最終更新日:2017/02/07
Syllabus
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概要
対象年度 年度 2017 (週1コマ)秋期 開講時限 土5
開講学部・学科等 大学院
科目コード 062005300 科目ナンバー
授業名 意匠法講義
英文授業名 Design Law
担当教員 鷹取 政信

授業形態 講義
e-learning利用 その他:
担当形態 単独
関連する授業
当科目履修前に履修して
おくことが望ましい科目
後続関連授業
教職課程科目
テーマ・キーワード  意匠法の目的、意匠、物品、全体意匠、部分意匠、類似、関連意匠、秘密意匠、
 組物の意匠、

授業の概要・ねらい 意匠はプロダクツデザイン、インダストリアルデザイン、工業デザイン等と呼ばれ、私たちの生活空間には色々なデザインが溢れ豊かな文化生活を支えている。企業にとって、技術を利用して物の機能で競うよりも、出来上がった物の外観の美的なデザインで競う方が利益をもたらす源泉である。デザインの良し悪しは製品デザインで勝負する企業の盛衰を制する。企業が意匠を活用して市場から利益を上げるためには、競業他社の参入障壁を築き、自ら独占的に実施できる地位を築くことである。この戦略を法的に支援し保証する法が意匠法である。
本講座では、意匠法の法律体系を理解するために必要な基礎的な法律知識を学ぶ。
意匠出願に必要な実務的対応事項や判例解釈については意匠法特論Ⅰ、Ⅱに譲り除外した。
講義はテーマ毎に実施する。各回のテーマについて事前に支持された教科書や参考書による予習を求め、読んでおくことを求める。各回毎に理解を確認するため質問や双方向方式のやり取りを心がける。予告なくⅠ時限の授業で、少なくとも一回程度、学生を指名して質問することとする。

到達目標 1意匠権取得段階において、審査官への対応が的確にできる基礎知識を発揮できる
2意匠権活用段階において意匠を企業経営に的確に応用できるか基礎知識を活用できる
3意匠権行使段階において、意匠権侵害に的確に対応できるか基礎知識を活用できる。
4意匠権を核とした知財ミックス戦略等の応用能力を示せる。
我が国の意匠法の理論的且基礎的法体系を学び、実務と法応用能力を養うことを狙いとする。
教科書と準備するもの 教科書
茶園茂樹編 「意匠法」有斐閣 2012年

参考書 参考書
特許庁「工業所有権法逐条解説19版」 発明協会 2015年(電子版) 
特許庁意匠課「意匠審査基準・審査便覧」
中山信弘ほか3名編「商標・意匠・不正競争判例百選」 有斐閣 2007年 
渡邊知子・龍村全著 「知的財産権とデザインの教科書」日経BP社 2009年
寒河江孝允ほか2名編著 「意匠法コンメンタール」レクシスネクシス・ジャパン株式会社 
2007年
松尾和子・満田重昭編 「注解意匠法」青林書房 2010年 
斉藤瞭二著 「意匠法」 発明協会 1985年 
高田忠著  「意匠 工業省有権実務双書」有斐閣 1980年 
荒木好文著 「図解意匠法」 発明協会 2003年 
光石士郎著 「新訂意匠法詳説」帝国地方行政学会 昭和46年 
評価の基準 1意匠権取得段階において、審査官への対応が的確にできる基礎知識を習得したか否か
2意匠権活用段階において意匠を企業経営に的確に応用できるか基礎知識を習得したか否か
3意匠権行使段階において、意匠権侵害に的確に対応できるか基礎知識を習得したか否か
4意匠権を核とした知財ミックス戦略等の応用能力を獲得したか否か
具体的評価方法 定期試験(60%)
授業貢献度(40%)
小テスト、レポート有り
定期試験: 論文形式の試験を実施する。
授業貢献度:授業参加の熱意、発言や態度を評価する。予習復習も考慮する。
小テスト: 選択式テストを実施し回答率を評価する。
レポート: 課題に対する報告内容を評価する。
     
関連リンク 意匠法,知財判例検索,青本(逐条解説)
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特記

