる夏王朝の存在について、肯定派と否定派の意見をまとめておく。
授業実施特記
第4回 内容
中国最初の「革命」-周王朝〜春秋時代-
紀元前1100年頃に成立した中国の理想国家の象徴である周王朝について学習し、その政治体制や統治理念を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
殷・周・春秋時期に形成された故事成語を調べておく。
《復習》
殷王朝の歴史・伝説・考古学的発掘についてまとめておく。
授業実施特記
第5回 内容
古代帝国形成への道-戦国時代〜秦王朝-
諸子百家が乱立した戦国時代と、法家を採用した秦王朝について学習し、紀元前221年に中国最初の統一を成し遂げた秦王朝の統治事業を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
諸子百家それぞれの思想を調べておく。
秦の始皇帝の業績について調べておく。
《復習》
中国諸王朝が理想とした周王朝の政治体制や統治理念とその崩壊過程をまとめておく。
授業実施特記
第6回 内容
古代帝国の成立-前漢王朝前半期-
秦末の混乱を経て紀元前206年に劉邦が建てた、近代以前の中国王朝の基礎を築いた漢王朝の前半期について学習し、同時期に地中海世界を築いたローマ帝国の体制と比較して理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
項羽と劉邦の人物像について調べておく。
比較対象となる古代ローマ帝国の諸制度や政治体制を確認しておく。
《復習》
中国最初の皇帝となった始皇帝の業績をまとめておく。
授業実施特記
第7回 内容
古代帝国の確立と衰退-前漢王朝後半期-
紀元前141年に即位した、漢王朝の国家体制を確立した武帝の政治と周辺王朝の関係について学習し、武帝以後の漢王朝が外戚政治によって衰退と儒教が浸透する過程を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
漢の武帝が行った政治について確認する。
「外戚政治」、「臨朝称制」とはどのようなものであるか調べておく。
《復習》
中国古代帝国の統治についてまとめておく。
授業実施特記
第8回 内容
王莽の打倒と漢王朝の復活-新王朝〜後漢王朝-
紀元後9年に簒奪によって帝位についた王莽の王朝交代劇と、漢王室の一族である劉秀が紀元後25年に再興させた後漢王朝の政治について学習し、「儒教国家」の確立を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
王莽の政治と儒教ととの関係を調べておく。
「宦官」とはどのような立場であったか確認しておく。
《復習》
武帝以後の外戚による政治と儒教との関わりについてまとめておく。
授業実施特記
第9回 内容
曹魏・孫呉・蜀漢政権の興亡と晋の再統一-三国時代-
184年に発生した黄巾の乱にはじまる群雄割拠の時代と、曹操・劉備・孫権が基盤を形成した三国時代について学習し、曹魏・孫呉・蜀漢の諸政権の統治体制を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
魏・呉・蜀それぞれに関連する人物を調べておく。
《復習》
前漢時代と後漢時代の違いについてまとめておく。
授業実施特記
第10回 内容
貴族制社会の形成と展開-晋王朝~南朝-
曹魏・孫呉・蜀漢を制して280年に司馬炎が建てた晋王朝と、北方遊牧民に追われて南に遷都した中国王朝(東晋・劉宋・南斉・梁・陳)について学習し、貴族の形成と貴族を中心とする政治体制や社会・文化を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
中国の貴族制と貴族が行う政治体制や社会・文化について調べておく。
《復習》
魏・呉・蜀それぞれの政権構造と滅亡理由についてまとめておく。
授業実施特記
第11回 内容
北方遊牧民の中国進出-五胡十六国時代〜北朝-
中国に進入した北アジア地域に居住する遊牧民の五胡(匈奴・鮮卑・羯・氐・羌)の興亡や、439年に鮮卑族の北魏が太武帝のもとで華北を統一したことよりはじまる北朝について学習し、南朝と対比しつつ騎馬遊牧民による中国統治と北朝貴族の形成を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
農耕民と遊牧民の生活の違いを確認しておく。
《復習》
南朝時期の貴族文化をまとめておく。
授業実施特記
第12回 内容
南北王朝の統一と大土木事業-隋王朝-
後漢末期の大混乱より南北に分裂していた東アジア世界を589年に統一した隋王朝について学習し、中国史上最大の暴君とされる二代皇帝煬帝(ようだい)が行った大土木事業の意義を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
隋が行った大土木事業について調べておく。
《復習》
南朝・北朝それぞれの貴族制について相異点をまとめておく。
授業実施特記
第13回 内容
世界帝国への道-唐王朝前半期-
618年に隋王朝末期の群雄割拠を制した李淵が建てた、ユーラシア全域でも有数の繁栄を誇る唐王朝について学習し、東アジア世界の中心都市である長安と周辺王朝との関係を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
東アジア世界各地にみえる唐王朝の影響について調べておく。
冊封体制とはどのようなものか確認しておく。
《復習》
隋の統治政策と対外積極政策についてまとめておく。
授業実施特記
第14回 内容
唐王朝と東アジア世界-唐王朝後半期-
世界帝国である唐王朝の政治について学習し、684年に中国史上唯一皇帝となった武則天(則天武后)と、その後混乱する唐王朝の政治を理解する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《予習》
武則天(則天武后)や玄宗皇帝・楊貴妃について調べておく。
安史の乱以後の混乱する唐王朝や両税法について調べておく。
《復習》
東アジア世界の統治概念についてまとめておく。
授業実施特記
第15回 内容
多角的かつ客観的な視点から概観する東アジア世界-東洋史から世界史へ-
世界史的な観点から、ユーラシア東部地域の歴史・思想・文化について総括し、試験を行う。
授業時間外における学修(予習・復習等) 《復習》
これまで行った講義のまとめをしておく。
授業実施特記