最終更新日:2017/02/07
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)春期 開講時限 月6
開講学部・学科等 大学院
科目コード 062005400 科目ナンバー
授業名 商標法講義
英文授業名 Trademark Law
担当教員 鷹取 政信

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業 不正競争防止法講義
教職課程科目
テーマ・キーワード 商標法の目的、商標の機能、商品流通秩序維持、商標の使用、登録主義、使用主義

授業の概要・ねらい  現代産業経済は、商品やサービスの交換により財貨が移転する仕組みの中に組み込まれ、特に、目で認識できない無体財産の情報自体も、重要な経済的価値を持ち、社会的な基盤を形成しつつある。今、正に、多様な同種の商品やサービスが競争相手の同業他社から供給され、複雑な流通経路や高度な媒体を介して提供される商品やサービスが溢れている。
 我々、消費者は、それらの商品やサービスの提供を受けなければ生活できない中に置かれ、それらを所望するための適切な選択が必要である。商標法は、事業者が自己の商品・役務を他者のそれらと区別するための識別標識である商標を使用する者の業務上の信用の維持を通じて産業発達に寄与し、あわせて需要者の利益も保護しようとする法である。
 本講義では商標法の基礎的な理論的な体系的知識、商標の対象、商標の要件、商標権の保護等の実質法的な基礎部分を講義する。

到達目標 1商標権取得段階において、審査官への対応が的確にできる基礎知識を発揮できる。
2商標権活用段階において、企業経営に商標を的確に応用できる基礎知識を示せる。
3商標権行使段階において、商標権侵害に対処できるリスク管理ができる能力を活用できる。
4商標権を中核とした企業イメージ戦略を展開する知財ミックス活用能力を示せる。



 我が国の商標法の理論的且つ基礎的法体系を学び、実務と法応用能力を養うことを狙いとする。
教科書と準備するもの 教科書:
茶園茂樹編「商標法」有斐閣 2012年

参考書 参考書:
小野昌延・三山俊司著「新商標法概説」青林書房  2009年
特許庁 工業所有権法逐条解説19版 発明協会 2015年(電子版)
中山信弘ほか3名編「商標・意匠・不正競争判例百選」有斐閣 2007年 

平尾正樹著 「商標法改訂版」学陽書房 2006年
小関宏著  「商標法概論」法学書院 2009年
渡邊知子・龍村全著 「知的財産権とデザインの教科書」日経BP社 2009年
経済産業省・特許庁企画「産業財産権標準テキスト商標編」社団法人発明協会 2009年
評価の基準 1商標権取得段階において、審査官への対応が的確にできる基礎知識を習得したか否か
2商標権活用段階において、企業経営に商標を的確に応用できる基礎知識を習得したか否か
3商標権行使段階において、商標権侵害に対処できるリスク管理ができる能力を獲得したか否か
4商標権を中核とした企業イメージ戦略を展開する知財ミックス活用能力を獲得したか否か
具体的評価方法 定期試験 (60%)
授業貢献度(40%)
小テスト、レポート有り
定期試験: 論文形式の試験を実施する。
授業貢献度:授業参加の熱意、発言や態度を評価する。
      予習復習も考慮する。
小テスト: 選択式テストを実施し回答率を評価する。
レポート: 課題に対する報告内容を評価化する。
関連リンク 商標法,知財判例検索
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特記

授業計画
第1回 内容
商標法の歴史
 世界の商標の保護の始まりから現代までの沿革を概略説明し、現代商標制度の意義を説明する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:網野誠著「商標」又は小野昌延著「商標法概説第2版」を通読しておくこと。

復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記  網野誠著「商標」5頁~20頁、小野昌延著「商標法概説第2版」52頁~64頁
第2回 内容
商標制度の仕組
 商標とその機能、自他識別機能、出所表示機能、品質保証機能、宣伝広告的機能、財産的機能等の経済的機能についてそのメカニズムを講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習: 教科書の該当する箇所を熟読すること。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記  教科書:4頁から6頁
第3回 内容
商標保護の考え方と基調となる主義・原則について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書の該当する箇所を熟読すること。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記  光石士郎著 「新訂商標法詳説」10頁~18頁
第4回 内容
使用主義と登録主義、審査主義(登録要件)について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:網野誠著「商標」、又は小野昌延著「商標法概説第2版」の該当箇所を通読しておくこと。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 網野誠著「商標」66頁~82頁、小野昌延著「商標法概説第2版」88頁~93頁
第5回 内容
我が国商標制度の概略
 類似概念について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書の該当する箇所を熟読すること。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:18頁~27頁,75頁~88頁
第6回 内容
主体的な登録要件
 権利能力者、商標使用する意思を有する者、商標登録出願により生じた権利について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書の該当する箇所を熟読すること。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:36頁~38頁,129頁~130頁
第7回 内容
客体的な登録要件
 識別力について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書の該当する箇所を熟読すること。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:39頁~49頁,
第8回 内容
客体的な登録要件
 不登録事由(公益的事由)について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書の該当する箇所を熟読すること。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:51頁~52頁,
第9回 内容
客体的な登録要件
 不登録事由(私益的事由)について講義する。
 
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書の該当する箇所を熟読すること。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:61頁~73頁,
第10回 内容
特殊な制度の登録要件と効果
 団体商標、地域団体商標、防護標章登録、小売サービス商標について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書の該当する箇所を熟読すること。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:277頁~309頁,
第11回 内容
手続的登録要件
 出願手続き、願書の記載、商品分類と指定、一商標一出願の原則とその例外について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書の該当する箇所を熟読すること。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:91頁~98頁,
第12回 内容
手続的登録要件
 先願主義とその例外となる出願について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書の該当する箇所を熟読すること。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:92頁,107頁~121頁,
第13回 内容
補正
 出願の要旨と要旨変更について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書の該当する箇所を熟読すること。特許庁商標課作成の公表されている「審査基準・審査便覧」を読んでおくこと
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:110~112頁,
第14回 内容
査定とその不服申立 
 審判・再審・審決取消訴訟
 判定・登録異議申立その他
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書の該当する箇所を熟読すること。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:133頁~181頁,
第15回 内容
商標権の内容
 効力(積極的効力・消極的効力・財産的効力)、商標権侵害について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:教科書の該当する箇所を熟読すること。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておくこと。
授業実施特記 教科書:205頁~248頁