授業計画
第1回 内容
意匠法の歴史

 意匠の保護の沿革について概略を説明し、世界の意匠保護の歴史の中から現代に至った意匠保護の必要性について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:意匠法の沿革は松尾和子・満田重昭編「注解意匠法」や斉藤瞭二著「意匠法」に詳細に記載されているので予習しておくこと。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。 
授業実施特記 松尾和子・満田重昭編「注解意匠法」9頁~40頁、斉藤瞭二著「意匠法」6頁~33頁
第2回 内容
意匠制度の仕組
 意匠とその機能
 意匠が発揮する美感により購買意欲を刺激し需要増大を齎し、意匠にかかる物品の大量生産を促し、もって当該物品の属する産業界の経済活動を活発化させることにより我が国の産業の発達に寄与する経済的な機能を理解することを狙いとして講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:意匠の「保護」と「利用」を目的とし、両者の調和を図りつつ、意匠の創作を奨励し、沢山の意匠の出現を世の中にもたらし、もって産業の発達を図るという意匠制度の仕組みについて検討しておくこと。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記
第3回 内容
意匠保護の考え方
 基調となる主義・原則
 意匠保護の基調となっている創作主義、登録主義、審査主義、無審査主義、権利主義、恩恵主義等の主義・原則について説明し、意匠法の理解を深める基礎を教授する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:斉藤瞭二著「意匠法」「世界におけるデザイン保護の思想」を読解しておくこと。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記  斉藤瞭二著:「意匠法」16頁~23頁 
第4回 内容
主体的な登録要件
 権利能力、工業上利用できる意匠の創作者、意匠登録を受ける権利、承継人、職務創作の内容について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習: 保護主体について教科書を通読しておくこと。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:6頁、35頁~55頁
第5回 内容
客体的な登録要件
 工業上利用できる意匠・新規性及びその例外、意匠の創作性の意義・趣旨・要件・効果について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:客体的な登録要件について教科書の該当する箇所を通読しておくこと。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:58頁~81頁
第6回 内容
客体的な登録要件
 拡大された先願の地位[先願意匠の一部と同一又は類似の後願意匠の保護除外](3条の2)、
 不登録事由(公序良俗違反意匠,他人業務物品と混同可能性ある意匠,物品機能に不可欠な形状のみからなる意匠)の意義・趣旨・要件・効果について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:客体的な登録要件について教科書の該当する箇所を通読しておくこと。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:81頁~96頁
第7回 内容
手続的登録要件
出願手続き、願書と図面、特徴記載
一意匠一出願の原則
について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:手続的登録要件について教科書の該当する箇所を通読しておくこと。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:119頁~126頁
第8回 内容
手続的登録要件
 先願主義とその例外となる出願の意義・趣旨・要件・効果について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:手続的登録要件について教科書の該当する箇所を通読しておくこと。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:89頁~92頁、130頁~138頁
第9回 内容
手続的登録要件
 手続の補正(出願の要旨と要旨変更補正,要旨変更補正の救済)について事例を交えて講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:手続的登録要件の手続き補正と要旨変更ついて教科書の該当する箇所を通読しておくこと。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:130頁~132頁
第10回 内容
部分意匠制度
 部分意匠・画面デザインの意義・趣旨・要件・効果について講義する。

授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:部分意匠制度について教科書の該当する箇所を通読しておくこと。
 特許庁意匠課公表の審査基準・便覧にも目をさうす通しておくこと。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:145頁~150頁
第11回 内容
関連意匠、秘密意匠制度、動的意匠、組物の意匠の意義・趣旨・要件・効果について講義する。


授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:関連意匠、秘密意匠制度、動的意匠、組物の意匠について教科書の該当する箇所を通読しておくこと。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:150頁~162頁
第12回 内容
意匠権
意匠権の効力(専用権・禁止権)、積極的効力と消極的効力、判定について主体・客体、効力について講義する。意匠権の効力内容をなす類似概念と判断方法について言及して説明する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:意匠権の効力と類似概念と判断方法について教科書の該当する箇所を通読しておくこと。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:101頁~116頁、201頁~209頁
第13回 内容
意匠権
効力の制限及び、存続期間、意匠権の消滅原因について講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:意匠権効力の制限について教科書の該当する箇所を通読しておくこと。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:201頁~211頁
第14回 内容
意匠権
意匠の利用と意匠権の抵触、調整方法(裁定制度・法定実施権・契約)について事例などを取り入れて講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:意匠の利用と意匠権の抵触について教科書の該当する箇所を通読しておくこと。
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:46頁~49頁、223頁,233頁~241頁.264頁~272頁、 
第15回 内容
意匠権侵害の成立要件と特則、罰則についても講義する。
授業時間外における学修(予習・復習等) 予習:意匠権侵害について教科書の該当する箇所を通読しておくこと。 
復習:授業で解決できなかった問題点や事柄を整理しまとめておき、次回の授業で解決できるように準備しておくこと。
授業実施特記 教科書:242頁~259頁