授業の概要・ねらい |
日本語や日本人のものの考え方にも取り入れられてきた『論語』や『孟子』など中国の古典は、長い歴史の中で一貫して同じように解釈されてきたわけではない。朱子学の大成者、朱熹以前の解釈を「古注」、朱熹の解釈を「新注」と言うように、朱熹によって中国古典の解釈も一新された。江戸時代以降の日本に大きな影響を与えたのも朱熹の解釈「新注」である。本講義では、中国の古典に対して、朱熹以前の主要な解釈の要点と朱熹の解釈の特徴を対比的に把握し、当時の人々がどのようなことに関心を抱き、どのように古典と向き合っていたかを考える。 |
到達目標 |
(1)原典(漢文)を精密に読解する力と、原典を自分の言葉で分かりやすく解説する力を養う。
(2)原典で引用している資料を正確に調べ、解釈の参考となる書籍をすぐに探せる力を養う。
(2)中国の古典が日本語や日本人のものの考え方に与えた影響を知り、豊かな教養を培う。
(3)当時の人々の問題関心を探求することにより、現代および自分の問題意識も考える。
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教科書と準備するもの |
事前に資料を配付する。 |
参考書 |
『四書章句集注』(中華書局、1983年)、『朱子語類』(中華書局、1994年)、土田健次郎『論語集注』1~4(平凡社、2013~2015年)、垣内景子『朱子学入門』(ミネルヴァ書房、2015年)、『『朱子語類』訳注』(汲古書院、2007年~、続刊)、『朱子絶句全譯注』1~5(汲古書院、1991年~、続刊)。その他、教場にて随時紹介する。 |
評価の基準 |
授業への取り組み(毎回の予習・発表)とレポートによって評価する。 |
具体的評価方法 |
毎回の予習・資料調査・発表60%、レポート40% |